オトンの心得・決めごと

家族で目指す企画。

W杯という国別対抗戦に、チームが一丸となる姿を見ます。そういえば昔、家族対抗歌合戦という番組がありました。初代の司会者は欽ちゃんで、芸能人とその家族が参加する番組でしたが、本番に向けて家族で練習したことと思います。欽ちゃん司会で今も続いている番組といえば仮装大賞でしょうか。こちらは対抗ではありませんが、家族で参加している姿を見ることができます。家族で何かを目指す。これってあまりない機会かもしれませんね。仮装大賞に家族で出演、なかなかのメモリアルな出来事だと思います。敷居が高いと思う人も多いでしょう。

もっと気軽に、家族一丸となる機会を作ることもできると思います。例えばボーリング。個人で競うのではなく、家族の目標合計点を設定してみんなで目指すというゲームです。仮装大賞に出てみんなで20点超えとか満点を目指すように、例えば家族4人で目標の合計点を300点とか400点に設定して。「合計点を超えたらみんなでアイスを食べよう!」などのご褒美もつけたらさらに盛り上がると思います。するとですね、みんなのストライクをみんなが喜んで、だれかのガーターを他の人がカバーしようと思います。家族でひとつのものを目指すことで生まれるチームワークが生まれるのであります。たまには、こういう機会をオトンが企てるというのはどうでしょう。

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【青山お父さん大学のお知らせ】

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イクメンという言葉が登場して数年が経ちますが、そこで語られていたのは、主に未就学児のいる家庭における、家事、育児の分担、妻のサポートという意味合いが多かったのではないでしょうか。確かにそれはとても大事なことではありますが、子どもはその後も成長し、保育園や幼稚園、小学校、中学校へ、思春期へ。そして友達や先生、先輩後輩、社会との接点を持つようになってきます。そういう子どもの成長過程での、父親の役割とは何か?あるべき父親とは?ということを考えていく講座を準備しております。「oton+to」が様々なインタビュー等により蓄積した成功体験や失敗談、歴史から紐解く父親の姿とは等、座学とワークショップで学んでいただきます。

名称 : 家族の未来が変わる「青山お父さん大学」

対象 : 子どもを持つお父さん。これからお父さんになる方。(お母さんも可)

場所 : 東京都港区北青山3-5-15 ミヤヒロビル10F

第一期: 2018年8月1日(水)、8日(水)、22日(水) それぞれ19:00〜20:30 計3回完結

※日程・時間は多少変更する可能性がございます。

料金 : 通常¥50,000 → 開講記念価格¥10,000(税別)

募集 : 2018年6月11日(月)〜 ※先着順となります。定員に達し次第終了とさせて頂きます。

尚、第二期以降の募集等に関しても「oton+to」にて随時ご案内致します。

応募はコチラ → https://form.run/@otonto

 

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万引き家族。そして父になる。ニホンザルの仲間のはなし。

2~3週間前くらいになりますが、『万引き家族』を観ました。

取調室、刑事役の池脇千鶴の質問に答えようと考える

安藤サクラの姿にはグッときました。

血の繋がっていない家族の話。

2013年のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した

『そして父になる』も血の繋がっていない家族の話でしたね。

血が繋がっていることより大切なもの。

 

ところでといいますか、

モロッコのあたりに住んでいる、

バーバリーマカクという猿がいます。

ニホンザルの仲間ですが、バーバーリーマカクは

オスが子育てに熱心なのだそうです。

父親だけでなく若いオスも育児に参加するそうです。

以前、霊長類学者でゴリラ研究の第一人者である

京都大学の山極壽一総長のインタビューで

バーバリーマカクのことを話されていたのを

読んだことがあります。

それは近親相姦に関する調査報告の話でした。

自分が育てていない子猿とは、

たとえ実の子であっても近親相姦が起こるが、

自分が幼少期から育てた子猿とは、

実の子でなくても性的対象にはならないという話でした。

生みの親より、育ての親。時間の共有が親子にするということでしょうか。

 

『そして父になる』で、リリー・フランキーが福山雅治に言った

こんなセリフがありました。

「なにいってんの。時間だよ、子どもは時間」。

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(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

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(C)2013「そして父になる」製作委員会

 

【青山お父さん大学のお知らせ】

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名称 : 家族の未来が変わる「青山お父さん大学」

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第一期: 2018年8月1日(水)、8日(水)、22日(水) それぞれ19:00〜20:30 計3回完結

※日程・時間は多少変更する可能性がございます。

料金 : 通常¥50,000 → 開講記念価格¥10,000(税別)

募集 : 2018年6月11日(月)〜 ※先着順となります。定員に達し次第終了とさせて頂きます。

尚、第二期以降の募集等に関しても「oton+to」にて随時ご案内致します。

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オトンの流儀とか ビジネスマン編

「これはかっこ悪いぞ」と、自分に言い聞かせています。小さい頃「カッコよく生きろ」と親から言われていたのが僕のベースです。【後編】

色んな人に喜んでもらうと、いっぱい増えるのがお金だよ。

【オトンの流儀とか】今回は、3人のお子さんのオトン、金沢景敏さん。上のお子さんが2歳の時、それまでお勤めだったテレビ局からプルデンシャル生命に転職され、固定給ではないフルコミッションの世界へ。奥さまからの反対があるかと思いきや、むしろ奥さまが出したある条件で、金沢さんが腹を括らされることに。そしてインタビューで何度も出てきた「自分に言い聞かせる」という言葉。日々のあらゆる場面で二者択一を繰り返されているそうです。カッコよく生きるために。後編です。

―あんたは何でも出来る天才だと。

はい。テレビ局に入社した時、いい気づきをもらいました。同期で親が大学を出ていないのって、自分の親だけだったんです。どこの親も大学を出て大企業の役員とかがたくさんいて。みんな、いいところの出です。親がヤンキーなんていうのはウチしかいないし、ウチの親は勉強なんてほとんどしたことないから、カラオケに行っても英語の歌詞が読めないので、上に書いているカタカナを見て唄っています。そんな親が一生懸命働いて、僕に教育と環境を与えてくれました。だから今の自分がいます。自分の親の教育が間違えていなかったということを証明したいというのが、僕が今、頑張ることの出来る動機のひとつです。

―なるほど。

でも、親に喜んでもらうということは、親に何かをしてあげようということではなく、自分が何かに一生懸命打ち込んで、誰かを喜ばせているという姿を見せることだと思うんです。幸い僕にも子どもが3人いますが、子どもたちに将来何かをしてほしいとは1ミリたりとも思いません。でも、あいつらが何かに精魂打ち込むことがあって、それが社会に貢献しているという姿を見ることが嬉しいと思うんです。それと僕、子どもにお金を残す気は全くないです。でも、子どもが自分で稼ぐ能力を身につけるためのお金は惜しみません。それは親が僕にしてくれたことだから。

―自分の子どもが社会に貢献している姿。

はい。それと僕のエネルギーは、カッコつけることなんです。僕は嫁と子どもにカッコつけたい。周りや社会にもカッコつけたい。カッコつけるためには結果が必要です。そして結果を出すために一生懸命やっている姿がカッコいい。お父ちゃんが結果を出していないのに、子どもに結果を出せとはいえません。お父ちゃんが精一杯やっていないのに、子どもに精一杯やれとは言えません。僕、カッコ悪い自分をよく知っているんです。もともと僕は弱い人間だし、さぼりたいし、逃げたい。そういう、カッコ悪い自分を知っているから、結果が出ない自分を想像するだけで身の毛がよだつほど嫌なんです。カッコ悪いから。「これはカッコ悪いぞ」と、自分に言い聞かせています。小さい頃に「カッコよく生きろ」と親から言われたのが、今、よく分かります。

―カッコいい状態というのは、結果を出している姿?そこに向かうプロセス?

一生懸命やっている姿だと僕は思います。僕は色々なアスリートの方ともお付き合いがあるのですが、僕が彼らによく言うことがあります。例えば野球が上手くなるために一生懸命やっている奴は、たとえそこで結果が出なくても、人生トータルではプラスになると。だから今、目の前のことを一生懸命やろうと。いくら足が早くても走りきらないと応援されないんです。少々鈍臭くても、頑張っている人は応援したくなるんです。僕はそこが大事だと思います。それは自分のためでもあるし、周りが喜んでくれることです。

―自分のためでもあるし、周りが喜んでくれる。

はい。僕、エネルギーも運気もお金も、自分のためだけに使うと増えないと思っています。でも、もちろん自分のためであるけども家族とか周りとか社会にっとても喜ばれることに使えば、使うだけ増えると思っています。使い方が大事。それも自分に言い聞かせています。

―いろいろ言い聞かせているんですね。

はい。僕は京大アメフト時代に弱い自分を露わにしているんです。アメフトで日本一になれなかったんですが、なれなかったのではなくて、日本一を本気で目指していなかったんです。「お前ら、日本一になるぞ」と言いながら、心のどこかで立命館には勝てないと思っていました。今日の練習に監督が来ないとなると、手を抜いておこうかという気持ちになり、どこかで、もう早く引退したいなと思っている自分がいました。引退しても、京大アメフト部という肩書きがあれば社会で生きていけると思っていたんですね。実際そうなるんです。テレビ局に入っても「京大アメフト部、凄いですね」なんて言われるんですよ。でも、やりきっていないことを自分で分かっているんです。分かっていながら、いくらでも取り繕うことが出来る。そういうカッコ悪い自分と向き合うために、僕はテレビ局をやめようと思ったんです。

―カッコ悪い自分を受け入れたんですね。

はい。だからプルデンシャルに転職して自問自答を繰り返しました。「お前、どうなりたいの?どうありたいの?日本一になりたいの?また逃げて後悔するの?この人に会うの?会わないの?電話するの?メールするの?やめるの?お酒飲むの?飲まないの?家に帰るの?会社に帰って翌日の準備をするの?どっちがなりたい自分に近づくの?」そうやって二者択一にしていったら、今まで選べなかったものを選べるようになったんです。それも、自分が逃げたという事実を受け入れたからなんです。「こんな自分は嫌だ」ということがすごくエネルギーになっています。先ほども言いましたが、僕はお酒を飲まないと決めました。でも「一杯くらいいいや」となるのは自分で分かっているんです。だからご飯に行く時はお酒を飲めないようにするために車で行くことにしました。

―二者択一を繰り返す。

保険というのは手数料商売です。保険の種類によって、自分に幾ら入ってくるか分かっているんです。保険の種類で手数料率が違います。であれば、手数料が高い保険を提案したい、そんな自分ももちろんいます。だから自分に言うようにしています。「これは誰の保険ですか?」って。俺のじゃないよな、お客様のだよなって。でも、そういう自分がいるっていうことを分からずに、自分にとって都合のいい保険ばかり提案していると、それが当たり前になって悪気すら感じない状態になります。ただ、最初から自分の利益より相手の利益のことだけを考えて提案できるほど、自分がいい人間じゃないことを分かっているので、いつも綱引きをしているんです。アスリートとはそういうところで話が合いますね。

―なるほど。アスリートの方とは他にどんな話をすることが多いですか?

そうですね。例えばトッププレイヤーの人とご飯に行っても、僕は夜の11時に家に帰します。遅くまで酒を飲むことが仕事じゃない、野球が上手くなることが仕事だから。「明日は人生で何千試合やるうちの1試合かもしれない。でも明日しか球場で見ることの出来ないファンもいるかもしれない。待ちに待った明日のためにものすごくワクワクしているファンのために、最高の準備をする。それがプロとしての礼儀。なぜならファンからお金をもらっているんだから。ファンを喜ばせることをする。それがホームラン、ファインプレー、勝利だ」と。人生90年100年のうち、野球が出来るのはそう長くない。だったら今は、一生懸命に野球がうまくなることをやればいい、そういう価値観が合うアスリートたちとは仲良くなって、家に遊びにきたりします。

―価値観の合うアスリートが家に。

横浜ベイスターズの筒香選手とか西武ライオンズの菊池雄星夫妻、水泳メダリストの松田丈志とかが、ウチのたこ焼きパーティに来て、子どもたちと一緒にたこ焼き焼いています。子どもたちは彼らがスターアスリートだということを良くわかっていないかもしれませんが、彼らと家で野球していますね。格闘家が来たら、蹴りしたりパンチしたり。メンタリストDaiGoさんも遊びにくるんですが、先日は筒香選手に抱っこしてもらいながらDaiGoさんと喋っていました。なんだか贅沢な光景です。でも子どもにとってはそれが普通(笑)。僕自身、子どもをそういう人たちに触れさせたいという気持ちもあります。そういえば先日には伊達公子さんと僕の家族を含めみなさんと奄美大島に旅行に行ったんです。子どもたちは伊達公子さんと一緒にお風呂に入っていました(笑)。

 

―お子さんの環境づくりでもあるんですね。

今、新しい家を建てているんです。僕がお付き合いしている人柄が良い色々な人が集まって、そこで交流している姿を僕は子どもに見せたいんです。AIの時代になってきて、子どもたちの時代は、人と合わずに物事が進む時代が本格的になると思うんです。だからこそリアルに人に会ってコミュニケーション取れる人の価値が高まると思うんですね。僕が子どもに出来ることはなんだろうと考えた時、これからそういう時代になっていくからこそ、運気のいい人たちが集うという環境に触れさせたいと。そういう感覚です。

―それが家を建てる動機なんですね。

家は、お金が貯まったらって、よく言いますけど、子どもが小さいうちじゃないと意味がないな、じゃあ今だよなと思って。子どもが大きくなって家を出たら、その家を売って嫁と賃貸マンションに移ってもいいですからね。そんなふうに思って、大きな買い物をしてしまいました(笑)。ここで使ったお金は自分たちのためでもありますが、集える場所になることで、また色んな人に喜んでもらえる。だったら活きたお金の使い方だなと思います。

―お子さんによく言っていることとかありますか?

自分がされたら嫌なことを人にしたらアカン、ということは言うようにしています。まずやることをやってから遊ぼう、というのも言います。自由っていうのは順番があって、好き勝手していいわけじゃない。やることをやるから自由があることを理解させたいし。人が喜ぶことをしようぜ、米粒も全部食べたらお金が貯まるよとか、もう少ししたらお金に対する価値観も身に付けさせられるようにしたいですね。後は「天知る、地知る、我知る」ですね。良いことをしても、悪いことをしても、全て天は見てるし、地球も見てるし、何より自分ではわかってますから。

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―お金に対する価値観、具体的には?

もう少し大きくなったら、現金を見せようと思います。今、娘がピアノを習っているのですが、1万円札を見せて「この1万円で1ヶ月ピアノを習うんやで。嫌だったらやめろよ、もったいないからね」。「やりたいことにはお金をだすけど、やりたくないことには出さんからな」と。「このお金はお父さんが一生懸命働いて、みんなに喜んでもらったから稼いだお金だよ。ただではもらえない。でも色んな人に喜んでもらうと、いっぱい増えるのがお金だよ」っていうことを伝えたいなと思っています。自分に言い聞かせながらね(笑)。

金沢景敏さん

今回の”オトン”なビジネスマンは、

金沢景敏さん

プルデンシャル生命保険株式会社

家族構成:妻、娘(7歳)、息子(5歳)、息子(1歳)

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―よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―金沢さんは、今、プルデンシャル生命保険で、前職が民放キー局なんですね。

はい。そこではすごく楽しい思いをさせていただいたんですが、このままだと自分は会社の看板で生きていくことになると思ったんです。会社の看板がなくなったらどうなるんだろう、人生トータルで考えた時に自分にとっていいことってなんだと考えて、”えいっ!”て辞めました。32歳の時です。

―辞められた時、お子さんは?

子どもがひとりいました。

―奥様はなんと?

むしろ、僕が嫁に腹を括らされました。東京の世田谷に土地を買って何千万ものローンを抱えて、子どもがひとり。転職先は保険会社で固定給なしのフルコミッション。普通の女性なら嫁ブロックが発動すると思うんです。今のままでいいじゃないって。でも、嫁に「いいの?」って訊いたら、「もう決めてるんでしょ」って。でも条件があるというんです。

―ほう、どんな条件だったんですか?

「2人目の子どもを作れ」でした。僕びっくりして、「それはリスクやぞ、固定給もないし」って言ったら「覚悟決まるやん」と言われました。だから、嫁に腹を括らされたんです。で、2人目が転職1年目に生まれました。8月7日、プルデンシャル生命保険の創始者ドライデンさんと同じ誕生日です。それで僕はスイッチが入りました。絶対ドライデンを獲るぞと(個人保険契約第1位のタイトルをドライデンアワードといいます)。それで、1年間の最終日で逆転したんです。自分は獲れると言い聞かせて諦めなかったんです。自分が成功すれば、嫁は“あげまん”になるな、だったら俺が“あげまん”にしようと。嫁は、僕をそんなふうに思わせてくれた人なので、嫁のおかげなんです。

―素敵ですね。

それで僕、びっくりするくらい嫁と電話とかメールをするんです。1日に20回以上しています。

―へーっ!何を話されるんですか?

意味もないことばっかりですけど(笑)。特に転職してから増えました。明日の準備を絶対前日にすると決めたので、お酒をやめました。相手の時間を良い時間にしたいと思うようになったので。お酒を飲むと明日の準備をしない言い訳を作るってことが自分で分かっていますから。もうお酒は一滴も飲みません。2次会にも絶対行きません。そして絶対割り勘。コンパは絶対にしない。時間の無駄なので。

―相手の時間をいい時間にしたいからお酒をやめた。

テレビ局にいた時は、二日酔いでも寝坊しても人は会ってくれたんです。酒臭くてもネタになるような業界なので。今思うとどこかで傲慢な自分がいたと思います。テレビに出してあげる、取材してあげるという気持ちがその時は意識していなくても絶対どこかにあったと思うんです。だからちやほやしてくれるし名刺交換する時も気持ち良かったんです。それがプルデンシャルという保険の営業マンの名刺に変わった瞬間に、人の態度が180度変わりましたから。それは驚きでした。

―どんなことを実感されましたか?

「今度、お茶でも」と僕が言うと、「目的はなんですか?」と。電話をしても「保険とかもういいんで」とかメールも返信すら来ないとか、名刺も本当に雑に扱われるんです。初対面の人の対応がもう全然違います。今までの仕事関係で付き合っていた方も、転職してから電話に出てくれなくなったりということもありましたから。保険を売り込まれると思って。でも、そういう状況になって初めて、人が会ってくださるということを僕は心の底から嬉しいと思えるようになりました。そして、この人に会えたのはあの人のおかげだって。テレビ局の時は名刺さえあれば誰もが会ってくれたので、テレビ局の光に照らされて僕が光っていたんです。でも、その光がなくなった時、自分には何もないって見せつけられたんです。だから自分で小さくても良いから何か光を出して照らしていきたいと思うようになりました。まずは自分の家族に対して、そしてお客様。自分の好きな方々に自分が何か照らしたいと。だったら誰よりも働いて、みんなが喜ぶことをしようと。それがお酒やめたりということに繋がっていったんです。

―人が会ってくれること自体に喜びと感謝ですね。

人が電話に出てくれない、メールも返してくれないという経験は、これまでの人生で経験がなかったことなので、すごくつらかった時期もありました。だから嫁にめちゃくちゃ電話とメールをするようになったんです。この地球上で必ず電話に出てくれる人が一人でもいるということが救いでした。助けられました。器が大きい奥さんなんです。だって、小さい子どもがいてお腹に2人目の子がいて、僕は忙しく仕事をしていて家で過ごす時間はとても短いのに。

―お休みの日は?

以前はよく土日も動き回っていたので、家族と一緒に車で行って、僕が打ち合わせをしている間、近くの公園なんかで遊んでもらって、また車で移動して、、、。そうやって家族の時間を作っていました。奥さんは喜んで付き合ってくれていましたね。今は僕、家に人を呼ぶことが多いです。家族との時間を大切にしたいのですが、僕は人と会うのが仕事なので、だったらということで色々な家族を呼ぼうと。その時も奥さんはちゃんともてなしてくれます。でも子どもがいたらゆっくり食べられないから、隣の部屋にマットを敷いてベビーシッターを頼んで保育所みたいにしたんです。家族ぐるみの付き合いというのは多いです。巻き込んじゃうんです。

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―どんな子ども時代を過ごされてきたんですか?

僕、生い立ちがちょっと変わっていてですね、親父とオカンは高卒ヤンキー、姉も高卒ヤンキーなんです。大阪のやんちゃな地域で。僕は小さい頃から勉強しろと言われたことはなくて、ケンカに負けるなと言われて育ったんです。でも自分からは手を出すな、弱い者いじめはするな、女の子には手を出すな。それはカッコ悪いと言われたんですね。親にはカッコよく生きろとよく言われました。それが僕のベースです。

―ずっとその地元で育ったんですか?

幼稚園の時に、先生がアドバイスをしてくれたんです。このまま地元の小学校に進むと悪い道に行ってしまうから、違う学校に行かせたほうがいいと。その頃、僕はヤクザの子どもと仲が良かったので。それで僕は私立に行ったんです。親父は自営業で、その頃はバブルで景気が良かったので、近畿大学の附属小学校に入れてくれました。ここは大学までエスカレーター式なのですが、今度は小学校の先生が、中学受験を勧めてくれたんです。そして塾にも行って、東大寺学園という名門私立に進学することになりました。

―ほう!それで中学高校と東大寺で、その後は?

僕、中高で野球部だったんです。全然勉強せずに京大を受験して落ちました。それで浪人をしたんですが、浪人中、ずっと京大模試でA判定が出ていたんです。それで調子に乗っていたらまた京大に落ちました。2回京大受験に落ちたんです。そこで神様がいるって分かったんです。成績良くても遊んでいるやつはみんな落ちるんですね。成績悪くてもコツコツやっているやつは合格していました。「神様ちゃんと見てるわ」と。自分のことを本当にカッコ悪いと思いました。そして早稲田に行きました。

―東京生活が始まったんですね。

はい。早稲田でアメフト部に入って、チアリーダーの彼女が出来たりして、東京での生活を満喫していた1年生の11月、実家の事業が自己破産したんです。お金がなくなってしまいました。母が電話をしてきて「こっちはどないかするから、あんたは帰ってきたらあかん」と。でも僕、理系学部なので学費が年間160万円、それにアメフト部、生活費、どう考えてもそんなお金ないんです。でもそこで人生初の大きな決断が出来ました。

―大学1年生で人生初の決断?

早稲田を辞めました。12月に大阪に戻ったんです。そして京大に行くって決心をしました。入試までは約2ヶ月でしたが、この2ヶ月は本気で受験勉強をして合格しました。合格できたことで、人って腹を括ったらなんとかなるんだっていうことが分かりました。

―確かに腹を括ったんですね。

自己破産して家のものも無くなる、お金も無くなる、本当に悲惨な状況でしたが、「これは、受験勉強を舐めていた自分と京大に、もう1回リベンジするチャンスをもらえたんだ」と思ったんです。

―プラスに捉える力ですね。

僕、自分に言い聞かせて、プラスに捉え直す修正がすごくあるんです。母親が超前向きな人で、その影響があるかもしれません。その母親には「あんたはちゃんとやればなんでも出来る天才や」ってずっと言われていて、自分がやることをちゃんとやれば結果が出る。僕も素直にそれを信じていました。

後編に続きます。

金沢景敏さん

今回の”オトン”なビジネスマンは、

金沢景敏さん

プルデンシャル生命保険株式会社

家族構成:妻、娘(7歳)、息子(5歳)、息子(1歳)

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「これはかっこ悪いぞ」と、自分に言い聞かせています。小さい頃「カッコよく生きろ」と親から言われていたのが僕のベースです。【後編】

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落語家 春風亭一之輔さん

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【オトンの流儀とか】今回は、落語家の春風亭一之輔さんです。今は江戸時代以来の落語ブームだと言われています。そんな中、ほぼ毎日、年間約900席の高座にあがっているのだとか。おそらく落語会で一番喋っている一之輔さんですが、十八番のひとつが、オトンと子どものやりとりを描いた古典落語の「初天神」。家庭では3人の子どものオトンでもあります。いろいろお話を伺いました。後編です。

 

 

 

まあ朝から怒ったりしていると、もう雰囲気が悪くなりますから。怒る連鎖が起きちゃいますからね。

―確かに。ちなみにお子さんを見ていて、他に自分に似ているなと思う所はあります

一番上の子の何考えてるか分からないところ。あまり感情を表に出さないといいますか。

―何考えてるか分からない。

私も何考えているか分からないと言われますから。まあ何も考えてないですけどね(笑)。もともと、普段は喋んない方ですし。

―不気味がられますか?普段の一之輔さんは。

あははは。不気味がられているところはあるかもしれない。直接「不気味ですね」とは言われないですけど。長男なんかも、一人でずっと本を読んでいたりとか、そういうことが楽しいタイプかな。

―さっきの外面でいうと、具体的には?

学校ではちょっとリーダーシップがあったり、みんなの前で喋るとかも普通に出来たりするんですよね。そういうところです。

―スイッチがあるんですか?

どうなんですかねえ。度胸が据わってるなとは思います。小学校を卒業する時も、6年生代表の挨拶を、自分で立候補して、原稿用紙4枚くらいを自分で書いて暗記してやっていました。先生が書いた原稿があったんですが、自分で書き直して。

―お父さんの“まくら”を入れたりとか?

あははは。でも真面目なこと書いてましたよ。「あんまり面白くねえな」とか言いながら。

―人前で喋ることを仕事にしているお父さんの影響もあるんですかねえ。

変な使命感みたいなのがあるかもしれないです。「僕がやらなきゃ誰がやる」みたいな。でもね、ウチじゃずっと漫画読んでるんですよ。

―その漫画は一之輔さんも読んだりします?

というより、だいたい僕が薦めた漫画とかです。あとはカミさんの漫画とか。しょっちゅう読んでるのは「3月のライオン」とか、こないだは「まんが道」とか。家に僕が無造作に置いているのを勝手にに読んだりしています。

―自分が面白いと思ったものを、息子さんも面白がっているのは嬉しい?

そうですね。僕が息子と同じくらいの歳に読んだ漫画を持ってくると嬉しいですね。

―一之輔さんの仕事場に連れてくることは?

たまにあります。上の子が1年生くらいの時からですかね。カミさんが忙しい時は、ひとり連れて。席空いたら「座って見てろ」って言って。あと楽屋に連れていくとかね。

―客席にいる息子さんは気になりますか?

国立演芸場で、子どもが後ろのほうに座っていたんですよ。どこに座れとは言わなかったんですけど、多分係の人に案内されたのかな。跳ね上がる椅子ってあるじゃないですか、映画館とかにあるような。でも、まだ1年生くらいで体重が軽いから、座ってるうちに持ち上がってきちゃうんです。それで一生懸命椅子をグーって抑え込むんですけど、また上がってきちゃって。それが気になってしょうがなくてね。

―その様子をその場でネタにしたりは?

いやいや、しません。いじらない。他のお客が気になっちゃうから。でも、自分の働いている姿を見せられる仕事で良かったなっていう気はします。

―なるほど。

前からも見せられるし、裏の、楽屋で他の人が働いている姿もね。お父さんの仕事、落語をやる上で、どれだけの人が周りにいるかとか、面倒見てくれてるのかっていうのが分かるのはいいかなと。

―じゃあ、積極的に見せてあげたいと思われているんですね。

そうですね、出来れば。寄席だといろんな先輩もいて、挨拶してお小遣いもらえたりもしますし(笑)。別にもらいに行くわけじゃないですけど、挨拶して礼儀正しくしていれば、周りの人たちは可愛がってくれます。親以外の大人と接する機会があるのはいいですね。

―一之輔さんのお弟子さんとお子さんの関わりは?

つまんないこと喋ってますよ。でも子どもに言うのは「お父さんの弟子であって、君たちの弟子じゃないんだから、無理なこと言ったり、あれやれ、これやれっていう関係じゃないから。ちゃんと挨拶して、何かしてもらったらお礼を言って、礼儀正しくしなさいよ」と。噺家の世界って、師匠の弟子だから自分よりも立場が上とか、僕のほうが偉いんだって勘違いしがちなところがありますから。古い世界なんでね。

―お弟子さんが一之輔さんに怒られている姿もお子さんは見ます?

そうですね、見ますね。

―そのお弟子さんが息子さんの兄弟子になるのはいつですか?若貴みたいに。

いやいや(笑)。うちの子はならない。大変ですよ、自分の子どもを弟子なんかにしちゃったら。ダメダメ。

―そうすると、どの師匠に預けましょうか?

いやいや、落語家にはならないですよ。ならない。

―例えば息子さんが隠し持っていた落語全集DVDが部屋から見つかったりしたら、お父さんは嬉しい?「おまえ、そうだったのか、、、」って。

いや、ダメダメダメダメ!でも、そういう意味では娘が一番華があるかもしれないです。

―ほう!どんな花を開かせたいですか?

いやあ、幸せになってもらえばそれでいいです。食うに困らないくらいの感じで生きてってもらえれば。何やったって迷惑かけなきゃいいと思います、人に。自分の力で生きてってもらえれば。うーん、なんだろう、自由というか放任っていうか、自分で見つけてもらいたいですけどね、そういうのをね。だからいろんなものを見せてあげたりはしたほうがいいんだろうなと思います。可能性、間口を広げるためにはね。

―ひとつのことしかお子さんに伝えられないとしたら?

ひとつだけねえ、何だろうなあ。息子の小学校の卒業式の企画で、親が子どもに手紙を書くというのがありましてね。そこでは、自分ひとりで生きているんじゃなくて、いろんな人が自分を生かしてくれているんだよ。だから、人に優しくすれば周りも君にそうしてくれるかもしれないから。というようなことを書きました。

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―なるほど。

独りよがりになっちゃうと良くないなと思うので。僕の商売なんかも一人でやってるんでね、そう思いがちなところがありますし。でもお客さんが来てくれないとどうしようもないんです。そしていろんなことをセッティングしてくれるスタッフの人とか、演芸場の従業員の方とか、寄席で働いている前座さんもそうだし。そういう人たちがいるから高座をつとめられるので。そういうことも書きましたね。

―息子さんの手紙の反応は?

何も反応がない。

―反応がない?

何も言いやしない。

―反応待ってましたよね。

なんか言うのかなって思ったらね、何も。「手紙読んだのか?」って言ったら「ああ、読んだ」って。まあ渡されても困りますね。自分が6年生だったらムズムズすると思いますから。

―では、子育てとは◯◯である。◯◯には何が入りますか?

自分を省みること、というのはありますね。できてないですけど。で、ようやく省みた頃には、子どもはもう大きくなっちゃってるんですよね。

―早いですか?大きくなるのは。

早いですね。小さい頃は早く大きくなれと思ってましたけど。兄弟全員が保育園に行ってる時なんか、早く成人しろと思ってましたから。でも後になって反省することは多いんですよね、子育てってね。でもその頃はもう中学生でほぼ手が掛からない。これカミさんが聞いたら「あんた、ほとんど何もやってないくせに、そんな偉そうなこと言うな」って言われそう。やってないことはないと思うんだけど。

―ちなみに漢字一文字で表現するとすればどんな漢字を書きますか?子育てでも、生き方でも、家族に対してでも。それを居間に飾るとしたら。

程々の「程」ですかね。適当と言っちゃあれですけど、気楽にやった方がいいと思うんで。「楽」でもいいですけど。程をわきまえるのほうかな。ダメならしょうがないってとこ。だから「程」。

―「程」なるほど。そんな中、もっとこうしたほうがいいなと思うことってありますか?

子どもと接する時間をもうちょっと作んなきゃというのはあります。

―その分高座に上がっているんですね。

高座上がって酒飲んでるっていうね。だから、朝は必ず起きるようにしています。

―そうですか。朝ごはんは一緒?

はい。絶対に朝ごはんは一緒に食べます。

―そこでは喋ります?

喋るようにはしているけど、みんな朝弱いんで、みんなでぼんやり食べてます。僕は二日酔いだったりしますし。でも、同じ時間に「いただきます」というのはしようと思っています。

―必ず?

4時5時まで飲んだ時は「ごめんなさい」って。

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―あははは。

「布団の中で寝かせてください」と謝ります。でも2時までだったら7時には起きます。

―2時だと起きて、4時だと謝る。

はい。でも僕らよりちょっと年配の噺家だったら、普通に朝寝てて子供が学校行った後の11時くらいに起きてくるっていう人もいっぱいなんです。そんな先輩たちからは「お前、そんな生活してんのか?そんなにカミさんに気を遣って生きてんのかよ」なんて言われますよ。

―言われますか?

言われます、言われます。子どもの送り迎えとかも、上の人はそんなこと一切したことないですから。まあ、そういう芸人というのは、大概、家庭不和になりますけど(笑)。奥さん大変ですからね。でもまあ時代ですね。上の人もそう言います。「時代が違うんだなあ」って。

―一之輔さんと同世代の方は、送り迎えしている人が、、、

多いですね。そうしないと回らないです、噺家一家も核家族ですから。

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春風亭一之輔さん

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【オトンの流儀とか】今回は、落語家の春風亭一之輔さんです。今は江戸時代以来の落語ブームだと言われています。そんな中、ほぼ毎日、年間約900席の高座にあがっているのだとか。おそらく落語会で一番喋っている一之輔さんですが、十八番のひとつが、オトンと子どものやりとりを描いた古典落語の「初天神」。家庭では3人の子どものオトンでもあります。いろいろお話を伺いました。2回にわたってお届けします。

 

【第1回】家族みんなでテレビを観るっていうのはけっこう大事だったのかなと思います。

―よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―シャツの柄、パンダですね。

そうです。意外と主張が強いパンダです。

―パンダといえば上野で、今日のこの場も上野ですが、上野にはよくいらっしゃいますか。

そうですね。仕事場ですからね。仕事の合間にこのあたりの古い純喫茶なんかにもよく行きます。古城っていう喫茶店もすぐそこにあって。

―喫茶店が好きだと本に書かれていましたね。よく原稿書かれたりされているとか。ちなみに一番のお気に入りってありますか?

ルノアール。

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―あははは。

ずーっといても何も言われないし、なんだかんだ使い勝手がいいです。そこで原稿をね、ガラケーで書いています。

―ガラケーで原稿を書かれている。

ずっとそうなので、もう慣れました。あと、パソコンも家にしかないし。買えばいいって話ですけど。

―家では仕事をされますか?

ほとんどしませんね。噺なんかは歩きながらです。

―歩きながらですか。

歩いているペースが合うのでね。落語の自然体というかリズムには。僕は座って家でやるよりは外で散歩しながら小声でしたりする方がいいですね。その時に思いついたことがあれば、ちょっとメモしたり。

―散歩コースは決まっていますか?

寄席から寄席を歩く時はだいたい決まってます。だから上野から浅草の移動はもう散歩にしちゃいますね。上野から日本橋とかも時間があれば歩きます。

―歩いているときは、ひとつの噺を全部やるんですか?

全部はやりません。なんとなく「今日やろうかな」という話を断片的にやってみて、確認するという感じですね。

―楽屋にはどのくらい前に入られますか?

寄席の場合は30分前です。それで、帳面を見て、今日はみんなどんな噺をやっているのかって確認して決めます。

―他のインタビュー記事で読んだのですが、「初天神」に出てくる子ども“金坊”は、実際の息子さんの発言を参考にされているとか。

うんうん。「初天神」は長男だったり次男だったり。最初やり始めた時はまだ結婚もしていなくて子どももいないから、「初天神」っていうのはあんまりピンとこなくて。でも、登場人物の子どもの歳に自分の子どもが近づいてくると、「そうか、こういう気持ちでやればいいんだ」ってことを思いましてね。金坊は、9つですが、息子を見ていて、モノをねだる時とか、親の顔を伺うような時の表情とか「ああ、こういう表情するんだ」と気づく感じです。怒ったりふてくされた時なんかも。

―なるほど。

そのままコピーはしませんけど、子どもって、大人が思うほど純粋じゃないですよね。自分もそうでしたけど。そういうところをちょっとオーバーに演ってます。

―実際の父と子の会話も、初天神みたいなやりとりになりますか?

いや、もう本気で怒ってますよ、僕は。怒るというか「ああしなさい、こうしなさい」って。でも子どもからすると「また言ってるよ」みたいに思われている感はありますね。親父だってそんなにちゃんとしてないっていうのも子どもたちはみんな分かっている。見透かされているとこはありますね。

―直接言い返されたりとか?

「パパだって着替えてないじゃないか!」って言われます。でも「パパはすぐ着替えができる。でもお前らは遊んで手が止まるんだから、パパはまだいいんだ」って言ったら「ずるい」とかなんとか言ってきます。でも自分が子どもの頃もそんなことばっか言ってたなって。繰り返しですよね。

―やっぱり初天神の父子のやりとりに重なりますね。

親子は似た者同士というのが根底にありますからね。人が見た時、どっかの子どももあんな感じだったなあなんてことが透けて見えればいいのかなとは思います。そして、父子のやりとりの面白さだけじゃなく、最終的にはその向こう側が見えなきゃいけないんだろうなと。

―その向こう側っていうのは?

何ですかねえ、ワーワー言ってるけど、親子の、まあ単純に言えば、親子の情愛というかね。

―一之輔さんが子どもの頃ってどうでした?

僕は4人兄弟の末っ子なんです。上3人がみんな姉で歳が離れているんです。一番下の姉とも7つ違うので。

―すごく可愛がられていたんじゃないですか?

可愛がられるのも、バカみたいに可愛がられるとか(笑)。それよりも放ったらかしに近いですね。でも姉全員、母親のような感覚ですね。

―なるほど、どのお母さんが一番好きですか?

うーん、どれも帯に短しタスキに長しです(笑)。でも楽しかったですよ。だからですかね、大人と喋るのは苦ではなかったです。

―小さい頃から喋ることは好きでしたか?

小さい時はそうでもないです。小学4年生くらいに、別に普通に喋っても大丈夫なんだなと思うきっかけがありまして。その時の先生が、朝、スピーチのコーナーを設けて、クラスのみんなが日替わりで喋るというのがあったんです。そこからですね。その1回目で、「あ、もしかして俺はいけるんじゃないか」って(笑)。

―どんなことを喋ったか覚えていますか?

つまんないことですよ。たぶん、親に怒られたとか、おならしたとかいうそれぐらいの。まあ、お笑いとかはそれまでも好きでしたから。姉が観る番組ばっかり観ていて。

―どんな番組を観てました?

そうだな、ドリフとかひょうきん族とか、ベストテン、トップテン、ヒットスタジオ、あと夕焼けにゃんにゃんとかね。あとドラマとかも姉と一緒に観てたから、マセた感じになりますよね。同級生と話していても「お前らまだまだ子どもだな」と。とにかくテレビはずーっと観てました。ずーっとテレビがついているウチでした。

 

―今もテレビは家でずっとついていますか?

いや、今はねえ、カミさんがあまりテレビを観せないというか、うーん、どうなんですかねえ。

―何か思うところがありますか?

飯食ってる時にテレビを観ていると同じ話題になるんですよねえ、家族が。今は、食べながらテレビはよくないっていう考え方で、観ないですけど、もしかしたら、テレビ観ながらご飯食べるほうが良かったなのかなあという気がします。皆で観ることができるテレビ番組がいっぱいあったということかもしれませんね。それに、今はテレビを観る時間を1日1時間というルールにしているので、そうなると子どもたちはアニメとかになっちゃいますから。アニメ1時間だったら、僕もカミさんもあまり観ないですしね。だから、家族みんなでテレビを観るっていうのはけっこう大事だったのかなと思います。

_MG_9943

―なるほど。なんか新鮮な意見です。でもそれが一之輔さんの家でも実現されない?

うーん、難しいですね(笑)。ウチの子どもたちは、そうなると他のこと何もしなさそうだから(笑)。あとはまあみんな塾や習いごとで忙しいですから。空手にピアノに水泳にね、僕が子どもの頃と比べて、まあ忙しい。そんなに忙しくしなくても良いんだろうなと思いつつ。

―習いごとはお子さんが行きたいと?

基本みんな子どもが行くって言い出しました。塾行きたいっていうのもそう。「行きたいんなら行けば」って。勉強したいというのを「するな」というのもなんかねえ(笑)。あと、娘は日本舞踊ですね。カミさんがやっているので一緒に通っています。

―なるほど、お母さんがやっていて。お父さんと一緒に落語というのは?

それはないです。

―お子さんの空手を見ていて、お父さんもやりたいなというのは?

やりたくない。痛そうだし。僕はガラスの向こうから見ています。でもなかなか行けなくて、試合とかも1〜2回ぐらいです。行けたのは。

―どうでした?

面白いですねえ。負けて泣いたりとか。僕なんかはたまにしか練習しているところをちゃんと見ていないじゃないですか。でも、他のお母さんなんかはいつも送り迎えをちゃんとして、一緒にやる人もいたりして、負けて泣いている子どもと一緒に泣いたりとかね。そういう時間の共有というのをできないことがね。「自分も時間があればなあ」と思います。だから、時間を共有出来ていない分、距離があるというか。まず子どもの友達の名前が覚えられないですし、顔と名前が一致しない。誰々のお母さんって言われてもよくわからない。

―お子さんの担任の先生の名前は?

ああ、一番上が◯◯先生、2番目が△△先生で3番目が□□先生。あっ、言えた!言えました!!

―おおっ!

学校、近いんですよ。歩いて1〜2分くらいで、けっこう行くんです、土曜の午前中に。授業参観というか、今は公開授業っていうんですかね。

―見ていてどうですか?お子さんが手を挙げたり?

してますね。ドキドキします。通知表に書いているのと、ウチにいる時じゃ全然違います。学校じゃ褒められてるんです、整理整頓もできるし。でも家に帰ってくると全然ダメ。親も一緒ですけどね、外面がいいところは似ているのかもしれません。だからといいますか、最近はなるべく怒らないようにしようと思っているんです。

―自分も同じだから怒らない?

僕が怒るとカミさんが怒るから(笑)。

【第2回】に続く

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あ、自分は3人も守ってくれるお父さんがいるんだ、すごく幸せだなって。【後編】

第2回この距離感だからこそ、今の自分があるんです。

―ご家族の皆さんがどれくらいの距離感でいるのかなっていうのは興味がありますね。

うちはすごい変わってますね。変わってるなって思ったのが、去年、母の還暦の誕生日パーティーの時。これは全部オープンにしてるんですけど、母は私の父親と別れたあと、野田秀樹さんとお付き合いしてずっと一緒に住んでたんですよ。私も兄も野田さんにすごい可愛がってもらっていて。でも結果的に二人は別れて、野田さんは別の方と幸せに結婚されてお子さんもいらっしゃるんですけど。実は今も野田さん家族とよく行くお店が一緒なので、たまにお店でバッタリ会ってみんなでご飯食べたりする関係性なんですよね。その還暦のパーティーにも、私の父も野田さんも両方来るっていう、、、。

―へーーー!

2人でお互いをネタにしあう絡みもあって。「なんで結婚してくれなかったんや!」って、父が野田さんを茶化して言うみたいな。

IMALUさん

―すごいお二人ですね。

そんなことができちゃうって、やっぱり関係性とか距離感とか、うちは変わってるなって思います。よく離婚して嫌だったこととか、父親じゃない人と暮らすことで嫌だったこととか質問されることがあるんですけど。

―はい。

私はあまりネガティブに受け止めてなくて。多分小さい時に母親に言いくるめられたんだと思うんですけど。私には、天国にいる兄のお父さんと、ボスと野田さん、3人も守ってくれるお父さんがいるんだ。それってすごい幸せだなって。そう思ってたんです。

―素敵ですね。“ボス”っていう呼び方も守ってくれる人の感じがしますね。ちなみに野田さんの呼び方は?

一緒に住んでいた、自分がまだ幼稚園とか小学校入る前の時は特別な呼び名がありました。最初、会う前に電話で話したんです。母親が「話す?」っていうので代わったのが、野田さんとの最初の触れ合いで。でもその時、子どもだったからいきなり知らない男性の人に電話出られても「え?」って感じじゃないですか。

―混乱しちゃいますよね。

それを察してか、「誰と話してるの?」って私が聞いた時、母親が「ウルトラマンだよ」って言ったんです。

―ウルトラマン!?

で、「すごーい!ウルトラマンと電話してるの!かわってかわって!」って電話を代わったら、「ウルトラマンです」って野田さんも。私、すごい感動しました(笑)。その後野田さんと実際に会った時も「ウルトラマンだよ」って自分から言うから、そう呼ぶようになりました。

―野田さんがウルトラマン。

なんか謎ですけど。父を「ボス」って呼ぶ感覚と同じで、ニックネームみたいに呼んでましたね。

―外出先でも?

はい。でも兄は途中からお父さんってちゃんと呼んでました、野田さんのこと。

―そう決めたんですね。

腹をくくったんだと思います。その頃、兄は小6くらいで、大きくなってたっていうことと、私たちに対して野田さんもすごく真正面から向き合ってくれていたから。だから兄もお父さんって呼んでたんじゃないかな。

IMALUさん

―真正面から向き合ってるっていうのはどういうところから感じましたか?

叱ってくれたんです。兄のお父さんもいないし、ボスも叱るタイプじゃなくて、初めて叱ってくれた男性が野田さんなんですよ。でも私の方は、なんでお父さんじゃないのに叱ってくんだよって思ってましたけど。

―どういうことで叱られました?

うーん、映像は浮かぶんですけど、それがなんだったのかはあんまり覚えてないんですよね。でも野田さんが前に言ってたのが、「いってきますを言いなさい」って叱ったことがあるって。それで私がぶすっとして。ほんとにそのくらいの些細なことだったんと思います。

―些細なことだけれど、野田さんに言われることに思うところがあったんですかね?

なんだろう、もちろん仲は良かったけど、そうやって叱られると、私なんかは野田さんに言っちゃってました、「家族じゃないじゃん!」って。それで互いにピリついたことも時にはありましたね。でも今はみんな大人になり、食事屋さんでバッタリ会ったりお仕事で会ったりと繋がりもあって。一緒に住んで可愛がってもらったんで、そうやって会えると嬉しいですね。あ、大人になってからはウルトラマンとも呼べないので、野田さんって呼んでます(笑)。

―そうなんですね。では野田さんに影響されたことってありますか?

舞台をたくさん観れたことかな。母親はずっと舞台やってる人だし、野田さんも舞台やってますし。なので当時はよく観に行ってましたね、母親がやってたシェイクスピアとか野田さんの舞台とか。ただ、当時の自分には何も理解できなかったです。小学生にはわからない言葉や感情もあって。でも今は、子どもの時にプロの演劇をたくさん観れてよかったなあって思います。自分が大きくなってだんだん舞台の理解もできるようになってきて、今もいろんな演劇を観るんですけど、変に舞台に厳しくなりました(笑)。

―どんなふうに?

細かいところに目が行くんですよ。母と野田さんが演技や演出の細かい部分を見て話しているのを聞いていたので。例えば母は、なんで病院の先生なのにこんな爪が長いんだろうとか。なんで時代劇のこういう役なのに、ファンデーションが濃いんだろうとか、ピアスの穴が見えるとか。私も野田さんといる時には、交ざって演劇の話をしてた記憶があります。

―舞台に対する目線がそこでできたんですね。

あと音楽でも印象的に残ってる思い出があります。なんていうんでしょう、コップに水を入れて、その量で音が変わる楽器があるじゃないですか。

―あ、グラスハープですね。音の違うグラスの縁を指でこすって音を出す。

ある日、野田さんとその遊びをしていて。水の量を何度も試しながら調節をしてドレミファソラシドを自分で作ったんです。それを、「すごいよ、IMALUちゃん!本当にすごい!」って褒めてくれた記憶がありますね。

―それは嬉しかったですか?

嬉しかったですね、自分の好きな音楽のことで褒めてもらって。うーん、野田さんはある意味そういう、お父さん役を一番やってくれたかもしれない。

―ではさんまさんに子ども時代、こうしてほしかったなっていう思いはありますか?

まあ思うところはありますけど、父は歩み寄るタイプじゃないので。だからそれを歩み寄って欲しかったって求めると色々出てきますけど。

―うんうん。

でも逆に、あんまり熱心に教え込まれずに、背中を見て育った、その距離感が居心地よかったんです。少し離れてるからこそ似てるなってDNAを感じることもあって。今くらいの距離感だからこそ、今の自分になっているとも思うし。極端な話をすると、私の芸能界入りのためにコネクションをいっぱい作ってくれて、色々教え込まれていたら、多分自分は全然違った人間になってたと思います。もちろん名前だけでもすごいサポートなんですけど。私は何も知らないまま、芸能界という色んな大波がある世界にパーンって飛び込んで。2人の距離感が、自分をそうさせてくれたんです。

―うんうん。

それに、求めたらきりがないですよね、過去のことを。だから、これでいいかなって思います。

―では反対に、IMALUさんがこうしてあげたかったなと後悔してることはありますか?

まだ親孝行はできてないです、全然。親孝行のためにも、仕事を頑張っていますね。自分がちゃんと自分の道を歩いて、この世界で成功していくことを一番、父も喜んでくれるんじゃないかなって思うので。

―最後に、もしも1つだけ、お父様に伝えるとしたら、どんなメッセージになりますか?

1つだけ?

―1つだけ。

_MG_0146あー、難しいですね、なんだろ。まあでも、年齢ももう60過ぎなので、「たまには休んだら?」かな。

―娘からの「たまには休んで」。なんだかグッときました、今。

ははははは。本当に休みませんから。病気しても病院も行かずに、口から出して気合いで治すタイプなので。

―じゃあ弱ってる姿をみたことあります?

ないんですよ。寝てる姿も見たことないですもん。

―あっ、それはご家族もないんですね。

さすがに母親はあると思いますけど。私はないです。

―あの、一番最初に仰っていただいた、人間ではない、、、。

そうですね、人間ではない説が(笑)。父と母、2人のとてつもない体力を見てると、20代の自分が負けてらんないですよね。

IMALUさん

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あ、自分は3人も守ってくれるお父さんがいるんだ、すごく幸せだなって。

タレント IMALUさん

家族構成:母、父、兄

【オトンの流儀とか〜特別編〜】今回は父の日特別編ということで、「オトン」ではなく「ムスメ」であるIMALUさんにインタビュー。明石家さんまさんや野田秀樹さんと接する中で、子どもの頃に感じていた大人へのあれこれや大人になったから理解できる子どものあれこれをお話しいただきました。

聞き手:oton+to編集長 布施太朗、大山あず紗 写真:島野大輝

第1回父は常にオン!オン!オン!オン!生きることイコール仕事という人です。

―今年はお花見されました?

お花見しました。代々木公園で今年はして。いつも世田谷公園でやるんですけど、友達と。今年はちょっと変化球で。

―いいですね。お花見は昔からこう、毎年されていますか?

そうですね、季節のイベントは結構好きで。夏はバーベキューしたり、ハロウィンもしますし、クリスマスもするし。飲む言い訳ですけど完全に。

―飲む言い訳ですか。

はい。

―お酒好きなんですね。

お酒好きです。

_MG_0123

―わ、いい笑顔。

はい(笑)。

―例えば大竹しのぶさんやさんまさんと行事された記憶ってありますか。

そうですね、母はそういうイベントをよく企画してくれていて。ハロウィンパーティーやクリスマスは、近所に住んでいる私の友達を呼んでやってくれました。父は一緒に住んでいなかったので、定期的にご飯会みたいなのがありましたね。小さい時は月1ペースぐらいだったと思います。

―さんまさんとはご飯会を。

母、祖母、兄と父、家族みんなでご飯を食べに行ってました。あとは映画が好きだったので、父が私と私の友達を映画館に連れてってくれたこともよくありました。

―お父さんとIMALUさん2人では?

ふたりっきりは、ほぼなかったです。

―ふたりっきりになりたくなかったんですか?

どうだろう。でもいつも当たり前のように友達がいました。

―ご家族とお友達が近いんですね。

みんな知ってます。小中高の友達みんな、今でも仲良いんです。

―映画館に一緒に行かれたとき、お友達も含めてどういう会話されたか覚えていますか?

映画はドラえもんとか、子どもが好きなものをよく観ていたんですけど。たまに洋画を観ることがあったんです。字幕入りの。でもまだ漢字も読めない頃なので、全部父が私の耳元で字幕を読んでくれていました。

―お父さんが全訳状態!

女の人の役も男の人の役も「わー!きゃー!」も全部です。多分周りはすごい迷惑ですよね(笑)。お客さんもあんまりいなかったのかな?ずっとやってくれてました。だからその頃私が観た洋画は、全部父の吹き替えバージョンです(笑)。

―さんまさんとは一緒に住んでいなくても、そういう交流はたくさんあったんですね?

母もそうやって会わせてくれる機会を作ってくれていたんでしょうね。父と母は、もう夫婦じゃないから会わないってわけではなく、今も一緒に共演したり、仲が良いんです。

― IMALUさんが大人になってからも、お父さんとはよく会っていましたか?

だんだん減ってはきました。それと私、高校はカナダに留学したので、その頃はたまに日本帰ってきた時に会うくらいでした。

―さんまさんがカナダにいらっしゃったこととかありますか?

ないです、ないです。

―なんでカナダに留学しようと思われたんですか?

海外の映画と音楽がすごく大好きで、海外の生活にすごく憧れを持っていたんです。もう外国人になりたいくらいに思っていたので。それで留学させてもらいました。

―どうでした?外国人なれました?

外国人になれなかったですね。でも15歳から18歳の多感な時期に向こうの人たちと生活したことは、自分のベースになったと思います。カナダ人のいいところが吸収できました。それと、私が外国人になりたいと思ったのはもうひとつ理由があるんです。自分が物心ついた時から、母と父は芸能界の中心にいる人で、周りに大人がいっぱいいる環境だったんです。その人たちの言動に表裏を見ることがあって。偉い人にはいい顔するとか、そういう部分を小さい時から敏感に感じていたんです。

 

IMALUさん

―うんうん。

大人になったら、自分もいい顔しないといけないのかと。そういう時に音楽とか映画を観て、海外のアーティストが何かの授賞式とかで、自分の言いたいことを堂々とスピーチする姿、自分は自分だと意見を人前ではっきり言う姿にすごく憧れたんですね。絶対海外に行きたいと思ったのはそこです。実際カナダに行って、そういうところを吸収できたし、行ってからむしろ日本人の優しさとか気遣いという部分にも気づくことができました。それと自分がこの仕事を始めて、小さい時に感じていた大人の裏表の顔というのも、理解できるようにもなりました(笑)。

―理解できたというのはその、昔は嫌だと思っていたような気持ちではなくなったということ?

はい、まあ嫌な時も正直ありますけど(笑)。変な人はいっぱいいますから。

―ははははは。

どこの仕事も変な人はいると思うんですけど、でも特に独特な人が多い世界なので。日本で一番面白い人たちが集まっている職場ですから。その姿を見たり一緒に喋ったり、ものを創ったりすることができるってすごく楽しいと思えますね。

―芸能界のマイナスなイメージが変わったんですね。子どもの時に周りの大人たちが気を遣う姿や、顔が変わるところが見えたということですが、お父さまにもそれは感じていました?

多少あるかもしれませんが、基本は変わらない人です。テレビと全然変わりません。それより周りの人に対して思うことが多かったです。父に対して、なんで同じヒトなのにみんな気を遣うんだろうって。当時、父が出てくるとみんな立ち上がって挨拶するとか、テンポを合わせるとか、他の同じような年代の男の人にはしないのに。自分としては父親なので、父の何が偉いのとかも分からないし、別に父が偉そうにしてるとかいうわけでもないので。

―IMALUさんが芸能界に入って驚いたことはありますか?

芸人さんは、カメラがオフになると、普通に戻るじゃないですか。

―はい。

芸人さんって、カメラの前ですごくエネルギーを使う仕事なんです。でもカメラがオフになったらガンガン喋る必要もないから、静かになるのは当たり前だとは思うんですけど。だけど自分は父しか、つまり常時オンの状態の芸人さんしか見たことがなかったんで。「わっ、こんなオンオフってあるんだ!芸人さんって」。ということでびっくりしたのは覚えてます。怖くすら感じました。

―なにか他にも理解できたことってありますか?

理解できたこと、そうだなー、父は、すごく仕事が好きなんだなと。昔から感じてはいましたけど。あれほどのパワーでMCして、人を笑わせて、カメラ回ってないところでも人と触れ合って、笑いが、笑かすことがとにかく好きで、自分の仕事に対して相当情熱があるということ。生きがい、生き様?生きることイコールこの仕事という人なんだなということを、自分がこの仕事を始めてさらに思いましたね。

―うんうん。

自分は、仕事は大好きですけど、仕事以外の時間もすごく大事だし、学生時代の友達と会ってなんかくだらない話をする時間とか気を遣わない環境がないと、バランスがとれないんですが、父はそこが全部、常にオン!オン!オン!オン!みたいな。

―パワフルですね。

そこはやっぱり人間じゃないなと。

―人間じゃない(笑)。

あのパワーを秘めてる感じは、自分じゃできないんで。同じDNA持っていても自分は父のようには絶対になれない。

―一瞬でもオフの部分を見たことってありますか?

家族だけでご飯とか食べている時のほんの一瞬とかに表情で感じることはありますけど、、、。黙り込むことはない。

―あはははは。黙り込むことはない。

ずーっと喋ってますね、家族の中でも。

 

IMALUさん

―家族で食事される時はどんなお話をされてるんですか?

仕事の話はしません。私はたまに、あれ見たよとか、面白かったね、というのはするんですけど。父は特に私の仕事の話は絶対しないですね。何を話しているかというと、父と母がゴシップ記事とかニュースの裏側とかを喋ってて、途中から父がほかのお客さんとかに絡んでMC始めて、、、。

―MC始めるんですか?!

はい。そして兄は無口な方なんで。たまに喋りたいときに兄が喋って、私も喋りたいときだけ会話に入るという感じです。私はお酒が好きなので、父と母と行くとお金払ってもらえるので、ずっと飲んでます。

―ははははは。

常連さんとかの高級ワインとかいただいて、みんな飲めないからそのお酒全部私に回ってくるんです。それも私が飲んで。ずっと二人が喋っているというパターンですね。

―その時間は楽しいですか?

うちはいい意味でも、距離が近すぎないというか。それぞれの道をみんな好きなことやって頑張ろうぜっていうタイプなんです。父と母の情報はヤフーニュースとかで知って、あ、こういうのやってんだなみたいな。でもそのことについて喋るとかはないんです。集まった時にいちいち報告なんかしなくてもいい。逆に報告しないからこそ、こういう集まりってすごく大事なのかなと思います。

―さんまさんと、お兄さんとはどういう会話をされてますか。

そうですね、兄の実の父は彼が2歳くらいのときに亡くなって、兄が5歳の時にうちの父と住み始めたんです。それから2年か3年くらい一緒に住んでいたんですけど。

―はい。

兄と父は普通に会話していますよ。ちなみに、兄はお父さんとは言わないんです。ボスと呼んでいます。

―ボス!

私もボスと呼んでいるんですが、父が兄と私に自分のことをボスって呼ばせたんです。父と兄は、小さい時から壁はなく喋っていました。兄はいい意味で結構変わってる人なんですが、父は兄のことを本当に可愛がっていますね。父が兄と兄の高校時代の友達を軽井沢に連れて行ったりとか。みんなで麻雀したりとか。私の友達もなんですけど兄の学生時代の友達とも、もう昔から仲良くしています。

―みんなのボスになってるんですかね。

そうですね。だから、本当、父が違うから、とかいう壁は感じたことは私は無いですね。お父さんとは自分も言わないので、周りからしたらなんか変な感じに聞こえるかもしれないですけど、ボスって呼んでます。でもなんか自分たちの中では愛称感覚で。ま、もう昔からボスボスって呼んでるんで。兄もあんまそこは気にしてないかもしれないですね。まああと、血が繋がってないとはいえ、父がいるのは兄も心強いんじゃないかなとは思います。

IMALUさん

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イベント

「青山お父さん大学」開校のお知らせです。

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【6割以上の父親が感じる後悔】

「子どもが小学生のうちに、もっと遊んでおけば良かった…」このように感じている、小学生以上の子どもを持つ父親が6割以上もいるというデータがあります。忙しい毎日、限りのある時間。。そんな中でも、出来ることがあります。でも、このような知識を共有する場が殆どありません。著名人やアスリート、経営者から会社員まで、様々な父親像をインタビューし、発信してきた「oton+to」では、このナレッジを体系化し、世の父親(父親になる方)に、「青山お父さん大学」という形で、学びの場を提供することを考えました。

【青山お父さん大学とは】

イクメンという言葉が登場して数年が経ちますが、そこで語られていたのは、主に未就学児のいる家庭における、家事、育児の分担、妻のサポートという意味合いが多かったのではないでしょうか。確かにそれはとても大事なことではありますが、子どもはその後も成長し、保育園や幼稚園、小学校、中学校へ、思春期へ。そして友達や先生、先輩後輩、社会との接点を持つようになってきます。そういう子どもの成長過程での、父親の役割とは何か?あるべき父親とは?ということを考えていく講座を準備しております。「oton+to」が様々なインタビュー等により蓄積した成功体験や失敗談、歴史から紐解く父親の姿とは等、座学とワークショップで学んでいただきます。

 

◎◎

名称 : 家族の未来が変わる「青山お父さん大学」

対象 : 子どもを持つお父さん。これからお父さんになる方。(お母さんも可)

場所 : 東京都港区北青山3-5-15 ミヤヒロビル10F

第一期: 2018年8月1日(水)、8日(水)、22日(水) それぞれ19:00〜20:30 計3回完結

※日程・時間は多少変更する可能性がございます。

料金 :  開校記念価格¥10,000(税別)

募集 : 2018年6月11日(月)〜 ※先着順となります。定員に達し次第終了とさせて頂きます。

尚、第二期以降の募集等に関しても「oton+to」にて随時ご案内致します。

応募はコチラ → contact@otonto.jp(青山お父さん大学参加とお書きください。後ほどメールをお送りさせていただきます)

aoto_data2 aoto_data3※調査:マクロミル(実施期間2015年11月) 対象:Q1. 中高生の子どもを持つ父親104人 Q2. 小学生の子どもを持つ母親104人

 

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おとんのこと、勝手におしゃべり!by思春期OG

【第2回】子どもが一緒にでかけてくれないおとんたちへ(後編)

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思春期を終えたおとんとメンバー二人が、

自分のおとん、世の中のおとんのことを勝手におしゃべり。

 

息子&娘の考えがわからない〜というおとんたちの

ヒントになったらもうけもん!

お気軽にどうぞ!

 

< メンバー紹介 >

・たなか:26歳。おとん・おかん・いもうと。割とおとんと仲がいい。

・おおやま:25歳。おとん・おかん・あに。割と今でも反抗期。

 

< 今回の議題 >

「子どもが一緒におでかけしてくれない、、、」

 

買い物に誘っても遊びに誘っても

「行かない」っていう娘&息子、、、

なんでダメなの?何考えてるのー!?

 

 

< 本編 >※た→たなか、お→おおやま

た:いっそ、映画とか舞台とかライブとかは?娘の趣味に付き合ってどっかいくとかだったらなんとかなるかもよ?

 

お:むー、それは私きついな。なんでかっていうと、近くで映画館があったのが、ショッピングセンターの中だから!また、人と会いたくない問題。

 

た:なるほど! 私の友達で、お父さんと競馬に行く子もいたな。

 

お:競馬!?

 

た:お父さんが競馬好きな人で、中学くらいからお小遣いとかもらうようになるじゃん。そしたら、お父さんに誘われるようになって。本人もお父さんもどハマりしているわけではなくて、たまに遊びにいこーみたいな。

 

お:へー!それは珍しい。

 

た:そうそう、それは楽しいって言ってた。だからいっそおとんの趣味に付き合わせちゃうのはアリかもね。おとんの楽しみ方を共有してあげる、というか。

 

お:競馬とか、お母さんとはなかなか行かないところだしね。

 

た:お母さんと行かないところに行くか、お母さんの守備範囲とずらすか。結構一緒にスポーツとかする子もいるもんね。

 

お:下手に街中とかお買い物とかじゃなくて一緒にできる共通のなにかをするのはいいかもね。

 

た:一緒の趣味を作っちゃうのはアリだね。お出かけが必要な一緒の趣味を作っちゃう。ちっちゃい時からの育成が必要だけど。

 

お:そうね、時間はかかっちゃうけどね。これを読んでいるおとんは早速始めてみるといいと思います。そういえば、うちのおにいちゃんは、おとんの友達のコミュニティーに入れてもらうのは好きだったみたいよ。

 

た:おとんのコミュニティー?

 

お:そうそう、ゴルフいったり、年齢大きくなってからは飲み会とか。

 

た:へーそれもありなのかな。

 

お:まあ一回誘ってみて様子見かしら。それか思春期過ぎてからかな。

 

た:そういえば、うちは普段あんまり一緒に行こう!みたいな感じはなかったんだけど、旅行は、定期的に、2-3年に一回は旅行行きたい!ってなってた。

 

お:旅行は特別よね。

 

た:旅行とかって言われちゃうと断れなくなるよね、自分も行けるんだったら行きたいし。

 

お:もう遠出にしちゃう!?現地解散も難しくなるし一緒にいる時間作れるよ。

 

た:おとんからのお誘いね!!そっか、いっそ知ってる人がいないところまで出てっちゃえって意外といいかも。

 

お:うん、そっちのがいいなあ。

 

た:「旅行」って名前になると、なんとなく楽しそうだし。あっ!思い出した、私が絶対に断れなかったやつ。おばあちゃんが絡んでくるやつだ!2人きりではないんだけど、おばあちゃんが絡んでくる誘いは断れなかった。

 

お:あ、分かる。

 

た:おばあちゃんおじいちゃんが絡むとなかなかね。

 

お:友達との予定があってもずらして行くよね。

 

た:行く行く。娘が一緒に出かけてくれるようになるまで、その辺のカードを切っちゃうのはありだよね。作戦としてね。

 

お:ありだと思います。誘うことで家族の関係性が深まるし?

 

た:一緒に住んでない場合、おばあちゃんのところに行くのもちょっと特別感というか旅行みたいなところあるもんね。ちょっとレア感出されると弱いな。

 

お:あと、この前もあったけどさ、「プレゼントを選んでくれ」って言われたらいいよね。

 

た:おかんのバースデーとかね。それは全然行くってなる。「こういうところに着ていく服がほしいから見繕ってくれ」もいいな。

 

お:とんでもない格好でお出かけに誘われても、それを自覚してたり「助けてくれー

って言われたら、なんだか可愛く思えてしまいそう。

 

た:お、あずさから可愛くって言葉が出てくるとは!

 

お:絶対本人には言わない(笑)。ねえ、家族の誘いって一週間以内のこと多くない?「今週末に」とか。

 

た:急だね確かに。

 

お:なんか「暇なん?」とか聞かれて「ひまー。なんもない」みたいな。「だったら行こう」みたいな感じが多いなーって思ってて。だから友達との遊びとか予定がたくさん入ってる子だったらさ、全然いけないわけじゃん。だから、あえて「この日に行くぞー!」っていうのを決めてしまうのはありかもしれない。

 

た:あー先約をいれてしまうのね。扱いを友達の約束と同じレベルにしてもらって。

 

お:そだね。

 

た:急に行くぞっていわれても、「え、今この状態から化粧して“外行く用”にしなきゃいけないの?」ってなるなあ。

 

お:「リラックスモードなんだけど」みたいな。

 

た:事前に、「この日にどこそこに行くよー」ってなってたら、ちゃんとそれに合わせて整えるよね。

 

お:朝から整えるね。

 

た:お出かけモードだねってなるもんね。休みの日に昼過ぎまで寝てて、急に14時くらいに「今から行くぞー」ってなっても「えー?」ってなるし、自分の準備の間みんなを待たせなきゃいけないのでもうめんどくさい、、、。

 

お:うんうん。先に言ってもらえてたらね。

 

た:先に言っておいてもらえてたらそのモードになっておくもんね、ちゃんと。

 

お:せめて前日には言っておいてもらいたい。

 

た:これは男の子にはなくて女の子にはあるやつだね。出かける場所とかによって服考えるもんね。

 

お:事前にアポ取りか。お仕事と一緒か。

 

た:友達でもよっぽど仲良くないとちょっとってなるもんな。

 

お:言わないけどさ、心の中では宿題とか、あれやろうとかミニto doがあるもんねー。

 

た:予定はないけどタスクはある、いつでもね。レポートやらなきゃなーとか。ほんとにやることない日って実はそんなにないよね。

 

お:学生で学校行ってたらそうなるよね、やること意外とあるもん。だから不機嫌になっちゃうことあるかもね。

 

た:親が思ってるほど暇じゃないってことだね、つまり。

 

お:読みたい本もあるし・・・来週友達と遊ぶからこの宿題やっとこうとか思ってるのに急に爆弾投下されてもね。

 

た:そりゃ行ったところで、よっぽど楽しくないといい思い出にはならんよなー。ハードル上がっちゃうよ。

 

お:そんなこんな言いましたけど、一緒に行こうっていう誘いがあると、距離は保っていられる気がする。

 

た:そうだね。それで「あいつ誘っても来ないし」って諦めちゃったら。

 

お:終わりだね。

 

た:そうね、終わりだね。(笑)

 

お:娘からはほぼいかないじゃん。おとんが当たって砕けろの精神でね、誘い続けるのは大事な気がするね。

 

た:定期的に誘ってあげるのは大事な気がする。断ってたとしてもそれまできてたお誘いがなくなるのは寂しいもんね。

 

お:天邪鬼でごめんなさいだね。

 

た:ごめんなさい。

 

お:今日話してて気づいたのが、外で人に会いたくないのって、うちと外で違う顔を持ってるからじゃん。それって、家の中で、ちゃんと安心して、「ちゃんとしてない自分」をさらけ出せてることでもあるのかも。

 

た:はー、思春期になると、外の自分ができてきて、少し作ってしまったキャラクターの自分がいるよね。

 

お:そうそう。

 

た:だから、家の中と外が出くわしちゃったときに、あたふたとか嫌だって思うのか。

 

お:おとんはひょっとして、一緒に出かけたくないってことを喜んでもいいのかもしれない。外で頑張ってる子どものことを知ることも必要だけど、そのままでいてもいいよって場所を守ることも必要なのかもしれない。

 

た:お、なんかかっこいい言葉でしまったかな。

 

お:失礼しやした(笑)。

 

 

 

 

 

☆まとまらないまとめ

 

*最低限ちゃんとした服装を心がけましょう!

「ちゃんとした服装・見た目」がわからなければ、聞いちゃえばいいんです!

それもコミュニケーションにしちゃおう。

 

*体験型のもの!趣味に巻き込む&巻き込まれちゃう!?

お父さんが何かやってみる!アクティビティとか、体験レッスンとか。

一緒に楽しめるようなものだとわくわくするね。

 

*思い切って遠出にしちゃいましょう!

誘われるほうも行きたくなっちゃうような特別感を出してみる。

家族で旅行に行ったり、おじいちゃんおばあちゃんを巻き込んでみんなで仲良くできたら

それはそれでハッピーです。

 

*事前アポをきちんととりましょう!

子どもには子どもなりの予定とかタスクがあります。

急に誘われても、困っちゃうので早めに誘っておけば時間作ってくれるかも。

 

*諦めない!(これ大事!)

定期的に誘ってあげれば向こうもだんだん一緒にお出かけしてくれるはず!

「あいつ来ないもん」って拗ねちゃわないで、気長にたくさん誘ってみよう!

 

*知り合いと会いたくないのは、おうちの顔があるから!(という心持ち!)

作らなくていい、おうちでのちゃんとしてない顔が保てているから、

外に一緒に行くのがめんどくさくなることも!?

 

 

 

 

 

ーーーーーー

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おとんのこと、勝手におしゃべり!by思春期OG

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  思春期を終えたおとんとメンバー二人が、 自分のおとん、世の中のおとんのことを勝手…続きを読む

おとんのこと、勝手におしゃべり!by思春期OG

【第1回】子どもとの会話が続かないおとんたちへ(後編)

  思春期を終えたおとんとメンバー二人が、 自分のおとん、世の中のおとんのことを勝手…続きを読む

おとんのこと、勝手におしゃべり!by思春期OG

【第1回】子どもとの会話が続かないおとんたちへ(前編)

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