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作家 重松清さん(55歳)
オトンの流儀とか
アーティスト編 Vol.10

もしも、お父さんと息子が同い年だったら友達になるだろうか?どうだろうか?無理だろうか?【第1回】

作家 重松清さん(55歳)

作家 重松清さん(55歳)

家族構成:妻、娘(26歳)、娘(21歳)

今回は、作家の重松清さん。「流星ワゴン」や「とんび」、昨年公開された映画「幼な子われらに生まれ」など、映画やドラマになった作品もたくさん。私自身、重松清さんの小説は大好きで、グッときた小説、セリフがたくさんあります。そんな重松清さんにリアルオトンの姿を訊いてきました。多くの人が共感、感動する家族の物語を書いている最中、2人の娘さんがいる本当の重松家はどうだったのか?お子さんとのコミュニケーションで、今になって後悔していることは?など、いろいろお話していただきました。
全3回でお届けします。

聞き手:oton+to編集長 布施太朗 写真:島野大輝

第1回僕は家に帰らず、仕事場に泊まりこみで、家族の物語を書いていました。

―よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―今、早稲田大学で教鞭をとられているんですね。学生さんたちと触れ合って、いかがですか?

ウチの下の娘が成人になったんですが、その後にまた18歳と会えるというのは嬉しいですね。普通ならもう接点がなくなりますから。作家なんかやっていると、他の職業の人もそうかもしれませんが、自分の子どもが大人になっちゃったら、次は孫まで接点がないじゃないですか。だから嬉しい。

―今の18歳の子たちと接していて、気づくことありますか?

大学内が静かなんですよ。

―今、キャンパスは静かなんですか?

みんなスマホで繋がっていますから。以前は、顔を合わせないと話ができなかったから、ラウンジなんかにたむろしていたんだけど、今もう、極端な話、ひと言も口を開かなくても、LINEとかでやり取りできますからね。だから、いわゆる大学の中のざわめきとか雑踏というものがなくなって、静かになったもんだなと。立て看板とかも無くなったしね。

―今、大学の中を歩いていましたが、確かになかったかも。

あとはそうですね。僕の小説を小学校の教科書で読んだという世代の子ですから。ある学生が、僕のことを歴史上の人物だと思っていたみたいなんです。教科書に載っているから。

―ああ、なるほど、正岡子規とかそういうことですね。

それで、早稲田に入学して、重松清が教える講義があるって聞いて「あ、生きてる作家なんだ」と(笑)。

―あははは。

まあ、楽しくやっています(笑)。

―話は変わりますが、重松さんは、ご結婚されたのが早かったとか。

そうですね。大学を卒業した年の8月に結婚しました。翌年の1月には会社を辞めてフリーライターになりました。

―展開が早いですね。思い切りのいい人生といいますか。

割と短気なところもあるので。

―大恋愛だったんですか?

どうなんでしょうね。ダメならダメでまたやり直せばいいんだし、みたいなノリだったのかなあ。早く結婚したら、もしダメでもリカバリーが効くじゃないですか。1985年に結婚したんです。会社を辞めたのもそうなんだけど、その頃は世の中全体がバブル前夜で、もし失敗してもなんとかなるさという気分だったんです。楽観的な見通しがあった時代に、僕は20代の前半。無謀が出来る環境が整っていました(笑)。

―なるほど。

無謀なことを許してもらえるんですよね。実際、フリーターなんていう言葉が定着してきた頃です。その時代の価値観を信じ続けて、今、大変な目にあっている人もいるかもしれませんが、やっぱり時代背景というのは大きいですね。そういう時代あっての若者の行動です。

【第2回 】「小学5年生の長女のお父さんを42歳の僕がやるというのはたった1回ですから。」に続きます。

重松清さん

今回の"オトン"なアーティストは、

重松清さん

家族構成:妻、娘(26歳)、娘(21歳)

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父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。

布施太朗・著¥1,300(税抜)

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