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子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない

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人材系グループ企業経営 東京都港区&福岡県福岡市在住 蔵元二郎さん(41歳)
オトンの流儀とか
ビジネスマン編 Vol.05

娘とは恋人のような関係でいたいんです。

人材系グループ企業経営 東京都港区&福岡県福岡市在住 蔵元二郎さん(41歳)

人材系グループ企業経営 東京都港区&福岡県福岡市在住 蔵元二郎さん(41歳)

家族構成:妻、娘(中3)、娘(中1)、息子(小2)

聞き手:oton+to編集長 布施太朗

―ちなみに蔵元家のルールってありますか?

そんなに特別なものはないですけど、晩酌ですかね。長女が2歳のときから、「おつかれさま」って言いながらパパにビールを注ぐっていうのを決めたんです。娘が2〜3歳のころって一番かわいいんで、もう最高のホステスです(笑)。次女が小学生になったころは長女と次女で取り合いでしたね。「私がやる私がやる」って。「大丈夫。パパいっぱい飲むから安心しろ」って(笑)。

―その晩酌はいまでも続いているんですか。

はい。ずっと飲んでるんで(笑)。今は息子が晩酌してくれます。

―もしお子さんにひとつだけしか教えられない、伝えることができないとしたら何を言いますか?

人生は自分が思い描いた通りになるんだよってことはずっと言っています。思った通りになると思えばなるし、ならないと思えばならないと。たとえば、「運動会の練習、上手にできそう?」って聞いたとき、娘が「うーん、わかんない。◯◯がイヤなんだよね」とか言ったときに「イヤと思えばイヤだろうし、イヤじゃないと思えばイヤじゃない。なんでも自分が思った通りになるんだよ」って。逆に質問されるときもありますよ、「パパ、しごと大変?」と。「大変と思えば大変だし、楽しいと思えば楽しい。パパはしごと楽しいと思っているよ」と言っています。

―パパの仕事のスタンスですね。

そうですね。長女が幼稚園の頃から、パパが何の仕事をしているのか、どんな状況か、何を目指しているのかを、娘に言うことを心がけていました。全部は理解できなくても、理解できる範囲で少しずつ理解していくだろうから、ちゃんと話したほうがいいなと思って継続しています。

―お子さんには、どんなふうに仕事の説明をされていたんですか?

社長の先生だよって。いろんな社長さんにいろんなことを教えているんだよって言っていました。

―それは分かりやすいひとことですね。あと蔵元さんの子育てって、ひとことでいうと何ですか?

そうですね。すごくつまんない言い方をすると、マネジメントと一緒だなと。人材育成の仕事なもんで。ただ、あまり育てるという感覚はないんです。子どもに対しても社員に対しても。伴走という言い方が近いかもしれません。子どもが走っているのを私は引っ張らない。伴走しながら「もうすぐ交差点だけどどっちに行く?右に行くんだったら右でいいよ。パパも付いてくよ」って。

蔵元二郎さん

―とにかく尊重している?

そうですね。Bing認証 とDoing認証って言います。Doingを求めるとリクエストになってくると思うんです。それで褒めてまたリクエストして、お互いそれを繰り返す関係。それはストレスになると思うんです。それよりもBing。存在に感謝できて、存在していることに喜びを見出せれば、子どもとの関係はもちろん、社員との関係、取引先との関係もスムーズになるというか、安らかになるんだと思います。存在することを受け入れあっていなかったら、仕事にも家庭にもなにか問題が起こったりするんじゃないかって。

―そういう考えになってきたのはいつ頃からですか?

夫婦っていうのは他人なんだと痛感したことがあったんです。3人目、男の子が欲しくて、3人目をつくろうと言ったら、奥さんが、もう妊娠と出産はイヤだって。ん?って思ったんです。これ多数決とっても1対1だし、この場合どうするんだろう?って。そしたら奥さんが、「どちらかの考えが変わるっていうこともあるかもしれないから、今決めなくてもいいじゃん」って。ちなみにその時、「じゃあ、外でつくってもいい?」って聞いたらそれはダメだって(笑)。まあ、当然ですよね。そしたら数年して、奥さんが「もうひとりいいかな」って言ってくれて。幸い男の子が生まれたんです。

―それはよかったですね。

でも、今度は名前で揉めまして。そこで私はまた勘違いしたんです。父親である私が子どもの名前をつけるもんだと思っていたんです。私、蔵元薩摩(さつま)にしたかったんです。すごいインパクトのある名前じゃないですか?気合も感じるし。大人になって名刺交換したら、絶対に名前覚えてもらえると思ったんですよ。でも、蔵元家にとって男の子の初孫だということで、奥さんは祖父の名前から一文字を必ずもらうと言って、、、。薩摩をイヤだイヤだと言うんで、「分かった。じゃあ薩摩と会津と好きなほうを選べ」って(笑)。お話にならないって言われましてね、私、最後まで粘ったんですけど、最後は私が折れました。ああ、夫婦とはいっても、究極的には別の人なんだって思って。そういうことがあってようやく尊重できるようになったのかもしれません。

―気づきはいつも勘違いからはじまるんですね。

はい。家族を養っているから私がCEOだという感覚があって、社長命令だ、言うこときけみたいなのがあったようで。ずっとそういう中で育ってきたので。でも「あっ!違うんだ!」と。

―そういう中というと?

私が子どもの頃の蔵元家では、食卓では父親が先に食べはじめて、母親はみんなが食べ終わるころに食べ出すんです。そして、東京の人がきいたらびっくりするような大声で、「おおい!醤油がねえぞ!!」って。あれだけは絶対にやめようと思ったんです。それで、結婚したときに最初に気をつけたことは、奥さんのことは名前で呼ぼう。いまはあだ名で呼んでいるんですが。醤油なんかできるだけ自分でとってきて、とってきてくれたらありがとうって言おうって。今では、奥さんには「あだ名で呼ばれることがイヤだ」って言われているんですけど(笑)。

そういえば、子どもたち、いつのまにか奥さんのことを「お母さん」って呼んでるんです。そして気がついたら私も「お父さん」って呼ばれるようになっていて。私、娘と恋人でいたいんで、「お父さんじゃなくて、パパって呼んで」って言って。だからウチはお母さんとパパです。

―あははは! やっぱり恋人の関係がいいんですね。

あっ、そういえば最近マイブームがありまして、居酒屋とかで娘にお酒をもたせて写メを撮るんです。次女にビールを持たせたり、長女に日本酒を持たせたり。

―それ、恋人というよりキャンペーンガールですね(笑)。ありがとうございました。

蔵元二郎さん

今回の"オトン"なビジネスマンは、

蔵元二郎さん

BNGグループ 代表取締役グループCEO
鹿児島県鹿児島市出身。
家族構成:妻、娘(中3)、娘(中1)、息子(小2)

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父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。

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