家族が幸せになる、お父さんスタイル

oton+to(オトント)

オトント

子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない

oton+to(オトント) > オトンの流儀とか アーティスト編 > 家族の痛みが一番嫌ですね。こんなら自分が痛い方がいいや、って思うぐらい。

落語家 立川志らくさん
オトンの流儀とか
アーティスト編 Vol.17

家族の痛みが一番嫌ですね。こんなら自分が痛い方がいいや、って思うぐらい。

落語家 立川志らくさん

落語家 立川志らくさん

家族構成:妻、娘(6歳、1歳)

【オトンの流儀とか】
今回は、落語家として活躍している立川志らくさんです。年を取ってから授かった6歳と1歳の娘さんたちを溺愛しているそうです。仕事で忙しい中でも、色々なところに連れて行ったりと積極的に子育てをしているのだとか。そして、立川志らくさんの子育てへの向き合い方には親御さんの子育ての仕方が大きく影響しているそうです。とても心温まるお話が聞けました。3回連載です。

聞き手:oton+to編集長 布施太朗

第1回自分の宝物みたいなもんだから。子育ては分担すべきだとかいうそういう義務感でやってるわけではなく。

―よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―今娘さんがお2人いらして、上の子が。

6歳、下の子が1歳とちょっと。

―かなり溺愛されているようだと、いろんなところで拝見するんですけども、普段会う時間はありますか?

朝一緒に起きてるから、朝は必ず一緒ですね。

―朝必ず一緒ですか。テレビのお仕事の時なんかは寝てる間に出かけるとかでなく。

長女を幼稚園に送りに行って、それでテレビ局に行くんです。

―それはもう、志らくさんが必ず送る?

そうです。ええ。

―「恋人ですから」ってコメントされてるのを見たことがあります。やはり恋人ですか?

長女はテレビの仕事をやる前の子どもだったんで、比較的時間があったんですよ。落語だけの生活だったので。月に10日もやれば生活できた。あとは連載の原稿や演劇の脚本を書く時間にあてていたから、長女はずっと一緒にいましたね。もういろんなとこ、遊園地もアンパンマンランドも東京中のあらゆるイオンだとか、ららぽーとだとか近所の公園から何から全部連れてって。お風呂もずっと一緒に入ってたし。長女はもうそのぐらい、ずーっと一緒にいましたよ。

―そうすると、お母さん以上に接してた感じもありますね。

そうですね。だから、ギャーギャー火がついたように泣いちゃった時に母親でも泣き止まない、けど私だと泣き止む。長女はそういう感じでした。だから2人で遊園地とか遊びに行くこともあったし。次女になると今度は私がテレビの仕事が増えて忙しいくなってきたから、当然母親との時間が多いので母親の方に懐いていました。私は朝一緒にいて、夜、寝た時に帰ってきて、夜中ミルクをあげる。夜中になるとミルクをくれるおじさん(笑)。

―夜中になるとミルクをくれるおじさんなんですね(笑)。お父さんではなく。

最近はもう少しものが分かるようになってきたので、それまで母親と一緒に寝てたのを私の横に寝かせるようにして。朝も一緒にお風呂に入ったりとか。そういう時間を増やしていったら、おじさんからパパにに昇格しました。

―それはよかった。

今はたまに昼間に仕事から帰ってきて、夜の仕事がないと大喜びするような、そういう状態ではありますね。

―お仕事が忙しくなってもちゃんと密接に繋がろうっていうような意識を持たれていますか?

意識というか、自分の宝物みたいなもんだから。子育ては分担すべきだとかいうそういう義務感でやってるわけではないです。ペットと一緒にするのはおかしいけども、イヌとかネコを飼うとものすごい大事にするじゃないですか。あれは、妻からイヌを大事にしなさいって言われてるわけじゃないでしょ? 自分が可愛くてしょうがないから。本来そういうもんだと思うんで。自分の子どもだから、大事。だから、こっちがどんなに仕事が立て込んで疲れてても、夜中お腹空いたって泣けばすぐに嫌な顔せずにね、はーいって。妻にお前起きろよ、お前ほら泣いてるぞってことはしない。かみさんから夜はミルクあげてねって言われてるわけではないです。

―言われてるわけではないんですね。

かみさんは眠りが深いけど、私は眠りが浅いからもう娘がワッって言うとハイッと飲ますわけ。あーわかったわかった、ってにこやかにミルクこしらえて。今はもうミルク渡せばそのまま寝ちゃうけど、もっとちっちゃい時2時間置きに起きるから、こっちが11時に寝て1時に起きてそれから抱っこしてミルク飲ませて。でも、ちっちゃいからなかなか飲まない、飲み終わったらゲップさせなくちゃいけない、抱っこしてゲップするまでやって、寝かしてから2時間ぐらい経つとまた起きてって。だから私は夜中2時間ずつしか寝てない。長女も次女もずっとそうですね。それは嫌でもなんでもなく、大事な子どもだからやっているというだけで。どこか遊びに行くのも行きたいからです。

―志らくさんが行きたいから。

そうそう、一緒に行きたいから。ただそれだけのことです。そりゃ芸人としてどうなのかって言われりゃ、ハハハ、決していいとは言えないんだけど。でもそんな芸人の美学よりも自分の大事なものを優先するというだけのこと。

―すごくご自身の感情に素直ですね。

そうです、ものすごく素直です。そりゃもちろん人間だからくたびれて、しんどいと思うことはあるけれども。でも、子どもと一緒にいることはストレスにならない。だから世のお父さんが、 会社で働いてくたびれてんだから子どもなんか連れて行かないよとか、子どもがギャーギャー泣くとうるせえなあとか、私の中では信じられない。

―世の中そっちの方が多い気がしますよね。

どっちが正しい、間違ってるなんてのはおそらくないんだろうけども。私の感覚としては、美味しいものを「ああもう…」って言って食ってるように見えてしまう。

―そういう方を見ると、「いや、これ美味しいよ?」っていうふうに言ってあげたくなったりします?

ま、それは大きなお世話だから。おそらくね、私の仕事柄なんだと思いますよ。好きなことやってる仕事だから。別に額に汗流して真っ黒になりながら働いてるっていう、そういう労働ではないし。好きな落語を喋って、テレビに出るのが面白いから出て、好きなことやってるわけですから。仕事にストレスがないからこっちにあてられる。毎朝通勤ラッシュに揉まれて、その仕事が果たして好きなのかどうかもわからず、生活のためにもう上の人に怒られたり気を使ったり、外回りしたりとか。そんでストレスがあってウチ帰ってきたらのんびりさせてくれよ、ってのはわかります。その違いなのかもしれないですね。

―好きなことをやる。そうかもしれないですね。年配になってペット可愛がられる方も、余裕ができたっていうことでもある、ってことですかね。

だから、芸能・芸術をやってる人が子どもを溺愛するってよくあるんじゃないですか?中には芸術魂が凄まじ過ぎて、子どもなんかも見てらんない、これにもう夢中なんだ!って人もいるかもしれないけど。でも私はもう50半ばで、年取ってからの子どもですから、生活にも仕事にも余裕があるんですよね。私が若い頃とはたぶん違う。だから、年取って子ども作るのも悪くないなっていうことですね。もう生活の心配がない、自分のポジションも余程のことがなければ心配がない。これから芸に関しては円熟期に入ってくだろうし。だから、そういう不安がないからガツガツしてないってことですね。だから子どもにすごくいい条件なんじゃないですか。心配は20代30代のお父さんと違って早く死んでしまう可能性があるから、子どものために元気でいなきゃいけないってことですね。

―そこはやっぱりよく考えられます?

ええ、だから子どもができる前は結構いい加減な生活をしてたし。寝たい時に寝て起きたい時に起きて食いたいもん食って、というような。酒とタバコは甲状腺の病気で10年ぐらい前にやめたんでちょうどよかったんだけども。別に何にも気にせずいたのに、今ものすごく気にしてますね。

立川志らくさん

―まず、なに気にされてるんですか?

食生活。モデルのような生活してますよ。

―例えば?

午前中は果物と味噌汁しか食べない。それとあとサプリメント飲んで、それからブルブルマシーンに乗っかってね。朝から。

―完全なるモデルですね。

そうそう。昼ご飯はテレビ局のお弁当。夜は、家族と一緒の時は楽しく食べないといけないから、普通に食べますけども、野菜から食べるとかね。家族が寝たあとに帰る場合は、かみさんにご飯は炊いとかなくていいよ、おかずだけ置いといてって。それをお茶でいただく。お酒じゃなくてね。食生活はそんな感じですね。

―健全な。

ただ、運動する時間がないから。電車も乗らず、ずっと車移動ですから。この何年か、新幹線以外、電車にも乗っていない。運動不足はものすごく問題ありますね。

―楽屋からスタジオまでとか。徒歩は。

ヘトヘトになります、体力不足で。だから赤ちゃんの乳母車を杖代わりにして歩いてます。

―なるほど。

杖ですね。運動不足ってのはありますね。こればっかりはどうにもならないんですよ。

―今後、運動不足解消にやってみようかなと思うことは?

それでブルブルマシーン(笑)。

―それでブルブルマシーンなんですね(笑)。ブルブルマシーンはどうですか?

とてもいいんじゃないですか、運動にもなるし、ダイエットにもなるだろうし。まあやらないよりやった方がいいだろうというだけのことですね。

―じゃ、ブルブルマシーンはスポーツに対して大きな一歩を踏み出したということですね?

そうですね。ホントはあとウォーキングのヤツも買おうかなと。歩けない分だけ、ウチの中で歩くみたいな。ブルブル震えたあと歩こうかなとか思って。

 

「志らく独り会」

10/18(木)~10/19(金)

19:00開演 全2公演

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

シネマ落語「天国から来たチャンピオン」

新作落語「不幸の伊三郎」

前売4000円 当日4500円 全席指定

問合せ ダニーローズ http://www.shiraku.net/

 

【第2回】に続きます

立川志らくさん

今回の"オトン"なアーティストは、

立川志らくさん

落語家 家族構成:妻、娘(6歳、1歳)

「いいね」いただくと、oton+toの更新情報がFacebookのタイムラインに表示されるようになります
oton+to Facebookページ

oton+to編集長 布施太朗が本を出しました!
書籍のご紹介

祝!第4刷決定!

父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。

布施太朗・著¥1,300(税抜)

いいねいただくと、oton+to更新情報が
Facebookのタイムラインに表示されます