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うちの娘は高校に行かないという選択をしました。「好きなことをやりな」というのがウチの教育方針なので。後編【家訓づくり 子育て 家族ブランディング】
IT企業経営 東京都 佐野健一さん(48歳)
家族構成:妻、娘(19歳)
今回は東証一部上場、株式会社ビジョンの代表、佐野健一さん。娘さんの進路のこと、お風呂のこと、ご自身の中学生時代のことなどいろいろ伺いました、19歳の娘さんとは日曜日はほぼ毎週、一緒にゴルフの打ちっぱなしに行き、晩御飯を一緒に食べるのだとか。お年頃の娘さんを持つお父さんからすると、なんともうらやましい限り。後編です。
oton+to編集長 布施太朗
第2回中学生が自分の意思で転校しました。それも2回。
―娘さんが思春期に差し掛かって、お父さんに反抗するとか、そういうことはなかったんですか?
それはなかったです。親だからとか家族だからということに対する反抗とかは。ただ、彼女自信、自分の意見をしっかり持っている人間なので、世の中の常識論に対して「私はこう思う」ということを、がんがん言ってくることはありました。ときにはその主張が矛盾している時もありますが、それを私は「娘はこれをどういう意図で言っているんだろう」と彼女の主張していることをしっかり聞くようにしていました。分からないときは「それ、どういう意味?」って。
―議論をしていたという感じですね。
そうですね。反抗しているということではない。よく周りから言われていたんですよ。もうすぐ反抗期が来るよとか。だから、そういう時期が来るのかな、なんて漠然と思ったりしたこともありましたけど。お風呂も同じですよね。周りから言われるんです。自分がどうこうという意思ではなく、周りが言ってきて、本人もそれに流されていく。多くのことは、そういうことなんじゃないかと。
―なるほど。周りの影響は大きいかもしれませんね。これまでの娘さんとのコミュニケーションの中で、失敗したなということはありますか?
あの時もうちょっと踏み込んで話をしておけばよかったなと思ったことはあります。会話が薄っぺらいまま終わってしまったときに。
―ほう、例えば?
子どもの小さな悩みってあるじゃないですか?大人からするとそれは経験値として対処法が分かっているようなこと。だから「それはこうこうこうしたほうがいいよ」って言ってしまうんですが、本当はその奥、もっと深いところで悩んでいるんです。でも、そこに到達する手前の会話で終わってしまうというね。やっぱり表面的なアドバイスに一応納得、という感じで終わった会話の後というのは、その後もっと深い問題に発展することがありますから。もっと洞察してあげればよかったなと。
―娘さんと、とことん本音で話をするということですね。
はい。3時間、真剣に向き合って話したこともありますが、その時はお互いすっきりするんですよね。何かを発信しているということは、なにか意図があるはずなんです。でも家族とはいえ分からないことはたくさんあって、それを読み解く力を僕が持っているわけではないので、しっかり話をしないと理解できません。なかなか難しいことですが。
―こういう父親であろうとか、心掛けていることは?
それはあまり気にしていません。ただ、いずれ結婚するかもしれませんし、一緒にいることができる時間はそんなに長いわけではない。娘としっかり会話出来るのが、毎週日曜日だけと考えて娘が25歳くらいまで、仮にあと5年だとしたら、あと240日とか、数えられますからね。
―娘さんにたったひとつのことしか伝えることができないとしたらなにを言いますか?
難しいですね。楽しく生きてほしいなと思います。結婚してもしなくても、楽しく。
―楽しく。
楽しくというと、表面的に楽しいだけという風に聞こえるかもしれませんが、苦しいことを乗り越えるから楽しいことがあるので。それもひっくるめての意味です。
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今回の"オトン"なビジネスマンは、
佐野健一さん
株式会社ビジョン 代表取締役社長
鹿児島県出身。
家族構成:妻、娘(19歳)
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