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お父さんの絵本ガレージ

2020.8.19

お父さんの絵本ガレージ 非認知能力を育む絵本 「想像力」編

子どもたちの成長を感じる夏休み。今年は期間が短くなったり、新しい生活様式を意識したりと、健やかな成長をサポートする工夫が必要になりましたね。昨今の教育現場では、「非認知能力を育むことが大切」と盛んに言われていますが、大きな環境変化のある今、非認知能力の重要性がますます注目されています。IQや学力テストなどでは測れない、人生を豊かにする「生きる力」「あとのびする力」とも呼ばれる「非認知能力」について、気になっているお父さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで『お父さんの絵本ガレージ』新企画!「非認知能力」を育む絵本をご紹介していきます。絵本には、「やり抜く力」「忍耐力」「回復力」などなど、多様な非認知能力について考えるヒントのつまった作品がたくさんあります。とはいえ、あまり効果効能を求めすぎず、あくまで親子で楽しみながら読む気持ちを忘れずに……。初回は「想像力」について!想像力をテーマにした絵本は数えきれないほどありますが、夏に読むのにぴったりな3冊を選んでみました。

 

① 『はかせのふしぎなプール』

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作:中村至男 出版社:福音館書店 対象年齢:3歳くらい~

 

部分から全体を想像してみよう!

博士の新たな発明とは

博士が何でも大きくなるプールを発明しました。水面から見えている一部を手がかりに、その正体は何かを、助手に当てさせます。意外なものが沈んでいて難題もありつつ……最後の予想もしなかったオチには笑ってしまいます。人の認知能力と非認知能力(想像力)を刺激してくれるこの絵本は、博士と助手の軽妙な会話劇も大きな魅力。ちなみに3歳のわが子も、2人のユーモラスなやりとりが楽しいようで、セリフを覚えてしまうくらい気に入っています。

作者は、グラフィック・デザイナーとして活躍する中村至男さん。テーマは、自身が好きだという「部分から全体を想像すること」。子どもの頃に体験した、池の水面に2つ丸いものが見えて、ザリガニかカエルかと思ったら木の枝だった……そんな思い出も、創作のヒントになっているそう。父子で想像と会話が膨らむ時間を過ごしてみませんか。

 

② 『ウエズレーの国』

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作:ポール・フライシュマン 絵:ケビン・ホークス 訳:千葉茂樹 出版社:あすなろ書房 対象年齢:小学校低学年くらい〜

 

新しい文明を創る!

夏休みの壮大な自由研究

夏休みの自由研究……大人にとっては懐かしい響きでもあり、まさにこの夏、お子さんの自由研究を見守ったというお父さんもいらっしゃることでしょう。絵本の主人公ウエズレーの自由研究は、なんと、新しい文明創り!新種の作物を育て、自分が発明した機械でジュースや洋服を作ったり。これまでにない数の数え方や文字を考案したり。自由な発想と工夫で、自分だけの特別な文明を次々に創り出していきます。そんな壮大な物語が、ひとりの少年の自宅の庭で繰り広げられる展開に、子どもはもちろん、大人もワクワクせずにはいられません。「あんなにしあわせそうな顔、はじめてみたわ」。お母さんとお父さんは、わが子が自由研究によって変わったことに気づくのです。

少年のまっすぐな気持ちと同じように輝く、夏の空や雲、植物の彩りも美しい一冊。あらゆる創造は、想像することから始まるのだと。少年が過ごした、まぶしいひと夏を通して考えさせられます。

 

③ 『おとうさんのちず』

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作:ユリ・シュルヴィッツ 訳:さくまゆみこ 出版社:あすなろ書房 対象年齢:小学校低学年くらい~

 

想像力が生きる力に

作者の原点を描いた自伝絵本

戦争で故郷を追われた家族が、命からがらたどりついた遠い国。食料もとぼしく過酷な暮らしをしていた最中、少年のお父さんが、市場へパンを買いに出かけます。しかし、帰ってきたお父さんが誇らしげに手にしていたのは、パンではなく、1枚の大きな世界地図でした。戦争の悲惨さが伝わる色合いから一転、お父さんが壁に貼った地図はカラフルで美しく、少年の心に、色とりどりの想像の世界が溢れていきます……。

アメリカで最も権威ある児童書の賞=コルデコット賞の2009年銀賞受賞作。4歳のときに大空襲を経験したユリ・シュルヴィッツが、画家として歩み始める原点を描いた自伝絵本。

生きる希望を失いかけたとき、もし自分なら、子どもに何を手渡すだろうか……わたしたち親こそ、豊かな想像力が必要かもしれません。戦争と平和について考える機会もある夏。親子でじっくり読みたい一冊です。

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選書:フリーアナウンサー/絵本専門士 近藤麻智子

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大人向けの絵本セラピー®のワークショップ「絵本のち晴れ」や、絵本の読み語りとヨガをコラボレーションした親子向けイベント「絵本ヨガ」を主宰。2016年に出版した絵本『森のくるるん』(そうえん社)では、コンセプトと文章を担当。企業にてビジネスパーソン向けの絵本ワークショップの講師も務める。現在BS日テレ「コーポレートファイル」に出演中。メディアでの絵本に関する執筆、講演など、活動は多岐に。 男の子2人の母。

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ブックハウスカフェ店内には、「絵本ガレージ」コーナーがあり

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布施太朗・著¥1,300(税抜)

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