oton+to(オトント) > オトンの流儀とか ビジネスマン編 > 下の2人の娘がよく言うのは「パパ、次お休みいつ?」。これは嬉しいです。でも一番上の子が小さい時は、パパに休みがある、その休みを楽しみにするという感覚がなかったと思うんです。仕事に時間を使えば使うほど成功率が上がると思っていた時なので。後編
下の2人の娘がよく言うのは「パパ、次お休みいつ?」。これは嬉しいです。でも一番上の子が小さい時は、パパに休みがある、その休みを楽しみにするという感覚がなかったと思うんです。仕事に時間を使えば使うほど成功率が上がると思っていた時なので。後編
飲食店経営 田川翔さん
家族構成:妻、娘(小5)、娘(小3)、娘(小1)
【オトンの流儀とか】ビジネスマン編の今回は、国内外でラーメン店48店舗を経営する株式会社ギフトの田川さん。3人姉妹のオトンです。一人目のお子さんが生まれた時と創業がほぼ同時期。この子をちゃんと食べさせていけるのかという不安もあって、仕事一辺倒だったようです。そのせいか特に上の子に対しては、今も父親らしく振る舞えず、どこか引け目があるのだとか。後編です。
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
第2回お小遣いは「単月黒字にしろ」と娘に言っています。
―真ん中の子に対するそういうお話は、インタビューでも何度か聞いたことがあります。少し話が戻りますが、上の2人の子に対しては、お父さんらしく振る舞うことへの遠慮のようなものがあるんですか。
引け目といいますか。大したことしてきていないのに、今更なんだよみたいなところはあります。子どもがそう思っているというより、自分の気持ちですね。でもこれから年齢が上がってくると、また父親として話せることも出てくるんじゃないかと思っていたりもします。仕事のことやお金のこととか、お母さんよりお父さんに訊きなさいというような話も増えてくると思うので。
―娘さんたちから見たらどんなお父さんですか?
どうなんだろう。なんとも言えないですね。
―たとえば「ウチのパパはホニャララなパパなんだよ」と娘さんが言ったとしたらホニャララにはどんな言葉が入りますか?
ホニャララ、、、、悲しいくらいに言葉が出てこないです(苦笑)。
―一番下の子は?
よく遊んでくれるパパですかね。下の子は今もけっこうべったりです。真ん中の子は小学2年生くらいまで「パパ大好き」って言ってくれていました。上の子は「パパ大好き」って言ったことあったかなあ、、、。多分あったんでしょうけど、こちらも忘れていたりしますよね。よく妻とも「なんかあったね、そんなこと」って、少し前まで日常だったことを忘れたりしていますから。
―そんな中、娘さんたちから言われたことで覚えていることはありますか?
真ん中と下の子が今でもよく言うのは「パパ、次お休みいつ?」とか「明日はお休み?」とか。一番上の子が小さい時は、休みをしっかりとるというのがなかったので、パパに休みがあって、その休みを楽しみにするという感覚がなかったと思うんですが。
―なるほど。
やっぱり休みはすごく楽しみにしていて、休みになったらアレしよう、コレしようと言うようになったのが嬉しいですね。父親との時間を楽しみにするようになったのは、本当にここ最近のことですね。だから同時に上の子が小さい時は、そういうことをしてこなかったなという思いもあります。あと、一番下の子が母親に「ママは毎日お休みだね」って言ったらしいです。
―あらっ!
それを聞いて、妻が腰砕けていました。子育てでどれだけ毎日忙しくしているのかという気持ちとはうらはらに、でもたしかに毎日お休みだなと思ったりして(笑)。そういうのは記憶に残りますね。そういえばウチは娘たちに日誌みたいなものを書かせているんです。
―日誌を?
「今日こんなことあったよ」というようなことを。上の2人はだんだん書かなくなってきているんですけど、下の子はまだけっこう書いてくれています。「こういうことをパパに伝えたいんだな」っていうことを読んでいて思いますね。
―それはいいですね。ちなみにわが家のルールのようなものはありますか?
挨拶はしっかりさせます。それとわりと父親を優先させるというのは、妻が意識してやってくれています。子どもの前で父親を落とすようなことは絶対言いません。それと妻のアイデアで、毎月僕が給料袋を渡すということをしています。子どもの前で「はい。今月の分」「いつもありがとうございます」というパフォーマンスをしています。
―それはステキなパフォーマンスですね。
「パパの給料でみんな生活しているんだよ」と。あとはお小遣い。上の子はお小遣いを渡し始めているので、お金の管理とかは厳しく見ています。小学3年生のときは月に300円、4年生は400円なんですが、必ずお小遣い帳を渡して、全部レシートを見ながら、いくら使ったかを書かせて支出と収入を確認して、次のお小遣いを渡しています。それは毎月やっていて、「単月黒字にしろ」と娘には言っています。
―単月黒字に?
はい。400円あったら399円までは使っていいけど、毎月1円ずつでも貯金する癖をつけなさいと。
―なるほど、それも奥様のアイデア?
これは僕ですね。僕も父親にそうさせられていたんです。今振り返って、それが良かったなと思っていまして。だから中3くらいまでは続けようと思っています。金銭感覚というのは小さい時に影響することが大きいと思っているので。
―今のところ単月黒字はいけていますか?
そうですね。しっかり貯めています(笑)。それと嬉しいのは、溜まったお金を妹の誕生日プレゼントに使ったりしているんです。
―ステキですね。
人のために使うことが出来るんですよね。募金もしますし。ウチ、お年玉も基本的には使わせないんです。2000円だけは特例で使っていいことにしていますが。そのお金から500円をユニセフの募金にしたり。去年も一昨年も自分から募金するといってやっています。それは僕もあまり頭にないことでした。
―娘さんたちゲームはしますか?
ウチはipadの中に入っているゲームですね。あとは僕の部屋にあるスーパーファミコン。それを一日1人10分ずつで計30分。siriに向かって「10分にタイマー」って言うとセットされるんです。それで交代しながらやっています。
―それは守れていますか?
それが守れているんですよ。あと、これは僕ではなく妻なんですが、娘達が赤ちゃんの時から、毎日寝る時に必ず一人1冊ずつ本を読んでいました。上の2人もつい最近まで、寝る前になったら娘3人がみんな1冊ずつ本をベッドに持ってきていました。そして月に1冊ずつ本を買ってあげるんです。だからみんな本好きです。そういうことを妻はやってくれています。
―奥様、とてもしっかりされていますね。
素晴らしいと思います。感謝です。ちなみに僕が経営者だということは子どもは知らないんです。お金の感覚も厳しくて、妻が質素な生活を心掛けてくれているといいますか。「ウチはお金がそんなにないからね」というような感じで。
―お父さんの仕事場、ラーメン屋に行くことは?
娘たちは僕がラーメンに関わる仕事をしているというのは知っていますけど、自分の店に家族で行くとことは基本的にないです。連れて行ったこともありますが、パパのラーメン屋とは言っていないです。公私混同をしたくないといいますか。
―なるほど。
ただ、マーケティングとしては、もっと連れていきたいですけどね(笑)。子どもが食べて何というか、感じるかという意味で。でもね、やっぱり僕も妻も気を遣うし、スタッフも気を遣ってしまいますから。
―子育てで一番大事にされていることは?
やっぱり子どもを独り立ち出来るようにさせることですね。そのために何が必要か。周りを見ていると、1から100までという教育をしていると子どもが大成しないような気がして、どちらかというと、環境を与えるだけ、くらいがいいのかなと思っているんです。環境は与えるけど、失敗させながら。価値観は教えるけど、やり方や答えは言わないというやり方で。
―今、それは出来ていますか?
出来ていると思います。もちろん妻主導です。娘達は自分のことを自分ですごくやりますから。お手伝いもよくするし。僕が小さい頃に親にやってもらっていたようなことも、自分たちでしっかりやっています。妻は娘達にお嫁さんとして恥ずかしくないように、というのはよく言っています。
―最後に娘さんにひとつのことしか伝えられないとしたら?
そうですね。人の役に立つようなことをして、それが自分のやりがいに感じるようにやりなさい、ということは言いますね。
―ご自身が大事にされていることですね。
結局、自分が先に、とか自分だけが、とかなると色々とうまく回らないけど、誰かの為にこれしたいなと思って、喜んでもらうことが楽しいと思えるようになると自然といいサイクルになりますから。そういうことは教えたいです。
―確かに。そのサイクルができれば。今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
今回の"オトン"なビジネスマンは、
田川翔さん
株式会社ギフト 代表取締役
家族構成:妻、娘(小5)、娘(小3)、娘(小1)
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