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子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない

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子どもと会話

2012.10.4

父と娘 本棚の仲 1

「お母さんには反抗期みたいなのはあったけど、お父さんにはなかったです」

と話すのは、22才のMさん。

お母さんはとてもよく喋る人、お父さんはその逆。

お母さんが喋っているのをうんうんと聞いている人。

 

実家は愛媛の松山。でもお父さんは2週間おきの週末、つまり月に2回しか帰ってこない。

お父さんは銀行員で、松山から車で3時間ほどの支店に単身赴任だった。

それも、Mさんが幼稚園の年長さんの時から高校3年生の冬まで。

金曜日の夜11時ごろに車で帰ってきて、月曜日の朝4時半に家を出るという週末生活。

 

「たまにしか会わないから、子どもにいいところ見せたいって思っていたからかもしれませんね」

お父さんに対する反抗期がなかった理由を、Mさんはこう言った。

 

お父さんが帰ってくると、よく本屋に行っていた。お父さんと2人で。

本なら、なんでも選んでいい。Mさんは学校の教科書に載っていたようなお話が書いている本を探す。

スイミーとか。そして、その近くに並んでいる本を買ってもらったりしていた。

小学校1・2年生のころは、そうしてMさんが選んだ本を読み聞かせしてくれていた。

 

 

本屋は車で10分ほどのところ。大きな本屋さん。高校生のときは、

本屋に行くかって言われて、じゃあ行くって感じで一緒に車に乗って。本屋に着いたら、

1時間後に待ち合わせしようと言って、お互い好きな本を探していた。

 

本はいくらでも買ってよくて、行くと2人で1万円くらい買って家に帰っていた。

そしていつもお母さんにはまたそんなに買って!って怒られるというパターン。

 

「あと、私の部屋の本棚に勝手に本が並べられているんです。たとえば、安部公房が今度、

学校の課題になったと言ったら、次の日安部公房がシリーズでずらぁーっと並んでいたり、

私が法学部を目指したいと言ったら法律の本が並んでいたり」

 

「お父さんが高校生の時に読んだ本っていうのも、いつの間にか私の本棚に入っているんです。

俺は高校の頃、こんな本を読んでいたんだぞっていう感じで」

 

>>それについてはお父さんと話しするの?

「それはしないんですよね」

 

本棚の仲というやつか。

 

 

>>Mさんはそれ全部読むの?

 

「全部は読まないです。読むものもあるけど。日本沈没は疲れました(笑)」

 

松山が舞台の司馬遼太郎『坂の上の雲』がNHKで放映されるときも、

Mさんの本棚には全巻揃った。これもotonの仕業。そして未読(笑)

 

 

つづく

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