oton+to(オトント) > これからの家のあり方 > 暮らしかた改革のススメ、自分たちらしい家|家には、手触りとひと手間の愛着を。
これからの家のあり方
2020.6.10
暮らしかた改革のススメ、自分たちらしい家|家には、手触りとひと手間の愛着を。
家の中で、よく壁を触ります。階段の手摺りを触ります。無垢の灼けた床板も、ステンレスの天板も、ダイニングのテーブルもよく触ります。ドアノブは当たり前ですが、開け閉めの必要ないときにも触っていることがあります。この家に住んでから、触り心地というものを意識するようになりました。それは何年経っても変わりません。というか、年が経つほど意識するようになったと思います。経年を感じる素材を多く使っていることでそういう意識が高まったことも大きいです。手摺りや真鍮のドアノブは、丸みを感じるといいますか滑らかになっていきます。床はだんだんと木の節、年輪の存在感が増し、ボコボコした感触に。分厚いステンレスは変わらずツルツルですが。
千利休の有名な茶器に、日本の職人に作らせた「黒楽茶碗」というものがあります。その頃は、中国から輸入された「曜変天目」という色合いがとても神秘的で角度によって輝きが変わるという、視覚的にとても美しく、そして非常に端正な形をしたものが一流とされていました。しかし、千利休の「黒楽茶碗」は、黒一色で、形はボコボコと飲み口も歪んでいるという素人が粘土でこねた無骨な茶碗という印象です。実際、これを作った職人、長次郎は瓦職人で器作りは全くの素人だったようです。ただ、ここで千利休が目指したのは、凸凹とした、覆った手のひらいっぱいに感じる暖かな手触り、つまり視覚を廃した触覚だったのではないかという考察があります。
住まいへの愛着というのは、住まい周辺の自然環境に愛着を持ったか、五感でどれだけ感じたかに関係し、これは子ども時代に形成されるといわれる感受性を育み、その感受性に影響されるのだそうです。住まい周辺の自然環境というのは、山、川、田んぼなどの自然はもちろん、遊ぶ声、蚊取り線香のにおい、家具や建具の手触り、窓からの景色という(音、におい、肌触り、見た目)のこと、と、ある文献に書かれていました。
家の素材の手触りというもので、愛着は経年ととも深まるということを実感しています。
あとは、下手でも自分で取り付けたり塗ったりと、手間をかけたものには愛着が湧きますね。
自分たちで塗った漆喰の壁。今でもよく触ります。
床。ボコボコになってきています。
洗面所の鏡、雑貨屋で買ったのを壁に掛けただけ。枠は自分でペンキを塗りました。
洗面所の棚はホームセンターで買った板にペンキを塗っただけのもの。
階段の手摺り。どんどん丸みを帯びている気がします。
トイレの扉につけた取っ手と鍵。自分で探して買いに行きました。かなり古めかしくなってきましたが、手に触れるところはツルツルと輝いてきました。ドアも自分でペンキを塗りました。そしてペンキも剥げてきました。そのままにしておくか同じ色で塗るか、違う色で塗るか、考え中です。
ウッドデッキにつけた蛇口。そのころのTOTOのカタログから選びました。普通の蛇口ですが、握り具合が好きです。
ウッドデッキも朽ちてきました。雨風に晒されてきた木材はかっこいいなと思います。ちょくちょくこうやって金具で補強しています。
板金屋さんに作ってもらったレンジフード。ザラザラしています。デカいです。
子どもが階段から落ちないようにと付けた網と、ホームセンターで買った杉板を重ねて作った扉(犬の後ろ)。もう落ちることはないと思いますが、付けたままです。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
こちらの記事もどうぞoton+to(オトント)とは?
-
2017.7.13オトンの流儀とか ビジネスマン編
僕が一番影響を受けた男は、息子です。【連載第2回】
僕が一番影響を受けた男は、息子です。【連載第2回】 長男と風呂に入るためだけに沖縄に戻ってきて…続きを読む
-
2020.7.8これからの家のあり方
暮らしかた改革のススメ、自分たちらしい家|我が家の壁に貼っている飾りもののこと。
自己肯定感を高めるためにということの中に、 無条件で褒めるとか、 いてくれることに感謝とかありま…続きを読む
-
2022.9.10オトンの心得・決めごと
スマホの約束
約束してたんですわ。 でも守れなかったんですわ。 ウチの高2の娘の話です。 スマホに関する約束で…続きを読む
この記事と同じテーマの記事はこちら
これからの家のあり方
-
2020.9.11これからの家のあり方
暮らしかた改革のススメ|まとめ
住む家、住む場所は、もっと自由になる。 テレワークの急速な普及は、業種や職種にもよりますが、こ…続きを読む
-
2020.7.8これからの家のあり方
暮らしかた改革のススメ、自分たちらしい家|我が家の壁に貼っている飾りもののこと。
自己肯定感を高めるためにということの中に、 無条件で褒めるとか、 いてくれることに感謝とかありま…続きを読む
-
2020.6.7これからの家のあり方
暮らしかた改革のススメ、自分たちらしい家|ワークスタイルが変わってきた今、これからの家、これからの住む場所について。
テレワークの急速な普及は、業種や職種にもよりますが、これまでのワークスタイル、ワイフスタイルがガ…続きを読む
「いいね」いただくと、oton+toの更新情報がFacebookのタイムラインに表示されるようになります
oton+to Facebookページ
最近よく読まれている記事をご紹介
週間人気記事ランキング
アーティストなオトンの気になる子育てとは?
オトンの流儀とかアーティスト編
-
vol.05 TOKYO No.1 SOUL SET 渡辺 俊美さん
映画「461個のおべんとう」。原作者のTOKYO No.1 SOUL SET 渡辺俊美さんに、親子の実話を聞きました。
-
vol.04 つるの剛士さん
「お前は父ちゃんと母ちゃんの子だから絶対大丈夫だ」。と言われてきました。僕も同じことを子どもに言ってあげたいです。【2017インタビュー】父親 つるの剛士
-
vol.14 エンターテイナー 山口智充さん
ゲームをやめろとは一回も言いませんでした。「よし、ゲームより面白い体験をさせてやろう!」と。【こんな時をせっかくの機会に!2018年インタビュー最終回】
スポーツの世界で活躍するオトンの子育て体験談。
オトンの流儀とかアスリート編
-
vol.05 プロサッカー選手、元日本代表 大久保嘉人さん
どんなダディになりたいか?ビッグ・ダディになりたいです。
-
vol.04 マック鈴木さん
16歳の時に親父から「アメリカかドミニカに行け」って言われたんです。母親は泣いて止めたんですけど、渡米となりました。
-
vol.02 ガンバ大阪 遠藤保仁さん
長女が20歳になってもやれていたらかっこいいな。娘から「もういいんじゃない」って飽きられるくらいまでやっていたいですね。|ガンバ大阪 |遠藤保仁
忙しく働くビジネスマンの子育て失敗談とか。
オトンの流儀とかビジネスマン編
-
vol.37 株式会社ギャプライズ 甲斐亮之さん
一人で完結することなんて本当存在しないんじゃないかと思っています。後編
-
vol.37 株式会社ギャプライズ 甲斐亮之さん
一人で完結することなんて本当存在しないんじゃないかと思っています。前編
-
vol.36 株式会社スタームービング 山本恒夫さん
子どもは5人ですが、一人ずつと過ごす時間は必要だと思います。絆が深まりますから。【第2回】
オトンが家族で楽しめるイベントや講演のご紹介
イベント情報
-
2020.3.14
3/25(水)絵本ガレージBAR 開催中止のお知らせ
-
2019.10.15
【親子参加イベント】10/27sun 藤沢市鵠沼海岸でビーチスポーツ体験会(入場無料)のお知らせ! いろんなアクティビティがあるよ!
-
2018.12.3
【絵本ガレージ クリスマス編】お父さんがグッとくる絵本たち。
oton+to編集長 布施太朗が本を出しました!
書籍のご紹介


父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。
布施太朗・著¥1,300(税抜)
いいねいただくと、oton+to更新情報が
Facebookのタイムラインに表示されます
Facebookのタイムラインに表示されます