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子どもと会話

2013.11.12

それ、信頼残高っていうのよ。

うちの長男、コタは小6。

なんやかんやオカンとケンカすることも増え、

弟、妹にえらそうなことを言うことも増え、

苛立つこともあったり、

俺は悪くないの一点張りだったり、

まあそんな年頃っていうひとことで

まとめることもできるのかな?これ。

 

いままではオトンは放っておくことも多かったけど、

たまに「うるせえな、向こう行ってやれ」とビール飲みながら

ちびまるこちゃんの父ヒロシな感じで怒ったりしてたけど、

最近はそういうとき、コタと話をすることも増えてきた。

こないだなんかは、信頼残高のはなし。

 

子どもら、パズドラが好きで、ゲームやっているんですけど

ひとりずつ時間が決まっているんです。ひとり1日15分。

オカンと決めたようです。

 

ある日、コタがゲームをしているそばで、妹がコケたんです。

ちょっと派手めに。

コタが床に放っておいたタオルを踏んづけて。

すっコロンで、おでこ打って泣いている妹をちらりと見ただけで

ゲームを続けるコタ。

「おい!ちょっと待て」とオトン、いや、オカン。

「アンタがそんなとこに置いてるから、コケたんでしょう。ちゃんと謝んなさいよ!」

怒られた。

「あー、ゴメン」

ゲームの画面から目を離さず言うコタ。

「なに、その謝りかたは!」

コタ、ゲームの手を離して、ようやく妹に謝った。

がしかし、オカンはさらにヒートUP!

「もうゲームなんかやめなさい!」

ゲームの残り時間は10分ほどか。

「なんでだよ。それとこれとは話が別じゃん」

コタが言う。

「いや、もうとにかくやめて!」

と、オカン。

「これとは関係ないじゃん!!」

コタもヒートUP!

 

 

これね、まずコタの根っこにある優先順位がゲームなんですよね。

そして1日15分、っていうのは、結構シビアにやっているから、

余計に15分はコタにとっては大事な時間になっているんです。

 

だから妹がコケたときも、ろくに謝りもせず、ちょい人ごと、知らんぷり。

自分の放っておいたタオルだっていうことだということを思っていない、というか

そのへんのところをなにも感じていない。

自分の持ち時間15分を目一杯やろうと意識になっているから。

 

なんかこれはイカンなあと。

 

本来なら、

「ああ、俺がここに放っておいたからだ。ごめんな。おでこ大丈夫か」

って言うとこだろう。

オカンもそのことに怒っているんですけどね。

平行線のケンカみたいになりつつあったんですわ。

 

でもコタの理屈からしたら、それとこれとは話は別。

さっきちゃんと謝ったんだから、それはもうおわりじゃん。

15分やっちゃダメだって、そんなのルール違反だぞ。

 

とりきめたルール、シビアに守っている15分、

これ、15分やる権利をとにかく主張しているんですわ。

 

んー。

 

コタに聞いてみました。

「コタ、ここでその権利を主張して、オカンいいって言うと思うか?」

怒っているコタは

「いいとかじゃなくて、ルールじゃん!」

「ルールっていうのは、オカンも分かってると思う。でもなんでイイって言わないと思うかわかるか?」

「わかんねえ!」

「今、ゲームをしているコタがオカンに信頼されてないからやと思う」

「?」

「ゲームをしているコタは、人のこととか考えられない人になっているってオカンは思っているぞ」

「そんな中、ゲームをやる権利だけを言ってもダメだと思わんか」

「んー」

「これ、信頼残高がマイナスになっているってことなのよ」

「?」

「信頼がなくなっている人は、ただ普通通りにやっていても信頼が回復するってことはなくて、

今のコタの場合、ゲームでこうなったのに、さらにゲームをやらせろっていう主張しか

してないやろ、それは逆効果ちゃうか。オマエがオカンやったらどう?」

「そう思う」

「これは自分の撒いた種や。こういうときは残り何分あろうが、ルールだろうが権利だろうが

そんなことばかり言ってでも信頼はマイナスになるだけで、もう今日はゲームやらない。

反省を行動にするっていうか、

んー、そやな、今のオマエからしたらガマンするっていうか」

っていうような話をしたんですわ。

コタは最後

「ああ、うん、わかった」と。

 

今までだと、

「ゲームしていて、謝ることもできないようだったら、もうゲームなんかダメ!」

的な話だったと思うけれど、

 

大袈裟かなと思いながらも

信頼残高を回復するためには、どうしたらいいのか。

というような話を、ちょっと

小6のコタには言いたくなったんですよね。

 

 

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こないだ、服屋でコタが自分で選んだカラージーンズとベルト。

とうとう洒落っ気づいてきよった。

 

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