oton+to(オトント) > オトンの流儀とか ビジネスマン編 > 子どもにとっての最高の教育は、僕が自己破産することです。でも僕は自己破産したくないんですよ。僕も自分の人生なんでね。【第1回】
子どもにとっての最高の教育は、僕が自己破産することです。でも僕は自己破産したくないんですよ。僕も自分の人生なんでね。【第1回】
ソフトウェアテスト会社 経営 東京都 丹下 大さん
家族構成:妻、息子(小3)、娘(小1)、息子(3歳)
今回は、東証マザーズ上場、株式会社SHIFTの代表である丹下大さん。自分には父性本能がないんですという一方、憧れの父親像もしっかりとお持ちで、自他ともに認める親分肌。以前、子育ては実験だとSNSで発信したらみんなにドン引きされたとか。そんな丹下さんの原体験から、理想の父親とは、息子・娘それぞれに対する教育方針など、いろいろ面白いお話を伺いました。
oton+to編集長 布施太朗
第1回僕は典型的なガキ大将だったのに、お神輿の一番隅っこのヒモを引っ張る役にさせられました。
―よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日は父親としての取材ですよね。はじめからこんなこと言うのはなんですが、僕、父性本能というものがないんです。
―父性本能がないんですか?
それは僕の父親の影響なんだろうと思います。父親が僕と何も接してくれない人だったんです。あまり父親っぽいことをされた記憶がなく、僕のほうも父親を求めたということがなくて。うちの母親がよく親父に言っていたんですよ。父性本能がないって。
―お父さまは何をされていたんですか?
学校の先生でした。広島の片田舎で人口3000人くらいの小さな町で育ちました。祖父は原爆で亡くなりました。なので僕の親父は父親を知らないんです。つまり親父は父親像というものを持っていないんですね。その息子の僕もそれを引き継いでいるんじゃないかと思っています。自分の子どもに対する思いとか、育て方や教育についての関心が、僕は他のお父さんたちより弱いのではないかと思います。でも、僕の中では憧れるお父さん像というのがありまして。
―憧れるお父さん像?
僕が小学生の時にやっていたソフトボールの監督なんです。その人が『下町っ!!』って感じのおじちゃんだったんです。パンチパーマでこんな昔のすごいサングラス(編集部:おそらく西部警察の渡哲也がかけていたようなものだと思われます)、タバコも強いやつ、ピースですね。缶ピース。あれを1日2缶くらい吸っていたと思うんですけど、そのせいなのか、もう声ガラガラなんです。その声で「マサルーッ!」ってトラックから声かけるんです。喉仏がガツーンと突き出して、全身が男性ホルモンのおじさん(笑)。ウチが共働きだったので、食事代とかを払って、おじさんの家でごはんを食べたりしていたんですよ。僕はその人が好きで、男らしさというか男性ホルモンはその時にすごいインパクトを受けた記憶があります。
―男らしさに憧れていたんですね。
それと、町の夏祭りでお神輿とかありますよね。僕は典型的なガキ大将だったので神輿を担げるもんだと思っていたんですよ。小学4年生の夏、僕はすっかり担ぐ人になるつもりでいたら、僕はお神輿の一番隅っこのヒモを引っ張る役にさせられました。その時に「あれ?オレ、ガキ大将なのに、ナニ?この虐げられたポジションは」と。町内会の祭り実行委員みたいな人たちが自分の子どもに担がせるんです。そういうところにウチの親父はいなくて、そういうコミュニケーション能力もなかったので、「丹下の息子はあそこでいいね」みたいな感じになっちゃったんですよ。その時に、父親というのは大切なポジションだなと。こうやって息子は悲しむんだなと思いました。
―その話、お父様にはされましたか?
していないです。まあ言っても分からないと思います。でも別に親父と仲が悪いわけじゃないですよ。昔も今も。
【第2回】「 息子は最近、お金の話しかしなくなったんです。それはそれでいいと思っています。」に続く
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今回の"オトン"なビジネスマンは、
丹下 大さん
株式会社SHIFT 代表取締役社長
広島県出身。
家族構成:妻、息子(小3)、娘(小1)、息子(3歳)
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