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ゲームをやめろとは一回も言いませんでした。「よし、ゲームより面白い体験をさせてやろう!」と。【こんな時をせっかくの機会に!2018年インタビューvol.1】
エンターテイナー 山口智充さん
家族構成:妻、息子(19歳)、息子(12歳)、娘(10歳)※2018年時
一つ屋根の下、家族で家にいることが多くなったこの時期、
ぐっさんことエンターテイナー山口智充さんの話を聞いてみませんか。
家の中でも、エンターテイナーっぷりはさすがです。
2018年インタビュー、多くのオトンの参考に!
こんな時をせっかくの機会に!
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
第1回「芸のためなら女房も泣かす、それがどうした文句があるか」という浪花節の世界の真逆を僕は行っているんです。
―よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―お子さんはお幾つですか?
はい。長男が19歳、次男が12歳。長女が10歳です。
―上のお子さんはもう大きいですね。
はい。去年の大学入学から寮に住んでいます。
―家を出るにあたり、どんな言葉を息子さんに掛けましたか?
直接言ったことは「しっかり飯食えよ」ということですね。あとは、迷惑が掛からないようにと。これから社会に出るための一つのトレーニングですから、全てにおいて基本的なことはしっかりやるように。というのは言葉で言いましたね。あとは、最後に手紙と家族の写真を渡しました。
―手紙とご家族の写真を。
はい。基本的なことなんですが、家族は、みんな味方なんでね。なにかあれば、なんでも相談してくれ、言ってくれと。離れていてもずっと見てるよという意味のことを手紙にしました。
―お父さんとしては寂しかったですか?
寂しかったですねえ。結構早かったなと。家を出るというのが。もっと先だと思っていたんですよね。少し前までピーチクパーチク言っていたのが飛び立っていったわけですから。親のほうが子離れしていないですね。いつまでもそばにいるものだと思っているのは親だったんだということが分かりました。でも「自分で選んだのであればそれでいい!男はどんどん出ていったほうがいいよ」と口では言っていましたけど、一番寂しがっていたのは僕かもしれません。
―子離れしていなかった。
男の巣立ちというのは、寂しさと嬉しさが半分半分です。それと家にいるとき、長男にぱっと声を掛けたいと思った時に、「あっ、いないんだ」という寂しさが。今まで5人の朝食が4人になっているとか、朝起きてきたけど一人いないとか、洗濯物が一人分減ってるとか、5人家族なんだけどここで稼働しているのは4人というね。部屋もポコッと空くわけですから。
―家を出る当日は?
家族みんなで車で送っていきました。寮の近くで食事をして、寮の前で僕が手紙と写真を渡して「これはあとで一人で見ろ」と言いながら、車に乗って去っていきました。その帰り道から、そういうモードになっていましたね、僕は。
―とうとう息子が家を出ていってしまった、、、と。
はい。自分の性格的には「おお、行け行け!」っていう感じなので、それを貫き通せるかなと思ったんですが、「行け行け」とは言ったものの「ああ、行ってしまったのか、、、」という感じになってしまって。寮に送っていったその晩は一人で飲んでました。
―これでもかというくらいの寂しがりかたですね。
子どもと一緒にいることで親もエネルギーをもらっていたということが、あらためて分かりましたから。一人、家を出たということは、自分の原動力の一つがなくなるというか。
―エンジンだったと。
はい。でも自分がしっかりしないとですね。次、2人目が旅立ち、3人目が旅立つとなったら、よし!今度は夫婦で力を合わせていかなあかんなと。うーん、親も成長していかないと。社会に早く出ている先輩としても。社会を経験している人間として、自分も姿勢を正していかなければいけないなと思いますね。息子が社会に出て、いろんなことを学びながらふと親父を見た時に「カッコええなあ」って思われなきゃと。今それが出来ているかは分かりませんが、そういう親父でいたいということも、あらためて思いました。それと、やっぱり心の目で見ているということが一番大事だと思うんです。遠く離れていても、お父さんは見てくれている。お母さんは常に自分のことを考えてくれているというのは、子どもの安心感に繋がると思います。
―お子さんが小さい頃の、嬉しかった思い出は?
たくさんありますけど、そうですね。僕、けっこう子どもたちが通う幼稚園とか小学校でショータイムをしているんです。
―ぐっさんショータイムを?
はい。でも仕事というのではなく、いち保護者として。塗装屋のお父さんが学校の柵を塗ってあげるというのと一緒です。保護者それぞれのお父ちゃんの持ち味で、先生やPTAさんから「どうでしょう?ちょっとやってもらえませんか」「いやいや、むしろ喜んで」という感じで学校に協力するというショータイムです。それは嬉しかったですねえ。
―ほう!嬉しかった。
ショータイムが終わったら、他の子どもたちが「ぐっさーん!」って集まってきて一緒に遊ぶんですが、自分の子どもが一番近くから離れないんです。「みんなが見ているぐっさん、僕のお父さんだぞ!」っていう子どもの気持ちを感じた時、すごく嬉しい気分になりました。「そんなに喜んでくれるんだ」って。
―なるほど!
こういうエンターテインメントの仕事をさせてもらっていますけど、昔でいう、「芸のためなら女房も泣かす、それがどうした文句があるか」という浪花節の世界の真逆を僕は行っているんです。芸で女房を泣かすくらいなら、芸をやめてもいいくらいのスタンスです。
―おおっ。
一番いいのは芸をやりながら女房が笑ってくれたら一番いいです。家族が笑ってくれるのが、もう一番のハッピーです。でも万が一、芸によって家族が泣くのなら、やめようと思います。でも芸は続けたいので、家族が泣かない芸をやればいいと思っているんです。
―家族が泣かない芸。
そういう答えになるんです。だから一番いいのは、誰も傷つかない最高にハッピーなエンターテインメント。今のところは家族も笑ってくれています。僕のライブを観て、喜んでくれている顔を見た時はやっぱり嬉しいです。僕自身、いつもは家でパンツ一丁で踊ったりしている父ちゃんが、お客さんにワーッて言われているというところを子どもに植え付けたいと思っているところがあるんです。僕らの人気度って、家族は分かりにくいので。
―ご家族は分かりにくいんですね。
僕のお父さん、みんなが実際どう思っているんだろうとか、周りの友達もなかなか意見しずらいでしょうし。お母さん同士だと「ご主人が昨日出てたねえ」とかそういうことを言われることはあるけど、それに対しての意見というのはなかなか入ってきませんから。だからライブが分かりやすいんです。ぐっさん!って思っている人たちが来てくれているので「ああ、うちの旦那って、お父さんって、そんなにキャーキャー言われるんだ」と。それが分かりやすいから呼ぶんです。それと、一番楽しみたいのは僕なんで。
―一番楽しみたいのはぐっさん自身。
一番最初のファンであり、一番最後までファンなのは僕なので。僕が僕のことを最高!って思わなくなったらやめようと思っています。
「第2回 :海に行って深いところに連れて行かれて、でも親父がおるから大丈夫という安心感を覚えています」に続きます。
今回の"オトン"なアーティストは、
山口智充さん
家族構成:妻、息子(19歳)、息子(12歳)、娘(10歳)※2018年時
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