―今、一番充実しているなって感じるのはどういうときですか。

電話が1本もかかってこないで子どもと庭で遊んでる時ですかね。

―本当ですか。それ仕事を含めて考えても子どもと遊んでいるとき？

遊びたいですもん。成長して小学生とかになってきたので、先が見えるんですよ。習い事もやるようになってきたし。あっ、今度なんか県の美術展みたいなのに選ばれたんです。そういうことを家の庭で「よかったねー」って話しできる時間が一番うれしいというか、充実しているって思います。

―休みたくはないしずっと仕事をしていたいけれど、そういう時間はちゃんと持ちたいんですね。

持ちたい。１日のうちの1時間とかでいいから。それと僕の上司が子どもに釣りをさせたいって言って、港に自分の子どもを連れて行って、釣りしていたんですよ。いいなあと思って俺も行きてえなあと思って、その１ヶ月後くらいに、夕方ふと「あっ釣りしたかったな」って思い出して、竿をパッと買って家に電話して「鯵釣りしよう」って。嫁に子どもを送り届けてもらって。1時間くらいですかねえ、釣りしたんですよ。子どもは初めてのことで興味津々でした。

―お子さんとしては突然のお誘い？

はい。長女に2年位前、釣りしたいって1度言われたことがあって、そのときは放置しましたけど（笑）。

―それを思い出したんですか。

そう、思い出して。ああ、そういえば釣りしたいって言ってたなあと思って。で、まあ僕も長くしてなかったんで、ていうか、今、この辺りで釣りに来ている人ってどの位いるのかなあとかちょっと気になって。今、観光で釣りに来る人とかっているじゃないですか。また仕事に繋がっちゃいますけど（笑）。

―釣りしてよかったですか？

よかったですね、釣れたし。食べはしなかったですけど、キャッチ＆リリースして。

―なるほど、お子さんはじゃあまた行きたいって？

行きたいかなあ、でもそれから釣りに行きたいって全然言わなくなりました。1回やって満足したのかな？

―次、お子さんとやりたいことあります？

うーん、、、レゴ。毎年クリスマスにクリスマスか誕生日のプレゼントレゴにしているんですよ。ちょっとずつ増やせるじゃないですか。「増えていけば大きいものが徐々に出来ていくね」
って。でも結局僕が作る時間を全く持ててないんで、子どもが作ったのを見ておおスゲえなあって言うだけですが（苦笑）。あとマインクラフトってゲーム。あれもレゴみたいなものなので一緒にやりたいなあと。

―お子さんになにか一つだけしか教えられないとしたら何を？

それで言うとあれかなあ。あと１０年くらいしたらもう大人になっちゃうじゃないですか。大人になるということは、いつまでも子どもじゃないんだよということではなく「大人になるとパパやママと一緒にいる時間は減るよ」ってことなので、そこはちょっと教えたい。あと５，６年くらいして娘が中学生になったらほとんど一緒にいないですもんね。部活を始めたりとか、友達と遊び行ったりとか。今ですよね。今の時間は今しかないよって。

―家族で一緒に過ごす時間を意識してほしいということですね。

僕がそうだったからですね。父親が自営業で、休みの日とか冬休みとか夏休みに旅行へ連れてってくれたんですけど、いつの間にかなくなったなあとか思って。まあ僕も中学生になって自分で遊びに行ったり、部活とかするようになりましたから。小学生の子どもにとって楽しいのは、家族といる時間じゃないかって思うんです。だから「今の時間が一番家族で長くいることができる時間なんだよ」って。それは教えてあげたい。僕は仕事でいないですけど（笑）。あと生き死にのことだけは教えてあげたいなと。まあ死ななきゃどうにかなる。

加藤伝さん

職業：株式会社 油津応援団勤務
ご家族：妻、娘（小２）、娘（４歳）、お腹にひとり