oton+to(オトント) > オトンの流儀とか アーティスト編 > 未来の方が上だと思いがちですよね。それよりも今、目の前のことを味わうということの方が大切です。その方が良い未来が来ると思うんです。結果として。武田双雲
未来の方が上だと思いがちですよね。それよりも今、目の前のことを味わうということの方が大切です。その方が良い未来が来ると思うんです。結果として。武田双雲
書道家 神奈川県藤沢市 武田双雲さん
家族構成:妻、息子(小5)、娘(小2)、息子(2歳)
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
―子どもは、親を見ている、そうですよね。
親のリアルをすごく見ていますよ、子どもは。それしか参考になるものがないですから。言葉の選びかた、お金に関する会話、払う時の仕草。ニュースを見た時に発すひとこと。親が子どもにやろうとすることは、子どもにとって100万分の1くらいのたいしたことないことで、大河の一滴ですよね。でも親の仕草を見ることは、その100万倍の影響があると思います。
―親のリアルが大事だと。
はい。僕、いっぱい悩み相談とか受けるんです。でも、みんな自分で勝手に大変にしちゃっていますよね。尊敬している人と暮らしているとすごく楽なんですけど、育て上げなきゃとかちゃんとさせなきゃとか考えていると辛くなりますよね。時間通りに寝てくれないし、時間通りにお風呂に入らないし、お手伝いもそんなにしてくれないし。子どもに期待したら大変ですよ。こうして欲しいとか、ああなって欲しいとか思ったらイライラしますよね。「なんでこれが出来ないの?」とか。今でいいと思うんです。将来立派な大人になって欲しいと思うと、意識が今にいないですよね。どちらかというと今を否定しているというか。
―子どもに期待をしないことですね。
僕は期待を全部捨てて生きているからすごく上機嫌でいることが出来ていると思うんです。期待しないというのはすごく楽です。お店の店員さんにも期待しないし、「ありがとう」も求めないし。自分にも期待しないし、ファンの期待に応えようともしない。ただ、目の前のことをリアルに感じて、感動して伝えていくということに人生を絞っているので。
―双雲さんもそういう環境で育ったんですか?
両親がその瞬間にしか生きていない人だったんです。「すげー、ワオ!」しか言ってませんから(笑)。今でも両親とは、お互いすごく尊敬し合っています。でも「尊敬」って言葉、ちょっと重いなあ。なんていうんでしょう。もっとゆるいんです。「いい感じの関係?」いい感じの空気が流れている、緊張しなくてリラックスして元気になれる関係というか。その感覚を親が僕にぶつけてくれたんです。それで僕も、期待をしない体質になりました。なので、妻だからこうして欲しいとか、子どもだから勉強して欲しいとか一切ないんです。「期待」って期を待っている状態だから、まだ来ないものに意識がいっているんですよね。今にいない。目の前のコップとか、机とか、空気とか、まつ毛とかに意識がないですよね、期待している時点で。期待とのギャップに怒りとか虚しさとか不安がすごく出やすい。でも相当難しいことだと思います。今を意識するということは。僕も意識をしないと、どんどん今にいなくなっちゃいますから。
―書道にそれは表れますか?
書道って飽きないんですよ。ただ筆1本。色は決まっていて、字は画数が決まっている。でも100歳になってもやっている世界なんです。僕はいい線を書こうとかじゃなく、気持ちいいなあ、筆、ありがとう!紙さんありがとう!っていう気持ちで、これがやめられないんです。そこはとても穏やかな時間です。
―サーフィンみたいな。
そうです!限りなくサーフィンに近いです。サーフィンって、海に抵抗しないですよね。海にリスペクトしていますよね。サーファーが海を、自然をリスペクトしながら楽しんでいる感覚が書道にもあるんです。波に乗って、自然と一体になったりが楽しくて、自我が無くなるじゃないですか。あれです。だから僕、書道に対してストレスがないんですよ。よくアーティストの人が壁にぶち当たるとか生まれてこないとかいうじゃないですか。それがなくて。ここに評価軸が入ってくると、「まだまだだな」とかなっちゃって大変だけど、瞬間が楽しい。海も、もう浮いているだけで気持ちいいし、自分がどうとかそういうのがない。
今回の"オトン"なアーティストは、
武田双雲さん
家族構成:妻、息子(小5)、娘(小2)、息子(2歳)
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