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子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない

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イベント

2016.3.22

こわがって、意地はって、大人になっていくのです。こどもって。

全国のお父さんにもっとこどもと過ごす時間を。

そんな想いから今回の「親子でたき火を囲むイベント」は開催された。

場所はJR大森駅からバスで30分の場所にある城南島海浜公園。

羽田空港を離発着する飛行機をバックに、実際に親子で火を起こすことからイベントはスタート。「火遊びはいけません」と育てられたこどもにとって、火おこしは特別なこと。

こどもたちが次々とトーチで火をつけ始める中、

おそるおそる火を点けようする小学生の男の子がいた。

「いいよ、一時間でも待つからがんばれっ」

となりで父ちゃんは笑ってこう言った。人生初の着火作業。

両膝立ちで背筋をピンと伸ばし“おがくず”に向かう彼は、

緊張と好奇心が混ざりキラキラした目をしていた。

トーチの先に火が付き、細々と煙が上がる。

建材として使われていた木は乾燥し、 あっという間に火が点く。

「おぉぉ、やったじゃんか」とはしゃぐ父ちゃんとは対照的に、 彼は一瞬ポカンとしていた。

そう、彼は“ガスコンロの安定した青い火”しか点けたことがないから、

“おがくず”に火が点いたことにピンと来ていなかったのだ。 間をおいて事態がのみ込めた彼。

すると今度は「この火はあまり熱くないよ、青くないからね」とドヤ顔で父ちゃんに教えていた。怖がりなのに意地になって父ちゃんと並ぼうとする姿は、今日一番の晴れ舞台。

父ちゃんの笑顔がクシャっとなった。   日も沈み少しひんやりしてきたころ、

父ちゃんに話を聞いてみると 「普段は家族そろってインドアです」とのこと。

やさしく、少し懐かしそうに見つめる先には、 こどもの手のひら以上のビッグマシュマロを焼き、

頬張っている息子の姿。 口の周りを白くしながら「火にはもう慣れたぜ」

と言わんばかりに笑う彼は一丁前に男の顔をして いるのだが、上の歯2本は生え変わり中。

そんな男前の彼に手を差し出すと、 ギュッと固い握手で応えてくれた。

「えぇ、握手するところを初めて見た」と、 最後に父ちゃんを驚かせた彼。

子どもって、どんどん成長する姿で周りを驚かせ、

ふとした瞬間に一歩大人に近づいた姿を見せてくれるのです。

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文・萱森 龍太

写真・川良 友香

主催:oton+to

協賛:コールマンジャパンビクセンセガフレード・ザネッティ・エスプレッソ

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父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。

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