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こんな時をせっかくの機会に!
2020.3.28
【こんな時の海外篇】ニュージーランドのオトンより〜家遊び 海外子育て
ニュージーランドに10年ほど住んでいるYさんから(3人の子どものオトン)から、近況をいただきました。とても詳しく書いてくれていますので、ほぼ原文そのままで紹介させていただきます!
以下、Yオトン (妻、娘12才、息子10才、息子5才の5人暮らし)
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思いついたままに、支離滅裂に書いてしまいましたが、少しでもお役にたてればと思い、書かせて頂きました。なお、私見もあり、英語でのニュース等で、言語の問題から自分が誤解していることもあると思いますので、文責は保証できませんことをご了承ください。
3月23日 首相会見で、48時間後のLock Down(Alert4:外出禁止令*)を発令をすると伝達。(「この2日間で準備しろ!」という意味)
*Lock Down:基本的に警察・消防などの政府関連や政府が「エッセンシャル・ワーク」と認めた仕事(医師・看護婦/郵便/スーパーマーケット関連/ガソリンスタンド/田舎町のコンビニ/農業従事者などの他に、こういった「エッセンシャル・ワーカー」の通勤限定で休日ダイヤでバスや電車を動かしいているので、公共交通機関の人も)以外の人を除き、全ての仕事・学校・習い事・イベント等が休みとなり、外出が許されるのは「スーパー・薬局への買い物、病院への通院、近所への散歩など」のみとなった。よって、上記の仕事以外の人は、「4週間、一つ屋根の下で、24時間、家族と、家で過ごす」ことになる。
(私見)政府の対応・意思決定の速さと、外出禁止令の厳格さに圧倒された感じ。人口が500万人足らずですから、政府のフットワークの軽さは以前から感じていたが、この会見からジャシンダ・アーダーン首相(39歳・女性)の「国民を守る」という気概を感じた。NZ政府は、このコロナ関係に関わらず、結構諸国の政策や対策を分析していて、「いいとこどり」することが多い。学校の休校も、「エッセンシャル・ワーカーの子弟は2日間は学校で預かる。」といった柔軟な対応をしている。
また、この23日・24日・25日のNZ国内のスーパーでは行列ができるほど(NZで行列ができることは本当に珍しいこと)で、「panic buying(必要以上の買い置き・買占め)はやめて」と政府とスーパーが再三広告や会見で伝えていたが、効果なし。ニュースなどでも散々取り上げられ、棚に商品が無い光景が繰り返し放送された(これも、panic buyingを助長していた)。その結果この3日間でクリスマス前の3日間をはるかに凌ぐ「売り上げの過去最高額」を記録したとのこと(実はこれには本当に驚いた。現地の人のクリスマス前の買い出しの量が半端ないことを知っているので、如何にすごい量を買ったのかが分かる)。ほとんどの商品をいつもよりちょっと値上げして販売していたこともその一因だったようだが…。幸い我が家は、その前からある程度予想していつもより多めに商品を買っていたし、朝早い時間に買い出しに行っていたので、幸いレジに1時間以上並ぶような場面には遭遇しなかった。
3月25日PM11:59、Lock Downが施行
同日の午後3時の首相の会見で「国家非常事態宣言」を発令。(全国規模での発令はNZの歴史上初めての事となる。なお、2011年2月22日のクライストチャーチ地震などの時には、クライストチャーチ限定で非常事態宣言は出されたりしている)
この発令により、警察や軍の権限が強化され、国民は外出時の職務質問などに答える義務が発生。本日の夕方の散歩時も、警察のヘリコプターが上空をずっとパトロールしていた。
3月26日 Lock Down1日目
(私見)Lock Down1日目の朝は、小鳥のさえずりで目が覚める。車が走っていないので、いつもより静かな朝だったように思う。子どもたちは24日から休みだったので、この生活も実質3日目となり、大分落ち着いて来た。今は、大体この時間にはこれをするという「ゆるーい時間割」のようなものに従い、生活をしている。
長女の現地の学校からは毎日オンラインで課題が出され、それをPCで処理して提出している。これは、普段の学校生活でも基本的に宿題等はPCで処理し、提出することが当たり前なので、あまり変わらないようだ。
午後の学習の時間だったので、
習い事も全て休みとなったが、長男の通っている「公文」よりLock Down前に4週間分の課題をもらってきたので、それを1日1つ仕上げることと、そろそろ現地の小学校からPCでの課題が届く予定。印象深かったのは、学校の休校が決まり、明日から学校が4週間休みになるという事を知った後の長男の反応。学校へ迎えに行った時に、心から悲しそうな顔して落ち込んでいたことが意外だった。「そんなに学校好きだったっけ?」と思ったが、本人は2月から始まった新しいクラスとベテランの男の先生の授業を楽しんでいたことが意外な形で分かった。マンガを読んだり、絵を描いたりといった普段やることの延長の他、いつもは忙しくて見ることのできないYOUTUBEなどで動画を見ている。これは大体午後3時からの1時間限定で、3人がそれぞれ1つのデバイスで思い思いの動画を見ている(普段は1人では見せていないので、うれしい様子)。
土曜日のテニス、日曜日のフットサルを始めたばかりの次男は「なんで、テニスできないの?」「なんで、フットサルできないの?」を連発。また、大人が「コロナ関連」の話しをしていると「もうコロナの話はしないで!」とその話を制止するなど、小さい子なりに何かを感じている様子。飽きやすいため、一つの事を長くできないので、すぐ兄にちょっかいを出したりして、ちょっと面倒くさい。学校で良くやるオンラインの学習サイトをしたりして、気を引いている。
また、隣のKIWI(NZ人は、自分たちの事をこう呼ぶ)家庭の子ども2人(兄・妹)が同じような年代で、お互いの家を普通に行き来する間柄。休日は大体一緒に遊んでいる。特に我が家には存在しない「ゲーム」ができるので、下の男2人はその家のお兄ちゃんとゲームをしに行くことが最近とみに増え、また女の子2人は髪の毛をいじくったり、マニキュアを塗ったり、ままごとのようなことをしたりと、子どもたちが一緒に遊んでくれるので正直助かっていた。だがこのLock Down期間中は、同居の家族以外との2m以内の接触は禁止なので、それができない。普段であれば、ゲームに飽きるとよく家の前のトランポリンで、ギャーギャー言いながら5人で遊んでいたのだが、それもできないので、結構つまらなそうである。
隣人が午後2時頃にスーパーへ行くと、店内は行列もなく、一部の商品(ハンドサニタイザーやハンドソープ等はここ3週間ぐらいずっとほとんど売り切れ。NZの中国人が買占め、本国へ送り、転売していた模様…)を除き、普段通りだったとのこと。今はいいが、また1週間くらいすると、行列ができるような気がするので、ここ2日くらい様子をみて、ガソリンを入れがてら(ガソリンスタンドは普通に営業)、スーパーに行ってこようと思う。
ここ2日間、夕方の散歩を20分ほどしているが、車の交通量が少なく、静かで歩きやすい。5分に一回くらい、散歩している人と出くわすが、お互いの距離を2m空けなければならないので、前から来た人とすれ違う前に脇に寄ったり、道の反対側に出たりして、距離を保ちながら歩いている。
Lock Downで遠くへ行けない子が家の前の道に書いたと思われる”Day2 stay strong stay safe(Lock Down2日目、強くそして安全に過ごそう!)”の落書きの上にうっすらと虹が…
学校の近くのため、普段は車がたくさんだが、今日はほとんど車の通っていない道
Lock down中の3月28日土曜日の午前中の公園の様子
KIWIは気さくな人が多いので、面識がなくても道ですれ違う時に普通に「Good Day!」とかあいさつをするが、今このような状況であるにも関わらず、離れていても「ことば」はもちろん、「手」や「目」などでコンタクトをとろうとしてくる人が多い。今日はバスの運転手と目が合い、手を挙げて挨拶を交わした。
また、政府は経済対策として、出来る限りの(例えば雇用保障として正社員には週500ドルまで、非正規社員には350ドルまでといった援助/賃貸料や電気・電話・水道代などの公共料金の支払いを最大6か月凍結すること/個人商店などの経営者には無利子のローンを貸し出す…といった)具体的な対策を、Lock Down発令会見時に同時発表。様々な条件はあるようだが、これで少し安心した人も多かったはず。
(私見)ただここでも、首相は「だからといって、全ての会社を、雇用を、守れるわけではない」と正直に伝え、援助はするが出来ることは何でもやって、「自分の事は自分で守ってくれ」ということにも言及していたのが印象的だった。
また、リモートワークで仕事をする人もおり、隣人は、ガレージに臨時のオフィスを作り、いつもは「肉体労働」だが、在宅でPCでできる「事務仕事」をもらい、今日から仕事を始めた。そこはやはりKIWI! ガレージにテレビを持ち込み、ビールを飲みながら、仕事をしていた。
だが、経済規模が小さいNZは、体力勝負になると正直厳しい…。それもあり、Lock Downを厳しく行うことで、ギリギリ「4週間」でコロナを断ち切り、出来るだけ早く経済活動を元通りにしようとしていると思われる。
毎日、首相からの会見があり、大体テレビで見ている。昨日印象的だったのが以下のような首相のことば。
「雇用がなくなり、これからの生活への不安を感じている人もいるでしょう。でも、今のあなたの仕事は”家から出ないこと”です。自分を守り、家族を守ることにフォーカスして、この4週間を乗り切りましょう。」これは、中々言えない言葉だと思う。
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不安が募る時ですが、こんな時をせっかくの機会に!
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