オトンの流儀とか アーティスト編
「お前は父ちゃんと母ちゃんの子だから絶対大丈夫だ」。と言われてきました。僕も同じことを子どもに言ってあげたいです。
俳優、タレント、ミュージシャン 神奈川県藤沢市 つるの剛士さん
家族構成:妻、息子(中1)、娘(小5)、娘(小3)、娘(小1)、息子(1歳)
オトンなアーティスト、第4回はつるの剛士さん。5人のお子さんのオトン。今回はこの4月に中2になる息子さんとのやりとり。つるのさんが高校生の頃のお父様のお話などを伺いました。ちなみに、お父さんが娘さんの髪を結ぶのはとてもオススメだそうですよ。
―よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―つるのさんは、いいお父さんとして、子育てに関する取材とかたくさん受けられていると思うんですが。今日は、上の子との関わり方とかを中心にお話を伺えればと思っています。
わかりました。まず、僕、イクメンとか言われていますけど、特にそういった育児雑誌を読んだこということはなくて、僕の両親がマニュアルなんです。長男が中学生になって、自分の時は親がどういう風にしていたのかなというのはよく考えますね。
―つるのさんのお父さんははどういう人?
銀行員でした。その頃は時代的にも仕事バリバリ人間で、休みは日曜日だけでした。でもいなくて寂しいということはなかったですね。親父は亡くなっているんですが。日曜日になると出かけたりという思い出が多いです。
―どういうところに出かけていたんですか。
例えば、日曜日に起こされて、当時は大阪に住んでいたんですが、親父と一緒にカメラを持って京都の嵐山まで行って景色を撮ったり。僕は高感度100くらいの安い白黒フィルムしか使わせてもらえませんでしたけど。他にも家族でドライブしたり旅行に行ったりという思い出がけっこうあります。
―何歳くらいの頃の思い出が濃いですか?
高校生になって、よくある自分が親と出かけたくないっていう年齢になったんですが、それでも僕、家族と出かけていました。思いっきりロン毛で家族と一緒に写っている写真もあります。それを先日発見して、高校生でも家族と一緒に出かけていたんだなと改めて思いましたね。その頃、親父が家族旅行のために新潟の温泉宿を予約したとか、どこどこの旅館に行こうとか、そういうのがあったので、子どもとしても親父に気を遣ったというか、親父がせっかくやってくれているんだから行かなきゃ、と思っていたところはあります。
―優しいお父さんでした?
基本的には優しかったです。でも僕が高校生くらいになり、社会に出ることが近くなってから、男としてどうあるべきか、社会とはこういうものだなど、そういうことに対して厳しく話をされることがありました。謙虚になれとか世のため人のためになれとか。ファミレスで朝まで訥々(とつとつ)と話していました。中学3年くらいからですかね、それは。
―お父さんと2人で朝までファミレスで?
2人です。いつも、メシ食いに行くかと、天一でラーメンを食べて、その後ファミレスに行ってコーヒー飲みながら喋っていました。僕は僕なりに、俺は子どもじゃないんだというところを親父に分かってもらいたかったんです。でも、ファミレスでの親父との話が自分を早く社会に出たいという気持ちにさせてくれたんです。
―そういうことを息子さんにもさせてあげたいと。
そうですね。今、長男は中1なんですが、もう少ししたら2人で出かけたりお茶したりしていろんな話をしたいなと思っています。これは親父の影響ですね。
―つるのさんも長男?
はい。僕が長男で下に妹が3人。ウチと同じ構成なんです。ただ、ウチはプラスその下に1人出来たのでそこは親を超えました(笑)。
―今、息子さんとはどんなお話をされるんですか?
昨日、学校から呼び出しの連絡が来たんです。子どもの勉強のことで。僕も中2の時に学校からの呼び出しを受けたんですよ。その頃、偏差値が36で、先生からいける高校がないと言われて。学校に呼ばれて家に帰って、次の日に親父の書斎に呼ばれたんです。「お前の人生だから、パパは別に関係ないけど、このまま勉強しなかったら高校には行けない。手に職をつけるのか高校に行くのかどっちで行くんだ?」と。それで僕は出来ることなら高校に行きたいと言いまして、それなら勉強しないとダメだなって。それで中3の1年間勉強したんです。それで偏差値が36から63になりました。そういうポテンシャルが息子にもあると思っているんで、昨日、僕も息子に話しをしたんです。学校の呼び出しはこれからなんですが。
―繰り返していますね(笑)。
そうです。全く同じなんです。僕も親父から勉強しろって言われたことがないので、僕も息子にどう言っていいか分からなくて。ちょうど今、試験中で息子のプレステとスマホを隠していたんです。昨日はその試験が終わって、息子はプレステを早々に見つけて勝手にやっていたもんですから怒ったんです。それに今まで遅刻した回数とかが書かれた紙を隠していたので「これ、どうなってんだ!」って夜まで話をして、息子はそれで泣き寝入りしました。そしたらさっき息子からLINEが入ってきたんです。「プレステやっていい?」って(笑)。僕は、昨日した約束を守れるんだったらいいよって返しました。
―なるほどー。勉強以外ではどんな会話を?
そうですね。今、思春期でいろんなことに興味を持っている時期で、僕が知らない音楽を聴いたりしているんですよ。ボカロがどうとか。聴いてみるとけっこうカッコよくて。「これ誰?」とか僕の方が聞いたりして。僕も勉強したいなと思って。あと、最近はなかなか行けていないですけど、2人で山登りに行ったりサーフィンする時もあります。
―息子さんはアウトドアも好きなんですね。
地元の冒険団に入っているんです。けっこうハードなところで5日間、自給自足で富士山に行ってみるとかニュージーランドでロッククライミングするとかしています。僕もたまにそこに行ったりするんですけど。それに今は絵が好きで、そういう学校にも行ったりしていますね。
―今まで息子さんとのやりとりの中で、やっちまったなあとかいうことはありますか?
いやあ、どうだろう?ないな。息子が思春期というか繊細な時期になってきて、それはけっこう自分としてもシリアスなことではありますけど。
―自分の怒りをあらわにしてしまったこととかは?
それはあります。塾に行くはずの時間に宿題もしないで、その時もプレステをやっていて、僕ブチ切れしてソファを蹴ったんです。そしたら捻挫しました(笑)。
その時はアドレナリンが出ているので痛くなかったんですが、後になって、やっちまったなと(笑)。
―爆発するお父さんなんですね。
普段は優しいパパなんですけど、僕、ファイナルウェポンなんです。たまにしかないけど、イッちゃったらヤバイというのを子どもは知っていて、妻も「パパに言うからね」と子どもたちに言うんです。たまに妻から電話がかかってきて電話口の向こうでワンワン泣いている子供の声がしています。「パパに言わないでー」って(笑)。
―お子さんたちの性格とかはバラバラ?
そうですね。それぞれの魅力があります。この子はこういう感じで、これは楽しそうでこれは苦手そうなんだとか、そこは親としてしっかり見ていきたいですね。子どもの目の輝きはそれぞれ違うのでそこを見逃したくないなと思います。あとは放任ですが。
―我が家のルールとかってありますか?
ウチ、お小遣い制なんですけど、歩合制でそれぞれの貯金箱に入れるんです。家に帰って奥さんと話しをするんです。今日は誰がお手伝いしてくれたとか。そしたら貯金箱に100円ポーンって。月末にお小遣い会議があって、テーブルにみんなお金をジャーって出すんです。それで、今月はこうだったからこうだったって、みんなで話し合って来月みんな頑張りましょうって。そういうのをやっています。もちろん年齢別に金額が違いますけど。もう4年くらいになりますね。
―つるのさんのアイデアですか?
はい。奥さんとのコミュニケーションもとれるし、子どもたちの状況もわかるし。仕事で家にいない時にもこれは分かりやすいなと思って。
―家を留守にされている時って、奥様から今日はこんなことがあったよとか頻繁に連絡は来ます?
基本的にはないですけど、今は1番下の子が小さいので、動画とか写真とか送られてきます。1番下の子は、お姉ちゃんたちで取り合いなんですよ。上の子どもたちが面倒見てくれて、すごい気が楽と言うか、すでに孫を育てている感覚です(笑)。上の4人は1年半くらいの差だったんで、小学校行くまではグチャグチャとした忙しさがあったんですが、今はもう自分で学校にも塾にも行くし、以前は親が送り迎えしなきゃいけなかったのが、今はお兄ちゃんお姉ちゃんにくっついて下の子も行くからすごく楽ですね。そこに5人目が生まれて、もう上の4人を経験しているのは大きいです。転んでも「はい、死にやしない」熱が出ても「はい、突発性」とか、経験値が高いんですよ。そして可愛さがひとしおと言いますか、もう全然違う可愛さと言いますか(笑)。
―じゃあ、プラスもう一人というのはオススメですか?
はい。それは僕よく言っているんですけど、みんな勝手に大変さを計算しちゃいますからね。でも本当に楽ですよ。上の子が面倒見てくれるから。物理的に大変なことはありますけど。例えばタクシーは2台にしなきゃいけない。旅館も消防法で2部屋取らないといけないし、ファミレスもテーブル一つじゃ料理が乗らないです。大家族あるあるですね。
―今もご家族で出かけることは多いですか?
長男はだんだん行きたがらなくなってきていますね。僕としてはちょっと寂しいですけど。こないだサイパンに行ったんですが、ウチ女の子ばかりだから長男はちょっとつまらなさそうで。かといって僕も長男ばかり相手にするわけにもいかないですし。
―そういうのはこの先何年か続きそうですね。
これはしょうがないですね。大人への階段として、おめでとうと言ってあげるしかないですね。僕があたふたしてもしょうがないことで、「今、一生懸命いろんなことを考えろよ」って心の中で呟くくらいの寛大さを持ちたいなと思っています。でも、昨日みたいにガーって言う時もあるので、それは親として寝床で反省するというか(苦笑)。勉強しろって言われたことがない自分が、なんで勉強しろって言わなきゃならないんだろうとか。でも一晩寝たら息子もケロっとしていますけど。さっきの「プレステやっていい?」ってLINEも、可愛いやつだなって(笑)。息子とコミュニケーション取るのにLINEはいいかも。さっきのLINEもヒルナンデスが終わったくらいのタイミングを見計らって送ってきたんです。「じゃあ、いいよ」って。そしたら「ありがとう」って。ありがとうに「。」も「!」もついてないんですけど、伝わってきました。
―反抗期が来ることとか想像しますか?
僕は反抗期が来る方が自然だと思っています。僕もあったと思いますし。
―つるのさんの反抗期はどんな感じでしたか?
僕は自覚していないんですけど、母親は言っていました。なんか分からなくなった時があったと。母親は自分の想像というか、この子はこういう行動をするであろう。きっとこういう感じだろうと自分が思っていた枠から飛び出して、どう扱っていいか分からなくなった時期があったみたいで。
―それ具体的にはどういうこと?
例えば、息子の目が青いとか、ラーメン食べている時に髪をかきあげたらピアスしているみたいな。その時、母親が「えーっ!!!!!」って言ったの覚えていますもん。でも、息子がそれをしだしたら、僕も心配になると思います。この先、そういう僕の想像の範囲を息子が超えることがあると思うんです。
―つるのさんの想像の範囲ってどの辺りでしょうね。
僕、ピアスあけたり、カラーコンタクトを入れたのは、芸能界に入りたいっていう目的があったからなんです。母親からしたらものすごく驚いたようなんですが、父親は分かってくれたんですよ。「ええやないか、剛士は芸能界目指してるんやから、普通の子と同じことやったらあかん」みたいな。すごい寛大だったんです。でも親父、銀行員ですからね(笑)。親父は僕の夢を分かっていて見ていてくれたんですね。僕もそういう親でありたいと思いますし、息子が枠を飛び出してきても許してあげられるような、息子はなんでこういうことをしているんだろうと考えて、親として見てあげられるくらいの距離感は保っていたいと思います。
―子どもの夢を分かって見てあげられる距離感—
でも、ちょっと飛び出してきたんですよ、最近。アニメイトに行って女の子のフィギュアを買ってきたりとか。「ああっ?」って思いますよ。僕、その道を通ってきていないので。周りのサッカー部のかっこいい友達なんかも買ったりしているんですよ。なんだか僕たちの時代とは違うんですよね。アニメに対しての取り組み方が。
―アニメに対する取り組み方(笑)?
僕らの頃はオタクだったんですけど、今はスタンダードみたいです。LINEのヘッダーも、なんかのアニメのなんとか少女のなんとか魔法使いのどうのこうのっていうヘッダーなんです。なんじゃこれ?って(笑)。でもその画像がカッコいいんですよ。サイケな感じで。そういう見方をすると、いいじゃんって思うんですが。まあ、ウチの奥さんもヘンテコな漫画をいっぱい読んでいて、エログロみたいな本がたくさん本棚にありますから。そこに感化されたのもあるかもしれないですね。
―しかし、まあお父さんの寛大さは、つるのさんにとって大きいですね。
そうですね。僕もこういう世界にいるから許容範囲は広いと思うんです。だからうちの親父には感謝します。これで父ちゃん母ちゃんどちらも反対していたら、かなりキツ買ったと思うんです。親父が後押ししてくれたのは相当な自信に繋がりましたから。今になって親父すごいなって思います。
―高校卒業してからは?
もし23歳までに、みんなが大学を卒業するまでに夢が叶っていなかったら、芸能界は諦めようと思っていました。その時はピザ屋の社員になろうと思っていたんです。けっこう真剣にバイトしていてマネージャークラスだったんですよ。バイトの中でもピザも作る出前もとる30分で4件運ぶみたいな。でもいつも釣銭を間違えるという(笑)。
―そうやって時期を決めていたんですね。
はい、だからうちの息子にもさっさと出ていけよって言っています。20歳くらいになって家でぐうたらしてたら追い出すからなと。
―娘さんたちとの関係は?
僕ね、娘の髪を触っていたから、今でも触らせてくれるんですよ。それってけっこう大きいと思うんです。初めはママみたいにカッコよく髪の毛を結びたいと思っていただけなんですが、それがすごくスキンシップになっています。娘たちにとって髪の毛は繊細な部分だと思うんですが、それをパパが触れるのはいいことだなと最近思っていて。だからオススメですよ。ポニーテールでもいいと思うんです。クルリンパっていう簡単な結び方もあります。それをパパがやってあげられるといいと思います。大人になって娘もいつか思い出す日が来ると思うんです。あの時パパやってくれたよねって。
―髪の毛を結んであげられるパパはいいですね。
最初はもう下手くそだったんです。娘は玄関出てからとっていましたから。僕その瞬間を偶然見ちゃったんです。
―それはショックだ。
めちゃくちゃ悲しかったです。髪を結んであげていってらっしゃいって送り出して、そのあと、犬の散歩で付いて行こうと思って追いかけたんです。そしたら長女がバーってとったんで、わっ!悲しいって。帰りましたもん。
―声かけられなかったんですね。
はい。別のルート行きました。でも次の日、なんでとったのって聞いたんです。そしたら体育だったからって。パパには言えなかったんだけど、この結び方じゃ取れちゃうって。それからはぎゅーって結ぶようになりました。
―あの時パパがやってくれたという思い出になりますね。
他にも、僕、キッチンに普通に立っていたりするので、そういったことが娘にどう映るかとか、普通にママのお尻触るんですが、それもいい感じに思い出すんじゃないかなと(笑)。「パパとママ仲良かったよね」みたいな。今は娘たちが「きもーい」みたいなこと言ってくるんですけど、「パパの好きな人なんだよ、何が悪いんだよ!そういうお前の方がキモイわー」って僕も言い返します(笑)。僕も両親がラブラブしてんの嫌な気分しなかったんですよ。子どもの前でイチャイチャしてもなんとも思わないし、別に夫婦仲良いんだからいいだろみたいな。娘にはそういう旦那さん見つけて欲しいと思いますね。
―育休の期間はというのはどうでしたか?
短期間でもいいから絶対やった方がいいと思うんです。絶対夫婦円満になりますから。そしたらますます仕事頑張れますし。少しでもやれば奥さんのツラさが分かるから。そしたらその後も「今日ツラいよね。パパやっとくよ」って気軽に言えるようになるんです。イヤミなく。
―つるのさんの周りで、そうは言ってもできないんだよねっていう人は?
ほとんどの方がそうですね。男性の育児休暇の取得率が2%台の社会ですから。僕、それに対して大手を振ってみなさん育休取りましょうとは言いませんが、これから取ろうかなという人には後押ししたいですね。やった方がいいですよって。絶対夫婦円満になりますよって。僕も経験者ですし、何かツラいことがあったらツイッターにグチ言ってくださいって、僕思っています。最初はやっぱりツラいんで。
―ツラかったですか?
何がツラかったかって、仕事をしていると目標を立てて達成して社会で認められるじゃないですか。でも家にいる奥さんって自分の目標を立てても時間に追われてネイルに行けない髪の毛切りにいけない、そんなことが毎日繰り返されてずっと消化不良で終わるんです。目標達成感覚が全く得られない。僕もずっと同じ格好してエプロンしてました。誰とも合わないしツライなこれはって思いました。そういう、日々感じたことを書いたらママたちが響いてくれたんです。そしたらブログが1週間で350万PVいったんですよ。これだけママが共感してくれているのに、パパたち誰も知らないんですよ。僕、それにびっくりしちゃって。
―つるのさんにとって子育てって?
僕、自分の子どもだけでも自分の子どもと思っていないんです。社会から預かっている感じですね。だから社会に戻すという感覚が強くて。だから自分の子どもだからどうのということはないんですが、ただ、僕の人生の助けになっている両親からの一言というのがあります。「お前は父ちゃんと母ちゃんの子どもだから大丈夫だ」って言われ続けてきたんです。根拠はないんですよ。でも根拠のない自信が植えつけられたんです。だから自分の子どもたちにも言ってあげたいなと思って。「お前たちはパパとママの子で、パパはこれだけママのことが大好きで、ママもパパのことを好きでいてくれている。そんな2人の子どもなんだからお前ら絶対大丈夫だ」。そう言ってあげられる親でありたいなと思っています。だから自分もそういう生き方をしていないと、子どもたちに説得力がないですから。今、イクメンとか子育てとかっていう話をしていますけど、やっぱり自分がどれだけしっかり生きられるかということだと僕は思っているんで。だから僕は子どもたちに背中を見せてあげることだと思っています。だから自分の夢を追いかけたいしママのこと好きでいたいし、そういうことがしっかりしていれば子どもたちもそんなに変にはならないだろうと思っています。イクメンなんて言葉はさっさとなくなればいいと思っているんです。まあ、その言葉が出てきたことで子育てに対する敷居が低くなったのはいいと思うんですけど、そろそろ、イクメンという言葉がなくなっていく社会になっていくことが理想かなと。
―「パパとママの子だから大丈夫」。絶対的安心感ですね。
はい。でも長男の勉強のことで学校からの呼び出し受けたので、まずは行ってこようと思います(笑)。
今回の”オトン”なアーティストは、
つるの剛士さん
家族構成:妻、息子(中1)、娘(小5)、娘(小3)、娘(小1)、息子(1歳)
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僕の舞台とかライブを子どもに観せて「どうだった?」って訊くと「普通」とか言うんですよ(泣)。
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“オトンなアーティスト”第3回は俳優の片桐仁さん。他にもお笑いユニットエレ片での活動、そして粘土創作で個展も開催するアーティストとしても活躍されています。家では2人の息子のオトン。息子さんとのこと、ご自身の子どものころも振り返っていただきながらお話を伺いました。
―よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―息子さんお2人とも、来月入学なんですね。
はい。中1と小1になります。どっちも小中高一貫校なんです。
―じゃあ、小学校に入る時に受験された?
そうなんです。というか、定員割れで特に受験という感じでもなく入れる学校だったんですけど。でも小学校って、本人が選ぶというより親が決めちゃうじゃないですか。それはどうだったのかなあと今でも思うことはあります。でも私立の方が向いているんじゃないかなと思って。特に上の子は。それで近所の人に紹介してもらって受験したんです。
―公立との相性のようなこと?
わりと、ひとつのことに夢中になると周囲が見えなくなるタイプで。ワル目立ちすると言いますか。幼稚園の時も先生と合わなかったりとかしていて。
―入学してどうでした?
良かったです。上の子が良かったので、下の子も同じ学校を受験しました。ただ、下の子のときは倍率が上がっていて、兄貴も行っているし受かるでしょって思っていたところ、でも周りには落ちた人もいるとか聞いて、ドキドキしちゃって。でも大丈夫でした。下の子は順応性がある方だったから公立でもいいかなとも思っていたんです。給食もあるし、近所に友達も出来るし。
―なるほど。私立だと近所のお友達というのはいないですか?
そうですね。だから友達が家に来ることなんてほぼないですから、学校でギリギリまで遊んでいます。だから帰りは6時くらいです。遅いですよね。
―ちなみに片桐さんご自身は公立ですか。
はい。僕も嫁さんも公立です。当時は私立中学を受ける人なんて、学年で1人か2人くらいだったと思います。僕、昭和48年生まれなので、第2次ベビーブームでしたから、競争競争で団体責任とかそういうことがすごく大事にされていて、とにかく集団行動を尊ぶじゃないですか、あれが僕、本当にイヤだったんです。でも、なんか無理やり学級委員にさせられたりとか、どうして本当にイヤだと思うことをやらすのかなって思ったりして。学級委員になったら今度は学級委員バッジを毎回隠されていて、いつもないんですよ、バッジが。いじめですよ。逆にあれを経験したことで、強くなったといいますか、あそこを生き抜いた自信とかはあるんです(笑)。だけどやっぱり、どう考えても理不尽極まりなかったですね。僕が味わった公立学校は。
―つらいご経験をされていますね。
はい(笑)。嫁さんは嫁さんで、学校の先生に目の敵にされて犯人にされて、その後、実際に悪いことをした子が見つかったんですが、その子は全く怒られないというね、そういうことがあったらしいです。昔はそういうこと平気でありましたからね。
―片桐さんは小中高、好きじゃなかったんですね。
でも僕、けっこうぼんやりしていたので、そういうもんだと思っていました。
流されるタイプとでも言いますか。中学校の時は、まあまあ勉強が出来たんです。それでまあまあ頭のいい高校に行ったんですね。そしたら全然勉強ができなくなっちゃって、自分の価値ってなんだろうって思っちゃったんです。それで絵で行こうと思いまして。それまでずっと絵がうまいキャラできていたんですよ。でも美術予備校に行ったら、これがめちゃくちゃ下手だったようで、僕。絵を描いてダメって言われたの、その時が初めてでした。「あれ?」って。小中高と絵がうまいキャラできた身としては、相当ショックでしたね
―今は創作活動もされて個展も開かれていたりしていますよね、それにお子さんとも一緒に。お子さんも絵とか美術が好きなんですよね。
長男は、実は技術家庭の方が好きなんです(笑)。僕がそういうことをやっているから、美術系に特化した家庭という見られ方をしがちで、息子もそうだろうと思われているふしがあるんですが、絵よりもそっちの方が好きみたいです。
こないだ、自画像を描くっていう授業があって、子どもが顔の正面から描いていたんです。でも正面って難しいんですよ。ちょっと斜めから描いた方が、立体感とか奥行きが出るので「斜めから描きなよ」って軽い気持ちで言ったんです。斜めで自分の顔を描いたことなかったんですけど「じゃあやってみる」って。そしたら右向きの顔を描いたんです。右向きってすごく難しいんですよ。鼻を描く時って、右利きの人ならほとんどが「く」の字で描くはずなんですね。でも逆の「く」の字で描いちゃったことで全然進まなくて、冬休みも学校に来いってことになりまして、自画像を描くために。それで、冬休み1日目が終わった時、子どもが「お父さん、斜めの顔、難しいから正面に変えていい?先生からも正面に変えていいって言われたから」って言われて。ああ、そうか、軽い気持ちで言った俺からのプレッシャーでなかなか言えなかったんだなって思ったんです。絵的には斜めから描くというのは正しいかもしれないけど、これって僕だったら斜めにしたというだけの話なんです。どう描くかは子ども自身が決めなきゃならないんですけど、素直な子だから、親の言った通りやってみようと思ってくれたんですよね。結局正面の顔に戻っちゃったけど。でも、斜めの顔を途中まで書いたってことには意味があると思うんですよ。それはそれで意味のあることなんですけど、でもね、こうやって少しずつ、親のプレッシャーを浴びているんだなって思ったんです。
―分かる気がします。技術家庭が好きっていうのは、どこで知ったんですか?
プラモデルとかが好きなんです。僕も好きなので一緒に作ったりするんですけど、息子はヤスリをかけるのが最高に好きみたいです。
―そこめんどくさいと思う人たくさんいる気がしますが。
そうそう。僕も息子にそんなにやってたら時間かかるよって言ってたら、「いや、面をキレイにするのにはこのくらいはかかるでしょ」って言われました(笑)。
―あははは。職人的ですね。下の子はどうですか?
次男は絵が好きなんです。絵ばっかり描いていて。それを僕が見て、絵が好きなんだなって嬉しそうにしていると、兄としてはなんか思うところあるのかな、とも思ったりするんですけど。
―創作活動は、ご自宅で?
はい。僕は六畳の部屋があって僕はそこで。子どもは子どもでやっています。僕の部屋は危ない刃物とかいっぱいで物がぎゅうぎゅうなんです。だから子どもは長居しづらいんですが、たまに「ちょっと一緒にやろう」って言って粘土あげたりします。僕の作ったものを見せて「どうだ、うまいだろ」「うまい!」「そうだろ、お父さん、うまいんだよ」って(笑)。個展とかやると、子どもがお客さんに説明しているんです。「ここはね、こうやって開くんだよ」とか。
―お父さんのことは誇りなんですね。
そういうのはあると思います。そういう風に嫁さんも言ってくれていますし。
―そういえば先日、久しぶりにテレビでネタを拝見したんですが。
あ、エレ片ですね。
―あの、これでもかのウンコネタ、お子さんの反応はどうなんですか?
あれはもう爆笑ですよ。男の子ですから(笑)。あれ、劇場でも見せていますしね。でも、ネタと子どもの反応っていうのは複雑ですね。上の子はかなり早い段階から舞台を観に来ているんです。初めて観た舞台、僕は2役で2回殺される役だったんですね。お客さんを入れずに本番同様にやるのをゲネプロっていうんですが、その時、嫁さんと子どもは客席で観ていたんです。僕が殺される時子どもが騒いでいる声が聞こえたので、怖かったのかなぁと思って、終演後に「どうだった?」って訊いたら「お父さん、殺されてたね」ってニコニコしながら言っていましたけど(笑)。
―お父さんの舞台がトラウマにならなくてよかったですね。
子ども、舞台のセットとかステージの回るお盆とかを見るのが好きみたいですね。舞台の袖からセットを見たりとか。大工さんみたいな仕事を見るのが。技術家庭好きなので、そっちにも興味があるみたいです。
―お父さんが演じている内容については?
あ、でも上の子は6年生なので物語を見続けられるんです。下の子はまだ集中力が続かないんですけど。ただ、お笑いライブでかなり大人向けというか、キツ目の下ネタが入る時とか、それ観てどう思っているのかなと思いますね。ある種、お父さん恥掻いていますから。僕もプロでやっているので、笑わせているんですが、見方によっては笑われていますからね。台本で初めから分かって演じていることなんだけど、子どもからしたらその線引きが分かるのかな?と思ったり。悪役やったりするとイヤなのかなとかも思ったりしますけどね。でも仕事ですからね。
―お子さんが感想を言ったりとかは?
あまり言わないんです。だから感想言えよと思います。
―お子さんからの感想は欲しいですか?
欲しい!聞きたいです!「どうだった?」って訊くと「普通」とか言うんですよ(泣)。「普通ってなんだよ。面白かったでしょ?ちゃんと観てた?」って訊いちゃうんです。「観てた」って言うから、「じゃあどんなネタやってた?」って確めてみたりして(笑)。
―すごく知りたいんですね。
子どもがどう観ているかを知りたいんですよ。先日、鴻上尚史さんのお芝居で、設定は現代なんですが、日本が戦争末期の状態というもので、僕は軍人の役だったんです。今の時勢を反映した考えさせられる話だったんですけど、子どもの同級生の女の子がお母さんと観に来てくれたんです。そしたら「すごくよかった」と。反戦の想いを書いた熱烈なお手紙をもらったんです。お芝居を観せてくれてありがとうございましたって。うわあ、よかった!って。この手紙はもう一生取っておきたいって。それで満を持して、うちの長男が観に来たんです。「どうだった?」って訊いたら、“感想なし”なんですよ。「ちゃんと観てた?」ってまた訊いちゃって。子どもは作文が大の苦手で、自分の想いを伝えるということに対する感度が低いんですね。それと6年生の男女だと、3歳分くらい精神年齢の違いがあるようですからね。でも、記憶には残っているはずなので、いつか「あれはこういうことだったのか」って思ってくれればいいです。そういうきっかけを作るのが親の役目だと思っていますし。
―ちなみに家では「お父さん」って呼ばれているんですか。
はい。僕は両親のことをずっとパパママって呼んでいたんです。それで、結婚した時、僕がパパママって呼んでいるのを聞いて嫁さんがドン引きしまして(笑)。だから子どもがもう年少くらいのときに「今日からお父さんお母さんに呼び方を変えます」って言って、嫁さんが呼び方を変換させていました(笑)。
―あははは!お子さんとのやりとりの中で、やっちまったなと思うことってありますか?
大きなものはないんですが、単純に虫の居所が悪い状態を家庭に持ち込んで、そういう時に限って学校で問題が起こって子どもの名前が学級通信に書かれていたりすると、ただただガミガミ言ったりするというのはありましたね。ガミガミ言ってもしょうがないんですが。本人がどうするかが大切な訳で。それをこっちが正義感ぶって、どうしても世間的に正義とされる体のいいことを言おうとしちゃうんですよ。親としては1番よくないなと思うんですけど(苦笑)。それに、これから子どもが多感な年頃になってくるなか、親も日常の忙しさにかまけて、子どもの気持ちみたいなことを見逃していたり邪険に扱っていることもあるのかなと思うことはありますね。
―お子さんが多感な時期というのは実感しますか。
そうですね。親になかなか感情を見せなくなってきましたし。レストランで注文しなくなってきたし、声が小さくなったし。まあ、親の思う通りにはならいないと言うのは分かっているんですけど。
―お子さんにこうなってほしいとかあったりするんですか?
いや、こうなってほしいと言うのは、親の完全なわがままですからね。でもまあ、挨拶とかお礼とかはしっかりできるようになってほしいとは思います。ご近所で、通りすがりの人みんなに「おはよう」って言ってくれるおじいさんがいるんです。以前子どもに訊いたんです。「おじいさんに挨拶してる?」って。そしたら「いや、してないよ」って。「だって女子中学生も無視してたよ」って言うから「でもそれは人の勝手かもしれないけど、挨拶されたのに自分が無視した時ってどんな気持ち?」って言うと「挨拶できなかったなって思う」って言うので、「だったら挨拶した方が良くない?」って言ったんです。
―うん。ちなみにご近所づきあいは?
ありますあります!家の周りはお年寄りが多いんです。今は借家に住んでいるんですけど、うちの庭でフキノトウ採れたりしたら、子どもにお裾分けに行かせるんです。そしたらお菓子をくれるんですよ。で、子どもは味をしめちゃって(笑)。それで、こないだも積極的にお裾分けに行ったんです。で、次男が近所のおばあちゃんに「今日は何もくれないの?」って訊いちゃって(笑)。
―あらら、あははは!
しょうがないから、おばあちゃん、自分が食べかけのお菓子とかくれて、、、月餅とか(笑)。
―お裾分けのお付き合いはいいですね。
それと畑で家庭菜園をやっているんです。大家さんが教えてくれるんですよ。畑には勝手にフキノトウが生えていて、イヨカンだか夏みかんだかの木があって、春になるとアスパラガスも勝手に生えてくるんです。それ以外にもジャガイモ、サツマイモ、ニンニク、玉ねぎ、プチトマト、ゴーヤ、スイカ、豆とか。
―すごい!いろいろ育てているんですね。
でも失敗するんですよ。冬はマルチングっていって黒いビニールを敷いたりして端正込めているんですけど、全然元気がないとか。去年は、青パパイヤが好きだから植えてみたんです。でも寒くなった途端全部枯れてしまいました。
―何年ぐらいやってるんですか?
はじめて7年めです。大家さんに教わりながら、その辺に生えているラズベリーなんか食べながら。前、巨峰を植えた時はネズミが食べに来て、やめました。手間とか考えるとお店の方が全然いいし、お店の方がむしろ安いんですけどね。雑草抜くのとかすごくめんどくさいし、無農薬で育てているんですけど、根切り虫っているコガネムシの幼虫に根っこを食べられちゃったら終わりなんですよ。でも、そういう幼虫を子どもが見つけたりすると、「僕たちが育てる!」って言って虫かごに入れるんです。それはそれでいいなと思っています。
―上の子とは最近どんな会話されました?
こないだ、「誰々が言っても怒られないけど、僕が言ったら怒られる」って言ってたんです。だから「それ、大人になってもずっとそうだよ」って言ったんです。「世界ってそういうもんなの。誰が言うかなの」って(笑)。「正しいとか悪いとかじゃなくて、この人は言ってもいいけど、アイツがこれを言ったら許さねえとかあるでしょ」って。でもそういうことを学校で体験したみたいですね。それに、番長的な影響力のある子が言うことに、みんなが引っ張られたりとか。
―僕たちが子どもの頃も、そういうことありましたね。
はい。でも、小学校の時に影響力あった子が中学校になって目立たなくなるっていうこともありましたよね。僕が小学校の時も筒井軍団と加藤軍団に分かれていたんです。小学校5~6年の時は筒井軍団が最大派閥だったんですけど、中学校になって、筒井くんそんなに目立たなくなりましたから。なんで小学校の時あんな派閥のリーダーだったか思い出せないくらい。で、小学校の時、先生がその派閥の構造を見るにみかねて、学級会で「誰が筒井軍団で、誰が加藤軍団なんだ?」ってことで軍団別に別れろってことになったんです。それで僕、加藤軍団だと思ってそっちに行ったら「仁ちゃん加藤軍団じゃないよ」って言われて。それで、そういえば初めの頃、酒井軍団っていうのもあったから酒井くんのところに言ったら酒井くんに「違うよ」って言われて、僕ひとりになっちゃったんです。俺がすごくかわいそうみたいな雰囲気になっちゃって。先生が「片桐はひとりか。ずっとひとりだったのか?」って話になっちゃって、「こんなとこでそんなこと言うなよ」って。あれはイヤな思い出でしたね。どうにもできなくて、どこの軍団にもいけなくて、ただシクシク泣くという。すごく覚えていますね。5年生で男子が泣くっていうのもキツイですね。でも中2でも泣きましたけど(笑)。
―中2の時は、なんで泣いたんですか?
女の子に口喧嘩で負けて(笑)。あと先輩にいじめられて泣きました。
―先輩には目をつけられるタイプだったんですか?
そうですね。カツアゲとかされるからずっと下向いて歩いていました。そしたら肩がぶつかっちゃったりして、カツアゲされて(苦笑)。塾の行き帰りもイヤでしたから。本当に人通りの多いところだけを通っていました。暗い道を通ると狩られるので。
―そういう経験って、今の糧になっているところもあるんですか?
ないです。イヤな思い出でしかないです。今でもフラッシュバックしますもん。でも、お笑いだから、それを笑いにしていけたというのは得していると思うんですけど。でもやっぱり、今でもワーっと思い出して、イライラしたりすごくイヤな気持ちになったり。10代の多感な時期はそういう意味でも大事だなと思います。
―親には言いました?
親に言ってもしょうがないと思っていました。親がどうこう出来ることでもないなと。僕、わりとみんなとコミュニケーションとるタイプだと思っていたんですけど、そうやって悪い絡まれ方をするようになって、僕から発するのをやめようと思ったんです。授業でも手をあげなくなったり。でも楽しいこともありましたけどね。中学も塾も。
―高校で絡まれたりとかは?
高校が男子校だったんで、さっき言ったように勉強が出来なかったんですけど、男子校だからか陰湿な感じがなかったんです。何か揉めごとがあったら喧嘩だったんで。
―喧嘩してたんですか?
見てました。喧嘩してるなーって(笑)。
―大学は?
もう最高でした。だって絵の授業ばかりなんですよ(笑)。
―そうか、やっぱりお父さんは絵が好きなんですね。
いや、美大に入って嫌いになりました(笑)。普段はほとんど描かないし。40歳過ぎて、最近やっと好きになってきましたね。
今回の”オトン”なアーティストは、
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中3の娘と2人で関ジャニのコンサートに行ったんです。新幹線でゆで卵食べながら名古屋まで。ライブを見て感動している娘を横目に、俺すげえいいことしてるなーって(笑)。
ミュージシャン、芸人、俳優 マキタスポーツさん
家族構成:妻、娘(中3)、娘(小4)、息子(2歳)、息子(2歳)
オトンなアーティスト、第2回はミュージシャンであり芸人であり、俳優であるマキタスポーツさん。4人のお子さんのオトンです。娘さんとのデートのことや、今でも心に引っかかる受験のことなど、以前、父親視点で書かれた本を出版されたというマキタスポーツさんのお話は、まさに等身大のオトンでした。
―よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―早速なんですが、中3の娘さんは、反抗期だったりします?
確かに反抗期なのかもしれないですけど、僕に対してはほとんどないですね。つい最近も、12月に名古屋まで、一緒に関ジャニのコンサートを観に行ったんです。
―お父さんとふたりで?
はい、ジャニーズファンクラブに入らないと取れないチケットなので、彼女がファンクラブに入って自分でチケット取ったんですよ。チケットは2枚取れるんです。当初、友達と行くんだと僕は思っていたんですが、余った一枚でパパと行きたい、と彼女が言うんですよ。
―なんでパパと?
なんででしょうね、関ジャニとは僕、共演してたりとかするんですよ。なんかちょっと誇りみたいなのもあるんでしょうかねえ。その辺は聞いてないですけど。
―お仕事の調整は出来たんですね。
そうなんです。その日、時間をうまく調整してもらって。会場は名古屋だったんですが、2時くらいの新幹線で行ったら間に合うので、午前中に仕事を終わらせて行きました。
―娘さんとは駅で待ち合わせして?
そうですね、東京駅で。僕は新幹線で移動することが多いのですが、新幹線に乗る時に僕がいつも買うものがあるんですよ。例えばお弁当だったりするんですけど、「パパは仕事で移動する時にいつもここでお弁当を買うんだよ」って娘を案内して。娘も「へえ」なんて言いながら、2人ともお腹は空いてたんだけど「名古屋に着いてから食べたほうがいいから、弁当買わないよ」と話をして。今度ホームの方に行くとキオスクがあって「キオスクで週刊誌とかスポーツ新聞とかそういうもの買うんだよ。あと売店で必ず網に入っている味付け卵の2個入りのやつ、お弁当は買わないけど、これだけは買わせて欲しい」って僕が言って。「これ、名前がマジックパールって言うんだけど、大体これ買うんだよ。この卵、朝の10時くらいに入ってきて、夕方になると無くなってるんだ」って。それで雑誌とスポーツ新聞とマジックパール買って、ちょっとお菓子買って、これがまあなんていうか、三種の神器じゃないけど、「パパみたいな仕事してる人の一つのマナーだ!」みたいな感じで娘に説明したりしていたんです(笑)。
―雑誌とスポーツ新聞とマジックパールは、新幹線に乗る時のマナーだと(笑)。
はい。娘に教えるような感じでね(笑)。彼女、最初は別に卵いらないって言ってたんですけど、僕が食べ始めたら欲しいって言うんで。2つの卵を1個ずつ。それで、僕としては調子を整えたいから「ビール飲むぞ!俺は」で、売り子さんがやってきたからビール買って、「もう飲むの?」なんて娘に言われたりして(笑)。
―なんだか幸せなやりとりですね。新幹線ではどんな会話を?
僕はビールとマジックパールを手に週刊誌をペラペラめくりながら。彼女はスマホをいじっていて、特に会話があるわけじゃないんです。それでわりとあっという間に名古屋に着いて、「味仙に行こう」って言ったんです。名古屋に味仙っていう有名な台湾料理屋があるんですよ。以前、僕が関ジャニの番組に出た時に、その味仙が美味いって紹介したことがあって、それを彼女も知っていたから、もう興奮しまして。でも帰りのチケットをまだ取ってなくて、日帰りだから先にチケットを買っておこうとみどりの窓口に行ったら行列で、買うまでにかなり時間が掛かってしまったんです。そのせいで味仙に行く時間が圧迫されてきたんですが、名古屋に来たし、じゃあ行くぞってことで地下鉄に乗りこんだんです。今池ってところに味仙の本店があって、他にも矢場っていうところにあるんですが、せっかくだから本店に行こうということで、地下鉄の駅を降りて店に行ってみたら、開店前でした。
―あらら!閉店?
あはは、、、。行ったのが4時半で、開店が5時だったんですよ。よくあることですね。でもコンサートは6時が開場だったんで、ご飯食べる時間がほぼない。娘には、もうこれはすまんかったと。事前に調べといたらこんな無駄な時間はなかったんですが。そしたら「分かった」って。泣く泣く開店前の味仙を後にして会場に向かったんです。この日は大雨で、駅からナゴヤドームまで屋根のあるところを歩いて行ったんですが、そこがすごい人でなかなか前に進まないという渋滞状況だったんですけど、そこでようやく彼女にもゆとりが出来たんですね。ゆとりというか気持ちが高まってきたようです。それまでは彼女も緊張していて、ずっと言葉が少なかったんですけど、ようやく会場に着くっていうことで「パパどうしよう、ほんとに始まっちゃう!」っていうテンションになってきて。「あんな曲もやるかな、こんな曲もやるかな」ってベラベラベラベラ僕に喋りかけてきたんです。自分のうちわと僕の分のうちわをカバンから取り出して「パパもそれ振るんだよー」って。
―娘さんからちょっとしたレクチャーを受けて?
はい。そんな話をしながら会場に到着しました。彼女はとにかく早く席に着きたかったらしく、でも僕はなんかダラダラと、ドーム内に入ってからも売店に寄ったりしていて、結局味仙でご飯食べられなかったのでね。「オマエもお腹空いただろう」って、売店で何か買って食べさせようとしてたんですけど、彼女、早く早くってすごく急かしてくるので「じゃあパパここで買っていくから、オマエ先に行っとけ」って彼女を先に席に向かわせたんです。僕はホットドックとか買って後から席に行ったんですけど、僕らの席、3階席の1番後ろなんです。後ろは壁。つまり1番遠い席。もう笑っちゃったんですけど、初めて自分で取ったチケットは、1番上の1番後ろ。神様はここから始めさせるんだなあ、って思って。偶然ですよ!偶然ですけどね、きっと。
―まさに、ここからスタートですね。
そうなんです、まさに。それで席に着きまして、程なくしてコンサートが始まると、もう娘がすごい興奮してですね。すごい感動している感じなんです、1番上の1番後ろの席で。そんな娘を横目に「俺、すげえいいことしてるなー」って感じて。
―パパはしみじみ?
もうしみじみしましたね。関ジャニの歌に合わせて踊る振り付けみたいなやつあるんですよ、みんながやるやつ。で、僕も見よう見まねでやってみて、「違うよー」なんて言われたりして「違うかな?」とか言って(笑)。
―それはもう素敵なひとときですね。
最高の瞬間ですね、はい。コンサートが無事に終わり、日帰りで帰るので混む前に出ようということで、出口に向かったんです。出口あたりで丁度巨大なクラッカーみたいなのがバーンと発射されて、彼女、あれが欲しいんだけどなーって言ってたんだけど、それを待たずに出ようとしていたんです。でも出口のところでパッと後ろを振り向いたら、丁度それが飛んできたんですよ。
銀のリボンみたいなやつが!
―あら!
それをバッと取って、「取れたぞー」って渡したら、彼女すごい喜んで。僕はそれがどれだけの価値があるか全然分からなかったんですけど、その銀のリボンみたいなテープ、銀テって言うらしんですけど、帰り道に「銀テをください」っていうプラカードを持っている人が何人もいて。
―銀テ待ち?いるんですか?外に。
いたんですよ。それ見たらますます娘が喜んでた意味が分かって。よくこれ拾えたなあ、よかったなって感じでした。帰りの道中はもう「あの曲が聞けた、この曲が聞けた」って色々話をして、僕も娘から事前にいろいろと関ジャニの曲を教えてもらっていたから「よかったよー、すごく感動したパパも」なんて。実際コンサート自体も面白かったし、エンターテイナーとしての関ジャニもあらためて尊敬したし、何より娘とそんな機会を持てたこと自体もすごく幸せなことだったので、いやあ、いいことづくめでした。
―いいことづくめですね。新幹線で一緒に2人旅的なことっていうのは今まであったりしました?
2人ではないですね。僕も忙しくなってきたし、彼女も歳を重ねていくと自分のテリトリーで交友関係とかをしっかり築いていくじゃないですか。今後だんだんそういう機会も減りますよね。だから極力2人の時間を持とうと思ってはいるんです。それで去年は映画を2人で観に行きました。シン・ゴジラ。
―シン・ゴジラ!君の名は。ではなく。それはどちらから?
君の名は。のちょっと前でしたね。僕から言いました。夏休みらしいことができなくて、丁度僕もシン・ゴジラ観たかったので「シン・ゴジラ観に行こう」って。「えー!シン・ゴジラなんてイヤだよ!他のが観たい」って言われたんですが、そこは無理矢理連れ出しました(笑)。
―無理やりシン・ゴジラ(笑)。
その時も映画の開演までの時間があったので、普通にまずTOHOシネマズでチケット取って、開演の時間まで新宿の街を散策して「なんか欲しいもの買ってあげるから」なんて。
―あら!欲しいもの買ってあげるとパパから。
はい、彼女、音楽が好きなので「じゃあディスクユニオンってとこあるから連れてってやる」って。でもそこには彼女の興味をそそるようなものが全然なくて・・・。
―あははは、なるほど(笑)
輸入盤の洋楽がメインなので、彼女がピンとくるものが全然ありませんでした。「じゃあマルイ行こう、マルイ!」って連れて行って「確かオマエ、サングラス欲しいって言ってただろ。夏だから買ってあげる」って言ったら、「サングラスなんて今、いらないよ」って。「じゃあ水着買うか?」って(笑)。
―あははは!
水着も別にいらないみたいで(笑)。
―とにかくもう買ってあげたくてしょうがないモードなんですね。
開演までの時間が限られている中で、いくつかのオリエンテーリングというか、ポイントを入れたかったんですよ。「じゃあ分かった、紀伊国屋の地下にすげえマニアックなDVDとか置いてある店あるからそこ行くか?パパもあそこの地下にあるタバコ屋でタバコ買いたいし」って言ったら「行かなくていい」って。「じゃあ分かった!DVDに興味ねえんだな、だったら本なんでも買ってあげるから」って、紀伊国屋に連れて行ってみたんですけど、欲しい本がないって言うんですよ。もう時間もねえなあ、中途半端だなあと。そしたらお腹が空いたって言うので「よし分かった、立ち飲み屋に行こう」って、立ち飲み屋に連れて行ったんです。末広亭があるところ、商店街みたいになっているじゃないですか。
―新宿3丁目あたりですね。
はい、3丁目。そこにある立ち飲み屋に行ったことがあったので「立ち飲み屋は行ったことないだろ?」「うん」「映画が終わった後にちゃんとした食事しよう。後でオマエの食べたいものを食べに連れてくから、今は立ち飲み屋でマナーを教えてやる」って言って。そこで彼女は串焼きを数本頼んで「美味しい美味しい」って食べていました。僕は彼女が食べているところを見ながら酒を飲んで、「こういうところにパパよく来るの?」って言われて。「たまにしかこないけどね」って。「こういう店は、長居するんじゃなくて2、3本ちょっとつまんで酒パーンと2杯くらい飲んだらもうお勘定で出ていく感じなんだよ。今日は30分くらいしかないからちょうどいい感じ」「小腹空いたくらいの時に入るのがちょうどいい店なんだよ」って。「へえ、いいねえ」って彼女が言って。その後、シン・ゴジラを観に行きました。彼女、ゴジラを観る直前まで他の映画が観たいって言ってたんですけど、見始めたら、早い段階で面白いと思ったようで「面白いなあ」って、2人でキャッキャ言いながら観ていました。結構マニアの喜ぶような内容だったと思うんですけど、僕にとってはデートムービーみたいな感じで観ていまして(笑)。観終わって「すげえよかったねよかったね」って2人で言い合って。その後、焼肉食べたいっていうので、焼肉屋に連れていって、映画の感想なんか言い合ったりしながら帰ったんです。
―完全なるデートですね。
はい。時間圧縮版のデートでした(笑)。いくつか僕の中で理想があったんです。映画の前にあそこ行ってここ行ってみたいなプランが。それをとりあえずはこなしていったんですけど、でもそこで何一つたいしたこと出来なかったけど。彼女にとってもいい思い出となってくれてたらいいなと思います。僕はすごくいい思い出になりました。
―マキタさんが活動しているテリトリーみたいなところを、ちょっと一緒に体験させてやりたいなっていうか、見せたいって気持ちが強いんですね。
家族に対してそんなにマメなタイプの人間でもないんです、ただ、僕4人の子持ちですから。2歳の双子の男の子がいるので、現在進行形で絶賛子育て中です。なので、ますますその上のお姉ちゃんとの時間が取りづらくなってきているなあという気持ちがあります。
―そっかそっか、4人のパパだ!
長女が生まれた時は、僕、まだ全然仕事がなかったですから。そこから段々仕事に恵まれてくるっていう過程をよく知っているんですよね、彼女は。
―うんうん。
最初、パパは何やっているのかよく分からない人という状態だったし、カミさんも当時は働いていましたし、そういう経済状況の中、学校に行き出すわけです。学校で友達から「パパ何やってんの」って話もあったかもしれないですけど、彼女が果たして説明できたんだろうかっていうのもありますよね。「芸能人だよ」とか言っていたとしても「テレビ出てねえじゃねえか」って言われかねないですし。
―そうですね、うん。
やがて僕がテレビとか出るようになる機会が増えていって、なんか変わったなっていう瞬間も彼女なりに見てきたのかもしれないです。
―ああ、子どもも同じ体験をしている感じですね。
なので、僕としても経済的にも恵まれなかった時代から今までを共に経験してきた同志のような感覚です。
―なるほど。
親としては、習い事なんかでも、小さい頃からいろんなことをさせてあげたいと思うものですけど、そんなにさせてあげられなかったという悔いもあるわけです、僕としては。
―はい。
なので、今、出来ることを、いろいろ体験させてあげたいなあと思います。
―今、出来ることを、、、。そういう思いが強いんですね。
はい。長女に関してはそういうことを思ったりします。次女に関してもそうです。
―下の子とはそういう2人だけの付き合いみたいなのは?
まだそんなにないですね。ただ、色々考えてはいますけど、タイミング次第で。今回の関ジャニのコンサートも、チケットが2枚あるから、当然自分が行くものだと思っていたらしいんですよ。まさかお姉ちゃんが僕と一緒に行きたいということを言い出すとは思ってなかったらしく。
―ああ、そうですよね。
僕も仕事があるので、ギリギリまで行けるか分からなかったんです。だからいくつかのパターンを考えていたんですよ。僕が仕事で行けない時は、長女と次女で行って、お母さんが引率で付いていき、コンサート中、お母さんはどこかで待っているというパターン、あるいは僕の後輩に付いていってもらうパターンなどいろいろと。でも最終的に僕が行けることになって、僕も「行けることになったぞー」って喜び勇んで言ったら、長女は喜び次女は泣くという(笑)。
―下の子泣いちゃいました?
はい。行けると思い込んでいましたから。
―それ、コンサートの何日か前ですよね。
そうですね、
―納得したんですか?
「今回はパパが付いてくことになったけど、遠いところだし、君とやりたいこともあるからさ、今度2人でどこか行こうよ、君の行きたいところに連れてってあげるよ」みたいな話はしましたけどね。わりと根に持つ性格なんで。次女は(笑)。
―双子の子とは?
長女と次女が5つ離れているんですよ。それで打ち止めかなと思ったんですけど、7年ぶりに妻が妊娠して、で、子どもが出来たっていうんで、それは喜ばしいことだし、僕の家族計画の中に3人くらいはあったんですけど、調べてみたら双子だという話でびっくりしました。
―上の子が小さかった時の教訓を活かして、下の子に対して意識変えたところなどありますか?
意識は変えたいなあと思うことはありますけど、なんせ初めての長女、初めての次女、初めての双子なんで(笑)。
―あははは。そうですね。
全部初めて。しかも男の子だし。これから男の子で成長した時に、女の子で学んだことが本当に活かされるのかどうかは分からないです。
―なるほど。
教育にかけるお金などに関しては、長女が生まれたばかりの頃に比べればあるかもしれないけど、長女が生まれた時は32歳ですから、それなりに体力もあったんです。でも息子たちが生まれたのが45歳の時ですから、体力が本当に持つかどうか、という不安は思います。
―そういう不安があるんですね?
ありますね。しかも2人なんですよ。2人の男の子なんで。それはカミさんにしても同じなんですけど、まあ大変です。あっちこっち飛び回りますから。今日も午前中の寒い中、遊びに連れ出したんですけど、まずひとりでは見きれないですもん。公園に行ったら、四方八方飛んでっちゃうんで。話が分かるようになったとしても、今度は男の子だから戦いごっことかを2人で挟み撃ちとかでやってくるわけじゃないですか。で、寝ている時に、バーンって飛び乗ってくることも。今もありますけど、そんなの男の家じゃ当たり前な光景で、それがもうツープラトンの攻撃なわけですよね。
―確かに。それに耐えられる体づくりをしとかないと。
体づくりをしとかなくちゃとは思ってます。だから僕ジムとか通ってますもん。
―そのために?(笑)
ボクシングジムに。
―本気ですね!
彼らが成人する頃には僕はもう60歳を超えているので、で、そういうことを思ったらまだまだ仕事ちゃんと出来ないといけないですしね。だからまず体のことが一番気になります。
―ちなみにご近所とのお付き合いとかあるんですか。
昔は時間もあったので娘を公園に連れていって。公園に集まっている子ども達を集めて一緒に遊んだりしていたんですけど、今はほとんどないです。
―なるほど。
ただ去年の夏、僕が茨城でやっているロックフェスティバルに出演する時、お隣の家族のお兄ちゃんに「一緒に行くかい?」って。そのお兄ちゃんが音楽が好きで、チケットも余っていたので。
―お子さんと同級生?
いえ、全然。歳は違って、うちの娘よりも大きいんですけど。隣の子を食事に連れていったりとかはありますね。
―お隣さんとは仲良しなんですね。
適度な距離感です。あと家でBBQパーティーみたいなことをすることもあります。猫ひろしがオリンピック出たじゃないですか。僕、猫ひろしになる前から面倒見ていた時があったんですよ。そんな彼がオリンピック選手になるっていうので「猫ひろしを見る会」っていうのを発足して、役者の友達、俳優の友達、ミュージシャンの友達、お笑い芸人を呼んでBBQやったんです。その時に次女の友達も呼びました。
―それは豪華ですね(笑)。ちなみに今までお子さんと付き合ってきた中で、これは失敗したなあ〜とかやっちまったなあみたいなことは?
いっぱいあるなあ。やっちまったなあっていうのは。ううん、今現在もやっちまってる最中だし・・・。
―やっちまっている最中?(笑)
かもしれないですねえ。長女を中学受験させたんです。合格して、結果的には彼女はその学校に行ってよかったって言っているんですが、僕が中学受験って言い出したのは、10月とか11月くらいなんですよ。翌年の2月には受験。つまり準備期間が3ヶ月ないという状態の中、それこそ僕が急に思いつきで「受験するぞ」って。
―それはすごい。
ただその時はカミさんも否定的でした。そんなことする必要ないんじゃないかと。これは完全に僕のエゴだったんです。彼女も全然乗り気じゃなかったし。僕の友人で賢い奴がいるから、そいつらに家庭教師になってもらったんです。一緒の事務所で同じラジオ番組やっているサンキュータツオっていう学者芸人がいるんですよ。今、一橋の非常勤講師とかもやっている奴なんですね。国語の専門家なんです。彼に国語の解き方を教えてもらいました。「本当に受験するんだったら、マキタさんもやってください」って彼が言うので、僕も出された過去問を見て解きました。カミさんも。答え合わせしながら「ここがいけなかったね」ってことをみんなでやる。娘も本当になんでこんなことやらなくちゃ行けないのかって感じでしたけど、結果、合格してよかったよかったみたいな感じにはなったし、実際その学校に通い始めたら、本当に学校がいいって言ってくれてはいるんですけど、あれはやっぱり僕のエゴだったなあって思いますね。
―なるほど。
彼女に対して、この辺で人生を切り替えて新たなステージへ上がってもらいたいっていう僕の思いが入っているんですね。それは彼女の選択ではないんです。緩やかな過程の中で、こんな選択もあるんだっていうことを彼女自身で掴んでいくという機会を僕は奪い、強引に君のためみたいなことを言いつつそうさせてしまったってことに関して、俺はいわゆる過干渉なんじゃねえかなって思ったり。本当は自分で選択出来るということを経験させてあげるべきなんですが、、、。他にもやっちまったのは色々とありますね。
―他にもたくさん?
愛ゆえの難しいところです(笑)。こっちは色々なことが分かっているから、子どものために、良からぬことはあらかじめ外しておこうという気持ちで、こっちの方に行くべきだってことをつい言ってしまうんですけど。
―そうですね、親は先回りしたくなりますからね。
そうなんです。先回りしてしまうじゃないですか。
―うん、しますね、つい。
それでよかったということがあったとしても、本当に自分の頭で考えられる力を作ることの方がいいはずなんですよね。
―そうだと思います。この本(マキタスポーツさんの著作:「アナーキー・イン・ザ 子供かわいい」アスペクト刊)では子育てとは修行だって書かれていましたけど、そこは今も変わらずですか?
変わらず修行ですね、これは。僕、社会性とかあまりないタイプの人間だったと思うんです。家族というのは、社会で一番小さい社会ですよね、身内ではあるんですが、自分以外の他者との中で、折り合いをつけて行くってことですよね。その中でいざこざがあったり、問題が出てきたりしながら。それで問題が解決したらほんとに良い方向に行くのかと思いきや、実は5年後くらいに何かが待っていたりするかもしれないわけじゃないですか。だから、安心は全く出来ないです。一番油断したい空間である家庭が、実は社会と全部繋がっていて、家庭での失敗とか経験を積むことが、社会にも活きていくわけで。
―具体的に訊いてみてもいいですか?
例えば、誕生日とかっていうことに関しての感性が著しく欠落しているところがあって。それは僕の親が、自分の誕生日を祝ってくれなかったからなんですけど。
―なるほど、はい。
だからものすごく冷ややかなんですよ、誕生日に対して。今でもあまり変わらないんです。でも「誕生日パーティーです!」ってスタッフがサプライズを仕掛けてくれたりすることがあるんですけど、基本的にどうリアクションとっていいか分からないんです。心からありがとうって言うことが出来なくて。さらにいうと、これ何の意味あるの?っていう気持ちがどこかにあるんですよ。だけど、仕掛けられたらそれに応えるってことは社会性じゃないですか。それは家族に対しても同じで、誕生日パーティーや何か記念日的なことをすることで子どもたちに社会性を身に付けさせるということは、僕にとっても身に付けるべき社会性でもあるんですよね。
―社会性、なるほど。
なので、やっぱり修行なんですよ。
―じゃあ誕生日について、自分の中でプライオリティ上げているんですね。
そうです、だから他にもそういうアニバーサリー的なもの以外にも、セレモニー的なものがあるわけじゃないですか。年末の大掃除とか。正月は正月らしく、あけましておめでとうございます、って言ってからとか、おせちを食べてお年玉をあげてみたいな。様式とか、形式とか。
―はいはい。
そういうことに対して、全部無意味だっていう考えを持って悲観的な気持ちになっているわけではないんですが。言ってしまえば人生って全部無意味なものが連続しているわけじゃないですか。無意味なものをどういう風に楽しんで関わりあうのかっていうのは社会性なんで。僕は社会性が足りない人間だったから、家族を持つようになってから社会性を身に付け始めているってことにおいては、僕以外の家族のメンバーには、育ててもらっているっていうのが本心です。ずーっと進行形で、答えがなくて。だから僕にとって子育ては修行以外の何ものでもないです(笑)。
インタビュー会場協力:野菜バル noki shibuya(https://www.facebook.com/nokishibuya/)
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未来の方が上だと思いがちですよね。それよりも今、目の前のことを味わうということの方が大切です。その方が良い未来が来ると思うんです。結果として。武田双雲
書道家 神奈川県藤沢市 武田双雲さん
家族構成:妻、息子(小5)、娘(小2)、息子(2歳)
“オトン”なアーティスト、記念すべき第1回は書道家の武田双雲さん。ご自宅が湘南にあり、インタビュアーの布施とはご近所なんです。そして今年、オーガニックカフェ「Chikyu」を湘南にオープンされました。なんと小5の息子さんが物件を探したんだとか。「子どもには期待をしません。子どもをリスペクトしています」と話す双雲さんには、共感するところがたくさんありました。ちなみに、この取材の3日後、「第1回湘南オトンの会」が開催されました。
―朝お子さんと海に行かれていましたね。フェイスブックで拝見しました。
ああ、はい(笑)。下の子とちょっと。
―僕も朝、犬の散歩で海に行っていました。
そうですか。今日はすごく綺麗でしたね。雪のあとっていうのは空気のいろんなものを取ってくれるんでしょうね。
―では、あらためまして、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―お子さんは今何歳ですか?
2歳です。上からいうと、小学5年生、2年生、2歳。男、女、男です。
―朝は今日みたいに下の子と過ごしているんですか?
午前中は基本的に仕事を入れないようにしているんです。3人目があまりにも可愛くて(笑)。
―1番下の子は特に可愛い?
みんな可愛いんですけど、11年前に上の子が生まれた時は、まだまだ仕事に没頭している時でしたから、今でも仕事は好きなんですが、ゆとりが出来たんですね。40歳になってからの子どもは、上の子たちと歳も離れていますし、孫みたいです(笑)。
―40歳で孫とは早いですね(笑)。もともと3人欲しいという気持ちだったんですか?
いえ。考えていなかったんですけど、3人目もいいねっていう話になって、妻は2~3年悩んでいたんですが。「またイチからか」と。でも3人目はもう家族みんなでメロメロです。これは治外法権ですね。なんかペットが我が家に来ました、という感じで癒しを与えてくれています。
―ちなみに平日のスケジュールってどういう感じなんですか?
月の前半と後半で違っていて、前半は書道教室が中心で、後半は講演会とかで北海道から沖縄まで全国飛び回っています。
―お忙しそうですね。
でも僕、一時期よりはもっとゆとりを持つようにしたんです。2011年終わりに病気したんですね。けっこう体調を崩しまして、胆のうを取ったんです。その時に猛反省をしたというか。僕、どんなに忙しくても相当子育てには参加していたと思うんですが、体調を崩してしまうと家族に心配されるし迷惑かけるし、入院も2回して、家にいる時もすぐ疲れちゃってぐったりしていたんです。
―体調崩される前は相当忙しかった?
自分は楽しいと言っていたんですけど、朝から晩までひっきりなしに人が来て、全国飛び回って書道教室やって、メディアにも出るし、個展もあり、作品制作もしながら、本もどんどん出版されて、いろんな国も回ったし、ハードスケジュールでした。楽しかったんですけどリラックス出来ていなかったんだと思います。興奮していたんでしょうね。呼吸が浅かったんだと思います。それでも僕、子どもとの時間を絶対とるタイプで、睡眠時間も必ず7時間とるから、だからハードスケジュールっていっても他の忙しい人よりはゆっくりしていたんですけどね(笑)。
―それだけ活動されていても、お子さんとの時間を作ろうと決めていたんですか?
メッセージとか作品を作るとか、それはクリエイティブなことだから、インプットしないと出てこないんです。インプットって言うのは感動とかのことなんですけど、僕は子どもに感動しているタイプなんです。家族というテーマが僕の作品には入っているんですね。家族を大切にすると言うのとはまた違って、家族に対しての好奇心があるんですね。僕の場合、家族は絶対で、仕事よりもリアルです。ただ、家族といる時間をいっぱい取ればいいという訳ではなく、家族との時間を味わうということですね、お酒の好きな人が1杯目を味わう感じです。噛み締めるといいますか。それをしないと作品が生まれてこないんです。僕のメッセージって、虚しさとか後ろめたさとか後悔とか怒りとかより、ポジティブなことが多くて。それってリアルじゃないと伝わらないと思うんですよ。だからすごくリアリティを大事にしていて、溢れ出る幸せとか感謝をどうやって表現するかに興味があって、家族との日常の中でリアルな幸せを、なんでもないんだけど感じるということにこだわってきたんです。
―初めから家族とか子どもにそこまで意識が向いているというのはすごいですね。
男の人は仕事に夢中だったりしますからね。僕が書道家じゃなくて、ベンチャー企業の社長だったら違ったかもしれないですけど(笑)。
―あははは!イメージつきません(笑)。
よく分からなかったんです、書道家って。ミュージシャンだったら僕、東京ドームとか目指していたと思うんです。でも書道家って参考になる人がいなくて、何していいか分からないんですね。道がないんです。レコード会社に所属するわけでも芸能界にいるわけでもなく、どこのコミュニティにも属していなくて、自分しかないんです。ポジティブなメッセージを発していく中で、そのためにはインプットが必要。枯渇しないこと。それには何が必要なのかといったら、僕の場合、日常の中に見つけるリアルなポジティブ。リアルじゃないと嘘になりますから。自分の中の本当の幸せを感じようとするのが早かったんだと思います。上を目指そうっていうことではなく、上も下もなく、ライバルもいない、荒れている荒野でもないし、マーケットの広さも分からないし、もうゼロというか無というか。
―そういう分からなさに押しつぶされそうな不安というのはなかったんですか?
もちろんありました。でも、僕は性格的に業界の中で戦うとかマーケットの中でシェア拡大を目指すとか、そういう方に不安を感じるタイプなので、それよりはいいですね。急かされるような敵もいない、評価もないので。普通は評価というものが付いてくるんだけど、誰もやったことないことをやるわけなので、それは僕に向いていたんですね。でもやっていることは、ただひたすら球を投げている状態です。無の空間に。これは意味があることなのかどうなのかさえ分からない(笑)。
―言い方はアレですけど、計画して球を投げていたのではなく闇雲に?
100%闇雲です(笑)。
―書道家になられた当初はどんな感じだったんですか?
最初の1~2年はなにもなく、教室にも生徒さんはそんなに集まっていなくて、貯金を崩しながらやってました。でもその頃、家賃が18万円のところに住んでいて、そうすると最低30万円くらい稼がないと食えないから、30万円超えたらいいなと思っていました。当時は教室の他に名刺の注文をインターネットで受けていたんです。夜な夜な名刺をデザインしたり切ったりして、オーダーメイドで全国に発送していました。あと表札の注文とかも受けていて。「オーダーメイドで書道家が書きます」っていうのがクチコミで広がって、ご飯を食べれるくらいになりました。まだインターネット創世記だったんで、タイミングがよかったところもありますね。僕、前職がNTTで、インターネットには詳しかったんです。
―上のこが生まれた時は?
長男が2005年に生まれて、僕はもうメディアに出始めていた頃ですね。2008年に娘が生まれて、その頃は僕の仕事はピークになっていました。妻も子育てをしながら僕の仕事の手伝いをしていたんですが、妻の機嫌が悪くなっていったんです。今思えば、妻の大変さが分かっていなかったというか、僕も家族研究家とか周りに言っていたから、そういうことは相当ケアしているつもりだったけど、全然察することが出来ていませんでした。妻が怒って爆発したりしても、理由が分からなかったですし。子どもには意識がいっていても、妻にはいってなかったんですね。その頃は僕も分かったつもりになっていただけで、妻の気持ちを理解しようとか、妻の立場に立とうとか、そういうことが出来ていなかったんです。
―喧嘩になるんですか?
いや、喧嘩にはならないですね。僕、すぐ謝りますから(笑)。僕がのらりくらりしているので話し合いにもならない。あっ、でも、僕の方から逆に説教するというのはありました。本もいっぱい読んでいるし、頭でっかちになっていたので。
―つい、正解を言うみたいな?
そうです!そうです!男がよくやりがちなミスです。こっちの理論をぶつけてしまうという大きなミスを犯し続けていました(笑)。自分は分かっている、妻は分かってないなと思っていたので。でも分かっていなかったのは自分でした(笑)。
―それに気づいたのは病気してから?
そうですね。2011年の終わり頃からです。6年前、僕は30代中盤でした。
―そうすると奥さまの機嫌が悪くなってきた2008年から3年間くらい、双雲さんは走り続けていたんですね。
そうですね。活躍とは裏腹に妻のフラストレーションが溜まっていました。今思えば。
―そんな中、双雲さんは世の中にポジティブビームを放ちまくっていたと。
あははは。ちょっと痛いポジティブを(笑)。子どもとの時間は作っていても妻の話を全然聞いていなかった(苦笑)。でも病気でリセットされました。原点に戻れたんです。
―原点というと?
会社を辞める時に思ったんです。僕は本当は何をしたいかって。それで、僕はみんなを幸せにしたいと。多くの人を楽にしたいと思ったんです。先ほど言いましたけど、書道家っていうのは別に業界がないので、その想いだけが軸になったんです。だからそれを言う自分自身が本当に幸せか?無理していないか?そういうところは慎重に意識していたんです。突っ走るタイプではあるんですが、家族崩壊してまで、とか、健康を害してまで、とかそういうことにはならないように。だから、そんな僕自身が病気で倒れたことはショックだったんです。「あれ?マジか!オレもか!?」って。そうならない自信があったので。
―お仕事は休んだんですか?
仕事はバンバン来るんです。入院中でも書を書いていましたから(笑)。教室も続けていました。でも、講演会とか急なお仕事とかはお断りして、ゆっくりと取り組めるものだけをお受けしてという感じで続けていました。
―病気されて、どんな風に意識が変わっていったんですか?
頭が冷えてきたことで、自分が今まで外に意識が向いていたということに気づいたんです。外というのは、夢や希望や未来といったこと。それよりも、もっと目の前のこと、今この瞬間のリアリティが浮かび上がってきたんです。病気する前は、夢とか志をメッセージとしてすごく謳っていたんですけど、それがなくなり、病気後は、前でも後ろでもなく、今、目の前になってきたんです。そうなることで、幸福度が上がっていったと思います。
―それ、ひとりでも多くのお父さんに気づいてもらえればですね。
これは世代もあるかとは思いますが、未来の方が上だと思いがちですよね。これから、まだまだいいことがあるんじゃないかと思ってしまう。それよりも、やっぱり今日という日のこと、目の前にいる、目の前にあるものごとをじっくりと味わうということの方が大切です、僕は。逆に、そうした方が良い未来が来ると思うんです。結果として。でもなぜだか僕らは今というところに意識がなくなってしまう。焦って走りたくなってしまう。男の子としてはそういうのもいいですけど。僕は、今と未来が分断されるのが嫌で、今が下で未来が上で、今はないけど未来があるというのが嫌なんです。将来、幸せになりたかったら、今の中で幸せを感じるというリアリティが大切です。
―お子さんに何か一つのことしか伝えられないとしたら?
「ありがとう」、感謝です。一緒に今、ここにいることに対してありがとう。
―では、お子さんに一つだけ教えるとしたら?
「楽しもう。毎日をね」。すごく単純なんだけどものすごく難しいことなんだと思うんです。僕らはどうしても評価とか未来とか不安とか、そういうことに囚われてしまうので、今を楽しめているかというのは、それらをある意味、無にすることだから、悟りに近いかも(笑)。
―家ではどんなお父さんですか?
明るい、楽しそう、子どもは先日インタビューで、面白いパパと言っていました。威厳とかないので、いわゆるお父さんっぽくはないかも。僕、本当に心から子どもを尊敬しているんです。長男なんて、もう尊敬できる親友と暮らしている感覚です。今年、「Chikyu」というオーガニックカフェをオープンしたんですけど、そこは、息子が店の場所を選んで、息子がレジの設定から予約管理までやっているんです。僕が、サンタフェの街に行っていた時、「オーガニックのお店を開きたい」って、日本にいる家族に言ったら、まもなくして息子が「パパ、この物件、10月に空くらしいよ」って連絡がきて、「じゃあこれでいいよ」って言うと「申し込んどくね」って。それで僕が帰国してから2人で物件を見に行ったんです。
―息子さんは、何で物件を見つけたんですか?
ネットです。検索力が僕より上です(笑)。息子は家族旅行とかもコスパを見ながら申し込みまでやってくれます。
―5年生の息子さんが家族旅行の手配まで。
尊敬しようではなくて、尊敬しちゃいます。僕が出来ないことを出来ちゃうんで。妻は、息子のことを家ではダメ夫って言っていますけど。ゲームばっかりやっているんで。でも、僕はこの人と一緒に仕事が出来たら幸せだなって本当に思いますね。彼が大人になってからという話ではなく、即戦力として(笑)。お店でも今、みんなに頼りにされてすごく役に立っているので。
―これまで、息子さんとはどういうコミュニケーションを?
僕の両親も僕を尊敬して育ててくれたんです。僕、両親に怒られたことがないんです。だから僕も、自分の子どもを小さい時から尊敬していて、そしたら想像以上になりました(笑)。
―小さな頃から尊敬していたんですね。
はい。逆に他のお父さんお母さんがどうしているか分からないですけど、親が上に立つという感覚が分からないんです。僕の両親が上に立っていなかったので上下のイメージが湧かなくて。でも、遠くから他の親子を見ていると、みんなそうなっているから、どんな関係なんだろうって。
―遠くで見ていてというのは?
書道教室も長くやっているし、そこで見ていると親が上に立っているというか、子どもをコントロールしているというか引っ張ろうとしているというか。でも、尊敬する親友をコントロールしようとは思わないですもんね。
―教室で親御さんはどういうところでコントロールとか引っ張ろうとかしているんですか?
先回りしちゃうといいますか。評価がすごく入ってくるんです。「この子、ダメですよね」とか「ウチの子、大丈夫ですか?」とか。いろんなことにダメとかいいとか点数をつけている感じ、評価軸が強い気がします。尊敬する人に、評価とかしないですもんね。ジャッジしないですもんね。お互い人間同士だから、お互い教えあうこともあるから。子どもが出来ないことは一緒にやってあげればいいし。任せることだってあるし。すごく気の合う親友だと思えば、そんなに難しいことではないと思うんです。「オマエ、すげえな!こっちはオレ得意だよ」とやればいいわけで。
―たとえば、子どもの躾(しつけ)という感覚は双雲さんの中にありますか?
身を美しく、と書いて躾ですね。たとえばウチの2歳の子どもも、お客さんに「ありがとうございました」って言うんです。ウチの子どもたちはみんな気配りが出来るなあって思っていて。でも、それは躾をしたわけではなく、書道教室に小さな頃からいるから、気配りしている親の姿とか生徒さんを見ているからそれを真似しているだけなんですよね。躾というのは、そういう育った環境のことを言うんじゃないかと思います。躾と称して何かを教えると言うことではなく、親自身、僕自身がどう振る舞っているかということを子どもが見ることが出来る状態というのが大事なんじゃないかと。
―子どもは、親を見ている、そうですよね。
親のリアルをすごく見ていますよ、子どもは。それしか参考になるものがないですから。言葉の選びかた、お金に関する会話、払う時の仕草。ニュースを見た時に発すひとこと。親が子どもにやろうとすることは、子どもにとって100万分の1くらいのたいしたことないことで、大河の一滴ですよね。でも親の仕草を見ることは、その100万倍の影響があると思います。
―親のリアルが大事だと。
はい。僕、いっぱい悩み相談とか受けるんです。でも、みんな自分で勝手に大変にしちゃっていますよね。尊敬している人と暮らしているとすごく楽なんですけど、育て上げなきゃとかちゃんとさせなきゃとか考えていると辛くなりますよね。時間通りに寝てくれないし、時間通りにお風呂に入らないし、お手伝いもそんなにしてくれないし。子どもに期待したら大変ですよ。こうして欲しいとか、ああなって欲しいとか思ったらイライラしますよね。「なんでこれが出来ないの?」とか。今でいいと思うんです。将来立派な大人になって欲しいと思うと、意識が今にいないですよね。どちらかというと今を否定しているというか。
―子どもに期待をしないことですね。
僕は期待を全部捨てて生きているからすごく上機嫌でいることが出来ていると思うんです。期待しないというのはすごく楽です。お店の店員さんにも期待しないし、「ありがとう」も求めないし。自分にも期待しないし、ファンの期待に応えようともしない。ただ、目の前のことをリアルに感じて、感動して伝えていくということに人生を絞っているので。
―双雲さんもそういう環境で育ったんですか?
両親がその瞬間にしか生きていない人だったんです。「すげー、ワオ!」しか言ってませんから(笑)。今でも両親とは、お互いすごく尊敬し合っています。でも「尊敬」って言葉、ちょっと重いなあ。なんていうんでしょう。もっとゆるいんです。「いい感じの関係?」いい感じの空気が流れている、緊張しなくてリラックスして元気になれる関係というか。その感覚を親が僕にぶつけてくれたんです。それで僕も、期待をしない体質になりました。なので、妻だからこうして欲しいとか、子どもだから勉強して欲しいとか一切ないんです。「期待」って期を待っている状態だから、まだ来ないものに意識がいっているんですよね。今にいない。目の前のコップとか、机とか、空気とか、まつ毛とかに意識がないですよね、期待している時点で。期待とのギャップに怒りとか虚しさとか不安がすごく出やすい。でも相当難しいことだと思います。今を意識するということは。僕も意識をしないと、どんどん今にいなくなっちゃいますから。
―書道にそれは表れますか?
書道って飽きないんですよ。ただ筆1本。色は決まっていて、字は画数が決まっている。でも100歳になってもやっている世界なんです。僕はいい線を書こうとかじゃなく、気持ちいいなあ、筆、ありがとう!紙さんありがとう!っていう気持ちで、これがやめられないんです。そこはとても穏やかな時間です。
―サーフィンみたいな。
そうです!限りなくサーフィンに近いです。サーフィンって、海に抵抗しないですよね。海にリスペクトしていますよね。サーファーが海を、自然をリスペクトしながら楽しんでいる感覚が書道にもあるんです。波に乗って、自然と一体になったりが楽しくて、自我が無くなるじゃないですか。あれです。だから僕、書道に対してストレスがないんですよ。よくアーティストの人が壁にぶち当たるとか生まれてこないとかいうじゃないですか。それがなくて。ここに評価軸が入ってくると、「まだまだだな」とかなっちゃって大変だけど、瞬間が楽しい。海も、もう浮いているだけで気持ちいいし、自分がどうとかそういうのがない。
―その感覚を、世の多くの走り続ける人たちに伝えるためには?
みんな1度は何かで経験したことがあるはずなんです。それを意識すること、広げていくことだと思います。テレビとかメディアって、未来思考とか成長とか失敗とか、人間社会の話が大好きじゃないですか。自分が価値あるとかないとか成長するとかしないとか、そういうものを1回置いて、そうじゃない世界がある。海とか風とか気持ちいい中でスポーツをする。爽やかな感覚で生きるというね。例えば台風が来た時、台風に抵抗しないですもん。妻が機嫌悪くても、台風だと思えば「今日は波高いな」くらいの感覚。家族もずっと同じ状態では続かないし、誰かが機嫌悪い時もあれば病気している時もある。それを天気だと思えばいい。コントロール出来るものではないというのが前提ですね。
―書を書かれるときも、コントロール出来ないという感覚はあるんですか?
ドライビングとかのような、そういうコントロールはありますけど、支配ではありません。湿度が変わったり、紙が破けたり、筆がバサついたり、思い通りにならないことがいっぱいある中で、いちいちそれに対してイラついたり、なんで俺の筆は良くないんだ、なんて俺は下手なんだ、とか思っていたら楽しくないから。結果を気にせず、その中でベストな楽しみ方をします。
―書いているときは結果を気にしない?
しないです。イメージ出来ているものはあるかもしれませんが、そうならなくても焦らない。「ヤバイ!」とか、いちいち思っていたらテレビとかイベントで書けないですもん。だいたい思った通りにならないので(笑)。会場の空気が悪いとか、渡された道具がボロボロとかいっぱいありますけど、そこに成功とか失敗という概念がないです。
―みんなの前で書き終えた時ってどういう気持ちになるんですか?
シームレスなんです。達成感とかもないので。ゴールみたいなものがないんですね。だから、今のこの時間も家族といる時間も変わらないですし。達成、ゴール、目標といった、人生の山登りをしないですね。上下を作りません。
―今日はいい日だなとか、よくない日だなというのは?
ありません。だから毎日がパラダイスなんです(笑)(壁に掛かった書を指差す)。コンディションというのはあるかもしれませんが、そこにはこだわらない。目の前のことに感謝です。いちいちこの妻は俺にとって最高か、なんか考えていたら他の女性に目が行きますよね。そうしたら大変ですもん。この地球がベストかどうかなんか思わないですよね。太陽がもうちょっと小さければいいのにとか(笑)。しょうがないですもん。僕が頼んだわけじゃないのに、コンビニが出来て、線路が出来て、飛行機が飛んで。感謝した方が得ですよね。感謝するってタダだしコスパもいい。絶対楽になるし、出来ればいっぱい感謝した方がいいです。感謝しながら同時に不満は言えないし。感謝で心の中を埋め尽くして行けば、不安も不満も入り込む隙間がなくなって来ますから。ずっとやれというのは難しいけれど、そういう時間を増やしていった方がいい。
―なるほど、感謝の時間を増やすと。
意識しないと難しいことだと思います。すぐ当たり前と思ってしまうから。だから、僕もあえて手を合わせるとか、天井を見るとか妻と子どもをじーっと見るとかハグするとか、そういうことを積極的にやってます。積極的に感謝。積極的に今を味わうんです。
この後、ご飯行きましょうか。Chikyuで。
―行きます行きます!
何で来ましたここは?
―自転車で来ましたー。
じゃあ自転車で食べに行きましょう。
【武田双雲さんのお店】
Chikyu
神奈川県藤沢市鵠沼海岸1-14-20 クラーレ鵠沼102
[営業時間]
10:00〜17:00(ランチタイム … 11:30〜14:30)
※金・土曜はディナータイム(18:30〜22:00)あり
[定休日]月曜
http://chikyu.store/
今回の”オトン”なアーティストは、
武田双雲さん
家族構成:妻、息子(小5)、娘(小2)、息子(2歳)
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長女が20歳になってもやれていたらかっこいいな。娘から「もういいんじゃない」って飽きられるくらいまでやっていたいですね。|ガンバ大阪 |遠藤保仁
ガンバ大阪 遠藤保仁選手(36歳)
職業:サッカー選手 ご家族:家族構成:妻、娘(中1)、息子(小5)、娘(小4)、息子(3歳)
“オトン”なアスリート、第2回は、日本代表の国際Aマッチ最多出場、ガンバ大阪の遠藤保仁選手。4人のお子さんのオトンです。お話を伺うと、普段は大阪のおもろいオトンで、ここぞという時は厳しい九州男児でした。上の娘さんはもう中学生。娘さんの洋服を一緒に買いに行く仲だそうです。羨ましい。
―よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―お子さんが4人いらっしゃるんですね。
はい。僕が3人兄弟だったので、3人は欲しいなって思っていたんです。周りからも子どもは多い方が賑やかでいいよって言われていましたし。4人はそうですね、奥さん頑張ったなと(笑)。
―普段の練習の日というのは、どういう生活リズムなんですか?
8時前に起きて、ご飯食べて、練習が10時からなので、その1時間前にクラブハウスに行きます。12時には練習が終わって、その後、筋トレとか自分の時間があります、僕の場合は。その後お風呂に入って、だいたい、朝起きてから6時間後くらいに家に帰っているという感じですね。
―朝食、夕食は家族一緒?
僕が朝起きたら、中1の長女は学校に行っていることが多いですね。夜は家族で食べているときか食べ終わった頃くらいに長女が帰ってきます。部活やっているので。バレーボール部なんです。
―息子さん、スポーツはされていますか?
息子は小5で、サッカーをやっています。
―息子さんとサッカーの話は?
あんまりしないですね。僕自身、自分のサッカーの話をあまりしないですし。
―お子さんも訊いてこない?
ほんと、たまにです。
―お父さんのサッカーは見にきます?
試合は見にきます。練習はこないですけど。
―お子さんの試合には行きますか?
時間が合えば行きます。でもあまり見にきて欲しくないっぽい感じですね。
―行かれた時は、後ろの方からこっそりと応援する感じですか?それとも声出しちゃう感じ?
いや、もう全然ですよ、僕は。3歳の子がいるので、子どもと遊びながらちょっと見るみたいな感じです。嫁さんはがっつり見ていますけど。
―息子さんのチームのコーチと話しをしたりは?
いやあ、全然ないですねー。僕がサッカーのことについて何か言うというのは全くないです。そのチームで今までやってきたこと、方針と言うのがありますし。そんな中、僕が「あれはこうでしょ」みたいなことを言うのは好きじゃないので。僕自身も今までそういう経験をたくさんしてきましたし。だから会話というと「じゃあ、帰りまーす」「さよならー」って、そのくらいですね。
―娘さんのバレーボールには行かれたことあります?
まだ1回もないんですよ。スケジュールが合わなくて。見たいんですけど。でも娘も「来ないで」って言うので。周りがうるさくなるからって。
―お父さんがガンバ大阪の遠藤選手ってことで?
そのことをほとんど言ってないので、周りの人は知らないようです。だから「バレるから来んといてな。来たらめんどくさくなるから」って。
―お子さんは関西弁ですよね。遠藤選手はお家では何弁?
子どもたちは関西弁ですが、僕も嫁も鹿児島なのでそっちの言葉ですね。息子としゃべる時は僕もちょっと関西弁ぽくなりますけど(笑)。
―お休みの日はどんな過ごされ方を?
月曜日が休みのことが多いので、嫁とランチに行ったり買い物行ったりですね。1番下の子がまだ3歳なので、下の子を連れて遊園地とか行ったりもします。
―小4の娘さんは、何かスポーツを?
いや、まだ何もしていないです。まあ、僕らが何かをやらせるというよりは、子どもから「これやりたいんだけど」って言ってきたものをやらせたいので。
―パパとしては、待っている状態ですね。
はい。運動神経はいいなと思っているんですけど。ダンスが好きなんですよ。「それならダンスやってみれば?」って言ったら「えーっ」って(笑)。まあ、何か見つかればいいですね。
―遠藤選手は、どんなお父さん?
どうでしょうね。でもこないだ「パパって、キレたら怖いよね」っていうことを長女が嫁に言っていたみたいです。
―パパ、キレるんですか?
たまにしかキレないですよ(笑)。真剣にキレるのは年に1~2回。でも普段はいわゆる関西のお父さんみたいな感じだと思います。「ナニしてんの?(関西弁風)」って子どもに寄って行って冗談言ったり、バカなことしかしていないので。
―お子さんとは、目線は同じ高さですか?
そうですね。同じですかね。でも、子どもがちょっと調子に乗るとガツンと言います。
―普段は大阪のおもろいオトンで、ここぞという時には厳しい九州男児ですね。
ああ、そうですね。たまにはガツンと言わなきゃと思っているので。でも嫁からは「もっと言ってよ」って言われます。
―どんなことで怒るんですか?
1番は人に迷惑かけた時ですね。友達に対してとか。そういう時に「謝りに行きなさい」って。そのあと、ちゃんと謝ってきたかを訊くんですが、その答えが中途半端だと、「もう1回謝りに行ってこい!!」って、厳しく言います。
―中学生の娘さんにも怒ることはありますか?
たまにありますよ。嫁と喧嘩している時とかに。嫁と長女が喧嘩している時、僕はフラットに第3者として見ているんです。そういう時に「それはお前が悪い」って、娘に対して怒ります。でも、何があっても嫁の方に付くとかとかはないです。だから嫁に怒る時もあります。「それはどう見てもママが悪い」って(笑)。そこは僕、平等に見ていますね。
―家族の会話は多いですか?
そうですね。とにかく仲良しだと思います。こないだ長女が言っていたんですけど、中1だと「お父さんイヤだよね」っていう話も出るらしいんですね。でもこないだ「私、パパをイヤだと思ったこと1回もない」って言ってきたので、おっ!いいじゃん!!って思いました。
―娘さんを持つお父さんの中には、「いつ私は娘に嫌われてしまうのだろう?」って不安に思っている人もけっこういるようなんですが。
そういうのはなさそうですね。今のところですが。いずれは来るんじゃないかとも思いますけど、それはそれでいい距離を保とうと思います。来ないにこしたことはないんですが、絶対1回はあると思うので。でも今は、一緒にデートもしています。
―おっ!デートですか、どこ行くんですか?
買い物とか。僕、女性の服屋さんとか普通に一緒に見れるんで。どちらかというと僕の方から「これはどう?」とか言うタイプなんです。
―娘さんと服の趣味は合います?
僕は合うと思っています。娘も「パパどっちがいい?」って僕に訊いてきますし。僕が「こっちがいいんじゃない」って言ったら「やっぱりそうだよねー」って。
―「やっぱりそうだよね」って言われたら嬉しいですよね。
そうですね。「絶対こっちの方がいいよ」とか言っていると、僕のセンスを娘も信頼してくれて「また買い物行きたい」と思うようですから。
―もし、お子さんにひとつのことしか伝えることができないとしたら?
相手をリスペクトすることですね。子どもにはまだ難しいことなのかもしれないですけど。僕はグループの中で生活することが多いので、まあ会社もそうだとは思いますが、仕事と言うのは自分の意見だけで出来るものではないですし。様々なタイプの人がいて、いろんな考え方が集結した時が、チームが一番力を発揮できている時だと思うんです。相手のプレーだったり言っていることを、しっかりと自分の中に一度入れた上で判断するという、それはどういう立場になってもやって言いたいな思っています。
―お子さまにはどんな風に伝えています?
やっぱり、家族とのコミュニケーションの中で、例えばママに怒られた時なんかは、「ママはお前のために言っているんだぞ」と言って、ママが言わんとするところの理解を促します。その上で「自分がそうじゃないと思ったら、ママに言い返してこい」って言います。「自分はこう考えたらこうなんだ」っていうことをしっかり言ってこいと。真意を理解させてから判断させるようにしています。で、ママに言い返しに行ったとしても、上から被せられてしまうので、そしたら僕が間に入って、子どもの考えや判断したことを一緒に説明したりして、そういう風にやっています。こういうことが今後、友達との間でも出来ていけるようになればいいなと思います。こうやりとりを重ねることで相手をリスペクト出来るような考え方が身についていくのかなと思うんです。
―お父さんになってから、父としての自我が芽生えたとか、パワーアップしたことというのはありますか?
ガツンといく時の威力は増しました(笑)。父親が子どもに対して、たまに厳しい部分も見せないとというのが僕の中にはあるんです。まあ、怒り方の威力は増しましたね。たまには声荒げないと(笑)。
―声、荒げるんですね?
はい。親父は怖いというのを多少印象付けておかないと(笑)。僕が子どもの頃もやっぱり母に怒られるのと、父が出てくるのは違いましたから。「わーっ、親父出てきたー!怒られるー、しばかれるー!」って思っていました。
―それが遠藤選手のイメージする、あるべき父親像ですね。
そうですね。僕の父も普段はどっしりしていてあまりくりうるさく言わないタイプですけど、誰かに迷惑かけた時、母親に迷惑かけた時なんかは、もうガツンとやられてきたので。僕の場合は、そういうお父さんプラス、ちょっとやんちゃなところがあったらいいなって思います。
―ちょっとやんちゃな?
外ではかっこよく、でも子どもの前ではバカをやるみたいなお父さんでありたいなと。あんまり外では見せないような顔を子どもの前で見せるのは必要だなと思います。自分が楽しんでいると言えばそれまでなんですけど。一緒に「ウエー!」って叫びながら滑り台滑ったり、子ども相手にひたすら一生懸命サッカーしたり。あ、子どもにとっては、父親がサッカー選手だとかっていうのは関係ないですから。そのことを3人目の子どもと遊ぶようになってから気づいたんです。
―サッカー選手とか関係ない?
1人目の子と外で遊んでいた時とかは、周りの人にバレたくないなって思っていたんです。バレたらめんどくさいなって。でも、3番目の子から気づいたんです。あんまり、こちらが気にしていてもしょうがないなと。だから例えばゲームセンターに一緒に行って、周りの目は気にしないで「おーっ!」って声出しながら対戦ゲームやったりしています。そういうのも1回やってしまえば普通になっちゃうので。
―なるほど、その方がよりお子さんと向き合えて楽しめますもんね。
本当にそうですね。周りの目は気にしないで。子どもにとって楽しいと思えばそれが1番なので。
©️Yatto7
―それは大きな気づきだったのかもしれませんね。
そうですね。だから上の子たちに対しては、今思えば、ちょっとかわいそうだったかなと思います。もう、パパ、バレるんじゃないかっていう子どもの方からの気遣いもあったので。思いっきり一緒に遊べないっていう。
―お子さんがサッカー選手になりたいと言ったら?
「どうぞ」って言います(笑)。「お金返して」って言います。今までの生活費分を(笑)。冗談ですけど。息子はもう言ってますよ。こないだも「お前大きくなったら何なりたいの?」って訊いたら「サッカー選手」って普通に答えていました。サッカー好きなんだろなと思って、普通に応援しています。そういう目標を持ってやってくれるのはいいなって思います。
―遠藤家、いたって平和ですね。
大きな問題もなく来ているような気がします。長女が幸いなことにパパのこと嫌いじゃないので(笑)。あと、お父さんとお母さんの仲がいいところは家族円満だと聞いたので、ウチでも子どもの前で嫁さんと抱き合ったりラブラブなところを見せています(笑)。
「お前も入る?」って言ったら「キッショー!」って言われますけど(笑)。とにかく嫁と一番仲良くしていれば子どもも平和なのかなと。そういうことは嫁ともよく話しています。
―家では基本みんなリビングに集まっているんですか?
集まっていますね。長女は「宿題する」とか言って、自分の部屋に行ったりしますけど。基本はリビングにずっといます。一緒にドラマを観たりとか。
―PPAPは何度か踊りましたか?
そうですねー。子どもとやっていました。流行りのものは何かしらかじっています。子どもが観ているのを覗いて「なんだこれは?」「パパ知らないの?」「パパにも教えてー」みたいな(笑)。あんまり興味がないものは、興味がないって普通に言いますけど。家族で同じ時間を楽しみたいと思っています。この本のタイトル「父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。」は、自分もその通りだと思うんです。僕は下の子にすごく甘いんです。抱っこして、抱っこして、またすぐ抱っこしたりとか(笑)。嫁には「抱っこばっかりして」って怒られますけど、でも抱っこできる時間なんて本当に限られていますから、抱っこできるうちに抱っこさせておいてと言ってます。
―最後に、遠藤選手にとって子育てってなんですか?
うーん、、、。難しいですね。でも自分自身にしか分からない喜びや楽しみを見つける時間じゃないですかね。僕自身、僕と嫁の間に子どもがいる時間や、子ども同士でワイワイやっているのを見ている時間は、僕にとってすごく楽しいと感じる時間なので。その楽しさっていうのは、自分自身にしか分からないことなんじゃないかなと。あっ、たまに長女も抱っこしますよ。嫁と背が同じくらいなんですけど「抱っこさせて」って言ってバーンって持ち上げて「ケツデカくなったなあ」って(笑)。
―それは羨ましいですね(笑)。
今のところ娘に嫌われていないのが幸せです(笑)。家にいない時は2週間くらいいなかったりするんですが、帰った時は「おーっ!」って言ってくれます。
―お土産は買って帰るんですか?
僕は買わないです。たまにブツブツ言われますけど。「なんで買ってきてないの?」って。そういう時は「ごめんごめん、コンビニ行こうぜ。好きなもん買え、でも1個だけね」って。
―活躍しているところをテレビで観て、お子さんから何か言われることありますか?
言われますよ。「下手くそー。なんでシュート決めないの?」って、よく言われます。
―それについては?
「うるせー」って言い返します(笑)。
―まあ、でも、お子さんが物心ついた時にもバリバリ現役でやっているサッカー選手って少ないですよね。
そうですね。早めに子どもを作って、かつ、長くやり続けないと、子どもの目に焼き付けるというのは出来ないですね。そういう意味では1番下の子が、完璧にパパサッカーしているというのが分かる歳まではやりたいなと思います。今でも、パパのお仕事はサッカーって言うんですけど、ちゃんとプレーをしている姿は、まだうろちょろしながらなので、よく見ていないと思うんです。あと2〜3年すれば十分分かると思うんですけど。
―子どもの目に焼き付けるまでは、、、。そういうのは糧になっていますか。
いいモチベーションになっています。その頃までバリバリレギュラーで出ていたいと思っています。家で「腰痛え、足痛え」とか言っていると、嫁さんには「何歳までやってんの?もういいんじゃない」って言われますけど(笑)。あもっと言うと、長女が20歳になってもやれていたらかっこいいな。娘から「もういいんじゃない」って飽きられるくらいまでやっていたいですね。うん、そうですね。そうでありたいと思います。
今回の”オトン”なアスリートは、
ガンバ大阪 遠藤保仁選手
職業:サッカー選手
年齢:36歳
ご家族:家族構成:妻、娘(中1)、息子(小5)、娘(小4)、息子(3歳)
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16歳の時に親父から「アメリカかドミニカに行け」って言われたんです。母親は泣いて止めたんですけど、渡米となりました。
マック鈴木選手(41歳) 職業:元米大リーガー、プロ野球選手 ご家族:妻、息子(2歳)、息子(…続きを読む
長女が20歳になってもやれていたらかっこいいな。娘から「もういいんじゃない」って飽きられるくらいまでやっていたいですね。|ガンバ大阪 |遠藤保仁
ガンバ大阪 遠藤保仁選手(36歳) 職業:サッカー選手 ご家族:家族構成:妻、娘(中1)、息子…続きを読む
今までは「私はこうだから」「俺はこうだから」とそれぞれの立場で主張争いをしていたんですけど、今は「チーム畠山家として、どれだけ機能するかが重要だね」って。
―よろしくお願いします。 よろしくお願いします。 ―さっそくですが、畠山選手のご家庭は夫婦…続きを読む
もし息子がサッカーを始めたら、精神論とか説いてそうですね。したくはないんですけど、自分の性格上、黙っていられないかな(苦笑)|清水エスパルス|チョン・テセ
―J1昇格と得点王、おめでとうございます。 ありがとうございます。 ―今年を振り返ってみて…続きを読む
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オトンが楽しく暮らすマンション。
初体験!営業部長、DIYで机を作りました。
初体験!営業部長、DIYで机を作りました。
それでは早速、DIYで机を作っていきます。
こちらが今回主役の、株式会社リブラン営業部長 高橋さん。
自社で販売するマンションのモデルルーム家具なので、
やる気満々の顔であります。
すでに材料はそれぞれのパーツに合わせてカットされています。
ネットで注文したらこの状態で届くんです。
ノコギリ入らずですね。
材料を確認したら、次は木口(こぐち)テープというものを貼っていきます。
これ、天然木の皮を薄く削ったものの裏に粘着がついているもの。
合板などの切り口を隠すのに使うもので、上からワックスや
オイルステインも塗れるんです。
机が仕上がった時に見える側面部分を全部貼っていきます。
右で板を抑えているのは同じくリブランの建築事業部長、樋口さん。
ご自宅の家具もダイニングテーブルと椅子以外は
全てDIYで作ったという、まあプロですね。
今日は高橋さんの先生になります。
樋口さんは今回のマンションも設計も担当されました。
ちなみにですが、モデルルームの家具を、
こうやってリブランの社員さんでDIYするのは
初めてのことみたいです。
次は各パーツにワックス(チーク)を塗ります。
今回使うのは蜜蝋ワックス。木材の表面に膜を作って保護してくれます。
写真で分かりづらいかもしれませんが、個体の状態です。
ただ、20度を超えると液化しますので、夏はシャバシャバです。
モデルルームの外に材料を持ち出してぶるシートを敷き、
早速塗り始めます。ウエスに少量とって伸ばしていきます。
ハケで塗る必要もなく思った以上に伸びます。
ここも営業部長と建築事業部長の共同作業。もうすぐ手と手が触れ合います(笑)。
写真を撮っているのは、リブラン宣伝部長の菅原さん。
この模様をリブランさんのHPにも掲載するとのこと。
本気ポーズです(笑)。
通りの向こうから見るとこんな光景。
色は、組み立てた時に裏側になるところだけを先に塗って、
30分ほど乾かしたら組み立て作業に入ります。
こちら天板ですね。ということは天板の下に仕切られた
物入れスペースのようなものが出来るようです。
インパクトドライバーを使いビスを打っていきます。
横幅が1600mm。両端を50mmずつあけて300mmピッチで6箇所。
寒い日でしたが曇天空にオレンジが映えます。
側面に足となる板も組み合わさりました。
横からビスを打ちます。
組み立て完成!
蜜蝋ワックスで表面も仕上げました!
完成まで4〜5時間といったところでしょうか。
こちらの机は「エコヴィレッジ和光 新街区」のモデルルームに展示されています。
インテリアに見事にマッチしていると思います。
モデルルームの中ではどんな佇まいなのか、ご覧になりたいという方、
ぜひお越しください。しかしまあ、こういう家具が我が家に一つでもあると、
これは愛おしくなるんじゃないかと思います。この約半日の、
てまひまかけた遊びっていうのが、一生の愛着になるのはいいですね。
マンションを購入された方に、入居後、オプションでDIYの机作り
ワークショップも開催する予定だそうですよ。
僕たちが作りました!ぜひ見に来てください!
左から、建築事業部長の樋口さん、営業部長の高橋さん、宣伝部長の菅原さん
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父の失敗・悩み・たわごと
娘4歳、4歳だったオトンと。
娘が4歳になりました。
oton+to編集部yossyです。
(恥ずかしがり屋の娘に代り、写真は息子ですが)
4歳かぁ。そのとき私はフラッシュバックのように
自分が4歳だったころの記憶が鮮明に蘇ってきたのです。
みなさんの記憶はいつからですか?
私は忘れもしない、4歳のときです。
一コマ一コマ克明に覚えている出来事があります。
昭和55年の暮れ。
私は3歳上の兄と庭で焚き火をしていました。
地域にもよると思うのですが、当時、多くの家庭が
一斗缶で家庭ゴミを燃やしていましたよね。
その日は風が強い日でした。
火の粉が私のサロペットジーンズに移りました。
化学繊維だったためか、あっという間に火はひろがり、
また運の悪いことにジーンズは燃えるよりも、
“煙突状”の機能を果たし、火がジーンズと足の間に逃げ込んできました。
4歳になりたての当時、自分で火を払うこともできず、
ただただびっくりして走り回り、泣きわめき、足をブンブン降っていたのを
覚えています。声を聞いた母が家から飛び出してきた姿も、
水道で水をかけられた瞬間も再現できるくらい覚えています。
母と近所のおばちゃんと一緒に自家用車で病院へ。
待合室で周りに人だかりができたのも覚えています。
ワーワー泣きながら担ぎこまれ、右足が腐ったトマトが道に落ちたような、
グシャっとした状態になってましたからね。
熱いとか痛いとかよりも、パニックで延々泣いてました。
そこから1年以上にわたり、通院と抗生物質の服薬がはじまります。
35年も前の抗生物質。いかにもアメリカからやってきました、
というようなケミカルな色をしていました。
それ以来、ただの風邪薬でも薬をもらう度に「これ抗生物質?」
「ぼく、良く知ってるねぇ」
というやりとりがなされました。
悲しいことに初めて覚えた四字熟語が、抗生物質でした。
幼い身体に抗生物質はしんどく、吐き気、めまい、すべての爪が剥がれるなどの副作用に苛まれました。
2年保育だった私の入園式は、開けた昭和56年4月。
制服を来て笑っていますが、包帯でまかれた右足は左足の倍くらいあります。
と、ここからの記憶は断片的になります。
幸いなことに肌が落ち着いたあとは、副作用やいじめに会うこともなく、
成長とともにやけどの跡が小さくなっていくのでした。
今でも、こぶし大くらいのやけどのあとが残っています。
小学生にあがり、母は少しでも跡が残らないようにと
あらゆるクリームを私の足に試しました。
マッサージをしながらクリームを塗りこむ母は、大抵泣いています。
ごめんね、ごめんね、私が変わればよかった、と。
なんでごめんね、なんだ。
痛いのは自分だし、当時はその意味がイマイチ理解できませんでした。
娘が4歳になって、同じことが起こったら私もずっと自分を責めるだろうな。
やっと母の気持ちがわかったのでした。
身体的には確かに痛いし熱いし、薬の副作用も味わったけど、
母には心身に大きな痛みを与えていたんだな、と思うと
35年を経て、私からごめんね、ですね。
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オトンの流儀とか ビジネスマン編
玄関の靴はビシッと揃えています。僕が帰ってきた時に靴が揃っていないと、夜中でも全員叩き起こして正座です。
―よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―お子さんが5人いらっしゃるんですね。
はい。男女男女男です。オセロです。上から21歳、19歳の大学生2人と高2、小6、小2です。
―もともと5人欲しかったんですか?
できればたくさんという気持ちはありました。アメフトチームが出来るくらい(笑)。
―それは相当の数ですね(笑)。奥様とも相談されて?
そうです。まあ授かりものですからね。でもとにかく賑やかなほうがいいねと。
―一人目のお子さんが小さい頃から、お父さんとしてバリバリと?
1番めが生まれた頃ってまだ土曜日は働いていたんですよ。それが隔週休みになって、小学校に上がる頃に全土曜日を休日にする会社がけっこう出てきたんですが。だから日曜日だけだったですねえ。あまり触れ合ってあげる時間がなかったという気持ちはずっとあります。広告代理店の営業でしたので、夜はクライアントと会食。平日の夜家族で夕食なんていうのは絶対なかったです。そう先輩からも教えられていたし。
―朝も早かったですか?
朝は今も早いですね。5時に起きて5時50分に家を出て、7時前には会社にいいますから。会社員だった時も、今ほど早くはないですが、8時前に会社に行っていました。9時半始業だったんですが、常に1番に会社にいるようにしたいと思っていて。でも初めの頃、他にも早い人がいたので5分ずつ出社を早めていったんです。それで7時50分くらいに来るようになったら自分が1番になりました。仕事が出来る人って朝が早いですから。若い時、なんでこの人は優秀なんだろうと思って見ていたら朝が早くて。その人以上に努力しないと追いつかないので、新人の時に出来ることといえば、人より早く起きるとか人より遅くまで起きているとか、そういう目に見える努力しかないなと思って、そこからやりました。
―会社員時代の10年そのスタイルを続けられて、起業されてからもずっとなんですね。
そうです。会社を立ち上げてからは、それこそ仕事量も半端じゃなくて、そうしなきゃ追いつかないっていうのもありましたし、リーダーとしての責任もありますから。気を落ち着けて寝れないというのもありますけどね(笑)。
―睡眠時間はどのくらいなんですか?
4時間くらいですね。僕あんまり長く寝れなくて。具合悪くなっちゃうんです。そのかわりすぐ寝ます。布団に入ってコンマ3秒です。
―朝、ご家族はまだ寝ていますか?
女房は起きています。僕より前に。そして僕より後に寝るんです。さだまさしの世界です(笑)。
―宣言したんですか?関白宣言?
宣言というか、古風な昭和文化なんです、我が家は。朝と夜は仏壇の前で子どもたちに手を合わせさせますし、いただきますもごちそうさまも手を合わせます。もちろんファミリーレストランでも。それと僕、ふんどしですから。パンツ一切持っていないんです。
―すごい!ふんどし!!
年始は男全員、新しいふんどしをつけます。袴を着て2日には真水で硯を擦って書き初めをするとか、かなり古風だと思います。
―そういうご家庭で育ったんですか?
はい、厳しかったですね。
―奥様のご実家もそんな感じですか?
女房は新潟の兼業農家で、おばあちゃんと一緒に暮らしていたのでそういうのはしっかりしていたと思います。だから違和感はなかったですね。
―ご夫婦、その辺りは一致していたんですね。
はい。玄関の靴もきっちり揃えています。今まで1~2回あったかなあ?夜中に僕が帰ってきた時に、靴が揃っていなかったので、全員叩き起こして正座です。連帯責任だって言って。
―おおっ、全員夜中に正座!
やっぱり感謝の気持ちがないとそうなるわけですよ。心の乱れですから、これって。外から怪我もせずに帰ってこれたという感謝の気持ち。だからとにかく靴は綺麗に並べる。子どもの友達にもそれをやらせます。今、地域の子どもたち35~40人くらいにボランティアでお囃子を教えているんですけど、そこでも履物をちゃんと揃えるということを最初に教えています。伝統文化を教えるにあたって、自分たちが演舞するにあたっての心構えなので。一番最初の時にみんなで玄関を見に行くんです。最初は何も言わないので半分揃って半分グチャグチャです。中には大人の靴もあるんですが、「これってどう思う?」って訊くんです。まずはそういうところからしっかりやろうねって言います。
―それは親御さんにも言います?
言います。角が立つ言い方はしませんが「こういうことは大事なので子どもたちに教えていきます」って。無形文化財の師範として伝承していかなければならないので。だから畳のヘリとかも踏んじゃいけないとか、そういうことも段階的に教えていきます。まずは靴を揃えるところから。そうすると家でもやるようになりますし。
―そうですね。
とても大事なことだと僕は思っています。
―お囃子はいつから?
8歳の時からやっています。僕が住んでいたところは新興住宅地だったんです。僕の親父は地元で商売をやっていたから地元に還元しようってことで、桜を何本か買ってきて植えたんです。そこから桜祭りをやろうということになって、親父は実行委員会で。祭りにはお囃子とか太鼓があった方がいいって話になりまして、募集をするんですが、当然、実行委員の子どもたちは全員参加です。イエスか「はい」しか答えがありませんから(笑)。最初はすごくイヤだったんですよ。みんなの前でやるの恥ずかしいじゃないですか、見世物みたいで。でもやっているうちに面白くなってきましてね。でも、今の子どもたちは抵抗ないですね。太鼓の達人のおかげです。定員オーバーになることがあるくらいやりたい子が多いんです。
―じゃあ、家では5人の子どものお父さんで、地域でもお父さん的に色々教える人になっているんですね。
太鼓の先生って言われています。あと少年野球のコーチもしていますし。他にトライアスロンチームの会長なんです。30〜40人くらいのチームの。
―活動しまくりですね。
はい。動いてないと死んじゃうんです(笑)。
―そうすると家に1日いることってないですね。
ないですね。休みの日は早い時は朝3時半とかに起きて、バイクのトレーニングで150~160キロ走るんです。だいたい6時間くらいで朝飯までに戻ってきて9時くらいにちょっと遅い朝食をみんなで食べて、野球のコーチに行きます。夕方帰ってきたらシャワーを浴びるついでにプールに泳ぎに行くという感じです。
―シャワーを浴びるついでにスイムが入るんですね。
だいたい3キロくらい泳いで家に帰って、晩酌しながら夕食をみんなで食べます。
―すごいですね。
野球のコーチをしている昼間は、昼休み時間に1時間走ったりもしますね。
―走っちゃうんですか?
はい。トライアスロンは3種目なので、できるだけ満遍なく練習したくて。
―なるほど!野球のコーチは長いんですか?
そうですね。1番上の子からです。車出しから始まって。長男が辞めて次男が入るまでは少し間が空いたんですが、今は三男がやっているので3回繰り返しています。だからお父さんお母さんのコミュニティも3つあるんです。3番目にもなると、お父さんお母さんも若い人が増えました。当たり前ですよね。でも20代の若いお父さんには絶対練習とか負けないです。ライバルですから。子どもも一生ライバルですし。
―お子さんとは競いたい?
そうですね。私自身、古豪体育会系アメフト部出身なので、そこはやっぱり負けたくないっていうか。そういう姿をしっかり見せたいというか。筋トレも子どもと一緒にやりますしね。次男は高校野球で合宿所生活なんですけど正月とか帰ってきた時に2人で裸で写真撮りあって、大胸筋がまだまだだなとか(笑)。
―娘さんとはどんなことを?
女の子は、なかなか一緒に運動をやったりというのがないので、習いごとだったりするんですけど、中学生になると女の子って1回離れるんですよね。大学生になるとすごくまた懐いていますけど。
―おおっ、戻ってきた感じですか?
はい。ホントです。びっくりするくらい。先輩からもそういう話は聞いていたものの、ウチはないだろうなあと思ったらありました(笑)。
―上の子との経験で、下の子との関わり方で変わったことというか、変えたことってありますか?
日々のロールプレイングみたいなものなので、こうしておけばよかったとか反省するところは活かせる様にはなりましたよね。2番目は大学生の長女ですが、中学受験をさせたんです。小学校3年生くらいから塾に通わせ始めて、言ってしまえば親がレールを敷いた形なんですね。本人は大変な思いをしたので、これはどっちがいいとか悪いとか分からないのですが、4番目の次女はそれをやらせず公立中学校に行くんです。男っていうのは中卒だろうがなんだろうが上場企業の社長になっている人もたくさん知っていますが、女子ってそういうベースがないと、ある意味いい出会いも含めてなかなか難しいだろうという僕の中の勝手な想いがあったんです。だから娘に対しては教育を、という気持ちが。
―そこは奥様も同じ想いで?
これは僕ですね。長女は無理やり行かされた感じです。妻は、僕の言うことについてきてくれるタイプなので、パパがそうするんだったら、ということで反対もしていませんでした。
―もしかしたら無理にレールを敷いてしまったんじゃないかと思ったのはいつ頃ですか?
うーん、中学校に入れてからですね。あとは時代もどんどん変わっていって女性の社会進出が普通になりましたよね。女性の起業家もたくさん出てきて。生き方が変わってきたといいますか。
―そうですね。今までで、「これはやっちまったな」思うところがあるとすれば、そういうことですか?
そうですね。子どもの視野だとまだ判断がつかないところがあると思うので、最終的には親がジャッジをしてあげるべきだとは思うのですが、少なくとも本人に「どう思う?」と意見は吸い上げてあげるべきだったなと思います。いわゆる押し付けですよ。「やっちまったな」と反省するのは、僕の価値観の押し付けですね。
―それは2番目のお子さんくらいまで?
そうですね。その頃はまだ会社勤めで起業していなかったので。
―なるほど。起業してから変わったことは?
物の見方が変わったし、何より親としてこの子たちを食べさせることで精一杯ですよね。今もそうです。
―田中さんにとって、子育てってなんですか?
子育てをしているシチュエーションの中で、親が最も学ぶ場なんじゃないかと思っています。親の方がいっぱいもらっているし、親の方がいっぱい勉強させてもらっていると思います。なので、感謝の言葉しかないですね、本当に。
―お子さんにひとつのことしか教えられないとしたら?
役立つ人になれということですね。将来的に仕事であったり、女性であれば結婚して奥方に入った時に旦那さんに家庭に役立つ人になってほしいし、自分の存在がなくてはならないものになってほしいという気持ちはありますね。僕、ライフラインチャートを作っているんです。 1番下のチビが20歳になった時をシミュレーションをしておかないとなと思ったりもしますので。 5年後はどうなっていて10年後はどうだとか。これくらいで長男が結婚して、そこで孫ができて、みたいな。面白いですよ。3年くらいごとに書き換えるんです。
―それはご家族とも共有するんですか?
毎回じゃないですけど。長男が20歳の時には見せました。
―ご長男の反応は?
特には…(笑)。
―今は3番目の高校野球のお子さん以外は、お家にいるんですか?
はい。長男なんかはもう毎日誰かしら友達が遊びにきています。そういう家にしたかったんで女房も大歓迎ですけど。3番目の次男が帰ってきた時は、30人くらいの友達が来ました。8畳くらいの部屋に30人(笑)。女房と出掛けていて、家に帰って来たら家の前が駐輪場みたいになっていて(笑)。
―30人にもなるともう玄関の靴はぐちゃぐちゃじゃないですか?
キレイに揃っていました(笑)。
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あるマンションのオトンたち。
マンショ暮らしを楽しむオトン座談会 「お父さん!ここで何してるの?」後編
マンショ暮らしを楽しむオトン座談会 「お父さん!ここで何してるの?」後編
マンション暮らしをとことん楽しんでいるオトンたちがいる。1Fのコミュニティールームでいつも飲んでいる。会費は1回ワンコイン。しかし、ただ呑んでいるだけではない。やれるかどうか分からないイベントを企画し、試行錯誤を重ね、ママさん、子どもたちに喜んでもらうことを目指して、というか、その喜んでいる姿をつまみに酒を呑みたいというオトンたちだ。グリーンパーティという名で活動を続ける、埼玉にあるエコヴィレッジ鶴瀬というマンションの住人。座談会形式でその暮らしぶりを訊いてみた。
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
―では質問を変えて。このコミュニティができて、嬉しかった瞬間ってありますか?
藤岡
夏にやった流しうどんですね。初めてのことでしたし。思いつきだけで走ったんですが、初めは出来る気がしなかったんです(笑)。
小松 新濱 深沢
そうだったの?
藤岡
僕が言い出しっぺなんですが(笑)。
小松
完全に試案が出来てるのかと思ってた。
藤岡
このメンバーなら出来るかもと思って。ある意味、これだけのことがこのメンバーで出来たんだという思いがあって。
―チャレンジして成功したと。
藤岡
そうですね。だから2週連続でも出て来たアイデア全部やっちゃおう!っていうのがまかり通ってしまうくらいメンバーだと思います。
新濱
それはあるね。ウチら出来るぞ!っていうのはあるかもしれない。
藤岡
これなんですが(写真と設計図を見せる)。
―これ、何メーターくらいあるんですか?
藤岡
18メーターくらいです。
石川
すごいね、図面。勾配も書いてある。
小松
これだけしっかり書いてるから出来ると思ってる。こっちは。
―これ書いたのは藤岡さん?
藤岡
そうです。でも計算通りにはならない。
深沢
結局この図面通りには作らなかった(笑)。
藤岡
流しそうめんをやるのに勾配は5度ないと流れないって、WEBで調べると書いてあって、5度ってこんな感じなのかなって。
新濱
前日にテストやったね。集まって夕方くらいまで。
小松
あれ長かったね。1回帰ってメシ食ってまだやってたから。雨降ってたからね。
深沢
そうだよ。雨の中やってたんだ!
藤岡
竹は、メインで使うところは買いましたけど、それ以外のところは、今日来ていないメンバーですが地元の地主さんに知り合いがいる方がいて、もう捨てるような竹をもらって来て。やりだすといろんな人が協力してくれて。思ったより安く出来たんです。
深沢
一つのイベントやるにしても、マンションの外にも話を持って言っているんですね。誰かしらが。こういうことをやろうと思うんだけど、何かいい案ない?って。誰かに聞いたりして。そうするとどんどんコミュニケーションが広がって言って。
―外の人に聞くというのは個人的な繋がりで?
藤岡
あとは探すというか。
―みなさん、社会経験とかスキルとかをフル活用しているということですね(笑)。奥さんから「あなた仕事とこれとどっちが大事なの?」って言われることないんですか?
藤岡
支障とまではいかないですけど、イベントの後飲みすぎて翌日使いもんにならなかったというのはありますけどね。
石川
私もこれから仕事に行くんですけど、やっぱり今二日酔いです(笑)。
新濱
こないだも、最初は仕事あるから無理だよって言ったんですが、やっぱり顔出しちゃいますよね。楽しいから。
―多くのお父さんって、そういうことに興味なくはないけど、仕事も忙しいしなかなか顔出せないからって思っている人すごく多いと思うんです。みなさんはそこを突破されている人たちですよね。どういう風にしたらこうなれるんですかね?
新濱
1歩踏み出しちゃえばね。ワンコイン出しちゃえば早いかな(笑)。
―みなさん多分仕事と家庭以外にもう一つ自分が楽しめる場所が欲しいっていう気持ちが強いんですか?
全員
それはあるかもしれない。
―お話を聞いていると、ただ呑むだけではなくて、何かみんなで作り上げる仲間というか、そういう関係になっていますね。
藤岡
私の場合は、来てくれた人が喜んでくれるのが嬉しくて。多分お祭り好きなんですね。
―ああ、お祭りですね。
藤岡
だから自分たちだけでも楽しいけど、そこにいろんな人が来てくれて楽しかったって言ってくれると嬉しくて、来てくれた人の笑顔をつまみにしながら呑むと美味しいぞみたいな(笑)。
深沢
昔で言ったら、いつも酒呑んでる近所のおっさん達になりたい感覚かな。いましたよね、そういうおっさん。
小松
何かあるたびにいつも呑んでるよね、あのおじさん達っていう。
新濱
俺たち、それだね。
小松
何かあるたびに呑んでるもんね。
藤岡
なりたい大人になれたね(笑)。
小松
多分仕事はちゃんとやっているんだろうけど、近所ではいつも飲んでヘベレケで、でもスーツ姿をたまに見ると、なんか違うぞ、っていう2面性のある大人になりたいと思っています。
―やっぱり仕事と家庭以外にも居場所があると豊かなんでしょうね。
藤岡
そこは間違いない。
石川
いい気分転換になると思います。2週連続でイベントやると、時間も食うのでさすがに疲れるんですけど、仕事とは全然違います。疲れも気持ちいいです。
全員
ああ、そんな感じですね。
藤岡
その甘いものの味を知っちゃったんです。それを知らない他のお父さんは、家でテレビ観てウダウダしてる時間とかあるじゃないですか。そこをこういう時間にあててもらって楽しかったなって1回感じてもらえると、その後も参加してくれるようになるんじゃないかと思うんです。
石川
私なんか参加したのはけっこう後の方なんですが、みんな毎回試行錯誤しているんですよ。ただ、ウンウン唸りながらではなく、試行錯誤を楽しんでいるんですよね。多分その辺りが続いている要因なんじゃないですか?ガチガチにやっている感じじゃないところが。自主的に始まっているところがすごいよね。自治会で考えろって言われたらちょっと辛いですよね。
藤岡
とにかく始めた頃は空いている時間で楽しみながらやりましょうというので、決して無理はさせないというか、「この日は来れない」って連絡があっても、「なんで?」とは言わない。結果的にそれで集まりが少ないというのはあったりもしますけど、やっぱり来れる時にくればいいっていう雰囲気を作り続けるのが持続させるコツかなとは思っています。
―みなさん連絡網は?
藤岡
フェイスブックやったりとか。ママさん達がこちらに加わるようになってからはLINEが中心になってきましたけど。
―裏でパパさんだけのグループがあったり?
藤岡
それはあります(笑)。
深沢
もちろんです。
―そこではどういうやりとりを?
深沢
仕事でこういうことがあったんだけどっていうのもあります。このメンバーだから言えるっていうのがあるので。
新濱
後、企画することが好きなので、ママ達のところにどーんとLINEを入れるより、パパさんの間で「こういうのをやろうと思うんだけど、どう?」「いいじゃんいいじゃん」ってなってからママ達とのLINEに流すみたいな。
―なるほど。先にこちらでね。
新濱
最終的にはママたちのLINEに流さないとイベントは進まないんです。パパだけだと結局あれもないいこれもない、あれも抜けてるこれも抜けてるってなるんで。
小松
パパたちがやりたいことは分かったけど、進めるには中途半端だよねって。ママたちにいろいろ細かいところを指摘されるんです。
―それもいいですね。
藤岡
しっかり見てもらっています(笑)。
小松
ママたちだけのLINEグループもあるんです。そちらで念入りな計画が立てられます(笑)。旦那たちがこんなことやりたいって言ってたけど聞いてる?っていう風にママさんグループで話が進むんです。
―なるほど。
藤岡
女性は女性で、やっぱり行事の組み立て方が違うじゃないですか。緻密さとか、細かな飾り付けとかも男だけだととてもじゃないですけど気が回らないですもん。
―男性は細かいところに気が回りませんからね。
藤岡
大きなところをバーっとやるのは燃えるんですけど(笑)。
小松
流しうどんでも「流れてくる水どうやって処理すんの?」って言われて、流しときゃいいんじゃないのっていうのが男の考え方なんですけど、それ「バケツで回さなきゃとか考えないとダメでしょ」って言われて、ああそういえばそうだねって(笑)。
―つまり男だけでは成り立たないんですね。
深沢
そうなんです。どれだけいいプラン作っても手伝ってくれる家族がいないと無理なんです。100%自分たちでやっていると思っていると、女性からしたら、何にもしてないじゃないって言われるのがオチなんです。「裏では女性陣がやってあげたのよ」って言われて、「そんなことまでやってくれたんだね、ありがとう」って言えるようにならないといけないなっていうのはあります。
―素晴らしい。
深沢
でもまあ結論は、ものごと楽しんだもん勝ちですね。
新濱
最近、カミさんとメシ食いながら、子どもたちが大きくなってもウチらのコミュニケーションって続いているのかなって話してたんです。何かしらの形で出来ていると思うんですけどね。そうありたいと思うし。
藤岡
個人的な想いでいえば、子どもたちが大きくなっても、このマンションを故郷として帰って来てほしいと思うんです。住んでいるかは別として。「子どもの時にここでやったお祭り楽しかったね」とか、そういう思い出を一つでも多く作ってもらいたいなあと思っているんです。
―このマンションが故郷になる、素敵ですね。ありがとうございました。
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イベント
魚・魚トゥナイト!〜時には起こせよ“子どもと”ムーブメント〜
築地ではその名を知らぬものはないとされる、
浅井抜刀斎こと浅井さんを娘(4歳)と息子(2歳)の通う
保育園にお招きして、ムーブメントを起こしていただきました。
子どもたち大興奮の巻!
お父さんたちはホタテの殻むき係。
締めのバラちらし!
そもそも生魚自体をそれほど食していない年齢の子たち。
食べていても、スーパーで並んでいるお刺身かサクの状態のものや
お寿司屋さん(回る方の)だったり。中には、サクが泳いでいると思った子もいました。
今日みんなが食べるお魚さんたちを1種類ずつ浅井さんが紹介してくれます。
それをありがたく「いただく」わけです。
素晴らしい食育になったと特にお母さん方からは絶賛の声。
いい、ムーブメントになったんじゃないかと。次は夏を予定しています。
そんな、浅井さんの闇練、残席残りわずかですー!明日ですけどwよかったらー。
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