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お父さんが一生懸命に家事をすれば、娘は将来、絶対に家事をする男と結婚します。これが僕の持論です。
IT企業経営 東京都港区 別所宏恭さん(51歳)
家族構成:妻、娘(9ヶ月)
“オトン”なビジネスマン、第7回は、23歳で起業し1度目の結婚、子どもが生まれてバブル崩壊、借金返済しながらの離婚。その後もさらに様々な経験を積まれて今に至るという別所宏恭さんです。現在は再々婚されて奥様と娘さんの3人家族。様々な失敗談、そこから得たこと、娘が幸せになるために何をすべきかなど、いろいろなお話を伺いました。奥様にはパワーポイントでプレゼンをするそうです。
聞き手:oton+to編集長 布施太朗
―今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。うちでは、奥さんから毎日のように子育てに関する課題図書を渡されたり、セミナーに連れて行かれるんです(笑)。僕、実は25年前に一度子育てをしてるので、変化に驚くことも多いですね。先日も奥さんに行ってみたらって言われて、父親向けのセミナーに行ってきたんですよ。ただ、今回の内容は、僕からすると20年前の話だなあって思ったんです。
―といいますと?
そのセミナーは50歳位の講師だったので奥さんが専業主婦前提みたいな話で。もちろん、専業主婦をせざるを得ない人、したい人もいて、それぞれの価値観なので否定はしませんが、1980年に『クレイマー、クレイマー』という映画が公開されて世界的には決まったんじゃないかって。もうそういうライフスタイルは終りだと。1985年にテレビで放映されたんですけど、それまでの日本人としてのライフスタイル、夫は外で働き稼ぎ、妻は家を守るっていうものはいずれ破綻して多くの離婚を招くだろうって。日本もバブルが崩壊して、その時点で離婚された方って結構多いと思うんですけど、ウチも離婚しましたから(笑)。
僕、23歳で会社作って24歳で結婚して25歳で子どもが生まれたんです。その頃はまだバブルだったからよかったんですけど、バブルが崩壊して借金まみれになっちゃって、それを返済するために仕事を3つ掛け持ちして、もう24時間365日仕事。お客さんのところのソファで寝るっていうのが基本スタイルになっちゃって、その後まもなくして離婚になりました。
―やはり家庭を顧みず的なところで?
確かに、今回の結婚&出産でいろいろ学んで、破水とか…いろいろ詳しくなったので、あの頃は分かっていなかったなと反省した部分もあります。ただ、決定的なのは、その時の妻に自己破産しろって言われたんです。でも借りた金を返すのは当たり前だろ人間として、っていうところが根っこにあって、他にも価値観の違いはあって。そして自分なりに結論を出したんです。選ぶ相手を替えないとダメなんだと。
―選ぶ相手から替える?
はい。旦那だけ変わってもダメ。奥さんも変わらないとダメ。でも人を変えるっていうことは出来ない。それぞれの人の経験からくる価値観というのが定まっているから。だから人は変えられない。だとしたら、人を替えてしまおう、と(笑)。
―それで離婚を?
僕の場合といいますか、奥さん選びを間違えたらアウトです。その時の妻が期待していることと自分の価値観が一致しないとどうしようもない。たとえば、彼女は専業主婦でいたい。だから旦那にはしっかり稼いで欲しい。でも家事は手伝って欲しいと。そういう期待をされていました。その時、僕は提案をしたんです。「家政婦を雇おう」と。でも彼女はダメだと言うんです。家に他人が入ってくるのがイヤだと。
―家政婦を雇うことに違和感を持つ奥様、分かる気もします、、、
家政婦を雇うってことがどういうことかというと、家事労働に対して時間的価値を認めているということです。そこに高いお金を払うというのは素晴らしいことなんです。
―家事労働の時間的価値、なるほど。
家事労働というのは、基本的にはマネジメントなんです。家政婦さんが来ただけでは何もできません。家の中をどういう風にマネジメントするかを考えて、家政婦さんに「あなたはこうやってください」と上司となって指示を出さないといけません。奥様という意味は、そもそも奥にいて使用人に指示を出す人のことです。もともとは大奥から来ているわけですよ。奥にいて家を切り盛りしている支配人ってことですから。
―おおっ、大奥ですか、、、。そして離婚されたあとは?
離婚してから、僕は家政婦を頼んだんです。だからその後の結婚では家政婦問題で揉めることはありませんでした。だって最初からいますから(笑)。
―じゃあ、今もいるんですね、家政婦さん。
今はいないです。なぜかというと、お金がないから(笑)。
―あははは。
今は自分が率先して家事しています。僕が家政婦です(笑)。夜は会合等でできないことも多いので、朝4時半に起きてやっています。食洗機の中の皿をしまって、まだ洗っていないものが残っていたら洗って、洗濯物をたたんで洗濯機をまわして、お風呂を洗って子どもを起こしてお風呂に入れたり、ウンチの始末をしたりして会社に来ます。
あ、ちなみに、僕、すごく鼻がいいんで、子どもが生まれる前はオムツでもウンチだけは交換したくないと思っていたんですが、それをやらないと偽イクメンで真のイクメンとは言わないらしいですよ。ウンチに当たっちゃうと、しまったハズレを引いた!と思いますけどね(笑)。
―朝の家事、ものすごくやっていますね。
バタバタしますが、二人でやっているので楽しいですよ。共働きですしね。実は今、僕よりも奥さんの方が稼ぎがいいんですよ(笑)。
でも、これは家政婦がいないからです。家政婦がいればやらなくていいことはたくさんあります。何をやってほしいか、どうしてほしいかをちゃんと言えば、洗濯、掃除、買い物、クリーニングなんでもやってくれますから。こちらの要求レベルをどこにするかですね。
そういえば、以前、家政婦さんに言われたんです。「分かってますよ。別所さんが神経質だってこと(笑)」。僕、ハウスダストがダメなんです。クシャミが出て止まらなくなるんですよ。だから一人暮らしの女の子の家には泊まれないんです。クシャミが止まらなくて。だいたい一人暮らしの女の子の家っていうのはホコリだらけなんですよ。…えっと、今日はこういう話でいいんでしたっけ?
―まあ、はい(笑)。できれば今日は、お仕事をバリバリやられている方がご家庭やお子さんに対してどういう考えを持っているのかというのを伺いたいです。失敗談も含めてお話いただければ。
失敗ということでいえば、奥さんの選び方ですね。さっき言いましたけど。基本的に奥さんを選ぶときには奥さんの親がどういういう人であるかが重要です。僕は今の奥さんの親が好きで結婚していますから。
―奥さまの親が好きで結婚?
そこがダメだったらダメです。これまで色々な人と付き合ってきましたけど、今の奥さんと結婚したのは、奥さんのことが好きなのは大前提ですが、親がよかったんです。
―どういうところがよかったんですか?
彼女の弟が以前事故で大怪我をしているんですね。その時に加害者がいたかどうかがはっきりしなくて。それに対して彼女の両親は「加害者がいたかどうかが分からなくて良かった」「加害者がいたら恨んでしまっていたから」と言っていて。こんなことを言う人が世の中にいるのか、と思いました。
あとは、お母さんが働いているということですね。親が専業主婦の場合、その娘は専業主婦になりたがるんです。ちなみに息子は、何でもやってもらうのが当たり前の子になってしまうことが多い。そういう男の子はモテないですよ。合コンの時に女の子に向かって「なんでオマエ取り分けないんだよ」って。そんなこと言うヤツは最悪ですよ。そういうのは自分が取り分けないと。僕、おいしいもん取り分けるの上手いんです(笑)。
今回の"オトン"なビジネスマンは、
別所宏恭さん
レッドフォックス株式会社 代表取締役
兵庫県西宮市出身。
家族構成:妻、娘(9ヶ月)
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