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DIY・工作・自由研究

2018.2.2

ずがこうさくの めあて は?

小学校6年生の時の図工の時間のことです。

家から持ってきた柿やら茄子やら芋やら、

秋の食材をスケッチしていた時のことを。

自分の中では、なかなかリアルに描けたなと。

ワシもなかなかやるではないかと。

なかなかワシもやるではないかと。

ドヤ顔でした、たぶん。

絵の具の筆を置いて腕を組んで、悦に入っていると、

先生が私のところにやってきて、

「いま、お前は、『この芋の色、どうやったらもっとキレイな色出せるか』

って考えてるんやろ」

と言いながら、

そやろ、そやろ、って感じで歩いていったんですよね。

先生からすると、

「少年よ、おおいに悩み考えたまえ、美しい芋の色の表現方法を」

という気持ちだったのかもしれません。

 

しかし、私のほうはといいますと、

そんなことは微塵とも思っておりません。

なんせドヤ顔でしたから。

もう残り時間を、腕を組んで絵を眺めて過ごそうと思っていましたから。

先生の言う、キレイな芋の色てなんや?と。

 

ドヤ顔が不可解な顔になって、ずっと芋を見てました。

そしたらまた先生がやってきて、

「まだ、悩んどるんか。ちょっと筆貸してみ」と、

パレットで色を作りはじめたんです。

鮮やか?な紫色が出来まして。

「どやっ」って言って、また歩いていったんです。

 

なんか腑に落ちません。

目の前の芋、土まみれなんです。

全身土色。

でも、そんな中にも濃淡があって、

芋の赤い色がうっすらと出ているところ、

土の塊ががモコっとなっているところとか、

自分なりに描き分けたつもりだったんです。

先生が作ったキレイな紫色が、目の前の芋にはないんです。

僕には見えなかったんです。

『先生、この芋のどこを見てるんやろ』

『サツマイモってのはこういう色やっていう

先生の思い込みで色作りおったな』

と子どもごころに思ったんですよね。

 

 

先日、こんな文章を読みました。

satouchuryo

 

(『子どもの美術1』昭和55年度用/現代美術社/より)

これ、札幌にある「子どものアートスクール まほうの絵ふで」 さんのサイトで

紹介されていたもの。

 

うんうん、そうだなあ。ずがこうさくの“めあて”。

 

紫芋先生も、たぶん、サツマイモの色、

自然の紫色っていうのはこんなにキレイなんやぞ。

っていうことを教えたかったんだと思うんです。

ただ、僕の目の前には、

それはそれは美しい土色をまとった芋だったという話でございました。

 

 

 

 

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