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僕が一番影響を受けた男は、息子です。【最終回】
会社経営 沖縄県 安里繁信さん(47歳)
家族構成:妻、息子(大学1年)、娘(小3)、娘(小1)
“オトン”なビジネスマン”改め、“オトンの流儀とか ビジネスマン編”。今回は、沖縄にお住まいの安里さん。息子さんが2歳半の時にかかった病気で、彼の生き方が大きく変わる。仕事も「エースで4番」から「補欠でキャプテン」スタイルに。リーダーとして、男として、父として。これは一人でも多くのオトンに読んでいただきたい。最終回です。
聞き手:oton+to 沖縄編集部 寺地峻
第4回子どもの靴を磨くのはずっと僕の役目です。
―それほど難しいことなんですね。ちなみに、そんな安里さんは家族と過ごされる時間は、1週間のうちどれくらいあるのですか?
僕は県外出張も多く、毎日娘が起きている時間に帰るということが難しい。帰ってもみんな寝てしまっていることが多いかな(笑)それでも少なくとも週2回は、遅くてもなんとか娘たちが起きている時間に帰って、できるだけ会話をするよう心がけてます。
―娘さんとはどんなコミュニケーションを取られていますか?男の子とはまた違うところもあると思うのですが。
特に意識はしていなくて、やっぱり小さくても女の子なので、娘たちから色々と話をしてくれる。それを聞いているという感じですね。
―そうなんですか!?息子さんとの関係とはまた違った感じなんですね(笑)。
やっぱり自分は男だからね。長男と、娘達とでは接しかたも全然違う。本当に女の扱い方がわからない(笑)。だからうちは、行動する時は長男と僕の男チームと、妻と娘たちの女チームで自然と分かれてるね(笑)。
―父親としてこれだけは続けていることってありますか。
靴磨きかな。子どもの靴を磨くのはずっと僕の役目。日頃あまりコミュニケーションが取れないということもあるけど、靴を磨いていると子どもが毎日どんなことをしているかがわかるんです。汚れていたりすると、またいっぱい遊んだんだなあとか。小さい頃だとサイズもどんどん変わっていくので、成長も見てとれる。靴磨きからいろんなことがわかるんです。で、小学校3年生くらいになると、少しずつ自分の靴は自分で磨けるよう、磨き方を教えて行く。今ちょうど長女には靴磨きを教えているよ。次女はもう少しして三年生になってから教えていくつもりです。
―いいですね。僕もやってみようかな。
何か父親として、一個これはやると決めてやればいいよ。その一つの約束を、絶対守りきる意識で子どもと向き合っていくことが大事。
―お父さんとしての考え方をかなりしっかりと持っていらっしゃるように思うのですが、それはご自身のお父さんから受け継いだものだったりするんですか。
それはないかな。うちの父親は本当に仕事ばっかりで、亭主元気で留守がいいの典型的なタイプの父親でした。
―お父さんとしての理想像をお持ちだったりされるんですか。
壬生義士伝という映画があるんだけど、この映画が大好きでね。中井貴一さんが主演をされているんだけど。その主人公の生き方が、自分としてはものすごく尊敬できるものがある。今まで何度か会社を作ってきたけど、会社を作るたびに役員人全員集めてみんなで一緒に見て、考え方を共有する時間を作るくらい。
―どういうところに共感されているのですか。
主人公は幕末の時代、倒幕される直前の幕府側について、自身の正義のために、そして家族のために信念を持って最後まで戦い抜く姿勢に、とても感動するんです。武士として、そして父親として、最後まで信念を曲げない生き方を教えてくれて、自分にとってはバイブルのような映画なんです。
―なるほど。子どもと向き合うことを大事にされていることや、約束を守ることなど、ものすごく一貫されているのは、壬生義士伝の影響ということもあったのですね。今後、父親として大事にされていきたいことはありますか。
僕たちは責任世代として、これからの子ども達が生きていくための社会を作っていかなくてはならない。だから、父親としてというよりは大人として、社会に対して何か爪痕を残せるような生き方をしたい。そして、子どもには自分の力で生き残っていってもらえるようなそういう生き方を、僕自身の背中で見せていきたいなと思います。
今回の"オトン"なビジネスマンは、
安里繁信さん
シンバホールディングス株式会社 代表取締役会長
沖縄県那覇市出身。
家族構成:妻、息子(大学1年)、娘(小3)、娘(小1)
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