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妻が言ってました。兄妹には助けられたと。私たち親が出来ないことを自然にやってくれたって。【最終回】【家訓づくり 子育て 家族ブランディング】
不動産会社経営 櫻井 規雄さん
家族構成:妻、息子(小6、小4、年長)、娘(小1)
【オトンの流儀とか】 今回は不動産会社を経営されている櫻井さん。4人のお子さんのオトンです。櫻井家には家訓があるそうです。お子さんが生まれる前からご夫婦で話をして作ったのだとか。お子さんを叱る時、どうしても理詰めになってしまうことを改善したい櫻井さんですが、最近、学校で起こったあることがきっかけで、次男の子とベッドで話をするようになったのだとか。いいお話を伺えました。最終回です。
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
第3回やっぱり彼の一番のファンというか、一番近くにいるのは家族。
―櫻井家のルールはありますか?
一応、家訓があるんです。フェイスブックに以前書いたことがあるんですけど「いつも綺麗で楽しい我が家」というのがうちの家訓です。なぜ、「いつも綺麗で」というのが最初にきたかというと、整理整頓、自分のやることをやる、そういうことがキチッとしているほうが考え方もちゃんとするじゃないですか。それは自分が仕事する上でポリシーなので。そして楽しくないといけない。だから「楽しい我が家」。「いつも綺麗で」というのも、皆が綺麗にしようよという発想だったら、家族関係は悪くならないと思うんです。一人だけがずっと綺麗にすることは難しいですね、皆が暮らしていますから。そういうのをまだ子どもがいる前から2人で話をしていて、うちはそういう家庭を作ろうぜ、と言っていました。
―なるほど!「いつも綺麗で楽しい我が家」。お子さんが生まれる前から家訓ができていたんですね。ちなみに、楽しくあるために、どういうことを心がけていますか。
譲り合いとか基本的なことです。うちは6人家族なので、やりたいことを主張し合うと皆できなくなっちゃうんですね。だから、自分のことはとりあえず一旦我慢しようっていうのは、よく言っています。ただ、それが我慢させすぎにならないようにだけは気をつけようと夫婦で話しています。常にお兄ちゃんは我慢とかありがちじゃないですか。そうならないように気をつけないといけないなと思ってますね。
―次男の子はどういう子ですか。
まさに、次男気質ってやつですね。内弁慶、あと調子いいし要領いいです。でも今、学校に行きたくないって言うんです。調子いい、要領がいいのが裏目に出ているのか、実際に登校拒否をしたこともありました。重症じゃないんですけどね、その時はどうしても今日は行きたくないというので部屋にこもっちゃって。無理矢理連れていこうと思えば行けたかもしれないですが、本人がそうやってそこまで自己主張したのは初めてだったので。じゃあ、と一旦受け入れて、先生にもこの状況をそのまま連絡したんです。そうしたら、先生からも、ちょっと学校で色々とあったんですと。仲間はずれにされたりとか、叩いたりとかなら分かりやすいのですが、そうじゃなかったんです。次男は要領がいいから、意外と人気者になったりして、運動神経もいいので小学校だと人気者になりやすいじゃないですか。ところが転校生が現れたんです。すごくいい男で、かけっこが速くてドッジボールもすごくうまい。その男の子に目をつけられたというか。うちの息子はコウユウっていうんですけど「コウユウはこういう部分が良くないよね」ってみんなの前で言われたりというのが重なって。確かに、これまで要領よくやってきたコウユウもいけない面があると思うんです。それまで学校がすごく面白かったのが、その彼には太刀打ち出来ない状況になっちゃったんです。学校が面白くなくなっちゃったんです。でも今は少し復活してきたという段階ですね。
―そうですか。どんなきかっけで復活されてきたんですか。
その世界だけじゃないんだというのに気づき始めたというか。別に学校だけじゃないじゃないですか。サッカーに行けばサッカーの友達もいるし、スイミングだったらスイミングの友達もいて、しかも同じ学校の中でも、休んだ時には心配してくれる子もいます。相手に言い負かされちゃうとか、何をやっても勝てないとかっていう状況で、段々嫌になって卑屈になっていたのが、別にその人に仮に勝てなかったとしても、何かを言われても、そのことをそんなに気にする必要がないんだというふうに徐々に思えてきたのかなと。
―なるほど。
難しいですけどね。親としては、どうしていいのかなと答えが出せなくて。苛める側、苛められ側の当事者になるという意識もなかったので、いざ、そうなった時に親として何ができるんだろうとかと。
―その時にかけた言葉とかってありますか。
その時だからというわけじゃないですけど、やっぱり彼の一番のファンというか、一番近くにいるのは家族だし、君が思ってることでお父さんが知らないことがあったら、お父さんとしても悲しいから、なんでも言って欲しいと。そうやって話しかけて聞くようにしていましたね。
―喋ってくれました?
そうですね。あとは兄妹の良さもそこで出たかなというか。次男がそういうふうに弱ってるのを、兄も妹も見てますから、家にいる時はすごく盛り上げようとしてくれたんです。それには妻がすごく救われたって言ってました。親が出来ないことを兄妹が自然にやってくれたって。
―いいですね、兄妹。最後になりますが、お子さんに一つだけしか伝えられないとしたら?
一言だったら感謝という言葉ですね。やっぱり感謝を持てる人間になって欲しいので。それはもう友達にしてもそうですし、先生にしてもそうですし、今、置かれている環境にしてもそうだと思いますし。それぐらいですね、一言だと。
―ありがとうございます。素敵なお話でした。その次男の子が学校で嫌な思いをしたっていうようなところは書かせて戴いても大丈夫ですか。
はい。それは自分の中でも大きな出来事だったので、うまく話せたか分からないですが。少し付け加えると、そのことがきかっけで、次男と一緒に寝たりするようになりました。小さい頃はよく一緒に寝ていましたが、小学校入ったら「もうお兄ちゃんだからね」っていうことで一緒には寝なくなったんです、下の子達もいますしね。でも、私のベッドに来て話すようになりました。
―ああ、ベッドで話をしていたんですね。
子どももちょっと落ち着くんですよね、親と寝ると。あとはさっきの話の繰り返しになっちゃうんですけど、本当、うちはお兄ちゃんと妹に救われましたね。
今回の"オトン"なビジネスマンは、
櫻井 規雄さん
株式会社ブロードブレインズ 代表取締役
家族構成:妻、息子(小6、小4、年長)、娘(小1)
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