お父さんの絵本ガレージ

お父さんの絵本ガレージ 非認知能力を育む絵本 「自己肯定感」編

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今年1年を振り返ってみると、色々な想いが去来します。ウィルスの猛威により、私たちの生活は一変しました。育児も多大な影響を受けていますね。ますます予測不能な未来が待っていると実感する日々ですが、こうした時代の過渡期だからこそ、“生きる力”のある子どもに育ってほしい……。そんな風に考えるお父さんも多いのではないでしょうか。IQや学力テストなどでは測れない、人生を豊かにする“生きる力” とも呼ばれる「非認知能力」を育む絵本シリーズ、今回のテーマは「自己肯定感」です。

自己肯定感とは、ありのままの自分自身に対する満足感のこと。2019年に発表された内閣府の調査「子ども若者白書」によると、満13歳から29歳までの男女を対象としたアンケートで、日本の若者は諸外国(アメリカやイギリス、韓国など)の若者と比べて、自分自身に満足していたり自分に長所があると思っていたりするなど、自身を肯定的に捉えている若者の割合が最も低いことが明らかになりました。この結果は様々なメディアで紹介され話題に。自己肯定感は、幼児期から育むことが大切で、日常における親の関わり方も重要だと指摘されています。

自己肯定感を育む絵本といっても、これを読めばすぐに効果が表れる!というものではありません。自分を認め満足するとはどういうことか。まずは親自身が考えたり、気づいたりできる“きっかけ”となるような絵本を選びました。もちろん、親子で楽しめる内容であることを第一に、どの絵本も子どもにやさしくわかりやすく描かれています。

もうすぐクリスマス。今年のプレゼントに絵本を一冊添えるのはいかがでしょうか。絵本を読むことは、親から子どもへの最高の愛情表現のひとつ。こころもからだも触れ合いながら絵本をいっしょに読んで過ごす時間こそが、子どもの自己肯定感をゆっくりと着実に育むことにつながると、わたしは信じています。お気に入りの絵本と出合えますように。

① 『フンころがさず』

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作:大塚健太 絵:高畠純 出版社:角川書店

対象年齢:4歳くらい~

ぼくはぼくでいいんだ

好きなことを大事にしよう

まずは今年発売されたばかりの新刊から。主人公は、フンをころがすのが大好きなフンころがし!まわりの生き物たちから「へんなやつ」とバカにされ、フンをころがさないことを決意。自由になった気がしたけれど、なぜか毎日つまらない。そこへ友達のきつつきがやってきて、笑いながら言うのです。「きみは フンをころがすから きみなんじゃないか!」。フンころがしくんの鼻歌が、楽しく深い余韻を残します。フンフンフン フンコロフン♫

テンポのよい物語と絵、生き物たちのユニークな表情に、思わず惹き込まれつつ。自己肯定感と好きなことはつながっているという真理が、明るく潔く伝わってくる絵本。親としては、子どもが好きなことを大事にしてあげたいなと、あらためて。ちなみに昆虫好きの4歳のわが子は、初めて知ったフンころがしという生き物に興味津々。タイトルからしてツボのようで「フンころがさず……」と時々つぶやいてはニヤニヤしています。

② 『オレ、カエルやめるや』

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文:デヴ・ペティ 絵:マイク・ボルト 訳:小林賢太郎 出版社:マイクロマガジン社

対象年齢:4歳くらい〜

衝撃のラストシーン!

カエル父子の会話劇を楽しんで

つづいてはなんと、自分という存在自体をやめる!と言い放つ、小さなカエルの物語。「あのさ、おとうさん。オレ、ネコになることにするや」「え?おまえはネコにはなれないよ」「なんで?」「そりゃおまえがカエルだからだよ」。こんな調子で、カエル父子の陽気な会話が繰り広げられます。ネコの他にも、ウサギやブタやフクロウになりたいと言う度に、お父さんがシンプルかつ丁寧に答え続けるのです。全て吹き出しでデザインされた会話劇の、衝撃のラストシーンをお楽しみに。

きっとこんな風にいつも、カエル父子は楽しくおしゃべりしているんだろうな。母親の立場から読んでも、とてもうれしく微笑ましい光景です。子どもの突拍子もない言葉にも、とことん付き合う。こうした日常こそが、子どもの自己肯定感を育むのに大切なのかもしれません。裏表紙では、カエルくんが一言、読者に問いかけます。「キミはなにになる?」。究極の自己否定から広がる会話も面白いですよ。以前oton+toで紹介された記事をぜひご参考に。この絵本にハマった、リアル父子の物語です。(記事下のリンクからどうぞ)

③『しょうぼうじどうしゃ じぷた』

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作:渡辺茂男 絵:山本忠敬 福音館書店

対象年齢:3歳くらい〜

小さな消防車が大活躍!

個性の素晴らしさを描いたロングセラー

とある町の消防署に、はしご車ののっぽくん、高圧車のばんぷくん、救急車のいちもくさんがいました。大きな火事があれば大活躍し、子どもたちにも大人気。古いジープを改良した小さな消防車じぷたもいましたが、いつも馬鹿にされ、誰も気にかけてはくれません。じぷたは自信を失いかけていました……。そんなとき、道の狭い山の中で家事が発生!出動を命じられたのは、なんとじぷたでした。

1966年刊行のロングセラー。子どもの頃にたくさん読んだというお父さんもいらっしゃるでしょう。文章を書いた渡辺茂男さんは「じぷたは、ひ弱で体がとても小さく、いつでも他人に後れをとっていた幼い自分の分身でした」と語られています。乗りもの絵本の第一人者である山本忠敬さんのリアリティある絵にのせて伝わってくるのは、時代や世代を超えた大事なメッセージ。それぞれに個性があり、それぞれに活躍できる場が必ずある。わが子の個性を認め、見守るまなざしを、忘れないでいたいですね。

④『ええところ』

ええところ

作:くすのきしげのり 絵:ふるしょうようこ 出版社:学研

対象年齢:5歳くらい~

ええところを見つけよう

自己肯定感と思いやりを育む物語

小学1年生のあいちゃんがつぶやきます。背は低いし、走るのも遅いし、100点なんて1回もとったことがない……「わたしって、ええところひとつもないなあ」。友達のともちゃんは、あいちゃんのええところをじっくり考えて伝えてくれました。「あいちゃんの手は、クラスでいちばんあったかい!」。ともちゃんが自分のことのように自慢するので、クラスのみんなが集まってきます。でも友達の手を次々に温めていくうちに、あいちゃんの手は冷たくなってしまいました……。

自己肯定感と思いやりの大切さ。あいちゃんが流す、かなしい涙やうれしい涙から、大人もたくさんのことを教わります。揺れ動く子どもの繊細な気持ちを表現したのは、元小学校教諭のくすのきしげのりさん。担任したクラスで、自分や友達のええところを見つけることを実践してきたエピソードを元に、物語を紡いだそうです。絵本を読んだ後におすすめしたいのは、お子さんのええところを見つけて伝えてあげること。きっとすてきな笑顔が見られますよ。

⑤『ぼくだけのこと』

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作:森絵都 絵:スギヤマカナヨ 出版社:偕成社

対象年齢:5歳くらい〜

ぼくは世界にただひとり!

直木賞受賞作家による心に残る絵本

主人公のようたくんが「ぼくだけのこと」を数えていきます。「さんにんきょうだいのなかで、ぼくだけ、みぎのほっぺにえくぼがある。これは、ちょっとうれしいぼくだけのこと」。その他にも、5人家族の中で、ぼくだけいつも蚊に刺されるし、仲良し7人組の中で、ぼくだけ逆立ち歩きができる。全校生徒452人の中で、ぼくだけ運動会の閉会式で貧血を起こして倒れた……。世界にはたくさんの人間がいるのに、ぼくは世界にただひとり。これってすごいこと!

直木賞受賞作家でもある人気の児童文学作家、森絵都さんが、日常にあるささやかな「ぼくだけのこと」を、やさしくユーモラスに綴った一冊。ありのままの自分が、いかに尊い存在であるか。スギヤマカナヨさんのシンプルで明るい絵だからこそ、こころに自然に響いてきます。「ぼくだけのこと」「わたしだけのこと」を、親子いっしょに探してみませんか?何気ない毎日と、いまここにいる自分を、愛おしく思える時間を過ごせますように。

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選書:フリーアナウンサー/絵本専門士 近藤麻智子

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大人向けの絵本セラピー®のワークショップ「絵本のち晴れ」や、絵本の読み語りとヨガをコラボレーションした親子向けイベント「絵本ヨガ」を主宰。2016年に出版した絵本『森のくるるん』(そうえん社)では、コンセプトと文章を担当。企業にてビジネスパーソン向けの絵本ワークショップの講師も務める。現在BS日テレ「コーポレートファイル」に出演中。メディアでの絵本に関する執筆、講演など、活動は多岐に。  男の子2人の母。

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ブックハウスカフェ

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映画「461個のおべんとう」。原作者のTOKYO No.1 SOUL SET 渡辺俊美さんに、親子の実話を聞きました。

「3年間毎日お弁当を作る」「3年間休まず高校に通う」。そんな親子の約束を描いた、映画「461個のおべんとう」が2020年11月6日に公開されるのに先立ち、原作者であるTOKYO No.1 SOUL SET ボーカル&ギター、渡辺俊美さんにインタビュー。26歳になる息子さんとの関わり方や、現在は再婚されたご家庭で、3歳と6歳のお子さんの子育て真っ只中である渡辺さんの考えるオトンのあり方を伺いました。

 

映画「461個のおべんとう」で井ノ原快彦さんが演じた「鈴本一樹」というオトンはすごくフラットという印象でしたが、渡辺さんは、あのままのオトンですか?

あのままですね。僕はそうだと思ってます。

 

どこかの場面で、「いや、俺はこんな感じじゃないな」という違和感に思われたところとかは?

僕に関しては全くないです。

 

あー、そうですか。

逆に僕が井ノ原さんに寄せてますね(笑)。と言いたくなるくらい本当にほとんど一緒。立ち居振る舞いとか周りへの関わり方とか。

 

あははは。では、もうずっとフラットな良い関係が続いている感じですね。

そうなんですよ。なので、最初映画の話をいただいた時、いろいろあったりとか、ちょっと仲が悪い方が面白かったりするから「映画にはなりづらいんじゃないかな」と思ってました。それくらい仲は良いです。

 

息子さんも音楽活動をされているということですが、やはり音楽談義みたいなことをしたりしますか?

しないというわけではないんですが、「こうしろ、ああしろ」っていうのは全く言わないです。お酒を飲むようになってからは「こういう方がいいんじゃないの?」っていうアドバイスに近いこと言う時もたまにありますけど、息子は「俺は俺でやる。」って。

 

オトンの気持ちとしては、ちょっと言いたくなることもありますか?

ありますね。でも、ここ2、3年は一緒にライブをやることもあるので、言葉で伝えるよりも現場で感じてもらおうって思っています。結局は「人だぞ!」っていうこととか。例えばライブのリハーサルの時に100点が出せても、本番では70点しか出せていないというときに、お客さんが100点にも、200点にもしてくれる時はある。コミュニケーションが自分自身も成長させてくれるということを、息子にもステージで体感してもらえればと思ってやっています。

 

人とのコミュニケーションという話は、お弁当を息子さんに作られていたときからされていたんですか?

うーん、どうだろう。しているようでしてないような。というのも息子が「僕は音楽で食っていくから、高校には行かないという話になった時のことがいい例なんですが。私は一度「高校には行った方がいいんじゃないの?」と言ったものの、最終的には「自分で決めな」って伝えたんです。自分が若かった時のことも思い出して、結局親の言うことは「うーん、うん」って聞くくらいで、何をするかの選択は最後は自分でするものだなと思っていたので。

 

そこで、親の言うことは聞かないものというのを理解した?

そうですね。「親の言うことは聞かない」そういうもんだっていうのが、そこで芽生えましたね。

 

ご自身の若いことを思い出して、同じ目線でフラットに接したんですね。そういう関係に憧れたりするけど、なかなかできないお父さんも結構多いみたいです。

あー、そうですよね。

 

特にお子さんが中学生とか高校生くらいの親子だと、反抗期もあったりしてコミュニケーションが少なくなるというのをよく聞きますよね。

聞きますね。

 

そういうのはなかったですか?

なかったんですよね。多分僕と親父の関係性自体がフラットで、仲が良かったっていうのが大きいんじゃないですかね。僕が高校生の時でも親父から「俊美背中掻いて」って言われて掻いてあげたり、キャッチボールとかゴルフもしたりして。

 

そうすると、お父様が見本になっている?

そうですね。結局、親父にどんどん似てきているような気がしますね。僕も親父の言うことを聞かず洋服屋をやったり、音楽をやったりして。当時、親父は理解してくれなかったですけど、「親の言うことは聞かない」って親父も思ってたんだと思います。で、最近親父と僕の関係とか、僕と息子の関係から分かったのが、「親の言うことは聞かないけど、親のすることの真似はする」ってことですね。仕草とか。

 

そういった関係になるためのコミュニケーションの取り方で大事なことってなんでしょう。

あえて構えたコミュニケーションを取らなくてもいいんじゃないかな。でも、1つ思うのは、子どもは「親に似てきたなー」って思った時に若干の反抗をしますよね。「俺はこうなりたくない」って言う。その時にその子どもに対して「反抗期」と捉えるのか、「成長期」と捉えるのかというのはカギになるんじゃないかな。「反抗期」と捉えてしまうと、もうそこでコミュニケーションを諦めちゃうというか。

 

そうですね。反抗期っていう枠に入っちゃいますもんね。

そうなんです。だから「反抗期」ってちょっとマイナスなので「成長したな」って言ってやる。そうすると、自然とコミュニケーションが取れるんじゃないですかね。成長はどんどん膨らみますから。

 

お父さんの捉え方次第ですね。

だと思っています、僕は。だから今、3歳と6歳の子どもを育てる中で「イヤイヤ期」と言われる時期がありますけど、全くそういうワードは無視というか。「あー、成長してんだな」っていう風な考え方をしていて、そうすることで自分としても心地良さを感じます。

 

息子さんとの関係性はずっと良好ということですが、それでも渡辺さんの中で「これは今でも後悔してるな」「やっちまったな」ってことってあったりしますか?

そうですね、1歳から5歳くらいまで、もっといっぱい一緒にいてあげられたら良かったなとは思います。その頃は妻も僕も忙しくしていて、ベビーシッターさんに預けて仕事をしていたので。今のコロナ禍で、普段だったらいない週末も家族と一緒にいることが増えて、3歳・6歳の子どもに対しての些細な喜びとかを感じることも多くなったことで、この時は、この時期しかないんだということを強く感じるようになりました。だから息子が小さい時はもうちょっと一緒にいたかったなと思いますね。

 

小さい頃の時間は一瞬だからこそ、後になって感じてしまう後悔はありますよね。他には何か思うところがあったりしますか?

僕が塾に通わなかったこともあって、息子も行かせなかったんですよね。僕自身、受験のような競争する、みたいなことが好きじゃないのもあったし。結局、自分が育てられたように育ててしまうというか。でも東京と田舎だと環境が全然違う。だから今思えば、息子には塾のような場所に通う経験をさせてもよかったのかな。

 

何か習い事を息子さんはされていなかったんですか?

唯一息子が習いたいっていったのがプロレスだったので、プロレスはやってましたね。でもそこでも後悔があって。僕が小学校1年から大学までやっていた剣道と重ねてしまったんです。結構厳しい時期というか、辛い時期を経験したので、息子にはあまりそういう思いをして欲しくなくて、「辞める」って言われた時に「あ、そうか」って言っちゃったんです。でも、そこで上手く誘導して、ちょっとだけ引っ張ってあげることができたら、何かが広がることもあったかもしれないなって。そしたら今頃プロレスラーになってたかも。もちろん、今も幸せで、会えていて元気なので、総じて良いんですが。

 

6歳のお子さんにも26歳の息子さんの時と同じようにお弁当を作ってらっしゃるんですか?

作ってますよ。でも、実は娘のお弁当は妻が作るのもいいなと僕は思ってたところもあったんです。けど、下の子が生まれて大変だったこともあり、妻には少しでも朝休んでもらいたいなと思って、僕が作っています。

 

夫としての在り方みたいなところは、はじめと今とでは何か変わっていますか?

はじめと今との変化ですか。でも飯は作ってたので、ずっと。掃除もやっていたし、変わってないのかな。それこそ「イクメン」っていうのが出てきた時は、あんまり好きじゃないワードだなって思っていました。子育てを父親がするのは当たり前だと僕は思っていたので。もちろんその言葉がきっかけで、育児に関わることはあると思いますけど、でもやったからと言って偉くはないな、って。これも自分の親父の姿を見て似た部分ってことかな。母が忙しい人だったので。

 

やはりその姿勢は渡辺さんのお父様から続いているんですね。

そうですね。やっぱり親ですよね。親が遊んでたら、その子どもも遊びますよ、と僕は思ってて。だからなるべく子どもの前ではちゃんとしなきゃって。

 

渡辺さんがお父様に似てきたのと同じように、息子さんが渡辺さんに似てきたなって感じた時は嬉しいですか?

嬉しいです。それは超うれしいです。小さな子どもたちの表情も、妻から「今の顔パパそっくり」とか言われるとスッゲー嬉しい。「そうかな?」とか言って(笑)。

 

いいですね、幸せそうです。今、ざっくりと「いいお父さんになりたいけど、どうしようかな」みたいなことを考えるオトンにアドバイスするとしたらどんなことですかね? 

良いお父さんになる必要ないんじゃないですかね。そう考えるから、苦しくなるんじゃないかな。1つ言えることとすると、奥さんと仲良くしていれば全然大丈夫ということです。奥さんと仲良くしているのがいいパパだと思いますね。

 

なるほど。では思春期にさしかかった息子さんがいるオトンに対してだとどうでしょうか。というのも、日本の中学生とか高校生の自己肯定感がものすごくひくいって言うのがありまして。

そうなんですね。どうしてなんでしょう。お互いに興味がなくなる瞬間なのかもしれないですよね。親からすると、それまでずっと子どもを見ていて。でもその時期くらいで「ちょっと手が離れたな」とか、「自分の好きなことできるな」とか思うっていう。

 

興味が離れてしまうのはしかたないことって思われますか?

うーん、僕が思うのは、子どもが興味をもったものに、興味を持ってあげるっていうことですね。例えば僕なんかは、全然TVとか観ない方でしたけど、息子がお笑いとかをずっと録ってくれていたので一緒に見て笑うようになったり。疲れてるんだけど、「まあいいか」って。

 

お子さんが興味を持つものに対して興味をもってみる?

興味を持った方がいいというより、持ってあげるのが普通かなって。それができないのは、もしかしたら自分のことが中心になってしまっているのかもしれないですね。「ゴルフやりてーな」とか「パチンコやりてーな」とか。自分の時間よりも、子どもが興味持つことへの時間を優先してみるのがコミュニケーションが希薄にならないポイントだと思います。

 

今日はありがとうございました。

 ありがとうございました。

 

お話大変共感できました。うちも子どもが3人いますけど、子どものすることにも、子どもたち自身にも興味を持つと自然と子どもたちの方から会話をしてくれたりするんですよね。そういえば、うちは湘南に住んでまして。子どもが通っている学校は、今回のロケ地の近くなんです。

いやあ、あの辺はいいですね。私も住みたいな思って、検討したこともあります。

 

今度良い不動産屋さん紹介しましょうか(笑)。

 

取材後記
この映画は父と息子の約束の話です。約束というのは、相手に対してはもちろん、自分自身がこれをやると決めること。自分の覚悟と言ってもいいかもしれません。そう書くとちょっと肩に力が入ってしまうかもしれませんが、この映画では、その覚悟がなんともしなやかなんです。毎日息子のお弁当を作るという約束を守る毎日、お父さん自身が楽しんでいる。そしていちいちこだわっている。そのスタンスにとても共感しました。高校生の息子とはとてもフラットな関係。お互いの目線が横にあるんですね。これ、観るお父さんによっては、そのユルさに頼りなさを感じる人もいるかもしれませんが、oton+to的には、これでいいんです。と言いたい。フラットと言っても友達親子ということでもない、そこには父と息子を感じさせる何かがありました。主役を演じるV6の井ノ原さんの演技には、そんなしなやかな父性を感じました。それとやっぱりお弁当。お弁当コミュニケーションというのは作る人にとっても食べる人にとっても、掛け替えのない宝物です。この映画を観て、俺も作ってみよう!と一人でも多くのお父さんが思ってくれたら嬉しいですね。それはお父さんの楽しみも一つ増えることになりますから。

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これからの家のあり方

暮らしかた改革のススメ|まとめ

住む家、住む場所は、もっと自由になる。

テレワークの急速な普及は、業種や職種にもよりますが、これまでのワークスタイル、ワイフスタイルがガラリと変わってきました。これまで勤務先で働く時間が大半を占めるということが当たり前でしたが、自宅でも仕事ができる、パフォーマンスが落ちないということがわかれば、オフィスに行く意味を明確にすることが求められるようになります。基本は自宅で、月に2~3度オフィスに行くというワークスタイルがとても現実的なものになった人も増えたのではないでしょうか。そして一方では、家の中でのワークスタイルを考えていくことになるでしょう。テレワークで顕在化した「子ども部屋はあるけれど、仕事部屋はない」。「夫婦が同じ時間にオンラインミーティングをする場合お互いの声がうるさく集中できない」などのスペースの問題や、「旦那は家にいるのに、子どもが泣いていても、仕事だからと一向に面倒を見てくれない」「仕事中なのはわかるけど家にいるのだから、もう少し家事も協力してほしい」などの不満。これは一つ屋根の下で暮らす人同士の心遣いや決めごとといったようなこと。いずれにしても、家が職場にもなったことでの問題ですね。

これまでは、多少家が狭くても通勤に便利な場所を優先する人も多かったと思いますが、これからは、通勤時間より家の広さを求めるという人も増えてくるのではないでしょうか。書斎などは旦那の道楽に過ぎないなんて言われていたけれど、今後は書斎スペースの必要性は増すかもしれません。それも職場から1時間圏内などという適度な利便性すらも取っ払うことができるようになり、もっと郊外、地方というのも選択肢として上がってきます。

数年前から2地域居住というライフスタイルを取り入れる人が少しずつですが増えてきていました。平日は都心のマンションに住み、金曜夜から日曜夜を自然に囲まれた環境で過ごすという暮らし方。ただ今後、平日は都心のマンションに、という必然性がなくなる人も増えてきます。そうすると、都心の利便性を得るためにかけていたお金を、自分の家族の価値観で選んだ場所の家にかけるようになる人も増えるでしょう。家族が暮らし、夫婦が家で仕事をするのに十分な広さを持った家。そうすると都心から移住した人たちが魅力に感じるお店も増えるでしょう。それは、かつて別荘地として文化が醸成されていった軽井沢や湘南などのようなエリアが他にも生まれる可能性があるということですね。これからは、別荘ではなく住む場所として。

職場立地という条件によって自ずと決まっていたことから開放されるので、今までよりも主体的に、家族が何を大事にするかを考えることが大切になります。暮らし方改革ですね。ライフスタイルについて主体的に考えていくことができると、住む場所も家ももっと自由になります。

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 家は未完成でいい。子ども部屋は居心地悪いほうがいい。

我が家の子ども部屋の話をします。子ども部屋のことは以前にも書きましたが、この家ができて16年。

16年前、ハーフビルドで建てた家。子ども部屋は自分で床を張りました。ちなみに私はど素人です。その頃は釘打ちなんて中学校の技術の授業以来したことありませんでした。「家を建てるなんて、多くの人にとって一生に一度のこと。全部人に任せるなんてもったいないじゃん。せっかくだから自分でもやってみたら」。大工さんのそんな言葉に刺激を受け、自分でも電動のこぎりを買い、家に積まれた床材(大工さんが注文してくれました)の寸法を測って切るところからはじめ、フロア釘というものを買い、トンカチも買い、1枚ずつ床に釘を打ち込んでいきました。現在、子どもは大学生男子、高校生男子、中学生女子になりました。今も3人の部屋です。3人の子ども部屋、その変遷を写真で紹介します。

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床を張っているところ。2才の長男が見守ります。

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オトンと長男。「ど素人だけどだいじょうぶか?」2才の長男が見守ります。

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それから数年後、長男(右)は小1になりました。これは3人が並んで座れる机。ホームセンターで天板となる板を買い、イケアで足を買い、取り付けました。写真は机が出来た初めての夜。

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みんな喜んでいました。

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家が出来て、いくつか取材をしていただきました。こちらもある雑誌に掲載された写真。次男は机の上。

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机の上に乗って落書き中。

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今の次男のスペース。小さかった時の落書きがそのまま残っています。当初は、子どもたちが小学生になったくらいで、壁を漆喰で塗ろうと思っていました。だからそれまでは自由に落書きしていいよと言っていたら、壁じゅうが落書きとなり、残しておきたいものになってしまいました。だから壁は石膏ボードのままなんです。上の写真を見ると、壁の落書きは小さな頃だけだと思っていましたが、最近も自分の名前を壁に書いていたようですね。

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こんな感じで今も配管むき出しのままです。子どもから文句を言われたことはありません。生まれた時からの光景ですから。

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娘のスペースは、中学生になってからカーテンで仕切るようにしました。ホームセンターで買った物干し竿をカーテンレールにしました。

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奥が娘のスペースです。

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息子2人の2段ベット越しにみた3人の子ども部屋です。この先、またどこかが変わるんでしょうね。

というわけで、うちの子ども部屋は作り途中のまま16年が過ぎました。で、思うわけです。家っていうのは、完成させなくてもいいんじゃないかと。住み始める前に出来上がっていなくても。屋根があり壁があれば、あとは何かを感じた時に、何かをしたいと思った時に、自分で手を入れていく。もし上手くいかないことがあったり、制限があったりしたなら、工夫をしていく。その工程こそが暮らしを面白がることにつながるんじゃないかと思うわけです。家族とか、人生とか、ずっと途中です。特に完成なんてものはないわけです。その視点を持つことができると、それはもう暮らし方改革。途中そのものを面白がることが出来たら、もう幸せですね。

 

テレビ番組か何かで所ジョージさんがこんな内容のことを言っていたのを覚えています。「仕事終わって、呑みに行くっていう時間がもったいなくて。私は早く家に帰りたいんですよ。家でやることがいっぱいあるから」。所さんは多趣味で有名ですよね。車、エアガンにプラモデルに畑仕事、音楽なんていうのも(こちらはお仕事ですが)。あの人は多趣味だからというのは簡単ですが、家でいろんなことを楽しんでいるっていうのに憧れるオトンも多いと思います。所さんはこんなこともよく言っています。「めんどくさいことが面白いんだよ」と。

以前oton+toで取材をしたつるの剛士さんも、暮らしを楽しんでいる人でした。5人のお子さんのオトン。暮らしそのものに興味を持っているといいますか、それで興味を持ったら始めるんですよね。最近ですと、エレクトーンを始めたり。記事でも書いていますが、娘さんの髪もきれいに結んであげるんだそうです。これも初めは奥さんみたいにカッコよく結んであげたいっていう動機からだったそう。暮らしの中で、何かに興味を持って自分もやってみる。そんなことを日々やっている人だなあと思いながらお話を聞いていました。数日前には、息子さんだけでなく自分も学習塾に通うことを決めたそうですよ。

家での暮らしをどう楽しむか、面白がれるかっていうところは、とても大事な気がします。そんな中、今回紹介するのは、DIYで家具作り。てまひまかけて自分で作るっていう遊び。「めんどくさそう!」と思う人もいるでしょう。でも「だから面白いじゃない」ということです(笑)。

 

間取りを決める時には、その前に、様々な些細なシーンを想像しました。

縁側で足の爪を切っているとか、湯船に浸からながら外から吹く風にあたっているとか、家を真っ暗にしても、月明かりが部屋に差し込むような十五夜みたいな感じとか、バルト海の漁師の家みたいなチープなタイルの洗面所(勝手なイメージ)とか、中なのか外なのか曖昧なバリのホテルのラウンジとかオールドハワイアンな雰囲気とか、無骨な厨房みたいなキッチンとか、他の人からみたら町工場みたいなトタンのような外観とか。鬱蒼としたあぜ道を進んだら家とか、子どもが大きくなっても、リビングダイニングでみんながいる様とか、そして家族はずっと進行形なので、家もずっと進行形、つまり仕上がっていない感じとか。今、ほぼそうなっているかなと思います(自分の思い込みと程度の差はあれど)。家族みんなウッドデッキに座り込んで爪を切っています。間取りの前に、シーンを想像することは大事だったなと思います。

 

リビングダイニングを1Fにするか2Fにするか。

子どもが学校から帰ってきたときに、必ず顔を合わせられるように、リビングダイニングを通ってから子ども部屋に行く導線がいいという話をよく聞いていました。なので、そういうことは大事だなと思い、かなり悩みましたが、我が家は、より明るいリビングダイニングを優先し、2Fにしました。結果、子ども部屋は1Fとなり、玄関からそのまま行けるようになったのですが、自分の部屋よりも、リビングダイニングにいたくなる家族になればいいんだと強く思ったのを覚えています。そして、子どもが小学生になり、中学生になり、高校生、大学生へ。玄関から部屋へ直行することはなく、まずは2Fのリビングダイニングに上がってきます。リビングダイニングが家族全員、普段いる場所になっているんですね。今回の外出自粛の期間では、家族5人、中、高、大学生がみんなこのリビングダイニングにいました。そうはいっても、仕事ではZOOMを使ったオンラインミーティングがあり、大学生の長男も同じようにオンライン授業があったりとする中、ここにきてようやく子ども部屋を使う頻度も高くなってきました。オトンの昼間はウッドデッキにテーブルを出して仕事をしていることが多く、長男は屋根裏スペースで授業を受けたりもしています。みんながそれぞれ、相手の邪魔にならない、自分が集中するのに心地いい場所を求めてその都度家の中を動いていました。今もそんな感じです。それはそれで、今更ながら面白いです。家全体が使われている感じが。

 

家の素材について

我が家を建てる時、それぞれをどんな素材にするか。とにかく決めることが多いですが、自分たちが一番大事にしたのは、経年が味になるような風合いでしょうか。つくりながら、繕いながら暮らす。みたいなことが出来たらと思っていました。家は基本、無垢の素材を使いました。床には無垢のパイン材、2Fの天井には無垢の杉材、壁は全部漆喰です。2Fの主要な窓は全て木枠です。特にリビングに設けた3枚の掃き出し窓は窓ガラスも昔の日本家屋に使われていた薄いもの。木枠の窓の間からは隙間風が入ってきます。雨戸も昔ながらの日本家屋にある木製のもの。高気密・高断熱の技術が高まる現在、新しく建てる家で、これを採用するところはほとんどないと思います。ウッドデッキも、腐敗しない樹脂製のものとかではなく、無垢のレッドシダー材。大事にしていたのは、木の暖かさや風合いと言うことはもちろんですが、経年の劣化を味わいにできること。この先、自分で手を入れ、繕いながら生活をしていくということを実現したかったからです。面倒くさいことも多分にあると思いますが、自分でやる、手間をかける、そういうこと自体を楽しむという価値観は素材選びに反映しました。ただ、そんな考えの中、風呂はユニットバスです。はじめはタイルでオリジナルでということも考えましたが、水周りはハードに使っても、できるだけ長く持つもの、という考えで、たくさん流通していて、顧客データもFBも多く商品改良も行われているであろうと思われる、TOTOの中級クラスのものにしました。しかし、窓は大きなものを。メーカーの人には寒いですよと言われましたが、湯船に浸かっていても外を感じることができることを優先しました。

 

我が家の壁に貼っている飾りもののこと

自己肯定感を高めるためにということの中に、無条件で褒めるとか、いてくれることに感謝とかありますよね。日々のコミュニケーションの中にそんなことが満たされている状態になればいいのだろうなと思います。そして、日々のコミュニケーションというのは、言葉や態度以外にもありますね。たとえば家。家の中にたくさん子どもの写真や家族の写真を飾る、子どもが作ったものを飾る。それを毎日の生活の中で目にする。これは自己肯定感を育む上でとてもよいと言われています。そういうことはあまり考えずでしたが、ウチも壁に掛けたり写真立てで並べたりしています。我が家の場合、ダイニングの窓枠に子どもたちが生まれてからの年賀状を貼っています。いつも基本写真だけなのですが、我が家なりに、紙質も考えて作っていました。布施家の年賀状というのは、ママ友や子どもの友達にも評判がよかったようです。ダイニングには毎年足されていきます。以前、これから年賀状はどうするかという話になりました。この時代、子どもたちもLINEで挨拶する中、送る枚数は激減しているのですが、長男がひとこと「送らないっていっても、年賀状はウチのアイデンティティだからなあ」と、目の前に貼られた一連の年賀状を見ながら言いました。「ええこというやんけ!」送らなくても作るってのもありですかね。

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窓の枠に沿って毎年足されていく年賀状。

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次男がノートの切れ端に描いてテーブルの上に置きっ放しになっていた絵を貼りました。ペンギンも次男作。トートバッグの裏にはパンダの絵。時々そちらを表にします。

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右の絵は昔フリマで数百円で買ったものですが、左は大学生になったけれど外出自粛で暇を持て余した長男が突如思い立って作ったお面。「怖いから飾らないで」と妹には不評でしたが、いつの間にか慣れたようです。

うちは、いたるところにランダムに貼ったり飾ったりしていますが、どこか1箇所、ギャラリースペースを作るのもいいと思います。何ヶ月かに1度、新しいものに貼り替えたりして。

 

家には、手触りとひと手間の愛着を。

家の中で、よく壁を触ります。階段の手摺りを触ります。無垢の灼けた床板も、ステンレスの天板も、ダイニングのテーブルもよく触ります。ドアノブは当たり前ですが、開け閉めの必要ないときにも触っていることがあります。この家に住んでから、触り心地というものを意識するようになりました。それは何年経っても変わりません。というか、年が経つほど意識するようになったと思います。経年を感じる素材を多く使っていることでそういう意識が高まったことも大きいです。手摺りや真鍮のドアノブは、丸みを感じるといいますか滑らかになっていきます。床はだんだんと木の節、年輪の存在感が増し、ボコボコした感触に。分厚いステンレスは変わらずツルツルですが。
千利休の有名な茶器に、日本の職人に作らせた「黒楽茶碗」というものがあります。その頃は、中国から輸入された「曜変天目」という色合いがとても神秘的で角度によって輝きが変わるという、視覚的にとても美しく、そして非常に端正な形をしたものが一流とされていました。しかし、千利休の「黒楽茶碗」は、黒一色で、形はボコボコと飲み口も歪んでいるという素人が粘土でこねた無骨な茶碗という印象です。実際、これを作った職人、長次郎は瓦職人で器作りは全くの素人だったようです。ただ、ここで千利休が目指したのは、凸凹とした、覆った手のひらいっぱいに感じる暖かな手触り、つまり視覚を廃した触覚だったのではないかという考察があります。

住まいへの愛着というのは、住まい周辺の自然環境に愛着を持ったか、五感でどれだけ感じたかに関係し、これは子ども時代に形成されるといわれる感受性を育み、その感受性に影響されるのだそうです。住まい周辺の自然環境というのは、山、川、田んぼなどの自然はもちろん、遊ぶ声、蚊取り線香のにおい、家具や建具の手触り、窓からの景色という(音、におい、肌触り、見た目)のこと、と、ある文献に書かれていました。

家の素材の手触りというもので、愛着は経年ととも深まるということを実感しています。

あとは、下手でも自分で取り付けたり塗ったりと、手間をかけたものには愛着が湧きますね。

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自分たちで塗った漆喰の壁。今でもよく触ります。

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床。ボコボコになってきています。

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洗面所の鏡、雑貨屋で買ったのを壁に掛けただけ。枠は自分でペンキを塗りました。

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洗面所の棚はホームセンターで買った板にペンキを塗っただけのもの。

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階段の手摺り。どんどん丸みを帯びている気がします。

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トイレの扉に付けた取っ手と鍵。自分で探して買いに行きました。かなり古めかしくなってきましたが、手に触れるところはツルツルと輝いてきました。ドアも自分でペンキを塗りました。そしてペンキも剥げてきました。そのままにしておくか同じ色で塗るか、違う色で塗るか、考え中です。

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ウッドデッキに付けた蛇口。その頃のTOTOのカタログから選びました。普通の蛇口ですが、握り具合が好きです。

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ウッドデッキも朽ちてきました。雨風に晒されてきた木材はカッコいいなと思います。ちょくちょくこうやって金具で補強しています。

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板金屋さんに作ってもらったレンジフード。ザラザラしています。デカいです。

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子どもが階段から落ちないようにと付けた網と、ホームセンターで買った杉板を重ねて作った扉(犬の後ろ)。もう落ちることはないと思いますが、付けたままです。

 

無駄のある家

白洲次郎と白洲正子の家の考え方に共感します。白洲次郎41歳、正子33歳の時。武蔵と相模の文字をとって、武相荘(ぶあいそう)と名付けられた家に移りました。今も公開されています。

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無駄のある家

鶴川の家を買ったのは、昭和15年で、移ったのは戦争がはじまって直ぐのことであった。別に疎開の意味はなく、兼ねてから静かな農村、それも東京からあまり遠くない所に住みたいと思っていた。現在は町田市になっているが、当時は鶴川村といい、この辺に(少なくともその頃は)ざらにあったごくふつうの家である。手放すくらいだからひどく荒れており、それから30年かけて少しずつ直し、今もまだ直しつづけている。もともと住居はそうしたものなので、これでいい、と満足するときはない。綿密な計画を立てて、設計してみた所で、住んでみれば何かと不自由なことが出て来る。さりとてあまり便利にぬけ目なく作りすぎても、人間が建築に左右されることになり、生まれつきだらしのない私は、そういう窮屈な生活が嫌いなのである。俗にいわれるように、田の字に作ってある農家は、その点都合がいい。いくらでも自由がきくし、いじくり廻せる。ひと口にいえば、自然の野山のように、無駄が多いのである。牛が住んでいた土間を、洋間に直して、居間兼応接間にした。床の間のある座敷が寝室に、隠居部屋が私の書斎に、蚕室が子供部屋に変わった。子供達も大人になり、それぞれの家庭を持ったので、今では週末に来て、泊まるへやになっている。あくまでそれは今この瞬間のことで、明日はまたどうなるかわからない。そういうものが家であり、人間であり、人間の生活であるからだが、原始的な農家は、私の気ままな暮らしを許してくれる。30年近くの間よく堪えてくれたとありがたく思っている。

白洲正子(人と物12)/MUJI BOOKS より

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お父さんの絵本ガレージ

お父さんの絵本ガレージ 非認知能力を育む絵本 「想像力」編

子どもたちの成長を感じる夏休み。今年は期間が短くなったり、新しい生活様式を意識したりと、健やかな成長をサポートする工夫が必要になりましたね。昨今の教育現場では、「非認知能力を育むことが大切」と盛んに言われていますが、大きな環境変化のある今、非認知能力の重要性がますます注目されています。IQや学力テストなどでは測れない、人生を豊かにする「生きる力」「あとのびする力」とも呼ばれる「非認知能力」について、気になっているお父さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで『お父さんの絵本ガレージ』新企画!「非認知能力」を育む絵本をご紹介していきます。絵本には、「やり抜く力」「忍耐力」「回復力」などなど、多様な非認知能力について考えるヒントのつまった作品がたくさんあります。とはいえ、あまり効果効能を求めすぎず、あくまで親子で楽しみながら読む気持ちを忘れずに……。初回は「想像力」について!想像力をテーマにした絵本は数えきれないほどありますが、夏に読むのにぴったりな3冊を選んでみました。

 

① 『はかせのふしぎなプール』

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作:中村至男 出版社:福音館書店 対象年齢:3歳くらい~

 

部分から全体を想像してみよう!

博士の新たな発明とは

博士が何でも大きくなるプールを発明しました。水面から見えている一部を手がかりに、その正体は何かを、助手に当てさせます。意外なものが沈んでいて難題もありつつ……最後の予想もしなかったオチには笑ってしまいます。人の認知能力と非認知能力(想像力)を刺激してくれるこの絵本は、博士と助手の軽妙な会話劇も大きな魅力。ちなみに3歳のわが子も、2人のユーモラスなやりとりが楽しいようで、セリフを覚えてしまうくらい気に入っています。

作者は、グラフィック・デザイナーとして活躍する中村至男さん。テーマは、自身が好きだという「部分から全体を想像すること」。子どもの頃に体験した、池の水面に2つ丸いものが見えて、ザリガニかカエルかと思ったら木の枝だった……そんな思い出も、創作のヒントになっているそう。父子で想像と会話が膨らむ時間を過ごしてみませんか。

 

② 『ウエズレーの国』

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作:ポール・フライシュマン 絵:ケビン・ホークス 訳:千葉茂樹 出版社:あすなろ書房 対象年齢:小学校低学年くらい〜

 

新しい文明を創る!

夏休みの壮大な自由研究

夏休みの自由研究……大人にとっては懐かしい響きでもあり、まさにこの夏、お子さんの自由研究を見守ったというお父さんもいらっしゃることでしょう。絵本の主人公ウエズレーの自由研究は、なんと、新しい文明創り!新種の作物を育て、自分が発明した機械でジュースや洋服を作ったり。これまでにない数の数え方や文字を考案したり。自由な発想と工夫で、自分だけの特別な文明を次々に創り出していきます。そんな壮大な物語が、ひとりの少年の自宅の庭で繰り広げられる展開に、子どもはもちろん、大人もワクワクせずにはいられません。「あんなにしあわせそうな顔、はじめてみたわ」。お母さんとお父さんは、わが子が自由研究によって変わったことに気づくのです。

少年のまっすぐな気持ちと同じように輝く、夏の空や雲、植物の彩りも美しい一冊。あらゆる創造は、想像することから始まるのだと。少年が過ごした、まぶしいひと夏を通して考えさせられます。

 

③ 『おとうさんのちず』

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作:ユリ・シュルヴィッツ 訳:さくまゆみこ 出版社:あすなろ書房 対象年齢:小学校低学年くらい~

 

想像力が生きる力に

作者の原点を描いた自伝絵本

戦争で故郷を追われた家族が、命からがらたどりついた遠い国。食料もとぼしく過酷な暮らしをしていた最中、少年のお父さんが、市場へパンを買いに出かけます。しかし、帰ってきたお父さんが誇らしげに手にしていたのは、パンではなく、1枚の大きな世界地図でした。戦争の悲惨さが伝わる色合いから一転、お父さんが壁に貼った地図はカラフルで美しく、少年の心に、色とりどりの想像の世界が溢れていきます……。

アメリカで最も権威ある児童書の賞=コルデコット賞の2009年銀賞受賞作。4歳のときに大空襲を経験したユリ・シュルヴィッツが、画家として歩み始める原点を描いた自伝絵本。

生きる希望を失いかけたとき、もし自分なら、子どもに何を手渡すだろうか……わたしたち親こそ、豊かな想像力が必要かもしれません。戦争と平和について考える機会もある夏。親子でじっくり読みたい一冊です。

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選書:フリーアナウンサー/絵本専門士 近藤麻智子

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大人向けの絵本セラピー®のワークショップ「絵本のち晴れ」や、絵本の読み語りとヨガをコラボレーションした親子向けイベント「絵本ヨガ」を主宰。2016年に出版した絵本『森のくるるん』(そうえん社)では、コンセプトと文章を担当。企業にてビジネスパーソン向けの絵本ワークショップの講師も務める。現在BS日テレ「コーポレートファイル」に出演中。メディアでの絵本に関する執筆、講演など、活動は多岐に。 男の子2人の母。

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ブックハウスカフェ

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ブックハウスカフェ

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【第2回】輝く!絵本ガレージ大賞!!

なかなか先の見えない状況ではありますが、そんな中!そんな中ではございますが、今年で2回目となる「輝く!絵本ガレージ大賞!!」を発表させていただきます。

 

東京、神保町にある絵本専門店ブックハウスカフェにて、昨年度も3ヶ月に1度のペースで開催していた「絵本ガレージBar」では、オトンとたたまにオカンたちが集まって、絵本を肴に絵本を楽しんでいました。そしてこのoton+toでも「絵本ガレージ~お父さんがグッとくる絵本たち」を紹介。昨年度はいろんなオトンの質問や悩みに答えるカタチでオススメ絵本を紹介させていただきました。

 

そして今回、2回目となる「輝く!絵本ガレージ大賞!!」どこかで聞いたようなフレーズであることは否めませんが、昨年度、紹介させていただいた様々な絵本の中から、選書(絵本ガレージBarではお父さんたちへの読み聞かせも)をされた近藤麻智子さん、ブックハウスカフェの茅野由紀さん、そしてoton+toの布施が厳正な協議を行い、

大賞1作品、部門賞3作品を選出しました。

 

気にはなっていたけど、まだ読んだことがないというお父さん、気にもしてなかった、知らなかったというお父さんも、まずは受賞したこれらの絵本、ぜひこの機会に、家族で読んでみませんか。

 

 

【うちで冒険しよう賞】

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きょうは みんなで クマがりだ』

再話:マイケル・ローゼン 絵:ヘレン・オクセンバリー 訳:山口文生 評論社

 

昨年夏の「絵本ガレージ ぼうけん編」でご紹介した絵本です。ブックハウスカフェでのイベント「絵本ガレージBar」で読んだときには、お父さんたちの感想がそれぞれに豊かで、とても盛り上がったのが印象的でした。知識や科学絵本を好むお父さんも多いなか、“父子がクマがりに出かける”という究極のファンタジーだって、お父さんのこころをこんなにも動かすのだ!と、あらためて実感、うれしく思った1冊です。 家族とおうちで過ごすことの多かったこの春。いつもよりじっくりと、絵本を読んだご家庭もあるのではないでしょうか。そんな日々の過ごし方は、雨の日や、真夏の暑すぎる日、なかなか外出できないときにも活かしていけますね。

絵本を開けば、いつでも、どこでも、想像の世界を冒険することができます。父子の冒険心をくすぐる絵本に、この賞を。 コメント:近藤麻智子

 

 

【ブックハウスカフェ賞】

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『えをかくかくかく』

エリック・カール 作 アーサービナード訳 偕成社

 

表紙に描かれているのは、美しい真っ青な馬。ページをめくると、真っ赤なワニ、真っ黄色な牛、ピンクのうさぎ、そして、水玉模様のろば!こんな色の動物はいないって?いえいえ、何をどの色でどのように描くか、それは「絵描き」の自由。そして、絵を描いたら誰でもその時から立派な「絵描き」。

この本の作者は、『はらぺこあおむし』(偕成社)で世界的に有名な「色の魔術師」エリック・カールさん。はらぺこあおむし以外にもたくさんのいぶし銀のような絵本がある。この本は、既成概念に捕らわれず、自由にそして気軽に絵を描こう、自分だけの色を探そうと、読者を誘ってくれている。

どのような時代でもどのような状況でも変わらない事実、それは、「頭の中はその人だけのもの」ということ。想像すること、考えることは、誰にも侵すことのできない、自分だけのサンクチュアリ。空間も時空も超え、科学的な尺度も不要、架空な世界へも自在に飛んで行ける。絵を描くことは、その自由をアウトプットする一つの手段。とはいえ、「自由に描く」というのは実はけっこう難しい。空は本当に青の絵具で塗るのだろうか。自分の心にうそをついていないだろうか?――自由に描くことは考えることでもある。そしてそんな風に描かれたその絵は、きっと自分を守る宝物になる。

さあ、自由に絵を描こう。

コメント:ブックハウスカフェ茅野由紀(ちのゆき)

 

 

【oton+to賞】

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『川は どこから ながれてくるの』

作:トマス・ロッカー 訳:みのうらまりこ 偕成社

 

これはですね、二ューヨーク・タイムズ社で「1984年度、最もすばらしいさし絵の児童書」に選ばれた絵本です。

「この川は、いったい、どこから ながれてくるんだろうね」。夏の夕暮れどきのそんな会話をきっかけに祖父と孫の2人はキャンプへ。川で遊び、テントを張り、焚き火を囲んで、、、。四万十川をカヌーで下りながら子どもたちと同じような体験をした私オトンにはたまらないシーンなのでございました。川と焚き火とテントはロマンです。子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない!世の中をもっと自由に動けるようになったら、ぜひ、こんな体験をしてみてはいかがでしょう?

コメント:布施太朗(oton+to)

 

【絵本ガレージ大賞!】

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『ともだち』

文:谷川俊太郎 絵:和田誠 玉川大学出版部

 

実は7年ほど前にもこの絵本を紹介させてもらったことがあります。その時に書いたのがこちら。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とある会社の最終面接でのこと。「これまでの人生で一番失敗したなあと思うことってなに?」という質問にある学生が少し考えてから「中学生のときにダブルブッキングしたことです」と。「何の?彼女?」「いえ、友だちと遊ぶ約束をしてたんです。別のグループの友達それぞれと。その時間が重なってしまって」「それがこれまでの人生で一番失敗したこと?」「はい」。このはなし、すごくいいなと思ったんです。ご両親からは、『友だちは大切にしろ』とずっと言われてきたんだそうです。「で、どうしたの?」「両方とも約束したから、ひとつのグループと遊んで、途中抜けして、もうひとつのグループのところに行きました」。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今年は、ともだちと会えることがなかなかできないできない日々をみんなが過ごしましたね。「ともだちってなに?」子どもにそんな質問をされたら、なんて答えますか?大人になって、ともだちとは連絡をとっていますか?この絵本は、親子で一緒に考える機会を与えてくれます。ぜひ自分のともだちのことも考えながら、思い出しながら、子どもと一緒に読んでみてはいかがでしょう?

コメント:布施太朗(oton+to)

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日々のコミュニケーションの中にそんなことが

満たされている状態になればいいのだろうなと思います。

そして、日々のコミュニケーションというのは、

言葉や態度以外にもありますね。

たとえば家。

家の中にたくさん子どもの写真や家族の写真を飾る、

子どもが作ったものを飾る。

それを毎日の生活の中で目にする。

これは自己肯定感を育む上でとてもよいと言われています。

そういうことはあまり考えずでしたが、

うちも壁に掛けたり写真立てで並べたりしています。

我が家の場合、ダイニングの窓枠に子どもたちが

生まれてからの年賀状を貼っています。

いつも基本写真だけなのですが、我が家なりに、

紙質も考えて作っていました。

布施家の年賀状というのは、ママ友や子どもの友達にも

評判がよかったようです。

ダイニングには毎年足されていきます。

以前、これから年賀状はどうするかという話になりました。

この時代、子どもたちもLINEで挨拶する中、

送る枚数は激減しているのですが、

長男がひとこと「送らないっていっても、

年賀状はウチのアイデンティティだからなあ」と、

目の前に貼られた一連の年賀状を見ながら言いました。

「ええこというやんけ!」

送らなくても作るってのもありですかね。

 

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窓の枠に沿って毎年足されていく年賀状。

IMG_5745-1

次男がノートの切れ端に描いてテーブルの上に置きっ放しになっていた絵を貼りました。ペンギンも次男作。トートバッグの裏にはパンダの絵。時々そちらを表にします。

IMG_5743

右の絵は昔フリマで数百円で買ったものですが、左は大学生になったけれど外出自粛で暇を持て余した長男が突如思い立って作ったお面。「怖いから飾らないで」と妹には不評でしたが、いつの間にか慣れたようです。

うちは、いたるところにランダムに貼ったり飾ったりしていますが、どこか1箇所、ギャラリースペースを作るのもいいと思います。何ヶ月かに1度、新しいものに貼り替えたりして。

「|後悔しない家づくり、自分たちらしい家|我が家の壁に貼っている飾りもののこと」でした。



 

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家の中で、よく壁を触ります。階段の手摺りを触ります。無垢の灼けた床板も、ステンレスの天板も、ダイニングのテーブルもよく触ります。ドアノブは当たり前ですが、開け閉めの必要ないときにも触っていることがあります。この家に住んでから、触り心地というものを意識するようになりました。それは何年経っても変わりません。というか、年が経つほど意識するようになったと思います。経年を感じる素材を多く使っていることでそういう意識が高まったことも大きいです。手摺りや真鍮のドアノブは、丸みを感じるといいますか滑らかになっていきます。床はだんだんと木の節、年輪の存在感が増し、ボコボコした感触に。分厚いステンレスは変わらずツルツルですが。
千利休の有名な茶器に、日本の職人に作らせた「黒楽茶碗」というものがあります。その頃は、中国から輸入された「曜変天目」という色合いがとても神秘的で角度によって輝きが変わるという、視覚的にとても美しく、そして非常に端正な形をしたものが一流とされていました。しかし、千利休の「黒楽茶碗」は、黒一色で、形はボコボコと飲み口も歪んでいるという素人が粘土でこねた無骨な茶碗という印象です。実際、これを作った職人、長次郎は瓦職人で器作りは全くの素人だったようです。ただ、ここで千利休が目指したのは、凸凹とした、覆った手のひらいっぱいに感じる暖かな手触り、つまり視覚を廃した触覚だったのではないかという考察があります。

住まいへの愛着というのは、住まい周辺の自然環境に愛着を持ったか、五感でどれだけ感じたかに関係し、これは子ども時代に形成されるといわれる感受性を育み、その感受性に影響されるのだそうです。住まい周辺の自然環境というのは、山、川、田んぼなどの自然はもちろん、遊ぶ声、蚊取り線香のにおい、家具や建具の手触り、窓からの景色という(音、におい、肌触り、見た目)のこと、と、ある文献に書かれていました。

家の素材の手触りというもので、愛着は経年ととも深まるということを実感しています。

あとは、下手でも自分で取り付けたり塗ったりと、手間をかけたものには愛着が湧きますね。

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自分たちで塗った漆喰の壁。今でもよく触ります。

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床。ボコボコになってきています。

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洗面所の鏡、雑貨屋で買ったのを壁に掛けただけ。枠は自分でペンキを塗りました。

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洗面所の棚はホームセンターで買った板にペンキを塗っただけのもの。

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階段の手摺り。どんどん丸みを帯びている気がします。

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トイレの扉につけた取っ手と鍵。自分で探して買いに行きました。かなり古めかしくなってきましたが、手に触れるところはツルツルと輝いてきました。ドアも自分でペンキを塗りました。そしてペンキも剥げてきました。そのままにしておくか同じ色で塗るか、違う色で塗るか、考え中です。

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ウッドデッキにつけた蛇口。そのころのTOTOのカタログから選びました。普通の蛇口ですが、握り具合が好きです。

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ウッドデッキも朽ちてきました。雨風に晒されてきた木材はかっこいいなと思います。ちょくちょくこうやって金具で補強しています。

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板金屋さんに作ってもらったレンジフード。ザラザラしています。デカいです。

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子どもが階段から落ちないようにと付けた網と、ホームセンターで買った杉板を重ねて作った扉(犬の後ろ)。もう落ちることはないと思いますが、付けたままです。

 

 

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暮らしかた改革のススメ、自分たちらしい家|ワークスタイルが変わってきた今、これからの家、これからの住む場所について。

テレワークの急速な普及は、業種や職種にもよりますが、これまでのワークスタイル、ワイフスタイルがガラリと変わってきました。これまで勤務先で働く時間が大半を占めるということが当たり前でしたが、自宅でも仕事ができる、パフォーマンスが落ちないということがわかれば、オフィスに行く意味を明確にすることが求められるようになります。基本は自宅で、月に2~3度オフィスに行くというワークスタイルがとても現実的なものになった人も増えたのではないでしょうか。そして一方では、家の中でのワークスタイルを考えていくことになるでしょう。テレワークで顕在化した「子ども部屋はあるけれど、仕事部屋はない」。「夫婦が同じ時間にオンラインミーティングをする場合お互いの声がうるさく集中できない」などのスペースの問題や、「旦那は家にいるのに、子どもが泣いていても、仕事だからと一向に面倒を見てくれない」「仕事中なのはわかるけど家にいるのだから、もう少し家事も協力してほしい」などの不満。これは一つ屋根の下で暮らす人同士の心遣いや決めごとといったようなこと。いずれにしても、家が職場にもなったことでの問題ですね。

 

これまでは、多少家が狭くても通勤に便利な場所を優先する人も多かったと思いますが、これからは、通勤時間より家の広さを求めるという人も増えてくるのではないでしょうか。書斎などは旦那の道楽に過ぎないなんて言われていたけれど、今後は書斎スペースの必要性は増すかもしれません。それも職場から1時間圏内などという適度な利便性すらも取っ払うことができるようになり、もっと郊外、地方というのも選択肢として上がってきます。

 

数年前から2地域居住というライフスタイルを取り入れる人が少しずつですが増えてきていました。平日は都心のマンションに住み、金曜夜から日曜夜を自然に囲まれた環境で過ごすという暮らし方。ただ今後、平日は都心のマンションに、という必然性がなくなる人も増えてきます。そうすると、都心の利便性を得るためにかけていたお金を、自分の、家族の価値観で選んだ場所の家にかけるようになる人も増えるでしょう。家族が暮らし、夫婦が家で仕事をするのに十分な広さを持った家。そうすると都心から移住した人たちが魅力に感じるお店も増えるでしょう。それは、かつて別荘地として文化が醸成されていった軽井沢や湘南などのようなエリアが他にも生まれる可能性があるということですね。これからは、別荘ではなく住む場所として。

 

職場立地という条件によって自ずと決まっていたことから開放されるので、今までよりも主体的に、家族が何を大切にするかを考えることが大切になります。暮らし方改革ですね。ライフスタイルの視座をあげると住む場所も家ももっと自由になります。

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「かくん」作りシートの無償提供開始はじめました。〜ドラマ「梨泰院クラス」の家訓〜家族ブランディング

家族でハマったドラマがありました。Netflixで今とても人気がある韓国のドラマ「梨泰院クラス」。全16話なのですが、家族5人全員で、毎日2〜3話ずつ、4日で観ました。家族みんなで映画を観て、「よかったねえ!」ってことはこれまで何度かありましたが、こんなに家族全員が夢中になったドラマはなかったです。いつもは海だのキャンプだの外遊びが通例のGWですが、STAY HOME!! 籠もりがいがありました。

とにかく1話目で「うわあ!ここからどうなるんじゃあ?!!」と、いつもは映画を観ていても途中で眠くなってしまうことが多い高1の次男でさえも、思いっきり心を鷲掴みにされてしまったほどです。中学生以上のお子さんだと一緒に楽しめるのではないかと思います。お子さんが寝てから、夜ご夫婦で観るのもいいんじゃないでしょうか。

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そして、その1話目で大切だったのが「家訓」。この物語の起点になっていました。生きていく上で大切にすることを言語化すること、子どもに伝えることの大切さ。そこから生まれる強さを感じました。だから、やはり多くのご家庭に家訓作りをオススメしたいと思っています。

oton+toでは、STAY HOMEによって日本の家族がもっと幸せになることを願って、自社で開発したワークシートを、今、無償でご提供しています。どうぞご自由にお使いください。少しでも親しみやすくするために、「かくん」とひらがなで表記しています。このシートの項目に沿ってじっくり話し合うことで、これまで感じていたストレスや不満の根っこが解消されたり、家族みんなが尊重し合えたり、応援し合えたり。さらに、子育てにおいて軸にしたいことも明確になったり。どんなことがあっても支え合える、家族の絆づくり。それが「かくん」を作る大きな意味です。

ワークシートを使われて、効果効能をお感じになった方がいらっしゃいましたら、周囲のご家族に広めていただけると幸いです。また、今後よりよいシートにしていくための、ご意見・ご感想もお待ちしておりますのでぜひお寄せください。

kakun-sheet

▲ワークシートは夫用と妻用それぞれの「自分価値観シート」と、家族用の「かくん作りシート」の計3枚です。

kakun-setsumei▲書き方例と説明書も用意しました。

 

▪️かくん作りワークシートシートダウンロードはこちら

▪️かくん作りワークシート説明書ダウンロードはこちら

▪️ご使用いただいた方、ぜひ、ご意見ご感想をお待ちしております。

 

 



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「かくん」作りシートの無償提供開始はじめました。〜家族ブランディング〜

 

かくんバナー02_ページ_2

ここのところ、家族全員一つ屋根の下、テレワークで、家の中で忙しく仕事をしていたという人も多いと思います。そんな中、GWに入りました。外出自粛の中の大型連休、これを機会に「我が家の家訓」を作りませんか。自分たちはどんな家族でありたいか、どんな価値観を大事にしたいか、そのためにはどんな習慣や約束ごとがあればいいか、など、普段はなかなか言葉にしないけどとても大切なことです。そんなことをあーだこーだと話し合って決めていくことで、これまで感じていたストレスや不満の根っこが解消されたり、家族みんなが尊重し合えたり応援し合えたりできるようになる、子育てにおいて軸にしたいことも明確になる、どんなことがあっても家族同士支え合うことができる。それが家訓を作る大きな意味です。

そこで、これを読んでいただいているみなさん「かくん作りワークシート」のご案内です。各家庭で、手順に沿って記入していくと我が家の家訓が出来るようにoton+toが開発しました!ワークシートは夫用と妻用それぞれの「自分価値観シート」と、家族用の「かくん作りシート」の計3枚です。

 

夫シート

 

妻シート

▲上の2枚は自分価値観シート。20分を目安に個人で記入していただきます。

 

家族シート

▲こちらは「かくん作りシート」。それぞれの自分価値観シートをお互い見せながら、夫婦で大切にしたい価値観を記入していくことから「かくん作り」をしていきます。お子さんの意見を取り入れるのもいいですね。

 

書き方例、説明書も用意しました。▼

家訓シート説明書

このGW、ぜひ家訓作りにチャレンジしてみませんか。家族の絆が強くなると思います。ワークシートと説明書は、下記からダウンロードしていただけます。

こんな時をせっかくの機会に!ぜひ!

 

▪️かくん作りワークシートシートダウンロードはこちら

▪️かくん作りワークシート説明書ダウンロードはこちら

▪️ご使用いただいた方、ぜひ、ご意見ご感想をお待ちしております。



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