oton+to(オトント) > オトンの流儀とか ビジネスマン編 > 「お父さんに言うよ」で揉め事が治まるくらいの親父になりたいです。「親父には言わんといて」ってね(笑)。
「お父さんに言うよ」で揉め事が治まるくらいの親父になりたいです。「親父には言わんといて」ってね(笑)。
人材紹介会社 役員 東京都世田谷区 野澤卓司さん(30歳)
家族構成:妻、息子(1歳)
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
―では、お父様と違うタイプの親父像を求めているんですね。
私が今まで会ってきた人間の中で、「年齢のわりにしっかりしてるな」という人間をいっぱい見てきたんですけど、そこに共通点を見出したんです。みんなお父さんに対する尊敬度合いが凄いという。親父には到底勝てないと思っているんですね。私も親父には勝てんなという風に思っていた時代もありますけど、自意識過剰なところもあるんですが、親父といい勝負くらいはできるかなと思っちゃうんですよね。でも、親父が圧倒的存在だと思っている人間は強い、というかレベルが高いなと思っていたんです。だから私もそういう圧倒的な存在の親父になりたい。当然、優しさもあり愛情をいっぱい注ぐんですけど、困った時に本当の意味で家族の大黒柱になるのが親父だと思うので、そこには厳しさも必要だと思うんです。
―なるほど。今、そういう理想の親父をイメージした時にご自身に足りないところってなんですか?
そうですね。私は本当に厳しくできるのか(笑)?1歳の息子に対して、今は目に入れても痛くないので(笑)。
―ということは既に理想の親父の道を踏み外しているかもしれませんね(笑)。
はい(笑)。でもやっぱり、妻にしんどい思いをさせないためにも、そういう親父であったほうがいいと思っています。
―今、会社では今後のご活躍も大きく期待されていると思うんですが、お仕事とご家庭、ご自身の中でのマインドシェアってどのくらいですか?
仕事中は100対0で仕事、仕事が終わった瞬間から100対0で家庭ですね。
―ご自宅でお仕事をされるということは?
基本的にないです。オンオフをしっかり分けるというのは会社の方針でもあります。つまりそれは、限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮するということで、それが出来るのが優秀な人間だと思うんです。私が家に仕事を持ち帰ってずるずるやる人間だったら、部下に指導出来ないので、私はそこを徹底しようと思っています。
―もし、部下の方が新婚さんで子どもも生まれたばかり、仕事のコツもなかなか掴めなくて退社時間が全社員の中で1番遅いという状況になっていたら、どういう指導をされますか?
そうですね。仮に帰るのが夜の12時であったとしても、まず仕事中は仕事が100なんです。うちの会社はそんなに遅くならないんですけど、もしそうだった場合は仕方ないと思うんです。仕事に慣れないことにはどうしようもならない部分はありますし。でも、これはキレイごとかもしれないんですが、家族との時間が少なくなったとしたら、その密度をあげたらいいと思うんです。毎日1時間しか会えなくてもその時間を今までより大事に使えば、毎日5時間以上家族と過ごしている人と同じくらいにすることは出来るんじゃないかと思っています。仕事のパフォーマンスと家庭に対する満足度は影響し合うと思うんです。私は採用する側の人間なので、採用する以上はその人の人生、家族、子どもの人生に責任を持たないといけないと思っています。そして、仕事と家庭の両方を100点にしてあげないといけないと。
―野澤さん、なかなか隙がないですね(笑)。では、子育てというのは野澤さんにとって何ですか?
発見でしょうか。息子の成長に対しても当然そうですが、自分に対しても。子育ての中で、あっ、俺ってこんな人間だったんだという発見があると思うんです。強い部分も弱い部分も。そして妻と私で息子と接している時には、家族としての発見もあります。
―お子さんが生まれてから一番大きな発見ってなんですか?
我が子のことを自分がこんなに愛せるなんて思っていなかったことですね。俺の中にこんなに愛情というものがあったのかと(笑)。
―もう愛情いっぱいで暮らしているんですね。
結婚するまでは7年付き合ったんですけど。結婚するしないの話になっているときに子どもが出来て、それはやっぱり結婚の決め手になるわけじゃないですか。私の息子の名前は結貴というんですけど、私と妻が結ばれたのは結貴のおかげなので、絶対“結ぶ”という字を入れたかったんです。ただ、名前で将来が決まるなんていうことも言うじゃないですか。だから一応、地元で有名なお寺にも行って名前を付けてもらったんです。 “結”っていう字は必ず入れてくれとお願いしたんですが(笑)。そして運命的にも、私と妻が付き合ったのが7年前の10月3日だったんです。で、息子が生まれたのが10月3日。これは何かあるんじゃないかと。だからなおさら、“結ぶ”と字を息子の名前に入れたかったんです。
―野澤家の場合は、絆が可視化されているんですね。
そうですね(笑)。なかなかないと思います。
―野澤さん、なんか挫折経験とかありますか?
挫折経験ですか、、、。苦しいことや逃げ出したくなることもあったと思うんですけど、そういうことに出くわした時には、見方を変えるようにしているんです。これ、部下にも言うんですけど、物事に取り組む時に、自分の気持ち次第で成果は変わると思っていて。苦しい、しんどいと思って取り組んだらぜったい苦しくてしんどくなる。そこで見方を変えて楽しいと思える要素をひとつでも入れれば、楽しい気持ちで仕事ができるので楽しい結果になるんですよね。そういう発想の転換というようなことを結構昔からやってきたんです。
―昔からそのような捉え方が出来ていたんですね。では、たとえば学校のマラソン大会とかは?
そうですね。とりあえず1位になろうと思って走りました。全校生徒300人くらいでしたけど、最終的に1位じゃなくて、走っている途中のどこかで1位なればいいじゃないかと。だからスタートして少しの間だけ全速力で走って1位になりました(笑)。そのあとはゆっくり歩いてましたけど(笑)。
―あははは。そうすると楽しむ要素ができますね。
そうだと思います。やっぱり楽しく生きなきゃダメだと思います。
今回の"オトン"なビジネスマンは、
野澤卓司さん
TSグループ(株式会社TS工建・株式会社ティスメ・メディアメイド株式会社) 医療ワーカー メディカル人材バンク兵庫県尼崎市出身。
家族構成:妻、息子(1歳)
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