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息子にいいチームを作られると…悔しい。
IT企業経営 東京都港区在住 木暮 康雄さん(34歳)
家族構成:妻、娘(4歳)、息子(1歳)
"オトン”なビジネスマン、第1回はIT企業のCEO,木暮康雄さんです。2014年の12月に会社を立ち上げ、現在、新しいサービスを立ち上げているところでかなり多忙な毎日を送られているようですが、家に帰ると4才の娘さんと1才の息子さん、奥様の4人家族。ご家庭もまさに家族立ち上げ期のような状況かと思われます(笑)。そんな経営者である木暮さんに、オトンとして大切にされていることなどを聞いてみました。
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
―唐突ですが、お子様の3つ違いっていうのは計画的ですか。
そうですね、2つ3つ離れた子供が欲しいと思っていました。あと、私が一人っ子なんですよ。なので絶対、兄弟は何人か欲しいなと思っていて。3人ぐらいいたら楽しそうかなっていう。2人だと1対1になるじゃないですか、なので、なんとなくバランス的に3人がいいなって。でも嫁はもういいでしょって言っていますけどね(笑)。
―あらためまして、お仕事内容を簡単に教えてください。
うちはウリドキネットという会社で、ウリドキというサイトを運営しております。ネット買取の比較サイトで、インターネットで皆さんが物を売るときにどこに売ると今なら一番高く売れるよというのがわかるサイトなんです。これが5月にモール型になったので、ウリドキの中で全て決済や連絡が全部完了する形態になりました。
―新しいことを試みる経営者として、かなりお忙しいですよね。
今は、おかげでバタバタです(笑)。ただ、このサービスはB to C とC to C にはあっても、C to B としては、おそらく世の中にないものなので、ここに今、挑戦しているところです。日本はご家庭の押し入れの中に、中古の品々が16兆円眠っているって言われているんですよ。例えば、携帯とかブランド品とか、本当だったら、どこかに売ればお金になるのにって言われてるものが16兆円も眠っているので、ここに我々はトライしているところなんです。
―そうすると、ご家族との時間はほとんどないのではないですか。
平日はあんまり家族と時間が取れていない状態で、夜、妻と遅い晩飯の時に、ちょっと付き合ってもらってるということが多いですね。でもたまに9時とか早めに帰れる時は、まだ娘や息子がお風呂に入ってなかったら、なるべくお風呂は一緒に入ります。
ただ、立ち上げてまだ一年ぐらいの会社なので、休日出勤も多いんです。それでも休みの日は、近くの公園に行ったり、お台場とか、簡単にちょっとドライブで行けるようなところに家族と行ったり、夏だったら娘とプールに行ったりと。私は出不精で、外出することはそもそも多くはないのですが、そういうことはしてますね。朝から晩までずっと一緒にいるっていうことではないんですけど。どこか3~4時間子どもと一緒に何かを共有するみたいなことが多いです。
―ちなみに家事とかお料理とかはされますか。
例えば、流しのものを洗っておくとか、そういうことはしますね。妻は今仕事はしていなくてずっと子どもたちといるので、やっぱり帰った時にきれいな時とすごく汚い時ってあるんです。まだ1才の息子と4才の娘なので。で、妻が力尽きて寝てしまった時は、なるべく片付けをしたり、シンクに溜まっている食器を洗ったりというのはあります。でも、本当にピンチヒッターぐらいしか出来てないんですけど。あとは定番ですが、ゴミ捨てはやります。
―子どもとの関わりの中で、取り立ててこれは良かったと思えることってありますか。
息子はまだ小さいので出来ないんですけど、娘と二人っきりの時間を持つというのはいいですね。2人きりでドライブに行ったりとか、娘用のお弁当みたいなのを持たせて、リュックに入れて、手をつないで近くの公園とか河川敷に行って2人でランチするとか、お風呂に2人で入るっていうのもそうです。お風呂入る時って体洗う以外やることないじゃないですか。それ以外することがないってことは会話しかないんですよ。
そもそも自分が子どもの時に親と遊んだっていう経験が実は僕あまりなくて。キャッチボールとかの経験も思い出がないんですけど、お風呂を親と入った記憶って色々覚えていて、ただ何十年も前のことなので、そこでどんな話をしたかを細かく覚えてはいないんですけど、親はよく色んな話をしてくれたなとか、ふと思い出すことがあって、それは自分の中で大切だったりするんです。なので、子どもに対しても、会話以外することがないような状況を作って色々会話をして、そういう体験を2人で共有たいというのがあるんです。もちろん、家族4人でする体験っていうのも大事なんですが、四人全員じゃなくて娘と父親、息子と父親、妻と夫という体験を共有していきたいというのがありますね。
―二人だけのささやかな体験を大事にされているんですね。
それはありますね。でも今後もっとやりたいなって思うのは、四季折々の体験、その時にしかできない体験ですね。他のお父さんって、家族でバーベキューに行ってとか、釣りに行ってとか、アグレッシブな方も多いじゃないですか。息子が大きくなると、自分もそうなって行くなと思っうんですけど、まだそこまで出来ていなくて、やっぱり四季折々体験の共有は今後もっとしていきたいなとは思っていますね。
―ちなみにお風呂の思い出というのは、お父さんとですか。
父親とも母親ともそれぞれとですね。なんの話をしたかは覚えてませんが、父親と母親で言うことがこんなに違うんだって思った記憶はありました。おそらく5才から7才ぐらいの頃だったと思うんですけど。ですからもうそろそろ、そういうことに気づき始めてもおかしくないですよね。普段一緒にいるのって母親じゃないですか。だから、休日に家にいる父の存在はちょっと異物なわけですね、娘からすると。だからこそ、なんかちょっと色々話したいなっていうのも私のほうにはあって、娘もそれを理解しているようなので、こんなことあったんだよって言ってきたりすることも多いんです。ストライダー飛龍とかあるじゃないですか。それが前は乗れなかったのに乗れるようになったんだって。そういうのは嬉しいですよね。
―もし仮に、お父さんから一つだけしか子どもに教えられないとしたら、お子さんに何を伝えますか。
これは私の座右の銘になっちゃうんですけど、爾今生涯(じこんしょうがい)ですね。ちょっと難しい字ですが。この言葉、いい時も悪い時も人生どこで区切ってもスタートラインだよっていう言葉として私は解釈しているんです。会社の調子がいい時でも、そこからがまたスタートラインだと考えれば、非常に謙虚に考えられるんです。調子が悪い時はたくさんあるんですけど、そのときでも、ここがスタートラインなんだって描ければポジティブな未来に向かって積極的に行くことができるんです。それと、もうひとつ爾今生涯の中であるのは、どこで区切ってもスタートラインってことは、今から始めて遅いことなんて何もない。これは私の人生の中でよくあって、例えば子どもの時に歴史が苦手教科があって、その教科を友達がすごく得意だとするじゃないですか。その子とライバルで受験で闘わないといけないってなった時に、今から歴史を勉強しても、この子に追いつけないから別の得意なところを伸ばしていってとかって考えますよね、それはそれでいいと思うんですけど、別に苦手意識とかを持たずに、今から歴史の勉強を始めればいいじゃないって思うんです。全然追いつけると思っていて、私なんて学生の頃は本当に歴史の勉強をほとんどしてなくてずっと赤点ギリギリだったんですけど、起業すると歴史の話が好きな人に会うことが多くて、それから色んな本などを読みはじめて、今ではなんでそんなに詳しいのって言われるぐらいになりました。
ビジネスでもやはりそうで、なんで今さらECサイトなんてやってるのとか言われていまして、以前はECで書籍の販売仕事とかしていたんですけど…。
―そのお話もぜひ。
今の会社をやる前って私、もともと学生の頃に起業しまして、10年間ECサイトを運営していたんです。今はその会社の代表を下りたんですが、「全巻読破.COM」漫画の大人買いサイトというサービスで、我々は紙の漫画本を売ってました。立ち上げた当初、もう時代は電子書籍だなんだということで、紙の媒体なんて今さら売れないよとかよく言われたんです。書籍領域の販売というのは、ほとんどアマゾンとか紀伊国屋が一位で、今さらそんなところに市場はないと言われてきたんですよね。でも、これからは電子書籍だ!ワー!って巷で騒がれていても、毎年我々は売上げを伸ばしていったんです。だから別に、時代の流れで今さら遅いというようなことなんてないんですよ。まさに爾今生涯です。やりたいことがあれば今からやればいい。
今回の"オトン"なビジネスマンは、
木暮 康雄さん
株式会社ウリドキネット CEO
神奈川県横浜市出身。
家族構成:妻、娘(4歳)、息子(1歳)
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