家族が幸せになる、お父さんスタイル

oton+to(オトント)

オトント

子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない

oton+to(オトント) > 特集 > 【夏休み】海川山森&キャンプ特集 > 夏だ!海水浴だ!のその前に。海の危険と気をつけるポイントを知りましょう。

【夏休み】海川山森&キャンプ特集

2019.8.3

夏だ!海水浴だ!のその前に。海の危険と気をつけるポイントを知りましょう。

夏です!海水浴の季節です。

オトン世代が子どものころ、またはさらに遡った世代から比べると

夏休みに海水浴をする家族というのは少なくなったようです。

それもそのはず、遊びたいレジャー施設なんかがものすごく出来ましたしね。

わざわざ、海風と砂でカラダがベトベトの遊びなんてイヤだわ、私たち。

という人がいるのもわかります!

 

でもね、私は、いや、我が家は海が好きなんですねー。

そういう家族は、我が家以外にもまだまだたくさんいると思います。

明日は家族で海水浴。やっぱりテンション上がりますよね。

そして、当日、シートを持ってテントを担いで浮き輪を首にひっかけて

歩いた先のダーっと開けた海。これはもうテンションMAXってなもんです。

子どもは一刻も早く海に入りたい。

オトンとオカンは、どこでシートを広げるか、テントを張ろうかパラソルを立てようかとビーチを見渡します。

「早く海入ろうよ!」

「ちょっと待て、まずは場所を確保してからだ」

オトンはオトンで、海を見ながら

ビールでも。と思っている人もいるでしょう。

 

そんなことから、この家族の海水浴が始まります。

もう一生の思い出になりかねない1日のはじまりです。

 

そんなウキウキ状態の家族に、オトンに、

楽しい海水浴の前に知っておいて欲しいことを

大ベテランライフセーバー

風間隆宏さんに話をうかがいました。

 

 

oton+to(以下oton)基本的なところから、海水浴で気をつけることを教えてもらえますか。

 

風間さん(以下風間):はい。まずはですね。海水浴場のエリア内で泳いでください。

そうではないところは、サーフィンや釣りなどいろいろなアクティビティをやっています。

それにそもそも安全を見守っている人がいないので。ライフセーバーがいる海水浴場では

必ず、彼らが見ているところで泳いでいただきたいです。

oton:ライフセーバーがいるところではというと?

風間:日本全国の海水浴場で、資格を持ったライフセーバーがいるのは、全国の20%弱なんです。

otonそのような監視をしてくれる人がいないところのほうが多いんですね。

風間:だから自分自身が守らなければなりません。これはライフセーバーがいるところでもそうなんですが。子ども連れだと親が子どもを守らなければならない。

oton親自身がライフセーバーにならなければならないといことですね。

風間:その通りです。親が子どもから目を離してはいけません。

 

oton確かにそうですね。海に入る前に確認しなければいけないことってなんですか。

風間:様々ありますが基本的なこととして4つあります。まずは波。波は場所によって大きさが違います。

そして周期がある。波が小さいなと思っても、何分かおきに3〜4倍の波が来ることがあります。シートを敷く場所を探しながら、着替えながらでもいいので、10分くらい見てもらえると1番大きいのがくるので、それがどのくらいかを把握しましょう。

oton2つめは?

風間:風ですね。海から陸に吹いている風か、これをオンショアといいます。

陸から海に吹いている風か、これをオフショアといいます。

どっちに吹いているかをチェックしてもらいたいです。

オフショアだと、ビーチボールやシャチが沖に流されることがある。

オンショアだとそのリスクは低いけれど、波がいたるところで崩れてしまい、

泳ぎにくく、監視もしずらいんです。

そして、風は時間で変わるので、常に確認をすることが大事ですね。

 

DSC08329

風間隆宏さん。神奈川県藤沢市の西浜サーフライフセービングクラブ副理事。ライフセーバーの大ベテラン。2児のオトン。

 

 

 

oton3つめを教えてください。

風間:干潮と満潮ですね。海で遊んでいる時、今は干潮に向かっているのか

満潮に向かっているのか。

干潮から満潮に向かっているときだと、はじめは浅いからかなり沖の方まで行ってしまって、いつの間にか足がつかなくなっているということが起こります。

それと、これは海水浴あるあるですが、

自分たちのシートを敷いているところに帰ってきたら、海水でびっしょり濡れている。

ビーチサンダルが海の中へ。帰る靴がないとか。そういうことがあります。

わからなかったらライフセーバーにきいてもらえれば海の状況を教えてくれます。

それと、海の家が立てているビーチパラソルの最前列は、海水が来ないラインです。

そのラインより陸側にシートを敷いてもらえればよいかと。もちろんパラソルを借りてもらってもいいですw。

otonでは最後の4つめは?

風間:はい。海には流れがあります。横に行く流れや沖に行く流れ。

特に注意が必要なのは、沖に行く流れ。これをリップカレント、離岸流といいます。

海水浴場の事故の約6割がこのリップカレントです。

これは波があるところ、どこでも発生します。海水浴場の中でも発生します。

突堤とか構造物があるところはそれに沿ってリップカレントがあります。

ビーチはその時々の地形によって場所が変わるんです。

 

DSC08343 DSC08352

 

oton見てわかりますか?

風間:はい。波を見ていると、波が崩れているところの中に一箇所

崩れていないところがあります。そこは、ほかより深くなっていて

打ち寄せられた波がその深い場所を通って沖に戻っていくんです。

よく勘違いされます。

ここは波が崩れていないから安全な場所だと。

違います。そこは深くて、沖に流れていく力が強い危険な場所なんです。

otonどのくらい流れが強いんですか?

風間:早いところで、2m/秒のスピードです。つまり100mを50秒。

水泳オリンピック選手並みの速さです。

otonもしリップカレントに乗って沖に流されてしまったら?

風間:まずは焦らないこと。そして、先ほど行ったようにとても早いスピードなので

その流れに逆らって、まっすぐ岸に戻ってくることはできません。

だから、一旦横に泳いで、カレントから逸れるんです。

リップカレントの幅は大きくて約30~40m。

リップカレントの真ん中にいたとしたら、20~25mを横に泳げば外れます。

リップカレントの両サイドは、逆に岸に向かう流れが強かったりするので岸まで戻りやすいんです。

img12

資料提供:日本ライフセービング協会

 

otonなるほど。この4つをまずは理解しておくことですね。

風間:はい。

otonそれと、実際ビーチでライフガードをしていて、よくあるケースとかあれば教えてください。

風間:はい。やはり迷子は多いですね。迷子には2つのパターンがあるんです。

ひとつは、子どもが泣きながら浜辺を歩いているパターン。

もうひとつは、親が血相変えて子どもを探しているパターン。

ライフセーバーとしては、やはりふたつめが怖いです。

よくあるケースとして波打ち際で子どもを遊ばせて、お父さんは浜辺で缶ビールをプシュ。

お父さんとしては最高のシーンかもしれませんが、どうしても子どもから目を離してしまうんですね。

そしてライフセーバーが探して、迷子の子が見つかりアナウンスをする。

お父さんお母さんが、ああよかったとやってきますよね。

otonはい。

風間:そこでまたよくあるケースなんですが、お父さんお母さんが子どもを怒り出すんです。

otonそれはやはり命にも関わることですから。

風間:そうなんです。命に関わることなんです。だから目を離してしまった親が悪い。

これは親の責任です。

だから、そういう場面では、私は子どもを怒っていてるお父さんお母さんに、このことを申し上げています。反省しなければならないのはお父さんお母さんですよと。

海水浴場は、本当に楽しいところなんです。でも、テーマパークや遊園地と違って、目を離すと事故、死に直結するということを肝に銘じていただきたい。

あと、もうひとつ、これは絶対ではないんですが、迷子になった子というのは、風下のほうで見つかることが多いんです。

oton:へぇー!

風間:波打ち際で遊んいるときも、風下のほうにいつのまにか動いていて、ハッと気付いたときに、風下のほうに向かって歩き出すようです。もともと自分がいた場所、お父さんお母さんのいるところを探して。

oton:お父さんお母さんがいるところを探す、その時、風上に向かうより風下にふらふらーっと歩いていくのはわかる気がします。

DSC08357

 

otonその他、1年のうち、海には数回程度しか行かない人たちになにかアドバイスがあれば。

風間:そうですね。海に入るときの入った場所と何分かして、今遊んでいる場所を確認されるといいと思います。先ほど言いましたように海には流れがあります。遊んでいるうちに流されてしまうということを把握しておく。これ、やはり海で遊ぶ機会のない人は自分が今どこで遊んでいるかを把握できないんです。

otonなるほど。今の状況を把握しておく。オトンに必要なことですね。あとお聞きしたいことがありました。よくビーチボールとかシャチとかがどんどん流されていってそれを泳ぎながら追いかけているという光景を見ることがあるんですが、、、。

風間:それは諦めることですね。と言いますか、本当に沖に流されているときは諦めてください。空気で膨らましたものは風でどんどん流されます。それを人が泳いでおいかけて捕まえるということは無理です。

i320-1

ただ、沖ではなく、横に流されている場合。これはやり方があります。当然、流されているのを後ろから泳いで捕まえることは、ほぼできません。でも1度、岸に上がってしまうんです。岸に上がって、浜辺を走って先回りする。そして流れてくるところを待ち構える。これだったら捕まえることができます。

otonなるほど。いいこと聞きました!その発想にはなかなかいかないですね。

風間:海を泳ぐといえば、やはりプールと海は違います。いくらスイミングスクールに通っていて、自分は泳ぎは得意だと思っていても、そのまま海で通用するとは思わないことです。

私自身、小学校の頃、怖い経験をしたことがあります。それは湖だったんですが、私、スイミングスクールで選手コースに入っていたんです。それこを1日の練習で何千メートルも泳ぐようなことをしていました。

ある日、親と湖に行き、ボートに乗ったんです。

ある程度岸を離れてから、ここから泳いで岸に戻るといって飛び込んだんですね。

でも途中、あっ、ここ足がつかないんだ。ということを実感してしまって、そこからパニックになるんです。

そして手足バシャバシャで溺れている状態です。でも親は息子は水泳が得意だと思っているから、

まさか溺れているとは思わない。だから助けてくれなくて。近くにいた人が、これはなんだけおかしいぞということで助けてくれたんです。

だから自分は泳げるから、スイミングスクールに通っているからといって過信してはいけません。

otonなるほど、ありがとうございました。

 

 

風間:いままで危険に関することばかりお話したんで、最後にオススメの遊びについて話していいですか。

otonぜひ!

風間:ボディサーフィンがオススメです。カラダひとつで波にのる。

コレ、お父さんができるとかっこいいです。

子どもも一緒にできます。波とのタイミングがポイントです。

(海を見ながら)今日の波なら3時間遊べますw。

でも海水浴場というのは、サーファーもいないので波に乗り放題なんです。

まだまだ知らない人が多いんですけど、ボディサーフィンをやっていると

ライフセーバーが見ていて「この人は海を知ってるな」という感じになりますねw。

そして、これはやればやるほど奥が深いです。

たまに、高校生ぐらいのヤンチャな子が海にいるじゃないですか。

あそこのブイまで泳ごうぜ!とかどんどん沖にいってしまうような。

そういう子たちに、ボディサーフィンって知ってる?って話しかけて

やり方を教えたりすると、みんな結構ハマりますね。

5人中、ひとりくらい上手い子がいたりして、『オマエ、スゲー!」とかなって。

そうすると、沖にいかずに波の割れる岸の近くでずーっと遊んでいるんですw。

otonボディサーフィン、面白いですよね。実は私もやっています。

風間:おお、そうですか。これはオトンたちにオススメですよね。

otonはい!今日はありがとうございました!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

私が小学6年の夏休み、友達が帰省した田舎の海水浴場で溺れて死んでしまいました。

夏休みに四国の海に行くんだと言っていて、夏休みが明けたときには彼はもういなかったんです。

楽しみにしていて、その当日も楽しく泳いでいたんだと思います。

海水浴、冒頭にも書いたように、まさに一生の思い出になるような出来事だと思います。

そんな楽しい絶頂で亡くなってしまった。

海水浴場に言って溺死するといのは、楽しい絶頂から悲しみの絶頂なわけですよね。

 

oton+toでは、海遊びに関するコンテンツがいくつもあります。

できるだけたくさんの人に海で楽しんでもらいたいと思いますが、

まずは、ここで書かせていただいた、海の危険、注意事項をしっかりと

理解していただければと思います。

今年の夏が、みなさんにとって最高の夏となりますように。

img13

資料提供:日本ライフセービング協会

 

 

 

 

 

「いいね」いただくと、oton+toの更新情報がFacebookのタイムラインに表示されるようになります
oton+to Facebookページ

oton+to編集長 布施太朗が本を出しました!
書籍のご紹介

祝!第4刷決定!

父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。

布施太朗・著¥1,300(税抜)

いいねいただくと、oton+to更新情報が
Facebookのタイムラインに表示されます