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お父さんの絵本ガレージ

2022.12.14

お父さんの絵本ガレージ「父子であったまろう」編

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師走らしく、日に日に寒さが増してきましたね。大人にとっては、何かと慌ただしい年の瀬ですが、子どもたちにとっては、クリスマスに冬休み、お正月・・・楽しいイベントが目白押しでワクワクするシーズンでもあります。お父さんの絵本ガレージ、今回は、寒い冬に読みたい絵本を厳選!「父子であったまろう」がテーマです。合計5冊、全ての作品にお父さんが登場します。それぞれに個性があって魅力的なお父さんたち。「自分に似ているかも」「こんなお父さんになりたい」「理想の親子関係だ」・・・・・・などなど、あなたはどんな風に感じるでしょうか。寒さに負けず、父子でぬくぬく、ぽかぽか。絵本で心と体のふれあう、あたたかい時間を過ごせますように。

 

① 『3人のパパと3つのはなたば』

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作:クク・チスン 訳:斎藤真理子 出版社:ブロンズ新社 発行日:2021年

対象年齢:3歳くらい~

 

特別な夜に向けて

働く3人のパパの物語

今日も一所懸命に働く、3人のパパたち。宅配会社のキム運転手は、100を超える荷物を配達しますが、まだ終わりません。小児科のキム先生の病院は、風邪をひいた子どもたちでいっぱい。建設会社のキム課長は、たくさんの書類に囲まれ、電話もひっきりなし。それぞれ街ですれ違いながら、仕事の合間に花束を買った3人に、特別な夜が待っています。

「日常を真面目に生きている私たちの物語を描きたい」と、韓国でひとり出版社を営む、作者のクク・チスンさん。3人のパパが駆けつけたのは、クリスマスツリーが飾られた幼稚園の音楽会。そこに広がるあたたかい光景は、まさに、私たちの物語。慌ただしく過ぎていく日々の中で、確かに愛し愛される、親子の姿に励まされる思いがします。姉妹編『3人のママと3つのおべんとう』は、奥さまへのプレゼントにもおすすめします。

 

② 『おふろがでまーす』

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作:accototo 出版社:KADOKAWA 発行日:2022年 

対象年齢2歳くらい~

 

お風呂の船で出発!

心も体もぽかぽかに

先に湯船につかったお父さんが、わが子に「のってくださーい」と呼びかけます。父子でお風呂の船の旅に出発!お父さんがお湯から膝を出して、島に見立てます。この島にいるぞうさんがお腹をすかせているので、リンゴをあげましょう。でこぼこの島、もじゃもじゃの島には誰がいるかな?最後は大変!ばっさーん、ばっさーんと、嵐がやってきます。

作者のaccototo さんはご夫婦で、3人のお子さんがいます。この絵本は、お父さんと子どもたちとのお風呂タイムで、大人気だった遊びをもとに創られたそう。わが家の父子も、この絵本を読んでから入浴。どんどん想像が膨らんで、恐竜や昆虫の島まで登場したようです。「いろんな世界に行けるのは楽しいな」と、湯上がりのお父さん。お風呂が恋しくなる季節、心も体もあったまるヒントがつまった絵本で、楽しいひとときを。

 

③ 『14ひきのさむいふゆ』

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作:いわむら かずお 出版社:童心社 発行日:1985年

対象年齢3歳くらい~

 

冬の魅力がいっぱい!

世界中で愛されるロングセラー

風がなる。雪が舞う。寒い冬・・・・・・ストーブが燃えているあたたかい部屋で、みんなが何かを作っています。おじいちゃんやいっくんたちは、そりを。おばあちゃんやお母さん、さっちゃんたちは、おまんじゅうを。みんなで食べたら、お父さんやごうくんたちが作った、とんがりぼうしゲームで遊びます。雪がやんだら、外でゆかいなそりすべり!

自然に感謝し、ともに寄り添って暮らす家族を描き続けた、ロングセラー絵本「14ひきのシリーズ」より。清々しい白銀の世界と、温もりを感じる部屋の対比が、なんとも美しく、冬らしく。お父さんが作ったとんがりぼうしゲームは、作者のいわむらかずおさんが、小さい頃にお兄さんと夢中になったゲームなのだそう。絵本の付録として遊び方が入っているので、実際に父子で作ってみたら、より思い出深い1冊になりそうです。

 

④ 『ゆきのげきじょう』

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作:荒井 良二 出版社:小学館 発行日:2022年

対象年齢:4歳くらい~

 

男の子が見つけた劇場とは

雪国で起きた不思議な物語

雪の降る小さな町に住む男の子。ある日友だちと遊んでいる時に、お父さんが大事にしている図鑑を破いてしまいました。男の子は、ひとりでスキーを履いて滑り出します。「ちょうちょがだいすきなとうさん・・・・・・おこるかなぁ」。途中でくぼみに落ちてしまった男の子は、灯りのついた劇場を見つけます。小さな雪の人たちに招待されて、不思議な舞台が幕を開けます・・・・・・

作者の荒井良二さんは、雪国の山形県生まれ。家の周りには雪原ができ、スキーで遊ぶ幼少期を過ごしました。雪のくぼ地にはまった時のしんとした空間も、記憶に残っているそうです。そんな荒井さんだからこそ描けた、静かで幻想的な物語。最後に迎えに来てくれたお父さんが、男の子にかけた言葉が印象的です。父子のあたたかい関係が、読者の心もきっとあたためてくれるでしょう。

 

⑤ 『雪の写真家 ベントレー』

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作:ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン 絵:メアリー・アゼアリアン 訳:千葉茂樹 出版社:BL出版 発行日:1999年

対象年齢:5歳くらい~

 

雪の写真家の原点に迫る

コールデコット賞受賞の伝記絵本

ある農村に暮らす男の子ウィリーは、何よりも雪が好きでした。雪が降れば大喜びで外に飛び出し、雪の結晶を観察したり、スケッチしたり・・・・・・いつか顕微鏡つきのカメラで、雪を撮影したいと願っていました。お父さんは「雪なんかにむちゅうになって、こまったものだ」と言いながらも、ウィリーが17歳の時に、夫婦で貯めていたお金でカメラを買うことに決めました。やがてウィリーは、世界的な雪の専門家として認められるようになるのです。

1999年度のコールデコット賞受賞作品。アメリカの豪雪地帯に生まれ、雪の研究と結晶の撮影に生涯をささげたWA・ベントレー。彼のひたむきな情熱と、見守った家族の愛情を、色彩豊かで温もりある木版画で綴った伝記絵本です。子どもの「好き」を、親はどんな風に応援できるのか、大切なことを考えさせられます。

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選書:近藤麻智子 絵本専門士/フリーアナウンサー

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第1期絵本専門士、絵本セラピスト®、絵本講師の資格を活かして、メディアでの執筆、講演、イベント出演など、幅広く活動する。大人向けの絵本セラピー®のワークショップ「絵本のち晴れ」や、絵本の読み語りとヨガをコラボレーションした親子向けイベント「絵本ヨガ」を主宰。文章を書いた絵本に『絵本ヨガ 森のくるるん』(絵:齋藤槙/そうえん社)がある。oton+toでは、2018年よりお父さんにおすすめの絵本を紹介する「お父さんの絵本ガレージ」を連載中。札幌テレビ、新潟総合テレビアナウンサーを経て、現在はフリーアナウンサー。2児の母でもある。

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ブックハウスカフェ

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神保町のブックハウスカフェ店内には「お父さんの絵本ガレージ」コーナーがあり、 oton+toで紹介した絵本が並んでいます。

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父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。

布施太朗・著¥1,300(税抜)

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