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子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない

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タレント、俳優、放送作家 ダンカンさん
オトンの流儀とか
アーティスト編 Vol.05

息子の弁当をずっと作っていました、アフリカ料理とか。それに初めてクリスマスケーキを作ったんです。めでたく海老をドーンと乗せて。

タレント、俳優、放送作家 ダンカンさん

タレント、俳優、放送作家 ダンカンさん

家族構成:娘(28歳)、息子(26歳)、息子(18歳)

聞き手:oton+to編集長 布施太朗 写真:吉谷吾郎

―喧嘩したりとかは?

喧嘩しないですもん。例えばね、虎太郎はいつも長い財布をズボンの後ろポケットにぞんざいに入れているんですよ。「紐つけるとかしないと絶対に落とすからな」って僕は言うんですけど「まだ1回も落としてないから絶対に落とさないよ」って言うんです。「そうじゃなくて、絶対落とすんだよ!長い人生の中でみんな落とした経験があるんだよ」って言って「いや、でも落としていないと言うことは落とさない」って。「いや、絶対に。間違いなく落とすから言ってるんだよ」って言うと「うーん、分かった」って。「そういう風に言ってるってことは落とした人がいるってことだから気をつけるようにするよ」って息子が折れるんです。僕も言いながら後に引けない感じになっているのに気付くんですけど、向こうの方が大人なんですよ。これ以上言い合いするよりも聞いたふりしておさめようってね。

―そうか、お父さんは言い続けてしまうんですね。

はい。気付くけれども止まらない。いやあ、でも落としたらカードを止めたり面倒臭さですからね。その経験がありますからムキになりますよ、こちらは。でも、もしかすると頭の中で30%くらいは、落とす経験もいいかと。これから大人になるにつれ、失敗だとかうまく行かなかったことを経験しながら成長してくんだろうなと思うんですよ。でも落としたら面倒臭いしなあって(笑)。

―どちらもありますよね。失敗をさせるのも親心、先回りするのも親心。

こっちは経験があるからムキになるけど、向こうはムキにならないんです。

―叱ることはありますか?

それはたくさんあります。虎太郎を思いっきり殴ったこともあるしね。

―最後に殴ったのはいつですか?

いやいや、もう随分殴っていませんよ。いつだろうなあ?この1年くらいは殴っていないです。

―1年ですか?ずいぶん最近ですね。

高校2年生くらいです。

―グーですか?パーですか?

頬っぺをパーです。

―どういうことで殴ったんですか?

嘘をついているとか、そういうことです。「結局、嘘をつくとそれをどうにか正当化して誤魔化そうとしてまた嘘をついて後戻り出来なくなるから面倒臭いんだよ、人間社会って」っていう話です。嘘を重ねるよりも「嘘をつきましたすみません!」って素直に言われたら、そうやって頭を下げられたら、僕の経験値からして、もうそれ以上は言いようがないんです。「うん、、、。分かった。絶対次は同じことするなよ」で終わるんです。常に僕もそうやって謝ってきましたから。嘘で誤魔化そうとしているなというのは大人から見ればわかるのでね。そういうことが何度かあったので。

ダンカンさん

―お兄ちゃんお甲子園くんと虎太郎くんはタイプが違います?

お兄ちゃんはとても真面目ですね。大学まで野球をやっていて、野球の世界ってバントとかをして自分が犠牲になっても点を取るというような組織のプレーをしているわけじゃないですか。それをそのまま持って社会人になった部分がありますね。こういうくだらない人生を送ってきた僕としては、それじゃあ面白くないような気がしてしまって、、、。もっとね、立川談志師匠のいうところの「業の肯定」ですよね。人間のダメな部分が愛おしいというか、たけしさんなんかは「もう、オマエらよう」って厳しく言いながらケツ出してみたりとか「この人何やってんだ、70歳にもなって」って(笑)。そこに人間味があるからこの人と一緒にいたいなっていうのはあるんですよ。

―業の肯定、人間味、なるほどー。ちなみにダンカンさんの大学時代は?

僕の大学生時代って、女の子に好きになってもらったり付き合ったりするためにどうしたらいいかとかばっかり考えて、サーフボードを抱えて渋谷の街を歩いていましたから、出来もしないのに(笑)。あとは映画を観たりコンサートに行ったり酒呑んでみたり、ありとあらゆるバイトをしたりだとか、やれることは全部やってましたね。それらは、後々になってよかったのかなって思います。直接何かがこれに役立っているとか具体的なことはないかもしれませんが、何にでも興味を持つようになっているし、どんな世界でも一生懸命やっている人が輝いているんだというところも知ることが出来たし。

―虎太郎くんは大学で野球は続けるんですか?

迷っていたんです。野球をやることを前提とした大学に進むのか、自分の入りたい大学にするのか、自分で決めればいいことなんですけど、僕の意見としては、一生懸命に遊ぶっていうのも一つの選択肢としてありだよと。警察のお世話にならなければ4年間遊んでもいいよって。そんなことを虎太郎に言ってから数日経って、2人で夕食を食べに行ったんです。店にいた僕の知人だったかに「虎太郎、大学で野球を続けるのか?」って言われて、そしたら「野球の道も確かにあるけど、それよりも僕は映画を見たり音楽を聴きに行ったりスキーをやったり、その方が人生の財産になると思うから野球はやらない」って言っていました。僕が言ったことそのままね(笑)。

―でも、自分が言ったまんまのことを息子が言っているというのは嬉しいですよね。

そうですね。どう転ぶかは分からないですけど、僕は失敗だらけの人生ですからね(笑)。でも、じゃあ振り返って見てイヤだったかというとイヤじゃないですから。

ダンカンさん

今回の"オトン"なアーティストは、

ダンカンさん

家族構成:娘(28歳)、息子(26歳)、息子(18歳)

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父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。

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