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DIY・工作・自由研究
2015.4.10
親子で「寄付」を学ぼう
昨年、『おとうさん新聞』6月号で特集した「金の賢者になろうよ!」。ここではお金の4つの使い方「つかう・ためる・ふやす・ゆずる」を紹介した。その中で今日もっと詳しく学びたいのが「ゆずる」つまり「寄付する」である。寄付ってそもそもどうすればいいの?寄付先がありすぎてわからない。よく考えると知らないことがまだまだある寄付の世界。編集部と一緒に、深めてみませんか。
Spend (つかう)
欲しいもの、したいこと、につかう。つかったお金は戻らない。欲しいもののリストをつくったり、本当に欲しいか考えて上手につかおう。
Save (ためる)
何のために、どのくらい、いつごろまでに必要か決める。銀行にお金を預けて、銀行の仕事も学ぶ。つかう前にためる我慢を積み重ねると喜びも大きくなる。
Invest (ふやす)
ためるのではなく、ふやす。今必要としている人や会社に投資をし、投資を受けた人・会社がお金を活用して社会の役に立つ。その感謝の印として、利益の一部を還元してもらう。
◎Donade (ゆずる)
必要としている人にゆずる、寄付する。世の中の課題を考え、それに対し自分ができることやしたいことを考える。他人の笑顔は自分の笑顔。
大切なのは「どこに問題意識があるか」。
今回取材をさせていただいたのは、日本ファンドレイジング協会の大石俊輔さん。
親子で考える寄付についてお話を伺った。
大石さんによれば寄付とは、「自分が解決したいと考える問題に対して、お金やアクションを提供すること」寄付という行為によって、子どもは「自分も誰かの役にたった!」と実感できるため、子どものころから寄付について考えること非常に意義があることなのだという。だからこそ、自分の解決したい問題に対する寄付でなければ意味がない。大人や学校が「ここに寄付するからお金を集めます」と決めてしまうのはNGなのだ。まずは親子で「自分の関心のある問題って何だろう?」と考え始めることが、寄付を考える第一歩。自分と関係のあることから、身近な人の問題から、テレビで見て心打たれたところから。何でもいい。大切なのは「何とかしたい」と自分で考えたことと、そこに対し寄付というアクションを起こすことなのである。
さらに知り、そして続けること。
社会問題について考えたら、それについて調べることも大切。自分たち家族と同じようにその問題を解決したいと考え活動しているNGOやNPOなどの団体はたくさんある。文化活動団体や博物館などの施設だっていい。仲間を集めて、活動している人たちを知り、「一緒に何かしたい!」と思えるところに寄付をしてみよう。具体的に寄付というアクションを起こしたら、それを1度では終わらせず続けてほしい。たとえば、寄付をした団体からの活動レポートを読み、活動を継続的に追いかけること。毎月のお小遣いから寄付する分をとっておくこと。関わり続けてこそ、自分自身が問題解決に関わったのだという気持ちも大きくなる。
自分の寄付が、社会の大きな力にかわる。
社会問題をひとりですぐに解決することは不可能に近い。しかし、一緒に解決しようとしている仲間とつながることができる。そのために実際に自分が何かを提供して、具体的に解決に携わることだってできる。ひとりではどうすることもできなかったことも、寄付という行為を通じて大きな影響を社会に与えることが可能になるのだ。まずは知ってみる、話し合ってみることから。親子で寄付、これから参加してみませんか。
【お金だけじゃない! 新しい形の寄付】
「寄付=お金」というイメージになりがちですが、ものや時間、行動を贈ることだって1つの寄付の形なのではないか。ものを集めたり、それについて考えたり、行動を起こすことでできる寄付・社会貢献をご紹介します。
■行動の寄付 ピープル・ツリー
フェアトレード製品を専門に企画・販売するブランド。1991年にNGOグローバル・ヴィレッジとして日本でスタートし、現在はアジア、アフリカ、南米の計12カ国、約140の生産者グループと取引を行っている。手仕事と自然素材を活かした衣料品や雑貨、食品などを取り揃えられている。
<ピープル・ツリーHP http://www.peopletree.co.jp/index.html >
フェアトレードとは、不当な労働でつくられた製品ではなく、きちんと正当な賃金と環境に配慮してつくられた製品を買う貿易の仕組み。さらに生産者への技術研修や継続的な取引によって、立場の弱い人の自立に向けて長期的な支援活動も行っている。
<フェアトレードについて http://www.peopletree.co.jp/fairtrade/index.html >
手仕事の良さを生かした衣料品やアクセサリー、コーヒーや冬季限定のチョコレートも人気が高い。販売はオンラインショップはもちろん、自由が丘、港北、池袋に直営店があり、その他にも製品取扱店が全国に展開している。
<取扱店舗について http://www.peopletree.co.jp/shops/index.html >
フェアトレードカンパニー株式会社
〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5-1-16-3F
Tel 03-5731-6671
Fax 03-5731-6677
■食べ物の寄付 セカンドハーベスト・ジャパン
Photo by Natsuki Yasuda/studio AFTERMODE
実は世の中には、まだ十分食べられるにも関わらず様々な理由で廃棄されてしまう食品があり、その数、年間で約500~800万トンにも上ると言われている。
そのような食品を引き取り、児童養護施設の子供たちやDV被害者のためのシェルター、路上生活を強いられている人たちの元に届ける活動をしている団体、セカンドハーベスト・ジャパン。
<セカンドハーベスト・ジャパン HP http://2hj.org >
私たちが食べ物の寄付に対してできることは大きく2つ。
ひとつは、個人として食品を団体に寄付すること。たとえば、特売日につい買いすぎてしまった缶詰。贈り物でもらったが食べきれないお菓子や調味料。あまり家族の好みでなかったレトルト食品やフリーズドライなど。家にある食べ物を集めて、宅急便で送ろう。
<食べ物の寄付について http://2hj.org/support/food/ >
もうひとつ、フードドライブという方法もある。個人にとどまらず、学校や職場、地域のお祭りなどの場で声を掛け合い、みんなで食べ物を集める方法。ひとりで行う寄付よりも影響力は各段に大きく、活動自体を広めていくことにもつながっている。
<フードドライブについて http://2hj.org/support/time/fooddrive >
※お送りいただく食品は未使用・未開封であり、賞味期限前1か月以前であることが明記されていることをご確認ください。
セカンドハーベスト・ジャパン
東京都台東区浅草橋4-5-1水田ビル1F
Tel 03-5822-5371
■役目を終えたものの寄付 ジョイセフ ランドセルギフト
ジョイセフ(公益財団法人)は、途上国の妊産婦と女性の命と健康を守るために活動している日本生まれの国際協力NGO。国連、国際機関、現地NGOや地域住民と連携し、アジアやアフリカで、保健分野の人材養成、物資支援、プロジェクトを通して生活向上等の支援を行っている。
<ジョイセフ HP http://www.joicfp.or.jp/jp/ >
もちろんお金の寄付もあり、その他古本などの寄付もあるが、今回otontoがご紹介するのはランドセルの寄付。日本で役割を終えたランドセルを団体に寄付すると、アフガニスタンの子どもたちの通学カバンになる。年2回一定期間募集しており、2015年春は5月31日まで受け付け。使用していない学用品(鉛筆やノート、消しゴムなど)もランドセルの中に入れて、一緒に送ることができる。
※別途海外輸送経費1800円がかかります
<ジョイセフ 想い出のランドセルギフトについて http://www.joicfp.or.jp/rand/ >
公益財団法人 ジョイセフ
東京都新宿区市谷田町1-10 保健会館新館
Tel 03-3268-5875
Fax 03- 3235-7090
【取材協力】
日本ファンドレイジング協会
〒105-0004 東京都港区新橋5-7-12 ひのき屋ビル7F
TEL:03-6809-2590 / Fax:03-6809-2591
■寄付の教室
小学校~高校まで、「自らの多様な価値観に基づいて寄付先を選ぶこと」と「楽しみながら寄付の成功体験をすること」を掲げ、行われている寄付に関するワークショップ。どんな社会問題があるかを知り、考え、支援することで達成感を得るプログラムとなっている。これまで全国70の学校で実施。
詳細はhttp://jfra.jp/ltgから
文・山縣杏
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