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オトンと仲間さんの記事
2019.8.28
音楽が聞こえる歯ブラシ「Possi」を生んだ異業種パパコラボ!
ソニーのクラウドファンディングサイト「First Flight」に登場して話題となっている「Possi」
ブラシ部分が歯に当たっている時だけ骨伝導で音楽が聞こえる歯ブラシで、子どもが嫌がることが多い仕上げ磨きが楽しくなるという、まさに子育て世代にとって夢のようなありがたいアイテムです。
仕上げ磨きで困っていた三児のパパである京セラの稲垣智裕さんがプロジェクトリーダーとなって開発され、現在、商品化に向けたクラウドファンディングの最中であるこのアイテムのもう一つのポイントは、ジャンルの違う企業がコラボして作ったこと。
舞台となったのは、ソニーが行っているスタートアップの創出と事業運営を支援する「Sony Startup Acceleration Program」。稲垣さんはこの話を聞いてPossiの開発に乗り出したのです。確かな技術があるからこそ試作品の製作は比較的スムーズに進んだといいます。とはいえ京セラでは今まで作ったことがない歯ブラシとしてのクオリティを上げるためには、スペシャリストの力が必要でした。
偶然の出会いが生んだ歯ブラシとしての高いクオリティ
西新ぶんか保育園でママさんたちに試作品を試してもらったときに、一緒になって園児たちとはしゃいでいたこの人がもう一人のキーパーソン。ライオンのイノベーションラボに所属する一児のパパ、萩森敬一さん。
偶然、Possiの話を聞きつけ、プロジェクトに参画したといいます。なぜなら、萩森さん自身も仕上げ磨きに苦労した経験があったからです。
―萩森さんも仕上げ磨きには苦労したそうですが、普段はどのように子育てに関わっているんですか?
まず、子どもが生まれて9ヶ月目くらいに1ヶ月間育休を取得しました。その当時男性がとる育休期間としては長い方でしたね。そこで育児の大変さや妻のすごさを実感しましたが、最高に充実した時間でした。そして、自分ひとりで全部できるようになりました。子どもの健診も私一人で行って、先生からの質問に全て簡単に答えられましたしね。
今でも、妻と分担をきっちり決めるのではなく、基本的に、その時出来る方がやる、というスタイルです。保育園の送りはほぼ毎日、妻が仕事で忙しい時は寝かしつけまですべて。朝夜の歯みがきはほぼ毎日私です。私の感覚だと、子どもと一緒の時間を過ごすこと自体がもう育児なんです。一緒に話す、抱っこする、全力でふざける。得意なのは娘を振り回すこと!飛行機、ジェットコースターのように。娘はスリルが好きなようです(笑)子ども番組でやっているダンスも歌も完璧です。
―すごい!萩森さんが目指す父親像ってどんなものですか?
一緒にいることに全力でいられる父親。そのために子どもに寄り添うことを大事にしています。何よりも、私自身が娘といることを幸せに感じ、心から大事な時間と思って接しています。この時間が、いつまで続くのかな・・・と思いつつ。妻よりは厳しいと思います。人に嫌な思いをさせることは絶対に怒ります。叱るときは、一貫して筋を通しているつもりです。もちろん、片手間になってしまったり時には感情的になっちゃうこともありますけどね。
―一方で、妻に対してはどうでしょうか?
大切です。妻が一人で好きなことできる時間をたくさんあげることや毎日絶対に妻も娘も笑わせるようと心掛けています。笑顔のチカラって絶大、そう信じています。あとは、シンプルですが、食事の時にスマホをさわらないこと。これも大事にしている事のひとつですね。
今とっても幸せなのでこのまま続けばいいなと思っています。妻と娘、そして親や兄弟たちが笑っていてくれる、それだけでいいんです。大事な人の笑顔をみるためなら、僕は何でもがんばれる。なので、学生時代から新しい企画をすることが大好きでした。
―そういう萩森さんだからこそPossiのプロジェクトに積極的に関わったということですか?
実は、僕自身も仕上げ磨きを楽しくするためにPossiに近いモノを個人的に作っていたんです。だからこそ、話を聞いた時に「これはいい!絶対にいいものが作れる!」と直感しました。実際、今回のプロジェクトは、開発期間も短く、しかもライオンとしても経験のない異業種のコラボとあって、参画を懸念する声もありましたが、僕としては、このチャンスを逃してなるものか!と頑固に突き通して、できるかできないかの計算なしで「やりたい!ほしい!」気持ちを信じて完全な見切り発車を敢行しました(笑)
試作品の開発が進むと徐々に社内にも理解してくれる人が増えてきて、追い風が吹いてきたんです。結果として、ライオンが培ってきた経験や技術をPossiに注ぎ込むことはできたと思います。
ライオンとしても今までやったことがない挑戦です。目標金額に達成させることだけでなく、他の企業とのオープンイノベーションを成功させることで、エンターテインメントなども含めた新しい分野にライオンの幅を広げていくきっかけになればと思います。
日用品として役に立つのはもちろん、気持ち的なところでワクワクするモノを作っていきたいです。
熱い思いが止まらない萩森さんが加わり、加速を続けるPossi商品化への道。その最大のハードルがクラウドファンディングです。ここで全国のパパやママの支持を得てこそ一つ目のゴールを迎えるわけですが、その行方はいったい。同じパパとして目が離せません。
【文:杉山ジョージ】
1976年生まれ。兼業主夫放送作家。2008年より兼業主夫として2人の娘を育てる。
パパ向け情報アプリ「パパコミ」編集長。
NPO法人ファザーリング・ジャパン会員。秘密結社主夫の友広報担当。
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