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子どもと会話
2013.9.12
りこん そし さくせん
みなさん、こんにちは。
otonto編集ライターのオンダです。
いつもはリゾ勤レポやってます。
今日はちょっと、別のお話。
僕が幼少期に味わった出来事の話です。
というのも、
こないだふとリゾ勤中に話した内容が編集長のオトン琴線に触れ、
「おっ、それええやんけ。オトン&オカンに大事な話や」
となったからです。
正直、大勢の人の前で
こんな話をするのは恥ずかしいのですが、
世の中のオトン&オカンの役に立つというので
ちょっと書いてみようと思ったのでした。
はじまりは、リゾ勤中に話題になった「離婚」の話。
世の中のすべてのご夫婦にとって、切っても切り離せないような
誰もが一度は悩み抱える?ことだと思います。
(オンダは未婚ですが)
特に、オンダ家の両親は激しかった。
別段、冷えきった家庭だったわけじゃありません。
でも、とくべつ仲が良かったわけでもありません。
親父は母ちゃんに文句ばかり言うし、
母ちゃんは親父の愚痴ばかり言います。
でも、それをお互い引きずったり、引っ掻いたりはしません。
兄弟がすっごい喧嘩したのに、数時間後、
なにかの拍子にコロッと元通りになるような、
ごくごく当たり前の関係性です。
では、なにが激しかったか?
それは、親父の気性です。
短気で極端な下町気質。
酔うわ、どなるわ、物は壊すわ。
もう、、、大変でした。
一ヶ月に一度くらい?は噴火してました。
いま思い出しても理解できないのは、
余った刺身の鯛をお茶漬けにして食べたらマジギレされたこと。
(あっ、この話は脱線です)
要するに、オンダ家の親父はコントロール不能だったのです。
でも、僕はそれを普通だと思っていました。
月一とまでいかないまでも、
他の家庭からもどなり声や地響きみたいのはありましたからね。
しかし、その荒れっぷりがいつもと違う夜がありました。
(ここから先は、うろ覚えです)
なんか、親父がひとしきり荒れた後、
リビングが静まりかえったのです。
小学1年生のオンダ
(なんかいつもと違う、関わるのはこわいな。とりあえずゲームに夢中になってるフリしとこ)
そのとき、僕のいた部屋のドアがガチャと開けられました。
親父
「タカ、ちょっと来い。風呂はいるぞ」
※オンダの本名は、オンダタカユキです。
小学生1年生のオンダ
(えー、いまの親父といっしょにいたくない!)
と、拒絶反応を示しながらも、しぶしぶお風呂に入ることに。
当時、親父といっしょにお風呂に入ると
ゆっくり100数えるまで風呂に浸からされ、
のぼせて戻すこともあったので心底風呂ぎらいだったのです。
(いま考えれば辛抱強さはここで培われたので感謝ですが)
その嫌いも相まって、最悪の気分で親父の待つ湯船の中へ。
オンダは、いつも通りカウントをはじめたのですが、
親父が、そんな僕を見ながらこう言いました。
親父
「父さんと母さんは離婚することした」
小学生1年生のオンダ
「え?」
親父
「母さんは出て行くと言ってる」
小学1年生のオンダ
「あっ、はい」
親父
「お前は、父さんと母さん、どっちについていく?」
小学1年生のオンダ
「…」
このとき、幼いオンダは返答に困りました。
どっちについていくかなんて答えられない。という悩み以上に、
親父が「自分についてくる」って言ってほしい、と思っていることが
幼いながら感じ取ってしまったからです。
この修羅場以外でも、
日常の中で、オンダは親父を怒らせないことに徹してきました。
だから、このお風呂場での返答も「父さんについていく」が、
お決まりの返答。
ですが、果たしてそれでいいのか?と悩んだのです。
それは本当に親父についていっていいのか?それで楽しいか?
という悩みではありません。
今、親父についていくと言ってしまったら、
ほんとうに親父と母ちゃんが別れると思ったからです。
親父は、でっかくてゴツゴツしてて鬼のような人でしたが、
子どものことは大好きな人でした。
だから、その大好きな子どもに、
「親父についていく」なんて言われたら、
母さんはいらない、と決断させてしまうのではないか?
と、オンダは心配してしまったのです。
悩んだ結果、覚悟を決めてこう答えました。
小学1年生のオンダ
「いまのところ、母ちゃんについていきます」
お決まりの返答と逆の答えです。
“いまのところ”をつけるのが精一杯でした。
それを聞いた親父がどんな顔をしたかは覚えていませんが、
怒られることはありませんでした。
親父
「そうか。わかった」
とだけ。
そこから先は覚えていません。
実際、離婚もしませんでした。
オンダの解答が直接影響したのかも定かではありません。
しかし、今でもよく覚えている出来事です。
親父による、
“正直、親父と母ちゃんのどっちが好きなの?”という質問に、
“なんて答えるのが最善なんだ?”と悩んだこと。
これは、オンダが小学1年生の割に賢かったんですよ、
という話ではありません。
それに、このように文章にすると、
ものすごくいろんなこと考えているように見えますが、
実際はすべて肌感です。
頭ではなく、体で考えているような感覚。
この感覚、子どもなら誰でも持っている感覚だと思います。
子どもは子どもなりに、
いろんなことを体で考えている。
たぶん、それは親の考えのずっと上をいっています。
僕はまだ親になった経験がないので
逆の立場で考えたことはありませんが、
でも今後、親になって
子どもと向き合わなければならない大事な場面が出てきたとき、
“子どもだから、このくらいの説明でいいや”なんてことは
考えるのはよそうと思っています。
きっと幼い僕だったら、
「子ども向けの話をしているな」と感づく気がするのです。
それがどう影響するかはわかりませんが、
できるだけ子どもとは対等な関係でありたいと思うのです。
おしまい。ありがとうございました!
オンダ
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