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お父さんの絵本ガレージ

2023.4.3

お父さんの絵本ガレージ  「新たな春、おめでとう」編

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入園式や入学式、始業式の季節ですね。新たな春を迎え、お子さんのこれまでの成長を、感慨深く振り返っているお父さんも多いことでしょう。お父さんの絵本ガレージ、今回は、お子さんが大切な節目を迎える時期に、一緒に読みたい絵本を集めてみました。子どもがいくつになっても、わが子の健やかな成長や幸せを願う気持ちは変わリませんが、親子で絵本を楽しめる期間は限られています。「おめでとう!」の気持ちを込めて絵本を贈り、2人でゆっくり味わう時間を過ごしてみませんか。父子で思い出に残る絵本との出合いがありますように。

 

① 『えんふねにのって』

作:ひがしちから 出版社:BL出版 発行日:2019年 

対象年齢:3歳くらい~

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わくわくの通園風景

「園バス」ならぬ「園ふね」に乗って

まきちゃんが、「まだかなあ・・・」と川岸で待っていると、舟がゆっくりとやってきました。川のそばにある幼稚園に、「えんバス」ではなく、「えんふね」で通っているのです。今日も川を下りながら、野いちごを発見したり、お魚にさわったり。でもこの日は、大きな丸太で川が塞がれてしまい、先に進むことができません。えんふねは、驚きの方法でこのピンチを切り抜けます。

2006年に刊行された、ひがしちからさんの絵本デビュー作の復刊です。子どもの頃、よく舟に乗って磯釣りに出かけたという作者が描く水辺の光景は、臨場感たっぷり!ここちよい風まで感じられそうなさわやかな世界が広がり、お父さんのファンも多い作品です。この絵本を読む度に、目の前にいる子どもたちが想像を膨らませて一緒にえんふねに乗り込み、瞳が輝きだす瞬間をたくさん見てきました。毎日の園までの道のりが、楽しい時間でありますように。

 

② 『たまごにいちゃん』

作:あきやまただし 出版社:鈴木出版 発行日:2001年

対象年齢:4歳くらい~

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殻を割るタイミングは人それぞれ

成長の節目に贈りたい絵本

本当はもう、たまごから出ているはずのたまごにいちゃんは、このままずーっとたまごでいたいと思っていました。だってたまごだったら、いつでもお母さんに温めてもらえるから。ところがある日、ハプニングが起きて、大切なたまごの殻にひびが入ってしまいます。成長に対する不安やとまどい・・・・・・子どもの繊細な心情を、ユーモラスに描いています。

大人気「たまごにいちゃん」シリーズの記念すべき1冊目。以前、幼稚園の年中さんクラスのお話会で読んだ時には、子どもたちからは笑いが起き、先生からは「これから年長さんになる子どもたちにぴったり!」という声も。ようやく殻から出てきたお兄ちゃんの姿を見て、「とってもすてきよ」とお母さん。「すごくかっこいいよ」と弟。そして最後に、たまごにいちゃんが自分自身にかける一言が、たまらなく愛おしく、胸を打たれます。

 

③ 『らんらん ランドセル』

作:モリナガ・ヨウ 出版社:めくるむ 発行日:2022年

対象年齢5歳くらい~

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200個の部品からできている!?

ランドセル絵本の新定番

「みてみて、これがだいすきなわたしのランドセル!」。子どもたちが誇らしげに紹介してくれるのは、世界中で日本にしかない特別なカバン、ランドセル。親にとっても馴染みのあるものですが、どんな生地から作られ、どんな風に縫い上げるのか、まだまだ知らないことがいっぱい。工場での詳しい取材を通して、ランドセルが完成するまでのプロセスを魅力的に描いています。

私の息子が年長さんになり、ランドセルを選ぶ時期にプレゼントした絵本。ラン活を盛り上げるために、もちろん新入学のお祝いにもおすすめ!およそ200の部品からできているというランドセルを作る工程は、親子ともに「へえ~!」「なるほど!」の連続。ルポイラストを得意とするモリナガさんが精緻に描く絵は、お父さんにも大好評。これから6年間を共に過ごす新しい仲間に、らんらんと気持ちが弾み、深い愛着を持てる1冊です。

 

④ 『1ねん 1くみの 1にち』

写真・文:川島敏生 出版社:アリス館 発行日:2010年

対象年齢:5歳くらい~

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学校ってどんなところ?

小学1年生の1日を追った写真絵本

写真家の川島敏生さんが、小学1年生の1日を写真で追った画期的な絵本です。朝の会、国語、算数、休み時間、給食、そうじ・・・・・・などなど。時間の経過と共に変化する教室内の様子を、定点観測で紹介。「ヒャー、しゅくだいがない・・・!?」「ぼくの虫かごかえして~」「せんせいあのね・・・」。子どもたちの自然な会話も吹き出しに書かれ、小学校の何気ない日常が楽しく表現されています。

この春入学する私の長男が、学校がどんなところか気になりだした頃に読み始めた1冊。全ページ、子どもにとっては新鮮で、親にとっては懐かしい光景が広がります。父子で読めば、「お父さんが小学生の頃はね・・・・・・」なんて思わず会話が弾みそう。何より、絵本に登場する子どもたちが、それぞれ個性豊かで輝いています。期待と不安の入り混じる新1年生の心を、優しくほぐしてくれるでしょう。

 

⑤ 『よい子への道』

作:おかべりか 出版社:福音館書店 発行日:1995年

対象年齢:6歳くらい~

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ジョーク満載の漫画絵本

読めば「よい子」になれるかも!?

小学生の日常や学校生活を元に描いた、ジョーク満載の漫画絵本です。「よい子」になるには何をしてはいけないのか、愉快な子どもたちが賑やかに教えてくれます。例えば学校からの帰り道で、かいじゅうを呼び出したり、ギターを弾いて歌ってはいけません。学級花壇に、秘密基地や温泉を作ってはいけません。してはいけないことがいっぱいで大変です。

1995年の刊行からずっと愛されてきたロングセラー。新たな春、新1年生はもちろん進級する子どもたちも、「もう年生なんだから!」という言葉をかけられやすい時期。親である私たちも気をつけたいところですが、何かとプレッシャーを感じる時こそ、親子でたくさん笑い合いたいもの。ユーモアに包まれた、子どもたちへのあたたかいエールが伝わってくる1冊です。続編『よい子への道2』、『よい子れんしゅう帳』も合わせて楽しめたら、よい子への近道になるかも!?

 
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選書:近藤麻智子 絵本専門士/フリーアナウンサー

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第1期絵本専門士、絵本セラピスト®、絵本講師の資格を活かして、メディアでの執筆、講演、イベント出演など、幅広く活動する。大人向けの絵本セラピー®のワークショップ「絵本のち晴れ」や、絵本の読み語りとヨガをコラボレーションした親子向けイベント「絵本ヨガ」を主宰。文章を書いた絵本に『絵本ヨガ 森のくるるん』(絵:齋藤槙/そうえん社)がある。oton+toでは、2018年よりお父さんにおすすめの絵本を紹介する「お父さんの絵本ガレージ」を連載中。札幌テレビ、新潟総合テレビアナウンサーを経て、現在はフリーアナウンサー。2児の母でもある。

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ブックハウスカフェ

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神保町のブックハウスカフェ店内には「お父さんの絵本ガレージ」コーナーがあり、 oton+toで紹介した絵本が並んでいます。

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