oton+to(オトント) > オトンの流儀とか ビジネスマン編 > 「お父さんに言うよ」で揉め事が治まるくらいの親父になりたいです。「親父には言わんといて」ってね(笑)。
「お父さんに言うよ」で揉め事が治まるくらいの親父になりたいです。「親父には言わんといて」ってね(笑)。
人材紹介会社 役員 東京都世田谷区 野澤卓司さん(30歳)
家族構成:妻、息子(1歳)
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
―早いタイミングで?たとえばどんなことをしてあげたい?
まだ絶対出来ないと思うんですけど、立てるようになったらすぐに小さいグローブをわたしてキャッチボールしたいです。私の息子に生まれてよかったと思わせたいんです(笑)。そのためには何をしたらいいかと考えたときに、他の家庭ではまだ子どもにやらせていないこと、まだ出来ないと思われていることを私は息子にやってあげだい。それは息子にとってもうれしいんじゃないのかなと。友達の中で誰よりも先にキャッチボールをしたとか、虫採りに行ったとか、世間で言われる一般の子が遊ぶことを1年前に前倒しでやらせてあげたいんです。
―そういう気持ちは奥様とも共有しているんですか?
そうですね。まずは息子にたっぷりの愛情を注ぐというのが大前提なんですけど、そのためのひとつの手段が前倒し経験なんです。妻とはよくそういう話をします。ただ、基本的に1番子どもと接する時間が長いのは妻なので、息子のことに対して妻の考えが1番優先されるべきだと思っているんです。妻がこうしたいと思う、ということがあったら、それを尊重したうえで私のほうからプラスアルファの意見を言うという形です。
―そこで奥様と意見が食い違うということはないんですか?
正直ほぼないですね。基本的に私が妻の言うことを全肯定するので。妻がまだ意思疎通できない息子と一番身近に接しているので、いろいろなことを感じると思うし、言い方は変かもしれませんが、しんどいと思うんです。そういう妻に対して、何か否定的なことを言うというのはよくないと思うんですよ。特に妻は息子がお腹にいる1年半前に東京に出てきて、周りに知り合いもいない状況の中、本当に一人でよく頑張ってくれているので。だから私は全面的に妻のことを認めたうえで、その上でどうするかというスタンスであるべきだと思うんですよね。だから揉めることはないです。
―すばらしいですね。
あっ、あるとしたら、私の楽観的な言い方ですかね。息子がコンコン咳をして、妻が「病気かな?」って言ったときに、「大丈夫やろ」って私が言うと、「適当に言わないで」って。その程度ですね。
―奥さまは東京に出てくるときとても不安だったのでは?
私には言わなかったですけど、不安だったと思います。初めての土地、初めての妊娠で私は帰宅が遅くなることが多くて、ずっとひとりで過ごしていたことを考えると、私の想像をはるかに超えていたと思います。そんな中、不満を言わずに頑張ってくれたというのは、もう感謝しかないです。そして、夫婦でよく言うんです。「お互い尊重しあって敬意を払うことが大事だよね」って。
―そういうことをしっかり言葉で伝えているんですね。
自分で言うのもなんですが、いい家族だと思います。
―できればもっと旦那さんのどうしようもないとことを訊きたいんですが。
あははは。なるほど。
―ケンカはないんですか?
そうですね、あるかなあ、、、。あっ、ありました。私、野菜があまり好きじゃないんです。食事の時にはいつも「おいしい、ありがとう」って言っているんですけど、野菜が多いときは言わないんですね。それで揉めるというのではないですが、妻に言われることがあります。
―おっ、奥様からはどんなこと言われるんですか?
妻が「なんで何も言わんの?」って。僕が「いや、ごめん。ちょっと野菜が、、、」
―そうすると奥さまは?
「もうお父さんやねんで」と。
―なんだか、愛情ですねえ、、、。
はい。だから私も何も言えなくて。
―野菜は全部食べるんですか?
水で流し込みます(笑)。揚げてたり炒めたりしていたらいいんです。生?とかおひたしの野菜そのものの味が、、、。
―なるほど。では素材の味そのまま
生かさないでもらったほうが、僕にとってはうれしいです(笑)。
―もう野澤さん夫婦は、ケンカとかにならないですね。これだと。
でも、ケンカすることもあるんですよ。ただ、その日のうちに絶対に仲直りするんです。
―ケンカを次の日まで持ち越さない?
はい。どちらかが必ず、その日中に「ごめん」と言います。
―そうすると、お互い「ごめん」を待っている状態のまま翌日に、、、とかは?
いえ。やっぱり妻も私も優しいんですね。傷つけることが苦手というか。だから「ごめん」と早く言ってしまって、楽になりたいという気持ちがあるんです。お互い。
―ちなみに、どういうきっかけでケンカになるんですか?
私がいらんこと言うことがあるんです。例えば何か悩み事をしている時に、「そんなんいちいち悩まんでいいやん、こうしたらいいねん」って言ってしまって、「もっと真剣に考えてよ!」って。まあ、私の思慮に欠けた発言がきっかけですね(苦笑)。
―奥様は、ドラスティックな解決策だけがほしいんじゃなく共感してほしいんですよね。
そうなんですよね。つい、私、白黒ハッキリつけたくなってしまって。
―まだお子さんが小さいので、叱るというのはないと思うんですけど、これからどんなお父さんになりたいですか?
そうですね。私は、親父は厳しくあれと思っているんです。これは妻が思い描いているのとは違うかもしれないんですけど、先ほど、妻が息子と接する時間が一番長いという話をしましたが、これから思春期なんかに入ってくると、しんどい時期っていうのも来ると思うんです。そんな時に、妻が息子に「お父さんに言うよ」と言うことで片付く親父になりたいんです。息子からすると「親父には言わんといて」みたいな(笑)。
―昭和の厳格なお父さんという感じですね。そういうご家庭で育ったんですか?
いえ、私の父は基本的に温和で優しい人です。(笑)
今回の"オトン"なビジネスマンは、
野澤卓司さん
TSグループ(株式会社TS工建・株式会社ティスメ・メディアメイド株式会社) 医療ワーカー メディカル人材バンク兵庫県尼崎市出身。
家族構成:妻、息子(1歳)
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