oton+to(オトント) > オトンの流儀とか ビジネスマン編 > オトンの青野さんと人事の青野さん【後編】
オトンの青野さんと人事の青野さん【後編】
IT会社社員 埼玉県 青野誠さん(33歳)
家族構成:妻、息子(4歳)
前回、青野さんにお話を伺って、サイボウズの人事制度の話もとても面白かったので、ここで紹介させていただきます。働き方を9分類しているんですって。
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
第2回「100人いれば、100通りの人事制度があってよい」 サイボウズの人事、青野さんに訊きました。
―では、ここからは青野さんが所属している会社、サイボウズさんのお話を、人事部の青野さんとして伺います(笑)。
はい。よろしくお願いします。ウチは「100人いれば100通りの人事制度があってよい」と打ち出しているんです。
ここに9つの働き方があって、全員がこの中のどれかを宣言して、時間と場所を自分で決めて働いています。
残業を普通にやって、働く場所は主にオフィスですという人は右上のA1。
オフィスで時短ですという人はC1。
9時から5時までで、ほぼ在宅勤務という人はC3になります。
実家の岡山県で在宅勤務していますという人や、会社に来るのは2週間に1回ですという営業アシスタントもいます。
―青野さんは?
僕はA1です。
―ちなみに、お父さんで左下のC1の方とかはいますか?
左下はいませんが、左はいます。開発者で在宅中心でやっているという人とかですね。それとこちらに加えてウルトラワークというのもあるんです。
―ウルトラワーク?
ウルトラワークというのは、この9つのどこを選んでいても、突発的に家で仕事したいという時があれば申請してもらえればいいですよという制度です。なので、右の人もリモートワークを申請できるということです。結講、みんな使っています。
―制度はしっかりできているけど、現場の雰囲気や上司との関係でやりづらいということは?
今はないですね。だいぶ変わったと思います。こちらは離職率の表なんですが、私が入社したのが2006年。一番高い時期でした。それが徐々に減って今に至ります。それに伴い、雰囲気も良くなって行ったと思います。それと、ウチの社長が育児休暇を取得したということで、推進されたところも大きいですね。
―それは圧倒的な事実だ。それ自体が大きなメッセージですね。
そうですね。
―しかしまあ、給与設定は難しそうですね。
そうなんです。階層というものもなくて、基本的にパフォーマンスで評価するので、Aの人よりCの人の方が給与が高くなるということもあります。ただ、A1で1日10時間くらい働いていた人が、C3で時短にしますとなるとやはり給与は下がります。傾向としては上の方が給与が高くなりがちというのはどうしてもありますね。
―なるほど、育児休暇についてはどうですか?
ウチは6年間取れるんです。実際は1年くらいの人が多いんですが、4年半の育児休暇を取得して戻ってきた人もいます。
―男性社員は?
最近は男性も多くなってきました。数ヶ月の育児休暇を取っています。
―人事として、今の課題ってなんですか?
先ほどご紹介したように働き方が9つに分類されているんですが、これだと足りないというところですね。
―おおっ、9つじゃ足りない?
はい。この表は週5で働くことが前提になっていて、週4とか週3でしたサイボウズで働かないという人には、この表は当てはまらないんです。残業の中にも開発者だと夜勤がある人もいて、それはこの表には表現されていないんですね。夜勤をしたくないとか。そ
―多くの会社では出張したいしたくないという選択はないと思うんですが、、、
そうですよね。でもウチでは働き方は個人の選択だと言っているので。
―なるほど。そうするとさらに多様化させた働き方を可視化しようとされているんですね。こういう取り組みをされる企業が増えていけば世の中はもっと良くなりそうですね。
そう思います。世の中の働き方をよくしていきたいので、いろんなところにウチの人事制度の話をしに行ったり、記事を出したりしているんです。
―青野さんご自身もこの制度を思いっきり利用されていますしね。
はい。時間についても、副業(フローレンスというNPO法人で働かれています)についてもそうです。
あと、面白いのは、育「自分」休暇という制度もあって、サイボウズを退職後、6年間は復帰可能という制度があります。例えば一旦会社をやめて3年間アフリカでボランティアをしてから戻ってきた社員がいます。そうやって社外で新たなノウハウを得た社員が戻ってこられる、つまり出入りが柔軟な制度です。
―いやあ、こんなに100人が100通りの人事制度という方針は、人事の人が大変そうですね。
はい。考えることやることは膨大です。時間が足りない(笑)。
この連載の他の記事はこちら
今回の"オトン"なビジネスマンは、
青野誠さん
サイボウズ株式会社 人事部勤務
愛媛県出身。
家族構成:妻、息子(4歳)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
こちらの記事もどうぞoton+to(オトント)とは?
-
2016.9.6子どもと会話
錆びるから、いいんだと思う。
わが家には「打ち出し中華鍋」というのがあります。 今では100円ショップでフライパ…続きを読む
-
2016.7.30【夏休み】おすすめ本、映画、ちょっとお出かけしたところ
ドラマ「青い鳥」を娘を持つ父視点で観てみました。
どうも!編集部ヨッシーです。 先日、学生時代の仲間と飲んでいたら、そのお店で「gl…続きを読む
-
2016.7.12【夏休み】海川山森&キャンプ特集
ちょっと不便、くらいが、ワクワクする。
oton+to編集部の鈴木です。 実はわが家、今年がキャンプデビューということで、…続きを読む
この記事と同じテーマの記事はこちら
オトンの流儀とか ビジネスマン編
-
2019.7.5
一人で完結することなんて本当存在しないんじゃないかと思っています。後編
今回はIT会社の代表取締役社長で、4人のお子さんのお父さんである甲斐亮之さんです。妻が入院したことをきっかけ …続きを読む
-
2019.7.3
一人で完結することなんて本当存在しないんじゃないかと思っています。前編
今回はIT会社の代表取締役社長で、現在4人のお子さんのお父さんである甲斐亮之さんです。妻が入院したことをきっ …続きを読む
-
2018.10.18
子どもは5人ですが、一人ずつと過ごす時間は必要だと思います。絆が深まりますから。【第2回】
【オトンの流儀とか】
今回は引っ越し会社を経営されている山本さんです。5人のお子さんのオトン …続きを読む
「いいね」いただくと、oton+toの更新情報がFacebookのタイムラインに表示されるようになります
oton+to Facebookページ
最近よく読まれている記事をご紹介
週間人気記事ランキング
この連載のその他の記事はこちら
バックナンバー
アーティストなオトンの気になる子育てとは?
オトンの流儀とかアーティスト編
-
vol.05 TOKYO No.1 SOUL SET 渡辺 俊美さん
映画「461個のおべんとう」。原作者のTOKYO No.1 SOUL SET 渡辺俊美さんに、親子の実話を聞きました。
-
vol.04 つるの剛士さん
「お前は父ちゃんと母ちゃんの子だから絶対大丈夫だ」。と言われてきました。僕も同じことを子どもに言ってあげたいです。【2017インタビュー】父親 つるの剛士
-
vol.14 エンターテイナー 山口智充さん
ゲームをやめろとは一回も言いませんでした。「よし、ゲームより面白い体験をさせてやろう!」と。【こんな時をせっかくの機会に!2018年インタビュー最終回】
スポーツの世界で活躍するオトンの子育て体験談。
オトンの流儀とかアスリート編
-
vol.05 プロサッカー選手、元日本代表 大久保嘉人さん
どんなダディになりたいか?ビッグ・ダディになりたいです。
-
vol.04 マック鈴木さん
16歳の時に親父から「アメリカかドミニカに行け」って言われたんです。母親は泣いて止めたんですけど、渡米となりました。
-
vol.02 ガンバ大阪 遠藤保仁さん
長女が20歳になってもやれていたらかっこいいな。娘から「もういいんじゃない」って飽きられるくらいまでやっていたいですね。|ガンバ大阪 |遠藤保仁
忙しく働くビジネスマンの子育て失敗談とか。
オトンの流儀とかビジネスマン編
-
vol.37 株式会社ギャプライズ 甲斐亮之さん
一人で完結することなんて本当存在しないんじゃないかと思っています。後編
-
vol.37 株式会社ギャプライズ 甲斐亮之さん
一人で完結することなんて本当存在しないんじゃないかと思っています。前編
-
vol.36 株式会社スタームービング 山本恒夫さん
子どもは5人ですが、一人ずつと過ごす時間は必要だと思います。絆が深まりますから。【第2回】
オトンが家族で楽しめるイベントや講演のご紹介
イベント情報
-
2020.3.14
3/25(水)絵本ガレージBAR 開催中止のお知らせ
-
2019.10.15
【親子参加イベント】10/27sun 藤沢市鵠沼海岸でビーチスポーツ体験会(入場無料)のお知らせ! いろんなアクティビティがあるよ!
-
2018.12.3
【絵本ガレージ クリスマス編】お父さんがグッとくる絵本たち。
oton+to編集長 布施太朗が本を出しました!
書籍のご紹介
父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。
布施太朗・著¥1,300(税抜)
いいねいただくと、oton+to更新情報が
Facebookのタイムラインに表示されます
Facebookのタイムラインに表示されます