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「僕は子どもに伝えたいことを上手く伝えられないことがあるんです。下の子がすごく泣いたり、上の子が悲しい気持ちでいる時に。だからもう抱きしめることにしています」。テツ【最終回】
お笑い芸人 テツandトモさん
家族構成:テツ:妻、息子(中2)、娘(小5)、息子(4歳)。トモ:独身
【オトンの流儀とか】今回はお笑い芸人、テツandトモのお二人。トモさんは独身ですが、テツさんは3人のオトン。季節の行事を大事にするテツさん家族。テツさんにはお子さんのことをたくさん、トモさんには仕事のことをたっぷり伺いました。最終回です。
oton+to編集長 布施太朗 写真:岡崎史歩
第4回得意不得意があると思うんです。つまり僕たち、ひな壇は得意じゃないってことですね。子育ても、その子にあったものを伸ばしてあげるってことが一番です。
テツ:営業の方にシフトしたわけじゃなく、
トモ:自分たちの中でやってることは変わらなかった。
テツ:テレビも出させていただけるなら出たい。
トモ:以前は自分たちが面白いと思うネタばっかりやっていたんです。ショッピングモールのお客様は僕たちを見たい人がきてくれるから、盛り上がります。
でも企業さんのパーティーの場合、サプライズゲストのテツandトモさんですって普通に紹介されステージに出た時、お客様が40代・50代の男性ばっかりの時もあります。別に僕たちを見たいわけではない。という状況があるわけです。
テツ:興味ないんですよ。
トモ:お客様は懇親会で来てるのに、僕たちを30分間見ないといけないわけですよ、下手すりゃ1時間。これって見る方はきついじゃないですか。自分たちが面白いと思うネタをやってたんですけど、見てくれないんですよね。
テツ:さあ、じゃあ、どうすればいいんだってことですよ。
トモ:コンパニオンの女性がいらっしゃって、お酒飲んでワイワイ。見たい人は前の方に来てくださるけれど、まあ10分の1くらい。どうしようかって時に、お客様が見たいもの、僕たちがやりたいものじゃなくて、僕たちもやりたいし、お客様も見たいもの。それで、今のスタイルになったんです。企業さんのことや街のことを色々伺って、ネタにしたら「なんでそんなこと知ってんの?」「えっ!あそこのスーパーのことなんで知ってるの?」とか、そんなに興味なかったお客様も見入ってくださるようになったんですよ。
テツ:お客様の近くのことがお互いに楽しめるということに気づけた、というか。
トモ:それだけじゃ弱いから今度、テツの顎の上に企業さんのノボリや社旗だったり、お客様が知ってるものを乗せたりね。社長さんがステージに上がって、僕たちと一緒になって「なんでだろう」を踊ったらものすごく盛り上がりますよ。
テツ:そういう会社は、伸びてます。
―笑。
トモ:試行錯誤しながら30分、40分のステージをやります。「もう1回観たいな」って思ってもらえるようなものを作りたいと思っています。そういうことをやり始めてやっと6、7年になるのかな、40歳超えてからですかね、それに気づいた、というか
テツ:そういう創意工夫するところを全部子どもに聞かせたいですね(笑)。
トモ:だから狙って営業にシフトしたわけじゃないんです。出させて頂ける番組があれば、全力で頑張りたいと思っています。
テツ:得意不得意があると思うんです。つまり僕たち、ひな壇は得意じゃないってことですね。
―なるほど。
トモ:一瞬にかけて面白いことを一言で言うっていうのは得意じゃないかもしれません。でもそこも勉強して、更に今自分たちが出来るものもいかに伸ばせるかという事です。
テツ:子育ても、その子にあったものを伸ばしてあげるってことが一番です。
トモ:後付けじゃないか!
―あははは笑。まとめになりましたね。
テツ:でも本当にそう思います。人なんていろんな得意不得意があって、苦手なものを無理やり伸ばそうとしたって、苦痛になるだけですもん。だからその子が楽しんでるなってものを早めに見つけてあげて、それを一生懸命伸ばしていくほうが多分いいと思うんです。
―なるほど。ところで、お子さんのネタとかはありますか?
トモ:テツに子どもができてネタに取り入れられるようにりました。例えばテツが「愛媛県のここに来るって子どもに言ってきたんですよ、そしたらウチの1歳の子どもがみなさんによろしくって言ってました」って。
―あははは。
トモ:そうすると、ものすごく温かい空気になるんですよね。「言うわけねえだろって僕は突っ込むんですけど」。あとテツがニワトリのような動きで場内を一周する時があるんですよ。その時、テツの近くの人はいいんですけど、遠くの人って何やってるか分からないいじゃないですか、客席に降りてやってるので。だから僕が残ってギターを弾きながらずっと喋ってるんです。「こう見えてテツは48歳になって家に帰れば3人の子どもが待っています」。って言うと「エーっ」て。
テツ:みんな子どもがいると思ってないみたいで。
トモ:上は中学校2年生、中は小学校5年生、下は4歳になる子がいるんですって言うと、終わった後に今までと違った反応があります。
テツ:距離が近くなるね。
トモ:距離が縮まるのは確かですね。終わった後にお客様が「3人いるんですか?」とか「ウチの子もそうなんですよ」とか更に親近感を持って接して下さるようになったかもしれません。芸人とお客様という関係だけではなくて同じ境遇の親同士が、身近に感じてすごくいい方向に行ってると思いますね。
テツ:事前のご質問にもあったと思うんですけど、コンビとその、、、
―お仕事とご家族の関係についてですね。
テツ:そこはすごく合致してると思います。・・・あと、偉そうには言えないですけどね、思い出したのが・・・(鞄の中のメモを見る)
トモ:全部メモ見て、あれ話せばよかったっていうのがないようにね。
テツ:そうそう、だから、これなんかで見たのか聞いたのか、これいいなと思ったことがあって。
―乳児期、はい。
テツ:はなすなの法則。乳児期は肌をはなすな。幼少期は手をはなすな。少年期は目をはなすな。青年期は心をはなすなって。そういう言葉があるんだよってカミさんが教えてくれた時があって、確かにその通りだなと思ったんです。上の子は心にだんだん青年期に近づいてる時期なんですけど、そこをちゃんとケアしてやらないとな。今、娘は見ていてやんないとな、とか。そういうことを改めて自分の中で意識しようと思っています。
―ありがとうございます。
テツ:あと、はじめの話に戻りますが、行事ごとはすごく大事だと思います、家族で必ず豆まき、クリスマスもそう、ひな祭り、あと菖蒲湯とか、柚子湯をしたりとか、年越しそば食べたりとか。昔からある、節目節目の季節を感じる日本人の心を大事にしてたいって思います。うちの家族はコミュニケーションのひとつとして、特にそういうことを大事にしています。夏にはお墓参り。滋賀が実家なんですけど、お盆に帰ったらお墓参りと琵琶湖バレーです。
―あっ、琵琶湖バレー。
テツ:あ、ご存知ですか?子どもたちも大好きで、おばあちゃん、僕の母親がおにぎりを握ってくれて、みんなでピクニックに行くのが恒例になっています。琵琶湖で泳いだり。最初は上の子、水が大っ嫌いだったんですけど、琵琶湖で泳いで水中眼鏡つけてお魚とか見たらすごく潜るの上手になっちゃって。泳ぎはできないんですけど、今はもう素潜りとか大好きなんです。だから自然というのは、すごく子どもを育てるなって思いました。そんな感じです。
トモ::最初からそのメモ読んでれば時間かかんないのに(笑)。でも途中、他の話もしちゃいましたから。長くなってすみません。
―いえいえ!とても面白かったです。ありがとうございました。
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今回の"オトン"なアーティストは、
テツandトモさん
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