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お父さんの絵本ガレージ
2018.12.28
【絵本ガレージ 雪の降る日に編】お父さんがグッとくる絵本たち
年の瀬も押し迫ってまいりました。
今日で仕事納めというオトンも多いでしょう。
日本の上空には寒波が押し寄せて、この年末年始、
一気に冬模様になりそうです。
ということで、今回は雪!
雪にちなんだ、オトンたちににおすすめの絵本を、
フリーアナウンサーで絵本専門士の近藤麻智子さんに選んでもらいました!
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あなたの住む地域には、雪は降りますか?あまり降りませんか?雪国新潟出身のわたしは、子どもの頃から雪の降る日が待ち遠しくて仕方ありませんでした。初雪を観測する前の凛とした空気の匂いが大好きで、わくわくと心踊らせたものです。そしてそれは、母親になった今でも。あまり雪の降らない東京に住んでいると、時々雪が恋しくなります。一面の銀世界。雪の眩しさに目を細めてしまう瞬間。新雪を踏みしめる喜び。雪玉を投げ、駆け回る子どもたち。雪の壁に覆われるほど、どこか暖かさを感じる不思議。「潔い白さ」、「冷たさと温かさ」、「厳しさと優しさ」。雪の魅力って一体何でしょう……。かつて少年だったお父さんが、雪が降った日のわくわくを思い出すような4冊を選びました。雪の降る日に、ひとりで、父子で、楽しんでもらえますように。
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①『月夜のみみずく』
詩:ヨーレン 絵:ショーエンヘール 訳:工藤直子 偕成社
神秘的な月夜の体験
みみずくと出会う父子の物語
月夜の雪の森で、わしみみずくに会った少女の胸の高鳴りと、大自然との交歓を見事に描いた詩の絵本。作者の夫が、子どもたちを連れてみみずくを見に行った実体験をもとに書いた物語です。冬の夜更けに、少女とお父さんは、みみずく探しに出かけます。「とうさんといっしょにでかける夜を ずっとずっとまってたの」。月に照らされた美しい雪の森を、お父さんのあとを追いかけて進む女の子。お父さんは、わしみみずくの歌声で呼びかけます。「ほうーほう ほ・ほ・ほ ほーーーう」。会えたり会えなかったり、それがみみずく。しばらくしてついに、みみずくからの返事が返ってきて、二人の前に姿を現します!ページいっぱいに描かれた神秘的なみみずくと、父子がじっと見つめ合う時間……。胸の鼓動が聞こえてきそうなクライマックスは、静かな感動に包まれます。1988年度、アメリカのコルデコット賞受賞の名作です。
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②『ゆきがやんだら』
作・絵:酒井駒子 学研プラス
しんしんと降り続ける雪
お父さんの帰りを待つ母子の時間
真冬のとある一日、うさぎの男の子とお母さんが過ごした時間を、美しく優しく描いた1冊です。夜中から雪が降り積もり、今日は保育園はお休み。仕事で出張していたお父さんは、雪で飛行機がとばずに帰って来られません。雪はしんしんと降り続け、一面の銀世界に。寒くて、静かで、雪の降る音が聴こえてくるだけ。僕は言います。「ぼくとママしかいないみたい、せかいで」。雪がやんだ夜、2人は外へ行き、足跡をつけたり、雪のお団子を作ったり……。この絵本にはお父さんの姿は一切描かれていませんが、母子がお父さんを想う気持ちが強く伝わってくるラストシーンが待っています。読み終えて本を閉じると、『ゆきがやんだら』というタイトルの意味が、グッと胸に迫ります。アメリカ・オランダなどで数々の賞に輝き、世界中で読まれている、酒井駒子さんの傑作絵本。
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③『ナヌークの贈りもの』
写真・文:星野道夫 小学館
写真家星野道夫が遺した絵本
シロクマが少年に伝えた言葉とは
アラスカに住み、極北の自然と人を撮影し続けた写真家・星野道夫さんが遺した写真絵本。「ナヌーク」とは、エスキモーの言葉で「氷海の王者・シロクマ」のこと。シロクマの写真29点と、エスキモーの神話をモチーフにした物語で構成されています。オーロラに誘われ歩いていた少年は、いつの間にか眠ってしまい、夢の中でナヌークと出会います。氷の世界で共に生きていたエスキモーとナヌークは、かつて同じ言葉を喋っていました。ナヌークは少年に、いつか真の狩人になるための、生命をめぐる大切な言葉を伝えます。「少年よ、消えていくいのちのために祈るのだ……」。真っ白な雪と氷に覆われた風景を、歩き、寄り添い、じゃれ合うシロクマたちの写真は、臨場感と優しさに満ち、大自然への畏怖も感じられる1冊。いまこの瞬間も遥か遠くで同じ時間を生きている、シロクマたちに思いを馳せて。
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④『スノーマン』
作・絵:レイモンド・ブリッグズ 評論社
世界中で愛される名作の愛蔵版
自由に父子で楽しみたい文字のない絵本
少年と雪だるまが過ごした、まるで夢のような一夜のできごとを、文字はなくコマ割りの絵だけで表現した絵本『ゆきだるま』の愛蔵版。世界中で愛されているベストセラーに美しい装丁が施された、贈り物にぴったりの1冊です。ある朝カーテンを開けると、外はすっかり雪景色。男の子はせっせと雪をかき集め、みかんで鼻を作り、炭で目を作り、大きなスノーマンを完成させます。真夜中に目覚めると、なんとスノーマンが動き出しました。家の中で一緒に遊んで食事を終えると、スノーマンは少年の手をとり、雪が舞う夜空へ……!翌朝太陽が昇ると、2人はお別れの時を迎えます。文字がないからこそ想像力が膨らみ、少年の細やかな心情まで伝わってくるよう。お父さんの言葉で自由に語りかけ対話を楽しむことで、特別な時間を過ごせる絵本です。
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父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。
布施太朗・著¥1,300(税抜)
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