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子どもに力を入れられる環境で、仕事をどうやるかっていう考えになっちゃうんです。
IT企業経営 東京都墨田区在住 須藤公貴さん(34歳)
家族構成:妻、息子(小2)
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
―それを知った時はどんな気持ちに?
青森から来てくれて説明を受けた時、もう感謝しかなかった。よくあんなにスキーやらせてくれたなっていう気持ち、育ててくれたっていう想い、本当にありがとうっていう思いでしたね。
―今はどこにいるかも全然わからないんですか。
わからないです。調べた時の名字と名前と住所は一回見た気はするんですけど、それ市役所か、子どもの児童相談所っていうか、そういうところに行くと一応、紹介はあるんですけど、そこにいるかどうか分からないじゃないですか、古いんで。なので、今もわからないです。東京にいるかもしれないし青森にいるかもしれないし。
―育てのご両親は、いつか話をしないとって思っていたんですよね
いつか話をしないととずっと話していたそうです。説明されたその時に、「あの時、言おうと思った、あの時、言おうと思った」って。そのタイミングが大体、高校卒業、二十歳、大学卒業の時なんですよ。でも、言えなかった。「言えなかった」って言って。ずっと言えないんだって。それで結局、26才の時になりました。戸籍謄本見れば分かるってことはわかっているじゃないですか。だからもう時間の問題だと思っていたと思うんですけど。
戸籍謄本見た時、オレも最初は飲み込めなくて、親も「とりあえず行くわ」って言って翌日すぐ飛行機で飛んできたので、妻と一緒に話を聞いて大号泣でした。
―ご兄弟は?
いないです。兄弟いるかもわからないですよ。全然分からないです。ちなみに生んだ母親は17歳でオレを生んでるんで。高校二年生ぐらいですよ、生んでるのは。34+17だから51才です。若いんですよ。この先、とりあえず落ちついたら探そうかなみたいなことは思いますね。超ワクワクしてるんですけど。
妻には、もうちょっとしたら旅に出るわって言っているんです。ちょっと探す旅に行くわって。意外に早く見つかるかもねって話かもしれませんが。すみません、これが自分の根っこにあるんですよ。
―ここまで子どもと一緒の時間を過ごしているベンチャー企業の経営者ってそうはいないと思います。
よく児童相談所に預ける親がいるじゃないですか。もし、オレがその場の親を見たら怒ると思うんですよ。頑張って育てろって、多分言うと思うんですよ。育てていれば絶対、子どもはよく成長してくれるから諦めるなって言いたいし、そこで手放したら、オレが二才ぐらいなのかな、そうなったのが。二才の時に引き取られたんですよ。なので、その一番苦しい時に我慢すれば絶対、子どもはいい子になるから、預けようとする前に一呼吸して真剣に向き合ってくれって。今、なかなか子どもができない環境が多い中で、やっぱり出来たものは最後まで責任もって育てて欲しいなっていうことをすごく思うんですね。
―育ててくれたご両親は、もともと全く血のつながっていない人? 親戚とかでなく。
はい。ちょうどその時に何名かいたらしいんですよ、その相談所に僕を含めて子どもが何人かいて、その時ね。面会に来た時にこの人だって思ってくれたんだって、その今の育ての親が。もう、この子しかいないって、直観的に。で、僕もなんか顔似てるなと言えば似てる気もしてたんですけどね、育ての親と。なんか鼻が似てるなとか思っていたんですよね。何も違和感なく。似てるって思っていた分、よく分からなかったよね。実の子じゃないって言われて。だって似てるじゃんと思うんだけど、えっ?似てないのかな?みたいな感じになってしまって。
―ちなみに、その青森の今のご両親は何をされているんですか。
親父は元々ずっと市役所の公務員をやっていました。母親は僕が生まれる前までは保母さんで、僕が生まれてからは僕の面倒を見てくれたんですけど。
―スキーは何才から始めたんですか。
僕は6才、小学1年生から滑らせてもらって。
―お父さんもやっぱりスキーを?
それが全く両親二人ともダメですね。全然ダメ。なんでやらせたのって聞いたら、雪国だから滑らせないとなって思ったからやらせたって言ってたんで。で、小6でやめる予定だったんですけど、それが優勝しちゃったんですよ、たくさん。
そして今度は、中学校でやめるって約束したんですよ。そうしたらまた結果が出ちゃって、高校は推薦で入るんですよ。高校まで行ったら大学もその流れで行っちゃうんですよね。
―国体に行かれたんですよね。
はい。去年も国体出てます。東京で。だからもうずっとですね。そして今子どもに教えているっていうね(笑)。
―ちなみに今、子育てについて何か失敗したなって思ったことなどありますか?
いえ。今、後悔ないですから。そうですね、ほぼほぼ、やるだけやっているのかなっていう。でも、まだやりきれていないないから、これからまだまだやるぜっていう気持ちですね。
―やりきらないことっていうのは?
勉強が足りないんですよ、子育ての勉強がまだまだ足りなくて、どういうことかっていうと、今、子どもはスキーで世界を狙っているんです。でも自分は国体選手。オリンピック選手じゃないのでレベルがまだまだ全然足りないんですよね。スポーツの勉強なり、あと教育の勉強なりっていうのが足りないので、そういうのをもっと僕自身が知識的に入れていかないと思っているんです。僕ががんばれば、たぶん子どもは伸びるかなって。だから今、僕が努力中なんですよね。先週、石川遼のお父さんと錦織のお父さんの本。スキーでいうと佐々木明っていう銀メダルまで取った人の本と、この3人の本を先週買ったんですよ。で、今から彼らの親父学をちょっと学ぼうかなと。
―あらためて伺いますけど、須藤さんにとって子育てって何ですか。
エンタテインメントですね。もう、答がなく苦労もするけど、やっぱり感動も大きいものかなって考えると、エンタテインメントかなっていう、もうワクワクしかないっていうね。
―ワクワクしかない?
はい。ワクワクしかない。全然、行き詰らない。最高ですね。これ以上楽しいものはない。そうですね、楽しいです。ラブラブですよ、いまだに、男の息子なのにラブラブですよね。イヤがられてもおかしくないのに、全然もうラブラブ。愛し合っていますよ(笑)。
今回の"オトン"なビジネスマンは、
須藤公貴さん
株式会社BlackStone 代表取締役
青森県黒石市出身。
家族構成:妻、息子(小2)
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