―よろしくお願いします。

はい。まずはそこから話をしましょうか。今、僕は東京の北参道というところに住んでいて、妻と子どもたちは宮城県大崎市という仙台の１つ先に住んでいます。開業医です。そこは妻の実家なんです。妻と結婚してすぐに子どもがお腹にできて、その状態で妻が実家に帰ったので、妻とも結婚してからは一緒に住んでいないと言えますね。

―とても珍しいパターンですね。まずはそのいきさつから教えてください。

奥さんと出会ったのは20歳くらいの時でした。僕はその頃大学の陸上部で、箱根駅伝を目指していたんです。その頃に合コンで出会ったんですね。大学は箱根に出場したんですが、僕はそのメンバーに入ることは出来ませんでした。その後、彼女は大学の医学部だったので、卒業して医者になりました。僕は卒業後、フリーターをやっていたんです。奥さんとは、ずっと付かず離れずのような縁があったんです。それでお互い30歳くらいになった時、その頃もまだフリーターだった僕が彼女のところに転がり込んだんです。彼女からすると、もう30歳なんで、そろそろ子どもが欲しいと言ってきたんです。「それは僕との子どもってこと？」フリーターの僕は聞き返したんですが、彼女は「実家に挨拶しろ」と。それで子どもが出来たんですね。でも籍は入れなかったんです。僕、“鈴木”なんで彼女が、ありふれた苗字はイヤだということで（笑）。僕も強要しませんでした。で、子どもがお腹にいる状態で彼女は実家に帰ったんです。実家の病院を継ぐために。それで向こうで子どもが生まれたんですね。

―なんだかシングルマザーのような、、、。

宮城で子どもが生まれたんですけど、今度は籍を入れてないといちいち父親が誰だとかになるんで、「役所の手続きとかが何かと面倒だ。だから婚姻届を出してきた」と言われて。僕はその婚姻届を見たことがないんです。印鑑も押していませんし。でも、それで夫婦になったんです。

―宮城には頻繁に帰るというか、行くんですか？

子どものイベントとか、何か用事があったら行きます。普段は嫁さんからは連絡とかないんですけど、何日に学芸会があるとかショートメールが来るんです。それで行きます。

―連絡がないというと、どれくらいないんですか？

下手すりゃ１ヶ月以上ないです。用事がないときに、「何してんのー？」とかそういうのは一切ありませんから。無駄話がないですね。

―それはいい距離感というんでしょうか？

そうだと思います。それに別れる理由がないんです。もともと一緒にいないんで。

―お子さんは幾つですか？

上が小６、下が小３。２人とも女の子です。

―娘さん達からはメールはこないんですか？

たまにきますよ。娘からも学芸会来れますかとか。あと、お金の件できます。

―娘さんからお金の件で？

僕、ある人の勧めで、娘にはテストで100点とったら1000円やるって言ってるんです。それはパーフェクトに対する価値観というのをなんとなく分かって欲しいと思って。先日も「100点29枚29000円チョーダイいたします」って連絡が来ました。

今回の"オトン"なビジネスマンは、

鈴木忍さん

株式会社ニンニンドットコム 代表取締役
秋田県出身。
家族構成：妻、娘（小6）、娘（小3）